# NVIDIA コントロールパネルの垂直同期について NVIDIA コントロールパネルの垂直同期の設定は、「オフ」「オン」「適応」「適応(ハーフ リフレッシュ レート)」「高速」「3D アプリケーション設定を使用する」から選ぶことができます。このうち「3D アプリケーション設定を使用する」は、何もせずにゲーム側にお任せとなるので、ゲーム側で設定しましょう。ここでは、他の値について説明します。 ![](https://i.imgur.com/0JbHSBt.png) ## オフ(Off) 何もしません。垂直同期の設定によって遅延が発生することはありませんし、スタッタリング(Stuttering)が発生することもありません。テアリング(Tearing)は発生します。 遅延を最小にしたい場合に選びましょう。プロゲーマーは普通この設定。 ## オン(オン) テアリングは発生しません。レンダリングフレームをリフレッシュレートと一致させようとするため、遅延が発生し、スタッタリングも発生します。 GPU に余裕があり、常にリフレッシュレート以上のフレームを描画することができるなら、スタッタリングは避けられます。 負荷の低いゲームで、映像を楽しみたい場合に選びましょう。 ## 適応(Adaptive) リフレッシュレート以上のフレームを描画する場合にのみ垂直同期を取ります。描画フレームがリフレッシュレートを下回る場合にテアリングが発生しますが、スタッタリングは避けられます。 多少負荷が高いゲームでスタッタリングを避けたい場合におすすめです。スタッタリングよりはテアリングの方がまだ許せると考えるならこちらです。アクションゲームだとスタッタリングがない方が快適でしょう。 ## 適応(ハーフリフレッシュレート) リフレッシュレートの半分の値で描画します。60Hz モニターで 30Hz に合わせて描画することができます。 重いゲームやリフレッシュレートの高いモニターを使う場合におすすめです。240Hz モニターなら半分にしても 120Hz なので十分快適です。 ## 高速(Fast) いわゆる Fast Sync です。仕組みはちょっとややこしいのですが、リフレッシュレート以上に描画をしつつ、リフレッシュレートに合わないフレームを捨てていくことになります。60Hz モニターに対して 120fps で描画し、うち 60fps を捨てていくといった感じです。そのため、「オン」の設定より遅延が減ります。リフレッシュレート以上のフレームを描画できないなら、この設定のメリットはありません。スタッタリングを避ける仕組みはありません。 GPU に余裕がある場合で、テアリングを避けつつ、遅延を小さくしたい場合におすすめです。 (ただ、個人的には、遅延を小さくしたいならリフレッシュレートの高いモニターに投資すべきだと思います) DirectX 12 だと設定しても無効化されるようです(2019年4月の情報) ### 最大フレーム レートについて 以上の垂直同期の設定は、最大フレームレートの設定と合わせて考えるべきです。 最大フレームレート設定は、省電力化のために使用することもできますし、遅延を最小にするために使うこともできます。 https://www.nvidia.com/en-us/geforce/news/nvidia-geforce-ces-2020-game-ready-driver/ >Saving Power: Enable Max Frame Rate (NVIDIA Control Panel > 3D Settings > Max Frame Rate) and set your power management mode to “Optimal Power”(NVIDIA Control Panel > 3D Settings > Power Management Mode). While in this mode, GPU frequency is reduced and uses less power. For laptop users, Max Frame Rate also works alongside with Battery Boost and Whisper Mode. If either of these modes are enabled at the same time as Max Frame Rate, the NVIDIA Control Panel will cap the framerate to the lowest of the limits. 電源管理モードを「最適電力」にした場合には省電力が実現できます。 >Reducing System Latency: Enable Max Frame Rate and set your power management mode to “Prefer maximum performance” to reduce latency. While in this mode, the GPU is kept at higher frequencies to process frames as quickly as possible. To maximize latency reduction in GPU bound scenarios where FPS is consistent, set Max Frame Rate to a framerate slightly below the average FPS and turn Low Latency Mode to Ultra. この最小遅延設定では、最大フレームレートを平均のやや下にすることが推奨されています。低遅延モードは「ウルトラ」で、電源管理モードは「最大パフォーマンス」です。垂直同期は言及されていませんが、「オフ」が想定されていると思います。描画に余裕がある軽いゲームでいいかもしれません。 >Staying in VRR Range: Set the Max Frame Rate slightly below the maximum refresh rate of your display to stay within the Variable Refresh Rate range - providing a no-tear, low system latency experience! For the smoothest, no tear experience, set the low latency mode to Ultra and turn VSYNC on. VRR というのは G-Sync と同じようなものです。対応モニターが必要です。 垂直同期設定が「高速」の場合、最大フレームレートはリフレッシュレートの3倍程度がいいでしょう。60Hz なら 180fps です。もちろん設定しなくてもいいです。「高速」で最大フレームレートをリフレッシュレートと同じにしてしまうと、「高速」にしたメリットがないはずです。 ## 個人的おすすめ - 軽くて動きが激しくないゲーム 垂直同期「オン」 (ゲームによっては最大フレームレートをリフレッシュレートより高い値にする必要がある。メニュー画面などで fps が非常に高くなることがある) - 軽くて動きが激しいゲーム(60Hz モニターの場合) 垂直同期「高速」最大フレームレートはモニターのリフレッシュレートの3倍 - やや重いゲーム 垂直同期「適応」最大フレームレート「オフ」 (悩んだら「適応」でだいたい問題がない) ## 参考リンク https://www.nvidia.com/content/Control-Panel-Help/vLatest/ja-jp/mergedProjects/nv3dJPN/Manage_3D_Settings_(reference).htm https://www.nvidia.com/en-us/geforce/news/nvidia-geforce-ces-2020-game-ready-driver/ https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/1017166.html https://nvidia.custhelp.com/app/answers/detail/a_id/4162/~/what-are-the-gpu-requirements-for-using-fast-sync%3F https://www.geforce.co.uk/hardware/technology/adaptive-vsync/technology