# p2pkhを試した

この記事は、[法政大学アドベントカレンダー2021](https://adventar.org/calendars/6528)の25日目の記事です。


[O'Reilly Japan - プログラミング・ビットコイン](https://www.oreilly.co.jp/books/9784873119021/)

ビットコインライブラリをpythonでプログラミングする本を買ったので、勉強のためRustで書きつつ読んでいます。

ちなみに一年位かけて1/3しか進んでいません。就活があったとはいえどうして・・・

アウトプットがしたいので何か書こうかと思います。

※ ソースコードはRustで書いてますが、まっっっったくRustのお作法を知らないので良ければissueとかで優しく教えてください・・・

※ 理解優先で話していたり、そもそも内容に自信は無かったりするので間違ってたらごめんなさい

# 超ざっくりBitcoin

ビットコインの論文は、

[ビザンチン将軍問題 - Wikipedia](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%82%B6%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%B3%E5%B0%86%E8%BB%8D%E5%95%8F%E9%A1%8C)

これの現実的な解を示しました。

つまり、「**たくさんのコンピューターが相互に繋がっていて、全員が平等の時、何台かコンピューターが壊れていても残り全てのコンピューターは共通認識を保てるよ**」

ってことです。

これにより、管理者なしの全員が平等の状態で、順序付いたデータの保存が可能になりました。データベースでいうトランザクションを順序つけて共有できるようになりました。

ビットコインではトランザクションは以下のような情報を保存しています。

「AさんはBさんに20BTC送る」
「BさんはAさんに10BTC送る」
「BさんはCさんに10BTC送る」
...

送信の情報さえ保存しておいて、トランザクションの最古から送信の情報を追えば、誰がいくら持ってるのか分かりますよね。ビットコインのウォレットはデータベースに誰がいくら持ってるのか保存しているのではなく、トランザクションの履歴から自分がいくら持っているのかを計算して出しています。

もう少し踏み込みます。

ビットコインを利用してBTCを送信する際、**自分が送る額以上のBTCを持っている**と証明する必要があります。

どう証明するかというと、**自分にBTCが送られているトランザクションを指定する**必要があります。

また、**指定したトランザクションは使用済みになり、お釣りとして自分から自分に送るトランザクションがつくられます**

流れで追いましょう。

1. 一番最初にAさんが1000BTC持っています。(アドレスaのトランザクションで受け取ったとしましょう)
2. AさんはBさんに200BTC送りたいです。
3. Aさんはアドレスaのトランザクションを指定して、 A -> B に 200BTC, A -> A に 800 BTC 送金します。
4. アドレスaのトランザクションは使用済みになりますが、 A -> A のトランザクションで 800 BTC　受け取ります。 受け取ったトランザクションは未使用なので使えます。

といった感じです。難しいね。

もちろん、適当なトランザクションを指定して、「これ受け取り先俺の！w」ってやられるとまずいので、トランザクションを指定する際に検証が必要となります。ここで出てくるのがScript(やっと本題に入った)です。

# BitcoinのScriptの話

トランザクションのoutputにScriptPubKeyと呼ばれるScriptが入ってます。
使用したいトランザクションに対して、outputに応じた、inputとしてScriptSigと呼ばれるScriptを入れることで証明を行います。

Bitcoinで使用されるScriptはスタックベースとなっていて、変数定義とかは無い代わりにスタックを操作していく形となります。

wikiがかなり詳しい: [Script - Bitcoin Wiki](https://en.bitcoin.it/wiki/Script)

上から命令を実行していくわけですが、大きく分けて二つの命令文があります。

- Operation
- Element

命令分はバイト列ですが、特定の数字の場合はOperationとなり、数字に応じてスタックを操作したりします。そうで無い場合はスタックに値をプッシュします。

全部の命令終了後に、スタックが空でなくて、先頭要素が0でないならそのスクリプトは正しいとみなされます。

で、Scriptの中でも王道なのがそれが、p2pk(もう使われてないけど)だったり、p2pkhだったりです。
説明はプログラミング・ビットコイン買って、読もう！

あとは仮想通貨取引市場超大手のバイナンスが滅茶苦茶分かりやすいGIFで解説していたので↓を読むといいかもしれません。

[ビットコインスクリプトの概要 | Binance Academy](https://academy.binance.com/ja/articles/an-introduction-to-bitcoin-script)

# 実装した

色々な(ここに書かれていない)メソッドが絡み合っています

[reud/pg-bitcoin](https://github.com/reud/pg-bitcoin)

https://github.com/reud/pg-bitcoin/blob/master/src/scripts/script.rs#L259

    #[test]
    fn test_p2pkh_script() {
        // secret
        let e = new_secp256k1scalarelement_from_i32(12345);

        // 秘密鍵
        let pk = new_secp_256k1privatekey(e);
        // 公開鍵の圧縮sec
        let compressed_public_sec = pk.clone().point.compressed_sec();
        let compressed_public_sec_hashed = hash160(compressed_public_sec.clone());
        // 署名先
        let z = digest(Algorithm::SHA256, b"Programming Bitcoin!");
        let z = hex_digest(Algorithm::SHA256, &*z);
        let z = new_secp256k1scalarelement_from_hex_str(&*z).unwrap();
        let sig = pk.clone().sign(z.clone());
        let mut sig = sig.der();
        sig.push(1); // <signature>はDER署名+sighash(01) で表す
        let script_pub_key_cmds: Vec<Cmd> = vec![
            OperationCode(118),                         // OP_DUP
            OperationCode(169),                         // OP_HASH160
            Cmd::Element(compressed_public_sec_hashed), // <hash>
            OperationCode(136),                         // OP_EQUALVERIFY
            OperationCode(172),                         // OP_CHECKSIG
        ];

        let script_sig_cmds: Vec<Cmd> = vec![
            Cmd::Element(sig),
            Cmd::Element(compressed_public_sec.clone()),
        ];

        let pubkey_script = new_script(script_pub_key_cmds);
        let sig_script = new_script(script_sig_cmds);

        let combined_script = sig_script + pubkey_script;
        assert_eq!(combined_script.evaluate(z.clone()), true);
    }

# 参考文献

- [O'Reilly Japan - プログラミング・ビットコイン](https://www.oreilly.co.jp/books/9784873119021/)
- [jimmysong/programmingbitcoin: Repository for the book](https://github.com/jimmysong/programmingbitcoin)