probability-theory
復習
二つの事象の間に、
が成り立たない、すなわち
が成り立つとき、とは互いに従属しているという。
という定義から、
や
が成り立つとき、とは互いに従属している。
二つの事象の間に
が成り立つとき、とは互いに従属ではない。このときとは互いに独立である、という。
という定義から、
や
が成り立つとき、とは互いに従属している。
二つの事象が互いに素
な場合、
であるから、
なので、とは互いに従属している。
午前と午後の天気の組み合わせを考える。括弧の中の一つ目の要素は午前の天気、二つ目の要素は午後の天気を表すものとし、曇りなど、雨が降らないという状況を、晴の一字で表すと、標本空間は
となる。
標本空間の4つの単位事象それぞれの確率が、次の表のように与えられているとする。
表1 確率表
午前\午後 | 晴 | 雨 |
---|---|---|
晴 | 0.4 | 0.2 |
雨 | 0.3 | 0.1 |
この表から、午前の天気の確率と、午後の天気の確率を求める。
これらを表に加える。
表2 確率表
午前\午後 | 晴 | 雨 | 午前の周辺確率 |
---|---|---|---|
晴 | 0.4 | 0.2 | 0.6 |
雨 | 0.3 | 0.1 | 0.4 |
午後の周辺確率 | 0.7 | 0.3 |
午前の天気が晴の確率は0.6、午後の天気が晴の確率は0.7なので、午後に向けて少し天気がよくなる傾向にあることが読み取れる。
このとき、
$$
より
が成り立つので、午前と午後の天気は互いに従属である。
逆に、次の予報が与えられているとする。
表3 天気予報
事象 | 確率 |
---|---|
午前の天気が雨 | 0.4 |
午後の天気が雨 | 0.3 |
もし午前と午後の天気が互いに独立ならば、
となる。しかし、地球上の気象現象が時間と共に変化することを考えると、隣接する時間帯が互いに独立な筈がない。天気予報は、表2に記した周辺確率のみを教えてくれていて、そこから表1の確率を復元できない。
なお、傘を持たずに出掛けて良いかを考える際に
などの数字を参考にするのは、すべて誤りである。表1に記されている4つのか確率のうちの、少なくとも一つが併せて提供されていないと、雨が降らない確率は求まらない。それは乗法法則
からも分かることである。この条件付き確率を求めるために、
より同時確率が必ず必要になる。
もし確率が表4で与えられていたなら、、午前と午後の天気は互いに独立となる。
表2 確率表
午前\午後 | 晴 | 雨 | 午前の周辺確率 |
---|---|---|---|
晴 | 0.42 | 0.18 | 0.6 |
雨 | 0.28 | 0.12 | 0.4 |
午後の周辺確率 | 0.7 | 0.3 |