遊戯王のルールは一見カンタンだが、厳密にやろうとすると複雑である。
今回はまず、フローチャートを用いてバトルフェイズ中の流れを確認したのち、バトルフェイズ中に発動できる二つの効果を持つ、ジュラゲドの効果と照らし合わせて確認していこう。
まずはデュエルの流れをざっくりと見てみよう。
図のように4つのステップに分かれており、ダメージステップの後再びバトルステップに戻る。
エンドステップに移行した後に再びバトルステップに戻れないので注意が必要だ。
剣闘獣の戦闘後の効果は、そのエンドステップに発動するので、新たに特殊召喚された剣闘獣はそのバトルフェイズ中には攻撃できないのである。
まずはスタートステップを見ていこう。
スタートステップではまずバトルフェイズ開始宣言を行う。
メインフェイズ終了時にはバトルフェイズに移行するかエンドフェイズに移行するか宣言する必要がないので、ここで初めてバトルフェイズへの移行を宣言するのである。
開始宣言の後、お互いバトルフェイズ開始時に発動出来る誘発効果やフリーチェーンのカードを発動出来る。
まだ攻撃宣言を行えないので、威嚇する咆哮などはここが発動チャンスである。
さて、ここで効果の発動を処理する、チェーンの処理を見ていこう。
チェーンとは複数の効果が発動したときに円滑に処理を進める仕組みである。
図のように発動した効果は順次チェーンとしてスタックに積まれ、処理時には逆順に取り出される。
そのため、例えば魔法カードを発動した直後にその魔法を無効化する効果が発動された場合、先に無効化する効果を処理し、魔法の効果は無効となる。
一度のチェーンに上限はない。
続いてバトルステップを見ていこう。
ここではターンプレイヤーが攻撃宣言を行うか、カードの発動を行う、またはエンドステップに移行する。
攻撃宣言時にはチェーンを一度だけ組む事ができる。
攻撃宣言時に発動出来るを効果はこのタイミングでしか発動出来ないので、攻撃宣言後のチェーン処理が終わったあとに改めて攻撃宣言時に発動出来るカードを発動することはできない。
また、攻撃宣言後のカードの発動はターンプレイヤーが先に行える。
このときダメージステップに移行するまでの間に、攻撃された側のモンスターの数が一時的にでも増減した場合、再び攻撃対象の選択に戻る。
この場合その攻撃を取り止めることも可能である。
ただし、そのモンスターはそのターン中はもう攻撃できない。
これがバトルステップの巻き戻しである。
ダメージステップ中にモンスターの数が増減しても巻き戻しは行われない。
無事に攻撃宣言及びその後のチェーン処理が終了したら、ダメージステップへ移行する。
また、攻撃が全て終わったり、攻撃可能なモンスターが残ってる場合でも、エンドステップに移行することができる。
ただし、お互い発動したい効果が無いか確認はする必要はある。
お互い何もなければエンドステップに移行する。
また、一度も攻撃せずにエンドステップに移行することも可能である。
続いてダメージステップだ。
このステップはさらに5つのタイミングに分かれている。
このステップの間は攻撃力守備力を増減させる効果と、発動を無効化する効果、そしてダメージステップ中に発動出来る効果(ダメージステップ開始時に発動する、や戦闘後に発動する、など)しか発動出来ない。
そのためこのステップに発動できないカードは予めバトルステップで発動しておく必要がある。
なお、攻撃力守備力を増減させる効果はダメージ計算時以降は発動出来ない。
ダメージステップ開始時とダメージ計算前に大きな違いはない。
ダメージ計算前は裏側守備表示のモンスターをリバースする事が差異である。
どちらのフェイズでも何度でもチェーンを組める。
なお、まだリバースモンスターの効果は発動しない。
文字通りここでダメージ計算を行うが、その前に一度だけ「ダメージ計算時に発動できる効果」の発動が出来る。
その処理が終わったのち、誘発条件などが条件を満たした場合新たなチェーンが発動し、処理される。
それらがすべて解決したらようやくダメージ計算が行われる。
ここでライフへのダメージの処理は行われるが、モンスターの破壊はまだ行われない。
なお、このステップ以降攻撃力守備力を増減させる効果は発動できない。
まず「ダメージ計算後に発動する効果」や「リバースモンスターの効果」がチェーンを組んで処理される。
それらはすべて同一チェーン上で処理される。
その処理が解決するとダメージ計算後が終了するが、ダメージ計算後の間に条件を満たした効果が新たに発生した場合、ダメージ計算後とダメージステップ終了時の間に処理が行われる。
まずモンスターの破壊が処理される。
ペンデュラムモンスターの場合は墓地の代わりにエクストラデッキに送られる。
その後で戦闘破壊された場合の効果が発動される。
この時一度にそれらの処理を行い、その後に改めてダメージステップに発動できる効果を発動する機会が与えられる。
これでダメージステップの処理は終わりである。
この後再びバトルステップに戻り、バトルフェイズが続行される。
全てのバトルが終わったのち、エンドステップに移行する。
エンドステップから再びバトルステップには戻れないので、前述のようにこのタイミングでモンスターが新たに表れても攻撃は出来ない。
また、エンドステップが終われば今度はメインフェイズ2に移行する。
次の戦いに備えよう。
さて、ようやくジュラゲドの登場である。
ジュラゲドは2つの効果を持つ。
概略は以下のようなものである。
①自分相手のバトルステップに出来、手札の自信を特殊召喚する効果。
②自身をリリース(自身を墓地に送り、フィールドから離す)し、モンスターの攻撃力を増加させ、相手ターンでも発動できる効果。
①の方は非常にわかりやすい。
バトルステップならいつでもいいのだ。
つまり攻撃宣言時に発動してもいいし、攻撃宣言が終わった後でもいい。
ただし、相手バトルフェイズのバトルステップ中にジュラゲドを特殊召喚する場合、バトルステップの巻き戻しに注意である。
②のように「相手ターンにも発動できる」と記述されている効果は、相手ターンどころか自身のターンでもダメージステップ以外、いつでも自由に発動できる。
さらにジュラゲドのこの効果の場合、攻撃力を増減させる効果も持っているので、ダメージステップ開始時から、ダメージ計算前でも発動できることになる。
②は自身をフィールドから離す効果も持ち合わせているが、ダメージステップ中に発動させることで、戦闘を強制的に終了させるというあまり見ない処理を行うこともできる。
まとめると、ジュラゲドの①の効果はバトルステップで発動でき、②の効果はダメージ計算時、ダメージ計算後、ダメージステップ終了時以外に発動できるのである。
厳密にお互いに全ての処理タイミングの確認をとるのは時間がかかるうえ、あまり楽しいものでもないので、ある程度は処理の確認を簡略化して進行したほうがいいだろう。
だが今一度、自身が使用するカードだけでも発動タイミングや処理を確認してみてはいかがだろうか。