# 集合論2 ###### tags: `probability-theory` ## 集合 以下、$x$は実数の値を取るものとする。集合とは範囲、または範囲の集まりである。 $$ A = \left\{x;a<x\leq b\right\} $$ $$ B = \left\{x;a<x\leq b \mbox{ or } c<x\leq d\right\} $$ $$ C = \left\{x;a<x\leq b \mbox{ and } c<x\leq d\right\} $$ 集合を大文字のアルファベットで記し、中括弧の中に範囲を記して定義する。範囲は等式あるいは不等式で表されるとする。 ## 集合の四則演算 二つの集合$A, B$を考える。 $$ A = \left\{x;a<x\leq b\right\}, \,\, B = \left\{x;c<x\leq d\right\} $$ ### 集合の加算 $$ A \cup B = \left\{x;a<x\leq b \mbox{ or } c<x\leq d\right\} $$ ### 集合の積算 $$ A \cap B = \left\{x;a<x\leq b \mbox{ and } c<x\leq d\right\} $$ ### 集合の減算 $$ A \backslash B = \left\{x;a<x\leq b\right\} \cap \left\{x; x\leq \mbox{ or } d < x \right\} $$ ### 集合の除算 なし。 ## 部分集合 ある集合の、一部の範囲のみからなる集合を、部分集合という。たとえば $$ A = \left\{x;a<x\leq b\right\}, \,\, B = \left\{x;c<x\leq d\right\} $$ で、$a\leq c$かつ$d\leq b$のとき、集合$B$は集合$A$の部分集合であるといい $$ B \subseteq A $$ と記す。さらに$a<c$または$d<b$のとき、$B$は$A$と一致しないので $$ B \subset A $$ と記す。 ## 補集合 $B$の補集合とは、集合$A$の要素のうち、$B$に含まれない範囲からなる部分集合である。 $$ B^c = \left\{c;a<x\leq c \mbox{ or } b<x\leq d\right\} $$ 補集合は$B^c$、$B^C$、$\overline{B}$などと記す。 ### 部分集合族 集合$A$の部分集合はたくさんある考える。 $$ A_1 = \left\{x; a_1<x\leq b_1\right\}, A_2 = \left\{x;a_2<x \leq b_2\right\}, A_3 = \left\{x;a_3<x\leq b_3\right\} $$ これらは $a_1, a_2, a_c \geq a$ かつ $b_1, b_2, b_c \leq b$であればすべて、$A$の部分集合である。このとき、これらの部分集合を要素にもつ集合 $$ \mathcal{A} = \left\{A_1, A_2, A_3\right\} $$ を部分集合族という。 ### 加法族 集合$A$の部分集合族$\mathcal{A}$が、性質 $$ \forall i\neq j, A_i\cup A_j \in \mathcal{A} $$ を満たすとき、部分集合族$\mathcal{A}$には加法性が成り立つという。また、加法性が成り立つ集合族を加法族という。 加法族はさらに、任意の添え字列 $i_1, i_2, \ldots, i_n, \ldots$ に対して、有限回の加法性 $$ \forall n<\infty, \bigcup_{j=1}^n A_{i_j} \in \mathcal{A} $$ のみが成り立つ有限加法族と、加算無限回の加法性 $$ \lim_{n\rightarrow\infty} \bigcup_{j=1}^n A_{i_j} \in \mathcal{A} $$ も成り立つ加算加法族がある。 加法族が部分集合族である必要はないが、確率論ではそれ以外の一般の集合族が登場しないので、このように説明した。 ### 加法族の性質 $\mathcal{A}$を加法族とする。このとき $$ \forall i, {A_i}^c \in \mathcal{A} $$ や $$ \forall i\neq j, A_i\cap A_j \in \mathcal{A} $$ が示せる。 ## 集合論と確率論 確率論では、確率を評価できるすべての事象は、標本空間$\mathcal{X}$の部分集合である、と定める。そして、確率論における確率の加法法則は、個々の確率の和ではなく、対応するそれぞれの事象の和集合の確率となる。 $$ Pr\left[A_1\mbox{または}A_2\right] = Pr\left[A_1\cup A_2\right] \not\equiv Pr\left[A_1\right] + Pr\left[A_2\right] $$ 和で計算できる場合もあるが、それが可能となるには部分集合同士が互いに疎でなければならない。 確率の乗法法則も、個々の確率の積ではなく、対応するそれぞれの事象の積集合の確率となる。 $$ Pr\left[A_1\mbox{かつ}A_2\right] = Pr\left[A_1\cap A_2\right] \not\equiv Pr\left[A_1\right]\times Pr\left[A_2\right] $$ 積で計算できる場合もあるが、それが可能となるには部分集合同士が互いに独立でなければならない。 また、コルモゴロフの公理から、 $$ Pr\left[\overline{A}\right] = 1-Pr\left[A\right] $$ も示せる。 このように、確率の計算は、集合論に基づいて定義される。