正規試行

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中心極限定理の終着点

確率変数の列

X1,X2,,Xn, を考える。すべての変数は互いに独立に同一の分布
F
に従う。
F
の平均を
μ
F
の分散を
σ2
とする。

さて、確率変数列の先頭の

n項の和を
Sn
とする。
Sn=X1+X2++Xn=i=1nXi

大数の法則から

Xn=Sn/n=1ni=1nXi
n
の極限で、
μ
に確率収束する。同様に
Xnμ
0
に確率収束する。

中心極限定理は、

n(Xnμ)
n
の極限で正規分布
N(0,σ2)
に従うための条件を与える。

Snの期待値と分散を求めておく。
E[Sn]=E[i=1nXi]=i=1nE[Xi]=i=1nμ=nμV[Sn]=V[i=1nXi]=i=1nV[Xi]=i=1nσ2=nσ2

この結果を元に、
Sn
を標準化する。
Zn=Snnμnσ2

また中心極限定理は、

Znが従う確率分布が
n
の極限で標準正規分布
N(0,1)
に収束するための条件を与える。中心極限定理の条件の下で
Sn
が従う確率分布は、
n
の極限で正規分布
N(nμ,nσ2)
に従う。

計測誤差の分布

真値が

μの量を複数回、繰り返し計測する時の計測値を
X1,X2,,Xn,
と置く。これらは互いに独立に平均
μ
、分散
σ2
の正規分布
N(μ,σ2)
に従う。

ホワイトノイズの分布

テレビは受け取った動画像を走査線に沿って表示する。テレビ放送が放送されていな時間帯にテレビをつけると、何も受像していないので、走査線に沿って雑音が表示される。これれらの表示された雑音は正規分布に従っている。