probability-theory
指数分布は、幾何試行の極限として導かれる分布である。ある時点の直前までに事象が発生していないという条件の下で、その時点に事象が発生する条件付き確率が、それまで事象が発生していなかった期間の長さに依らず、一定である、という性質を有する。この性質から、偶発事故や偶発故障の発生間隔の確率分布に用いられる。
という微分方程式と境界条件, とから、
が得られる。累積分布関数は、初等的な定積分
で得られる。
部分積分を用いる。
ただし、一つ目の定積分で、任意のに対して
あるいは
が既習得であることを想定した。
指数分布の分散は、定義通りの
の計算と、分散を二つの中心モーメントから求める
の計算のいずれを用いてもよい。しかし平均の次に分散を求めるなら、後者の方が誤りにくい。
2次の中心モーメントの計算には、再び部分積分を用いる。
ここまでで計算は終わりになる。2行目の計算していない定積分をよく見ると、指数分布の期待値の計算をする定積分に等しい。よって
を得る。以上より、指数分布の分散は
と導かれる。
同じ分散を定義通りの定積分で求めてみる。ここでも部分積分を用いるが、式の処理が少し複雑になる。
と、 を既に計算済みであるため、ここでも用いた。
もちろん
のように被積分関数の中の2乗を開いてから、個別に積分をしてもいい。しかし各定積分の計算は、やの計算を含んでいて、それらを別途計算するなら、一つ目の計算の方が単純で誤り難い。
ただし。三段目では、全確率がであることを用いた。
率直に計算しても
となる。