こんにちは。私は宮澤ブルー。
様々な作品が生まれる昨今のカルチャー業界ですが、最近では動物や機械が擬人化されたアニメやゲームの人気が著しいですね。
特に、社会現象ともいえる人気を巻き起こした「けものフレンズ」や「艦隊これくしょん」などが、現代の擬人化アニメの代表的存在といえるのではないでしょうか。
えー、何か、それで、えーと…
もう何か面倒くさいので単刀直入に自分の推したい名作擬人化アニメを紹介しますね。
2017年で原作第1巻から72年の歴史を誇るトーマス。
子供向けアニメと侮ることなかれ。普通に面白いんだよ。
たぶんこの文章で知識を身につけてもう一度トーマスを見れば10人中15人がトーマスを好きになります。
つーわけだ。読め。
ここは自分の気持ちなので飛ばしてもいいよ。
今や自分を代償する色となっているブルー。実はこの色、トーマスと深いかかわりがあります。
トーマス達の鉄道ではたくさんの機関車が活躍していて、それぞれ違った色に塗られています[1]。主人公のトーマスの色は明るい青で、機関車達の中でもトーマスは自分の色は特別と思う気持ちが強いです。
そんなトーマスを見て自分は青色が好きになり、さらに自分のアイデンティティを大切にしようと思うようになりました。大学に入る前、自分の好きなブルーを自分のアイデンティティとして推していこうと決め、そういうわけで自分のハンドルネームは宮澤ブルーなのです。
嘘です。青が好きなのは京浜東北線のせいだし、名前をブルーにしようと思ったのは超サイヤ人ブルーの影響です。
初期にたまにあるホラー回[1]を平然と見れるぐらいには昔から見慣れています。本当は初めて見たとき物心がついてなかっただけ。
たぶん「おい擬人化アニメとかいうから美少女やら美男子やら出てくると思ったら人面機関車じゃねぇか」って言い出す人がいると思いますが、命のない鉄道車両に意志を宿すというのは、他の擬人化アニメやゲームと同じで立派なキャラ作りであり、擬人化なのです。
となると「生きてるパンを作ろう」とか言ってるジャムおじさんは擬人化キャラクリエイターとなります。
これを一番語りたいんです。
まず、きかんしゃトーマスの舞台となっているのは「ソドー島」という島。地図を見るとソドー島はイギリスの離島であり、イギリス本島の北東側にあって本島とは橋で線路が繋がっています。また地形や気候といった地理学的要素も細かく設定されており、島全体にイギリスの名所を集めたような感じです。
鉄道もトーマスの所属するノーザン・アイランド鉄道の他、番外編に登場する様々な鉄道が存在しており、さらにそれぞれの路線にイギリスの鉄道にモデルが存在しています。たまに現実世界の機関車が殴り込んだりしてくる[1]。
作品中で起こる出来事や事故は、これまたイギリスなどで実際に起きた鉄道関連の出来事がネタにされており、実際にトンネルに置き去りにされたり[1]、
穴に落ちたり[2]した機関車もいたようです。
機関車の早とちりで列車に乗る売店のおばさんを駅に置き去りにした話は、作者が車掌のボランティアをしていたときに早とちりして同じようなことをしたのが元ネタ。
あろうことか何とトーマス達それぞれの機関車にまでモデルとなる車両が設定されており、例えばゴードンはLNERのA1/A3型蒸気機関車。海外の車両なんか知らん。
さらにトーマス達は鉄道車両のモデルとは別に、キャラ付けの段階でモデルとされた人物もいます。例えばゴードンは作者の家の近所に住んでいたガキ大将の名前だそう。
ただ機関車が事故って怒られて成長していくアニメではないのです。その証拠にほとんどの機関車は成長しない。
それはさておき、体を張って仲間の機関車を守るアクション、知らない場所に冒険に出るアドベンチャー、ちょっとほっこりする話、どこかに眠っている伝説の機関車を捜索するドキュメンタリー、事故を起こした犯人を突き止めるサスペンス、不思議な出来事の原因を探るミステリー、ただ怖いだけのホラー回と様々なジャンルの要素を含んだきかんしゃトーマスはよりどりみどりなのです。
大半の回で現実離れした事故が起きる[1]し、イギリス流のブラックジョークが炸裂する回もあるのでギャグとしても見れる。
