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確率変数の和の分布

tags: probability-theory

二つの確率変数

2つの確率変数

X,Yが互いに独立にそれぞれ
FX
FY
に従っているとする。このとき
X
Y
の和
Z=X+Y
が従う確率分布は、それぞれの確率分布の畳み込みで得られる。

累積分布関数は次のように導かれる。

FZ(z)=x+y=zFX(x)FY(y)=u=FX(u)FY(zu)=u=FX(zu)FY(u)

確率分布が確率関数を持つ場合は

pZ(z)=x+y=zpX(x)pY(y)=u=pX(u)pY(zu)=u=pX(zu)pY(u)

確率分布が確率密度関数を持つ場合は

fZ(z)=x+y=zfX(x)fY(y)=u=fX(u)fY(zu)du=u=fX(zu)fY(u)du

となる。これらの計算はラプラス変換やフーリエ変換における畳み込みと同じであり、確率論でも畳み込みと呼ぶ。

モーメント母関数

互いに独立な2つの確率変数

X,
Y
がそれぞれ確率密度関数
fX(x)
fY(y)
を持ち、モーメント母関数
MX(t)
MY(t)
を持つとする。この2つの確率変数の和
Z=X+Y
の確率分布
FZ
は、上で導いた
fZ(z)
を確率密度関数に持つ。和の分布
FZ
がモーメント母関数
MZ(t)
を持つ時は、それぞれのモーメント母関数の変数を共通にした時の積に等しい。

MZ(t)=E[etZ]=etzfZ(z)dz=et(u+(zu))fX(u)fY(zu)dzdu=et(x+y)fX(x)fY(y)|xxyxx(x+y)y(x+y)|dxdy=etxfX(x)dx×etyfY(y)dy=MX(t)MY(t)

途中で変数変換

x=u,y=zu
を用いた。