この記事は みす老人会 2nd Advent Calendar 2022 5日目です。全日埋まった……だと……!?🥳
ちなみに今日は15日です。
ゲームデザインのにわか話をしながら、いろんなゲームをベタ褒めしていく記事です。しかしたくさんのゲームをプレイしてる訳ではない私にこの記事を書く資格がない。
ゲームって何ですか?
ゲーム(英: game)は、勝負、または勝敗を決めること。守るべきルールがあり、環境または他人との相互作用を元に行われる活動である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ゲーム
ルールのなかで勝敗を決めること……スポーツっぽいですよね。スポーツでも試合のことゲームって言いますよね。
じゃあゲームしましょう、アドカレに書いた記事の本数勝負!よーいスタート!ハイ勝ち!
つまんね
定義だけで言うと上の勝負もゲームっぽいですが、面白いゲームとは違うようです。
ゲームの「面白さとは何か」やゲームを「面白くする方法」はいろいろと研究されています。ゲームデザイン理論ですね。
しかしゲームの歴史の長さに比べてゲームデザインの研究が進んでない?体系化されてない?ように感じます。
ゲームデザインは文書化されて開発に使われることもあるが、他にもデザイン手法は存在する。ゲームはプロトタイピングの繰り返しで開発されることが多く、デザインを文書化するよりもこちらの方が斬新なデザインが生まれやすい。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ゲームデザイン
出典はよくわかりませんが、言ってることは完全に同意です。
ソフトウェア開発の文脈でも似たような……「動くものを作って触ってもらわないと、実際ユーザに使われるようになるかわからない」っていう思想が流行ってますよね。
これからゲームデザインの話をしますが「最初にデザインして後は作るだけ~」で面白いゲームになるわけないと思ってます。
一番大事なのはプレイヤーがどう感じたか。プレイして改善し、またプレイして……のサイクルを回さないと面白いゲームはできないと思います。
しかしゲームをプレイして何故(おもしろ|つまんね)と感じたのかがうまく言語化できないと改善案が出ないですよね。そこでもゲームデザイン理論は役に立ちます。
私の半端な知識で知ってるものだけ書き記していきます。
知ってるいろいろなゲームに当てはめて考えてください。
それぞれの理論によりますが、扱うことが出来るゲームの範囲は幅広いと思います!(ソシャゲ、アクションゲーム、音ゲー、FPS、ボードゲーム、カードゲーム、TRPG、ノベルゲーム、シミュレーションゲーム、ギャンブル、スポーツ、小学生のころ昼休みや放課後やってた遊び、クソゲー、etc.)
詳しくはソラの桜井政博に聞いてください。
ゲームの面白さを生み、より高めるための法則とは?──『カービィ』『スマブラ』の生みの親・桜井政博氏による研究の集大成となる講演をWeb上に再現【若ゲのいたり・特別編】
というかこの記事読むよりも桜井政博のゲームを作るにはをご覧ください。
ここではゲーム性はリスクとリターン(駆け引き)とします。
この考え方はノベルゲーやシミュレーションゲーなどは扱ってないですが、多くのゲームクリエイターが共通して持ってる概念だと思います。
例えばテトリスでは、ブロックを積めば積むほどゲームオーバーに近づきますが(リスク)、一気に消したときのポイントが高くなります(リターン)。
これをバトルロイヤルにしたテトリス99はリスクとリターンをさらに強化しています。テトリス99ではブロックを消した時にターゲットにお邪魔ブロックを付与することが出来ます。ターゲットは弱そうな敵や強い敵、自分を狙ってる敵など切り替えられます。
一気にお邪魔ブロックを付与できれば、ターゲットのゲームオーバーを誘いやすいです(ハイリターン)が、高く積んでいるほどカウンターでゲームオーバーになりやすくなります(ハイリスク)。
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https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000018526.html
対人FPSでは敵を攻撃する(リターン)時、自分も姿を現さなければならないし、大きな音が鳴るので敵に居場所がばれて(リスク)しまいます。
加えて、多くのFPSでは頭を狙うと大ダメージがでます(ハイリターン)。しかし頭は面積が小さく、銃の反動で外してしまう可能性が高まります(ハイリスク)。
急所が心臓でなく頭なのは、銃口が上にブレて外れやすいから、なのかもしれません。