ゴードン「(偉大な自分と比べれば)お前なんて窓に浮かぶ風船玉さ」
パーシー「風船?お空は空っぽだよ」
ジェームス「お前の頭と同じだなwwwww」
ゴードン最大の事故話『ゴードンのまど』より。眺めの悪い駅でゴードンが窓を(力づくで)作る話。
これはアニメに関して言えることですが、とにかく模型を駆使した撮影が凄いんです。事故を起こして脱線したり海に落ちたり、貨車を破壊して弾き飛ばすシーンなんかもう素晴らしい。
特に鉄道模型をやってる人が一番わかってくれるんですが、あとはキャラクターのフィギュアやらプラモやらを持ってる人達があれを見ると、あそこまで模型を雑に扱っていいのかと心配になるほど激しいアクションシーンです。
最近きかんしゃトーマスはCGアニメ作品になったようですが、模型独特の味のある映像が見れなくなった代わりに、表現の幅は広がりましたね。
これはアニメ版どころかフジテレビで放送された話に限られた話になってくるのですが、もう今じゃ大御所になっているような声優達の出演が見られるんですよ。
例えば第1期から第7期に渡ってバスのバーティーやオリバー、駅員やらいろいろ演じている緑川光さん。初期の話ではやたら高い声を出していますが、例えばオリバーなんかは回を追うごとにどんどん声が渋くなっていきます。バーティーは高いままなので一見同じ声優とは思えず、声の使い分けの凄さを思い知らされます。ちなみになぜか緑川さんが演じるトーマスのキャラは顔が残念なやつが多い[1]。
他にもヘンリーは西の高校生探偵やベジータでおなじみの堀川りょうさん、ゴードンはラオウなどのキャラを演じる内海賢二さん、ジェームスは島村ジョーや大鷲の健の森功至さんなど、本当に名声優が多いのです。時期が近いからかドラゴンボールとの声優被りが多く、魔人ブウ(塩屋浩三さん)とミスターサタン(郷里大輔さん)の絡みが結構見れます。
スターフォックス「こりゃあうまいココアだぜぇ!!!」
初期の脇役はほとんど魔人ブウとスターフォックスが演じています。乗務員はほとんどのび太の先生です。
残念ながらオタク向け作品ではないので、声優の使い回しが結構多いです。
現在では声優はほぼ全員変更されており、過去の作品の再放送でもないと旧キャストの声を聞くことはできません。
トーマスの世界を印象づけるのが、キャラクターと同じく模型で作られた背景。ただの背景と思うことなかれ、トーマスの世界では美しい風景が話の主題であることも多いのです。山々の豊かな自然、爽やかな空、のどかな川辺、活気溢れる港町、神秘的な雪景色…一度行ってみたい、と思う人もきっといるはず。
模型で作られた美しい風景と合わせ、きかんしゃトーマスで注目できるのがBGM。キャラごとに専用BGMがあり、更に様々なアレンジで話の展開やキャラクターの感情を引き立てます。
BGMのメロディに歌詞をつけたキャラソングも多数存在しています。
また、音楽ではないですがキャラクターの個性を際立たせるのが彼らの汽笛。機関車達が汽笛で感情表現したりコミニュケーションをとる場面もあり、音色も音階も様々な汽笛がストーリーに花を添えます。たまに汽笛の音が間違っていたり途中で変わったりする機関車もいます。
さて、この時期にトーマスについて語りたい理由はトーマスとクリスマスに深い関わりがあるからです。
単刀直入に言うと、トーマスはクリスマスプレゼントなのです。
元々きかんしゃトーマスとして知られている作品は、イギリスのオードリー牧師が息子のために書いた絵本が元ネタでした。それを奥さんが勝手に出版社に持ち込み『汽車のえほん』として発売されたのが大ヒットの始まり。
これが後の第1巻『三台の機関車』ですが、恐ろしいことにトーマスは登場していませんでした。
ノリで第2巻が発売されることになりましたが、配役に困ったオードリー牧師。そのとき、牧師の息子はクリスマスプレゼントにもらったおもちゃの機関車を持ち出して「この機関車を出してよ!名前はトーマス」と提案。牧師はそれを聞いてトーマスを新たな主人公に据えた『機関車トーマス』が発売されるとこれが大ヒット[1]。
世界中の子供に愛される機関車のキャラクターを作ったのは子供でした。
