# 脱出マップで使うMinecraftコマンドの話

こちらは **法政大学Advent Calender 2021** 15日目の記事となります。

## はじめに

今Minecraft(JAVA版)にて脱出系マップを鋭意作成中なので、その中で使ったコマンドの中で汎用性が高そうなものを載せようと思います。

## 使うもの、コマンド

### コマンドブロック

Minecfaftのコマンドは基本的にはゲーム内のプレイヤーが実行します。コマンドブロックはプレイヤーの代わりにコマンドを実行してくれるアイテムであり、それを利用した様々なギミックを展開できます。コマンドブロックには以下の3種類が存在し、今回もそれらを使い分けます。
左は普通の、真ん中は前のコマンドブロックに続いて実行される、右は常時実行(デーモン的な)です。

### executeコマンド

今回主に使用するコマンドです。execute言葉としての意味は「計画、仕事などを実行する」といった意味を持ちます。

コマンドの形式は`execute 条件 run 実行する内容`　といった感じで、条件が満たされていた場合、コマンドを実行します。「条件」と「実行する内容」の部分を変えることでさまざまなギミックが実装できます。

## 応用例1 - 1回だけタイトルを出す

{%youtube P2PoBro-OH4 %}

紫のコマンドブロックを1個目とするとコマンドは以下のようになります。

1個目 `execute unless block 座標A stone run title @p times 20 100 20`
2個目　`execute unless block 座標A stone run title @p subtitle {"text":"subtitle"}`
3個目　`execute unless block 座標A stone run title @p title {"text":"title"}`
4個目　`fill 始点座標(座標A) 終点座標(座標A) minecraft:stone`

1個目の`unless block`はそのブロックが特定の場所にない限り`run`以降のコマンド(今回は`title`)を実行します。特定の場所というのは3次元座標で指定しており、今回は座標A(コマンドブロックの真上)となっています。
2, 3, 4個目は1個目のコマンドが実行された場合のみ連鎖的に実行されます。2, 3個目は実際にタイトルを出すコマンドです。
4個目は座標Aにフラグとなるブロック(今回はstone)を置くコマンドを実行し、1個目のコマンドブロックがもう一度実行されないようにしています。

特定の場所を通ったときに、1回だけフィールド名を出したりするのに使っています。

## 応用例2 - 特定の持ち物を持っているときに1回だけイベントを発生させる
{%youtube NJ62-fs97B0 %}

先ほどのフラグの例の発展系です。焼肉を持っている状態で話しかけると門を開けてくれます。このやり取りは1回だけ行われます。流れは以下のような感じです。

画像奥のコマンドブロックのコマンドは
`execute unless block 座標B blackstone run say ゾンビ「お腹すいた」`
となっており、座標Bにblackstoneがない(フラグが立っていない)なら、`say ゾンビ「お腹すいた」`を実行します。`say`は指定した文字列を表示するコマンドです。

プレイヤー生肉を持っている場合は以下を実行します。これが実行されてもフラグは立ちません。
`execute if entity @p[nbt={Inventory:[{id:”minecraft:porkchop”}]}] run say ゾンビ「生肉じゃやだ」`

`if entity @p[nbt={Inventory:[{id:”minecraft:porkchop”}]}]`は生肉を持っているプレイヤーがいるなら、`run`以降のコマンドを実行するといった意味合いになります。

焼肉をもっている場合、画像手前のブロックから順番に実行されます。
1個目 `execute at @a[nbt={Inventory:[{id:”minecraft:cooked_porkchop”}]}] run say ゾンビ「ありがとう！」`
2個目 `clear @p cooked_porkchop`
3個目 `fill 始点座標(座標B) 終点座標(座標B) blackstone`
4個目　`fill 始点座標(座標C) 終点座標(座標D) air`

2個目の`clear`はプレイヤーの持ち物から焼肉を消します。
また3個目のコマンドでは座標Bにフラグを立てています。
4個目のコマンドは、焼肉をもらった見返りとして門を開けるコマンドです。

このコマンドは
`execute if block 座標B blackstone run say ゾンビ「門を開けたよ」`
となっており、フラグが立っている状態(座標Bに`blackstone`がある)でのみ実行されます。

フラグが立った状態です。

## 応用例3 - 絵合わせ
{%youtube RSiKGGKk5sQ %}
左右のタイルの組み合わせが一致しているときにイベントが発生します。パズルギミックなどに利用できます。

複雑そうな動作ですが、ブロック1つで事足ります。
`execute if blocks 座標E 座標F 座標G all run say atteru!`

`if blocks`は座標Eから座標Fまでのブロックの並びと、座標Gから同じだけ進んだところまでのブロックの並びが一致していれば`run`以降のコマンドを実行します。

## 応用例4 - ワープ
{%youtube IzqBBhr-DRs %}

くぐるだけでワープ可能なゲートです。スイッチやレバーがいらないので見栄えがいいです。

コマンドブロックをゲートの下に埋め込んでいます。
`execute positioned 座標H if entity @p[distance..1] run tp @p 座標I`

`positioned`は条件の基準となる場所を指定します。今回はプレイヤーが座標Hから半径1ブロック以内にいる場合(`if entity @p[distance..1]`)のみ`run`以降のコマンドを実行します。`tp`は指定した座標にプレイヤーを移動させるコマンドとなっています。

## まとめ

脱出マップを作成する上でコマンドブロックとexecuteコマンドは必須なので、皆様も脱出マップを作る機会があるときは(あるのか？)ぜひ活用しましょう。

## 参考

[executeコマンドについて](https://minecraft.fandom.com/ja/wiki/コマンド/execute)