別名は*エリスリトール* エリトロースの還元基に水素を付けて糖アルコールにしたもの。 甘味度は0.7とグルコースと同程度だがフルクトースに似た先立ちの早く後切れの良い甘味を持つ。 しかし弱いエグ味と、高濃度では{収斂味|しゅうれんみ}も持つ。 この異味はキシリトールと合わせることで低減できるらしい[^with-xylitol]。 [^with-xylitol]: [冷涼感の付与 | 研究開発サイト|物産フードサイエンス](https://rd.bfsci.co.jp/spec/4849/) 野菜やビタミンの苦味をなくさせられる。 野菜ジュースに0.5-1%加えることで青臭さを抑えられる[^3]。 [^3]: [エリスリトール](https://www.jstage.jst.go.jp/article/oleoscience/13/9/13_423/_article/-char/ja/) 浸透圧が高い。 キシリトールのように抗う蝕性で、虫歯にならない上に連鎖球菌に対して抗菌作用がある。 キシロース・キシリトールと異なり下痢を起こさず、温度による甘味度の変化もない。 ヒトにおいては小腸で穏やかに約90%吸収され残りの約10%は大腸で発酵される。 小腸から吸収されたものはほとんどは代謝されることなく排泄される。 一部はヒドロキシルラジカルを捕捉し**エリトロース**となる (エリトロースの代謝経路は不明)。 熱量は0.24kcal/g。 ヒドロキシルラジカルを捕捉する抗酸化作用がある[^1]。 [^1]: [Erythritol is a sweet antioxidant - PubMed](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19632091/) 非アルコール性脂肪性肝疾患を改善する[^nrf2]。 [^nrf2]: [Erythritol Improves Nonalcoholic Fatty Liver Disease by Activating Nrf2 Antioxidant Capacity - PubMed](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34719928/) 2型糖尿病患者の血管内皮機能を改善する。 小血管の機能を急速に改善し、慢性摂取で更に中央大動脈の硬直を軽減した(n = 24)[^2]。 [^2]: [Effects of erythritol on endothelial function in patients with type 2 diabetes mellitus: a pilot study - PubMed](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24366423/) キイロショウジョウバエ(コバエ)やヒアリが食べると死ぬ。 なので安全な害虫駆除薬としても使える。 ## 料理 癖があり失敗してまずくなることもあるので上級者向け。 基本的に主要な甘味にすることはない。 他の味に影響を与える。 他の味をシャープにする感じがある。 塩味を強調する。 この効果はトレハロースより強いと思う。 甘いものよりは甘じょっぱいもの(てりやきソースなど)に向いている。 それでも甘味のすべてをまかなうことはなく、補助的に使う。 ## 関連リンク - [エリトリトール - ナムウィキ](https://ja.namu.wiki/w/%EC%97%90%EB%A6%AC%ED%8A%B8%EB%A6%AC%ED%86%A8) - [エリスリトール](https://www.jstage.jst.go.jp/article/oleoscience/13/9/13_423/_article/-char/ja/) - [塩味・辛味・酸味増強 | 研究開発サイト|物産フードサイエンス](https://rd.bfsci.co.jp/spec/2400/) - [エリスリトール | 研究開発サイト|物産フードサイエンス](https://rd.bfsci.co.jp/product/erythritol/) - [糖アルコール物性表一覧 | 研究開発サイト|物産フードサイエンス](https://rd.bfsci.co.jp/spec/2388/)