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https://www.reddit.com/r/apexlegends/comments/avkvgd/suggestion_to_fix_hitboxes_without_tweaking/
スポーツでもほとんどの場合駆け引きが組み込まれています。
テニスならネットギリギリの低いコースでコート隅を狙えば相手のミスを誘えます(リターン)が自分のボールがアウトになってしまう可能性も高まります(リスク)。
ゲーム性に関しては先ほど貼った桜井政博の記事読んでください。面白いです。
なんとなく駆け引きがある方が楽しそうに感じますね。
冒頭の「アドカレ書いた本数勝負」も、駆け引き要素を入れれば……例えば「たくさんの日登録すれば大得点のチャンスだが、期日までに書けないとマイナス3ポイント」とすれば面白さが増しません?私は1点が4つ、-3点が1つで1点です。
なぜ駆け引きがある方が面白いのでしょうか? これに関しては軽く調べた程度では文献が見つからなかったので私の想像で書きます。でも絶対論文あるよね。
人間はもともとギャンブルが好きな脳みそを持ってます。太古の昔、食べ物を探すのにも一苦労の野生では、例えば木に登ったとしても食べられる実があるかわからない様な状況。
一度登ってダメだったらあきらめるような思考ではなく、次はあるかもしれない!と信じて行動できる思考のほうが探索回数が増え生存で有利になります。それどころか
例えば、動物が何かの報酬として食べ物を得られた場合、ドーパミンの分泌量は、食べ物を得られたときよりも、得られる直前の方が多かったのです。人もそう。実際に楽しいことが得られた瞬間よりも、その前の期待をしているときがすごくワクワクする。ゲームもそれに近いメカニズムがあるのではないかと考えられています。
専門家「ガチャは回す前が一番楽しい」脳内で起きていること
ガチャって回すだけで楽しいらしいです。ガチャ配信とかもあるしね。
駆け引きもある種のギャンブルですよね。点数は2倍になるけど成功率は……? 危険を冒してでもこのアイテムを取れば後半一気に有利になるはず! 複雑な要素が絡み合う中、可能性に身を投じ、自分のプレイで期待値を高めることすらできる、駆け引きはまさにギャンブル。ドーパミンがドパドパ。ドーパの歓喜。
この考え方の応用例ですが、例えばゲームが単調だなと感じたときに「リスクがあるけどリターンが大きい選択肢」をゲームに追加すること、しかも期待値を単純に測ることが出来ない(テトリス99のように他プレイヤーとの駆け引きにする、FPSのようにプレイヤーのスキルで期待値が高まる)ようにするとより深みのあるゲームになるのではないでしょうか。
今度は少し抽象的な話、幅広く遊びを分類しようという試みです。ゲーム性では扱っていなかった領域も捉えます。
フランスの社会学者ロジェ・カイヨワは「遊びと人間」の中で遊びは4つに分けられると言っています。
まとめてて思ったんですけど、お絵描きとか入ってないですね?
とか「課題に挑戦する」とかも遊びに入りそうですけどね。マリオとか、ごみをごみ箱に投げいれるとか。
いや「遊びと人間」読んでないんでわかんないんですけど。
分類とありますが大抵のコンピュータゲームは複数の遊びを兼ね備えてますよね。
ウマ娘とかはこの点すべて兼ね備えています。NPCのウマ娘や他プレイヤーと競争しますし、
ガチャはもちろん、スキル発動や天候などのランダム要素、ウマ娘のトレーナー視点でウマ娘たちと交流し、レースは迫力のカメラワーク。
先頭から少し遅れているぞ……ここでピキーン!スキル発動!
カメラの視野角がグーンと広がって一気に加速!の演出気持ちいいですよね。
この遊びの4分類は、遊びってそもそもなんだっけ?という視点に立たせてくれるモノだと思います。
どうしたら面白いゲームが作れるのか?という疑問の答えをゲーム性だけ・ストーリーだけに求めるのではなく、様々な面白要素を取り入れられないか、そもそも我々はどんなことを面白がれるのかを考える。そうすることで既存のゲームのアレンジを越えた、新しい面白体験・ゲームが作れるのではないでしょうか。
MDAフレームはゲームの面白さ|つまらなさの言語化に役立つものです。
主観的な"面白さ"というものを他人と上手く共有するために、面白さを以下の3つの要素で構造化します。
Mechanics(=メカニクス)
ゲームの構造、ルール
Dynamics(=ダイナミクス)
そのメカニクスによって、促される行動
Aesthetics(=エステティクス)
その行動によって引き起こされる感情
具体例として私が中学生の頃に作ったクソゲーボードゲーム「バイソン」を例に分析してみましょう。
バイソンは二人対戦、4✕4のフィールド上の各3駒を動かし、一列に並べれられれば勝ちというゲームです。