多項分布

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3種類以上の互いに素な事象が、それぞれの事象ごとに定められた確率によって生じる場合の、確率モデル。ベルヌーイ試行の互いに独立な

n回の繰り返しの中の、片方の事象の発生回数が二項分布に従うのと同様に、多項試行の互いに独立な
n
回の繰り返しの中の、それぞれの発生回数の組が従う確率分布である。

多項試行

ベルヌーイ試行が2種類の互いに素な事象の観測モデルであったのに対して、多項試行は3種類以上の互いに素な事象の観測モデルである。

Xp(x)=px(1p)1x

ベルヌーイ試行を次のように表現する。

(X1,X2)p(x)=p1x1p2x2
ただし確率はそれぞれ非負で和が
1

p1+p2=1,p1,p20

また確率変数はいずれか一つが
1
、もう一方が
0

X1+X2=1,X1,X2{0,1}

である。これを
m
状態に拡張すると
(X1,X2,,Xm)p(x1,x2,,xm)=p1x1p2x2pmxm

となる。ただし確率は総和が
1

j=1mpj=1,p1,,pm0

であり、確率変数もいずれか一つが
1
、残りはすべて
0

j=1mXj=1,X1,,Xm{0,1}

である。

確率ベクトル

(X1,X2,,Xm)Multinomial(p1,p2,,pm;n)

確率関数

p(x1,x2,,xm)=(nx1x2xm1xm)p1x1p2x2pm1xm1pmxm

多項係数

(nx1x2xm1xm)=nCx1×nx1Cx2××nj=1m2xjCxm1×nj=1m1xjCxm=n!x1!x2!xm!

平均ベクトル

E[(X1,X2,,Xm)]=(np1,np2,,npm)

分散共分散行列

V[(X1,X2,,Xm)]=(np1(1p1)np1p2np1pmnp2p1np2(1p2)np2pmnpmp1npmp2npm(1pm))