中国湖北省武漢を中心に2019年12月以降感染が拡大した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の情報を集めるサイト。5ch嫌儲板の新型コロナウイルス対策スレから生まれました。
WHOは中国を中心に流行している新型コロナウイルスによる病気の名称を2020年2月12日に「COVID-19」と命名しました。また、ウイルスの名称は国際ウイルス分類委員会(ICTV)によって「SARS-Cov-2」と名付けられました。以前は新型コロナウイルスの名称は「2019-nCov」と仮称されていました。報道では新型肺炎、新型コロナウイルス感染症、武漢肺炎との名称が使われ、中国では新型冠状病毒肺炎、Novel Coronavirus Pneumonia, NCPなどが使用されているようです。情報探索の参考にしてください。
本項目は2/24時点の情報で書かれたものであり、今後変わっていく可能性があるため注意。
COVID-19患者の8割は軽症とのニュースが日本でも大きく取り上げられました。じゃあ2割も重症になるのかよ、と嫌儲でも話題に。これは中国CDCが公開した2020/2/11までにCOVID-19と診断された72,314人の症例報告からの情報です。The Novel Coronavirus Pneumonia Emergency Response Epidemiology Team. The Epidemiological Characteristics of an Outbreak of 2019 Novel Coronavirus Diseases (COVID-19) — China, 2020[J]. China CDC Weekly, 2020, 2(8): 113-122.
このうち確定例44,672人に対して分析がされています。重症度を軽症(mild)、重症(severe)、重篤(critical)と分類し、軽症が80.9%、重症が13.8%、重篤が4.7%と報告されています。(ちなみに重篤のうち49%が死亡)
ここで中国の【重症】基準は次のいずれかを満たした場合です。重症者を対象とした臨床試験もこの基準で行われているようです。
【重篤】は呼吸不全、敗血症性ショック、多臓器機能障害/不全としています。
一方で、日本の厚労省は【重症】基準を人工呼吸器を装着するか、ICU(集中治療室)に入ることとしています。(2020/02/14現在 時事通信 人工呼吸器、ICUで「重症」=新型肺炎の定義―厚労省 archive 2020/2/24アクセス)
ICUに入院せず、リザーバー付きマスクで酸素を8L/分以上投与している症例や、気管内挿管を行わない機械的な換気であるNPPV(非侵襲的陽圧換気)を使用している症例も重症に分類されないと思われます。
以上のように中国と日本では重症の基準が異なるため、そのまま比較することは出来ません。では、日本の重症基準であるICUでのケアまたは人工呼吸器を必要とするレベルの重症者はどれくらいの割合なのでしょうか。
査読前の論文ではありますが、2/9に1099人を対象とした中国の症例報告があり詳しく分析されています。Guan W, et al. Clinical characteristics of 2019 novel coronavirus infection in China. Medrxiv, doi: https://doi.org/10.1101/2020.02.06.2002097
こちらは年齢の中央値が47歳で、1029/1099が治療中ではありますが、1.36%が死亡しています。また、酸素投与が必要になった症例は38%、ICU入院は5.0%、人工呼吸器が必要になったのは2.2%、非侵襲的な機械換気が5.1%、体外式膜型人工肺(ECMO)を使用した例は0.5%となっています。このうち、ICU入院の症例と機械換気(mechanical ventilation、人工呼吸器、非侵襲的な機械換気を含む)を必要とした症例を複合エンドポイントとして、6.1%と報告しています。
以上から日本の重症基準に当てはまるのは約5% と考えて良いでしょう。国立国際医療研究センターの忽那賢志氏も2/13にこの論文を紹介し、インフルと比較すると多いものの、重症化する肺炎になる人はかなり少ないとの見方を示しています。
2/23現在、クルーズ船ダイヤモンドプリンセス号は感染者 691人、重症36人、死亡3人となっています。(23日時点で日本人20人を含む60~80代の男女計36人。共同通信) クルーズ船の重症者は36/691で5.2%。1099人の症例報告と同じ程度の重症率となっています。クルーズ船の乗客の平均年齢が高いことは重症率を上げる方向に、一方で全員が検査され無症状の感染者が多いことは重症率を減らす方向に働くと考えられますが、今のところ中国と大きな乖離は無いと考えても良さそうです。
あとでまとめる。中国では武漢(湖北省)と湖北省以外で大きく異なる。中国以外も湖北省以外と同じ傾向。また積極的疫学調査が行われ無症状の感染者がカウントされることでも変わってくる。
テンセントの統計より(2020/2/23時点)
北大・西浦さんのグループからJCMに掲載された第2弾(2020年2月4日)メディア等で0.3-0.6%という値が一人歩きして実は低かったという誤解が広まると大変まずいが,感染の半分が不顕性感染者から起こっていることから,確定診断がついた患者数を分母とする通常のCFRを計算するのではなく,感染者総数を分母として感染致命割合(Infection Fatality Risk: IFRという語を提案されている)を計算するべき,として推定された値であって,決して2-3%が過大だったという話ではない。IFRが0.3-0.6%もあったら1957-1958年のアジアかぜパンデミックに匹敵するということも要旨にも明記されている。(2020年2月16日追記:なお,意味は同じだが,CFRやIFRのRをRiskとしているのは,たぶん今のところ西浦さんのグループだけで,インペリグループもハーバードグループもRatioとしている。用語の厳密な意味ではRiskの方が正しいが,2009年のパンデミックインフルエンザのときにRateは明らかに間違いだがRを変えたくないため選ばれた言葉がRatioだったので,いまでもRateを使う人もいるし,理論疫学の研究者の間ではRatioが主流である)
2019-nCoVについてのメモとリンク Made by Minato Nakazawa http://minato.sip21c.org/2019-nCoV-im3r.html#PANDEMICPOTENTIAL より引用2020/2/23閲覧
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