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[チームI] Tokyo OSS Party!! 2021 記録シート

チーム

取り組む課題

八王子市「デジタルハザードマップ」

課題に対するアプローチ

「(課題)市区町村には紙での配布を前提とした PDF のハザードマップしかない問題」を解決するために、
「(技術)Web 地図」と「(データ)ハザードマップポータルサイトや市区町村のデータ」を使い、
「(対象)市区町村のハザードマップ担当、または、市区町村民」に対して、
「(方法)Web ハザードマップテンプレートを提供」をして、
「(結果)容易に Web ハザードマップを作成・公開できる」ようにする。

開発したサービス

サービス名

shikuchoson-hazardmap-template (市区町村ハザードマップテンプレート)

URL

背景と課題

日本のハザードマップは、国土交通省の管理するハザードマップポータルサイトにまとめられており、そこでは以下の2つのサービスが提供されています。

  • 重ねるハザードマップ: 災害リスク情報や防災に役立つ情報を、全国どこでも重ねて閲覧できるWeb地図サイト
  • わがまちハザードマップ: 市町村が作成したハザードマップを見つけやすくまとめたリンク集

「重ねるハザードマップ」は Web 地図として多機能で非常によく作りこまれていますが、その使い方でも

詳細を確認する場合は市町村が作成したハザードマップをご覧ください。

とあるとおり、あくまで国の作成した地図であり、市区町村ごとの詳細は確認できません。

ハザードマップに求められるのは、多くの場合、国全体の広く浅い情報ではなく、自身の住む場所ピンポイントの狭く深い情報です。
そうした情報を確認するには、「わがまちハザードマップ」から市区町村のハザードマップを確認する必要があります。

しかし、市区町村の作成するハザードマップの多くが紙での配布を前提としており、重ねるハザードマップとちがって Web に最適化されていません。
そしておそらく、独自の Web ハザードマップを開発・運用できるほど、予算やリソースに余裕のある市区町村は少ないでしょう。

この課題に対し、本サービスは、市区町村の単位で Web ハザードマップを容易に作成・カスタマイズできるテンプレートを提供します。
合わせて、テンプレートに GitHub を活用することで、GitHub Pages による公開、Pull Request による市民参加も可能とします。

ターゲット

  • ハザードマップを Web で提供したいと考えているが、予算やリソース等の問題でなかなか実行に移せない市区町村職員
  • 紙のハザードマップに不満を持っている市区町村民

利用した技術とその特徴

  • Create React App: SPA (Single-page application) を簡単に開発するためのツール
  • Leaflet: 広く普及している Web 地図ライブラリ
  • GitHub Pages: 静的ウェブサイトをホストするための GitHub の機能

利用したデータ

サービスの内容

以下の手順で、特定の市区町村のハザードマップを作成・公開できます。

  1. sankichi92/shikuchoson-hazardmap-template の "Use this template" からリポジトリを作成
  2. hazardmap-config.jsonc の都道府県・市区町村の設定を変更してコミット
    • GitHub Actions で自動的にビルドが走り gh-pages ブランチが作成される
  3. リポジトリの設定から GitHub Pages をオンにして Web 地図を公開

また、以下のようなカスタマイズも可能です。

  • csv ディレクトリ以下に特定のフォーマットの CSV ファイルをアップロードしてレイヤ(Point Features)を追加
  • images ディレクトリ以下に画像をアップロードして地図上に表示

使い方の詳細は README https://github.com/sankichi92/shikuchoson-hazardmap-template#使い方 や以下のデモ動画を参照してください。

Image Not Showing Possible Reasons
  • The image file may be corrupted
  • The server hosting the image is unavailable
  • The image path is incorrect
  • The image format is not supported
Learn More →

将来的には、他の種類のレイヤ追加等のカスタマイズも視野にあります。

課題と解決に関わるステークホルダーとその役割

平常時

  • 市区町村職員
    • テンプレートを使用した Web ハザードマップの公開
    • CSV や画像によるデータ提供(=オープンデータ化)
  • 市区町村民
    • 紙のハザードマップではできない地図の拡大・縮小やレイヤの表示・非表示による、身の回りで起こりうる災害の詳細な確認
    • Pull Request によるデータや機能の修正・改善

災害時

  • 市区町村職員
    • ハザードマップへの迅速な情報反映
  • 市区町村民
    • リアルタイムな情報の確認

サービスによって課題が解決された世界のイメージ / サービスが実際にターゲットに届き活用されるまでのストーリー

市区町村職員

  • 職員「隣の市で Web ハザードマップが好評らしいです。我が市でもやりましょう!」
  • 上司「すでにちゃんとした紙のハザードマップがあるだろう。同じようなものを作るのに割く予算もリソースもない!」
  • 職員「いえ、予算もリソースも必要ありません。隣の市でも使っている OSS の shikuchoson-hazardmap-template を使えば、すでにデータもあるし、30分もあれば公開できます!」
  • 上司「なんだって〜! 紙の地図を作るより簡単じゃないか。ぜひやってみよう」

市区町村民

  • 市民A「引越してきた時に紙のハザードマップもらったけど、小さくて自分の家も見つけられないし、ゴチャゴチャ情報が多くてよく分からなかったんだよね」
  • 市民B「それならついこないだ公開された Web ハザードマップを見るといいよ。拡大・縮小できるし、情報の表示・非表示もできて見やすかった。ほらこれ」
  • 市民A「なんだって〜! しかもこれ、前に住んでた町と同じ UI で馴染みがある。……あれ、でも警察署の住所が移転前のままだ」
  • 市民B「本当だ。それなら自分たちの手で修正しよう! この地図は GitHub で公開されていて、Pull Request も受け付けているの」
  • 市民A「Pull Request なら任せて!(カチャカチャカチャ…ッターン!)」
tags: TokyoOSSParty2021