probability-theory
確率とは、事象が起こる確らしさを表す数字である。
数式で表すと、次の通り。
3つ目は2通りある。
または
両者の違いは、加法族の有限加法性と可算加法性の違いに由来する。
ある事象が起こらない確率は、からその事象が起こる確率を引いて求められる。
これは、余事象が事象の全事象からの補集合
であり、
および
が成り立つことと、全事象の確率がであるという確率の公理と、互いに素な事象のいずれかが起こる確率はそれぞれの確率の和に等しいという確率の公理から、
が成り立つことによる。
二つの事象が同時に起こる確率を同時確率という。
二つの事象が同時に起こる、という表現に引っかかりを感じるなら、起こる事象が事象の条件と事象の条件を
のように同時に満たす時に、その事象が起こる確率
を同時確率といい、と記すと理解しても良い。
二つの事象, の積集合に相当する事象は、次のように、補集合を用いても定まる。
これはド・モルガンの法則の一つである。
二つの事象, の少なくともいずれか片方が起こる確率は、確率の和から、とが同時に起こる確率を引いて求められる。
二つの事象, の少なくともいずれか片方が起こる確率は、一般化にはそれぞれの確率の和にはならない。それぞれの和になるためには、事象とが互いに素な場合でなければならないことは、確率の公理である。そして、互いに素であれば、同時確率はとなる。
複数の事象を考えているとき、その中の一つの事象の確率を特に、周辺確率という。
単に、事象の確率のことである。
ある事象が起こるという条件の下で、別の事象も起こる確率を、を条件としたときのの条件付き確率という。条件付き確率は、次のように定める。
二つの事象,が同時に起こる確率を、条件とする事象の周辺確率で割った値が、条件付き確率である。
2つの事象が同時に起こる確率は、それぞれが個別に起こる確率(周辺確率)の積ではなく、2つの事象の積集合に等しい事象が起こる確率である。積集合が起こる確率は、一方の事象を所与とした場合のもう一方の事象の条件付き確率と、最初に所与とした事象の周辺確率の積となる。
所与とする事象を逆にしても同じ同時確率を得る。
二つの事象, を考える。条件付き確率と周辺確率、が与えられたとき、を条件としたの条件付き確率を次のように計算できる。
条件と結果を逆にした条件付き確率を逆確率ということもある。
事象列 を標本空間の被覆とする。また別の事象を考える。このとき、次の定理が成り立つ。