そういうわけで元はクリスマスプレゼントのおもちゃだったトーマスだけは誕生日が12月25日と設定されています。
またトーマスは各シリーズの最終話にクリスマスが主題の回を持ってくることも多く、数多くのクリスマススペシャルとも言える作品が存在します。だいたい雪との闘い。
まさか原作を買いに行くとは思いませんので、ニコニコ動画やYouTubeで視聴できてしまうアニメの面白い回について。
『おんぼろエドワード』
アクション回の定番。無人のまま走り出してしまうジェームスをエドワードが助けに行く話なのですが、あの並走バトルは凄いぞ。ジェームスを止めるのもかなり力技で圧巻。あと無駄にエドワードが馬鹿にされる回です。
『オリバーのだっしゅつ』
宮澤ブルーの最も好きなアドベンチャー回。蒸気機関車のいない別の鉄道にやってきたダグラスはスクラップの機関車オリバーと出会い、事情を聞いたダグラスはオリバーの脱出を手助けします。勝手にスクラップを盗むな。
トーマス史上最もかっこいいBGMが流れる神回でもありますが、そのメロディはレイダースマーチそっくり。
『トビーとこひつじ』
ほっこり回の代表。雪の中に取り残された牧場の母ひつじをトビーが助けに行きます。トビーが主役の回はほっこりする話が多く、トビーの初登場回『ハットきょう』もなかなか感動する話。
また作中トビーが古い橋を渡るシーンがありますが、トビーと危険な橋の絡みについては『トビーのつなわたり』『ながされたトビー』に引き続き3回目。だいたいタイトルでどんな話かわかる。
『ねむりひめをさがせ』
トーマス一番のドキュメンタリー回。ソドー島のどこかに眠っている機関車を探検隊が探しに行く…という話をトーマスがする話。一話前の『ガミガミじいさん』という話とセットで、一緒に見るとなお良い。ねむりひめとは言いますが、その機関車はただのおじいちゃんです。
『バイバイ ジョージ!』
線路を壊そうとするロードローラーのジョージのせいで機関車が理不尽に事故を起こす話。ロードローラーだーッ。たぶんアニメ中で最も貨車が飛びます。
『きりのなかのできごと』
ほっこり要素も少し含んだミステリー回。幽霊が出ると言われた路線で、ヘンリーは誰もいないのに明かりが灯る廃駅を目撃。謎は最後で解けますが、そこまでに踏切を突き破ったり谷に落ちたりとサラッと大事故を起こす回。
『まんげつのよるのできごと』
ネタなしのマジで怖いホラー回。満月の夜にトイレに行けなくなります。超常現象が起きますがその解説は一切無し。
『フライングキッパー』
ニコニコ動画で愛される究極のネタ回。こりゃあうまいココアだぜぇ!!!の一言にすべてが詰まっている。ココアと発言すると事故や災害が起きる呪いがトーマスの世界にあるらしい。ドンガラガッシャーン。
『いわのボルダー』
たぶんきかんしゃトーマスの中で最もわけのわからない話。機関車がインディ・ジョーンズもビックリの巨大な岩に追いかけ回されるだけの内容。
トーマスがメインキャラとして活躍している話がひとつもないのはご愛敬。
原作の汽車のえほんは絵師の交代が激しく、初代の絵師がいなかったことにされたり、後から描き直されて絵が3→2→1巻の順で上手くなったり、絵が下手[1]なことを作者に馬鹿にされて二代目の絵師がやめたりしている。
途中で誤字に気づきました?
「代表」を「代償」と言い間違えるのは『みんなのだいひょう』という話のネタで、初めて聞いた言葉を正しく使えない機関車達が微笑ましいです。
「代表はトップハム・ハット卿と話し合わなければならない」として、代表をみんなで押し付け合うのは機関車の世界でも企画の世界でも変わらないらしい。
ハット卿「ブルー、どうしてアドベントカレンダーを早く書かなかったんだ。お前のせいでアドカレに混乱と遅れが生じているぞ」
宮澤ブルー「はぁい、すいませんでした」
というわけで…遅れてすみませんでした。遅れた分内容もりもり盛りだくさん(のつもり)でお送りしました。
こんなこともあろうかとトーマスには『おくれるのもわるくない』という話が存在します。遅刻したときに教授に見せてあげてください。
明日は我がサークル唯一のインカレメンバーである松井くんです。
おい16日空いてんぞだれかもう一回書けよ