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ポアソン試行列

tags: probability-theory

ポアソン分布の再生性

ポアソン分布のモーメント母関数は

eλ(et1)
であった。この関数は
λ
の値が異なっても、積はまた同じ関数形となる。
eλ1(et1)eλ2(et1)=e(λ1+λ2)(et1)

このことから互いに独立な
n
個の確率変数
X1Poisson(λ1),X2Poisson(λ2),XnPoisson(λn)

の和は再び、ポアソン分布に従う。
X1+X2++XnPoisson(λ1+λ2++λn)

これをポアソン分布の再生性という。

ポアソン分布に従う確率変数の単位

ポアソン分布に観測範囲という考え方を加える。ある現象の単位時間あたりの発生回数を

Xと置く。
X
はポアソン分布
Poisson(λ)
に従う確率変数とする。

XPoisson(λ)

このとき、2倍の時間で発生する回数は、それぞれの時間で発生する回数の分布が同一であれば、パラメータが

2λのポアソン分布
Poisson(2λ)
に従う。

同様に、単位時間あたりの発生回数が従う確率分布が

Poisson(λ)のとき、時刻
Missing \left or extra \right
の間に発生する回数は、単位時間あたりの期待発生頻度
λ
が時間に依存して変化しなければ、パラメータが
(ba)λ
のポアソン分布に従う。

ポアソン過程

ある現象が時間

(t0,t1]に発生する回数が次のようなポアソン分布

N(t0,t1]Poisson(t0t1λ(t)dt)

に従うとき、それぞれの発生時刻の列

X1,X2, を強度関数が
λ(t)
のポアソン過程に従うという。

ポアソン過程は時間軸上のみでなく空間上、また時空間上にも同様に定義できる。

ポアソン過程の無限分解可能性

ポアソン過程は、時間間隔を幾ら小さく区切っても、ポアソン過程のままである。これを無限分解可能性という。