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    用して使用される断熱材料,吸音・遮音材料,防振材料,防火材料,防水材料などについて扱う。 ウ 仕上材料 素材のもつ肌ざわりや美しさなど,感覚的,視覚的条件や心理的効果などの観点から,木材,プラスチック,敷物類,塗壁材料を取り上げ,仕上材料について扱う。 エ ユニット材 インテリアの構成材である内装部品,設備部品について取り上げ,内装や設備のユニット化及びシステム化について扱う。 〔指導項目〕 (5)インテリアの維持保全とリフォーム (内容の範囲や程度) オ〔指導項目〕の(5)については,建築物の長寿命化や省資源の観点から,インテリアの維持保全を扱うこと。 ##### (5)インテリアの維持保全とリフォーム ここでは,科目の目標を踏まえ,インテリアの維持保全とリフォームについて,インテリア装備を計画し施工する視点で捉え,科学的根拠に基づき工業生産に関連付けて考察し,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,インテリア装備の活用ができるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 ①インテリアの維持保全とリフォームについて建築物の長寿命化や省資源を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 ②インテリア装備を計画し施工に着目して,インテリアの維持保全とリフォームに関する課題を見いだすとともに解決策を考え,科学的な根拠に基づき結果を検証し改善すること。 ③インテリアの維持保全とリフォームについて自ら学び,インテリア装備を活用した豊かで快適なインテリア空間の計画に主体的かつ協働的に取り組むこと。 これらの事項を身に付けるよう,インテリアの維持保全の方法やリフォームの方法などについて扱う。 〔指導項目〕 (6)インテリア装備に関する法規 (内容の範囲や程度) カ 〔指導項目〕の(6)については,インテリア装備の施工と管理及び安全性などに関 する法規の目的と概要を扱うこと。 ### (6)インテリア装備に関する法規 ここでは,科目の目標を踏まえ,インテリア装備に関する法規について,インテリアの計画,施工,管理及び材料の選択,居住性と安全性の確保の視点で捉え,法的な根拠に基づき工業生産に関連付けて考察し,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,インテリア装備の活用ができるようにすることをねらいとしている。このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 ①インテリア装備に関する法規について法規の目的と概要を踏まえて理解すること。 ②インテリア装備を計画し,施工をする上での建築基準法,消防法などのインテリア装備の施工と管理及び安全性などに関する法規に着目して,インテリア装備に関する法規に即した課題を見いだすとともに解決策を考え,法的な根拠に基づき結果を検証し改善すること。 ③インテリア装備に関する法規について自ら学び,インテリア装備を活用した豊かで快適なインテリア空間の計画に主体的かつ協働的に取り組むこと。 これらの事項を身に付けるよう,建築基準法,消防法などのインテリア装備の施工と管理及び安全性などに関する法規の目的と概要について扱う。 ## 第56節 インテリアエレメント生産 この科目は,インテリアエレメントの生産に必要な資質・能力を育成することを主眼として内容を構成している。 今回の改訂では,工業技術の進展に対応するため,平成21年改訂の学習指導要領の「インテリアエレメント生産」に位置付けられていた生産技術を加工方法に再構成し,木材加工と金属加工を位置付けるなどの改善を図った。 ### 第1 目標 #### 1 目標 工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,インテリアエレメントの生産に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1)インテリアエレメントの生産について住生活を踏まえて理解するとともに,関 連する技術を身に付けるようにする。 (2)インテリアエレメントの生産に関する課題を発見し,技術者として科学的な根 拠に基づき工業技術の進展に対応し解決する力を養う。 (3)住生活の変化に対応したインテリアエレメントを生産する力の向上を目指して 自ら学び,インテリア産業の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。 この科目においては,インテリアエレメント生産をインテリアエレメントに関する材料の加工性や加工法の視点から捉え,工業生産と相互に関連付けて考察し,実践的・体験的 な学習活動を行うことなどを通じて,インテリアエレメントの生産ができるようにすることをねらいとしている。 目標の(1)については,豊かで快適なインテリア空間をつくるために,インテリアエレメントに関する材料,構造,加工方法,生産管理などを住生活や工業生産と関連付けて理解するとともに,インテリア空間づくりにおける様々な状況に対応できる技術を身に付けるようにすることを意味している。 目標の(2)については,インテリアエレメントに関する材料の加工性や加工法に着目して,インテリアエレメント生産に関する課題を見いだし,単に生産性や効率だけを優先するのではなく,インテリアエレメント生産が人々の生活や社会に与える影響に責任をもち,科学的な根拠に基づき工業技術の進展に対応して解決する力を養うことを意味している。 目標の(3)については,住生活の変化に対応したインテリアエレメントを生産する力の 向上を目指し,生活の変化や技術の進展に対応したインテリア空間づくりについて自ら学 ぶ態度や,インテリア産業の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養うことを意味している。 ### 第2 内容とその取り扱い #### 1 内容の構成及び取り扱い この科目は,目標に示す資質・能力を身に付けることができるよう,(1)材料と加工, (2)各種のエレメント,(3)加工方法,(4)生産管理の四つの指導項目で,4~6単位程度履修されることを想定して内容を構成している。また,内容を取り扱う際の配慮事項は次のように示されている。 (内容を取り扱う際の配慮事項) ア〔指導項目〕の(1)のアからウまで及び(2)のアからキまでについては,生徒や地 域の実態,学科の特色等に応じて,それぞれいずれかを選択して扱うことができること。 イ〔指導項目〕の(4)のイについては,生徒や地域の実態,学科の特色等に応じて,家具,建具及び住宅部品から適切な事例を選定し,具体的に理解できるよう工夫して指導すること。 内容を取り扱う際には,インテリアエレメント生産は,地域により生産品や生産方式が異なっていることから,〔指導項目〕の(1)材料と加工のアからウまで及び(2)各種のエレメントのアからキまでについては,生徒や地域の実態及び学科の特色に応じて,それぞれいずれかを選択して扱うことができること。 〔指導項目〕の(4)生産管理のイについては,生徒や地域の実態や学科の特色に応じて, 地域産業の見学などの校外における学習,各種メディア教材の活用,実験・実習を通した体験的学習などを行い,家具,建具及び住宅部品から適切なインテリアエレメントの事例を選定して具体的に理解できるよう工夫すること。 #### 2 内容 2内容 1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)材料と加工 ア 木材と木質材料 イ 無機材料 ウ 有機材料 (内容の範囲や程度) ア〔指導項目〕の(1)については,材料の特性及び加工の原理と方法を扱うこと。イについては,金属材料,セラミック材料及び石材を扱うこと。ウについては,プラスチック材料を扱うこと。 ##### (1)材料と加工 ここでは,科目の目標を踏まえ,材料と加工について,材料の特性や加工法などの視点で捉え,科学的な根拠に基づき工業生産に関連付けて考察するとともに,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,インテリアエレメントの生産ができるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 ①材料と加工について木材と木質材料,無機材料及び有機材料の性質と加工を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 ②材料の特性や加工法などに着目して,材料と加工に関する課題を見いだすとともに解決策を考え,科学的な根拠に基づき結果を検証し改善すること。 ③材料と加工について自ら学び,インテリア産業の発展に主体的かつ協働的に取り組むこと。 ア 木材と木質材料 木材と木質材料の特性を取り上げ,手工具による切削加工,塑性加工,組立,接着及び塗装などについて扱う。 イ 無機材料 金属材料,セラミック材料及び石材の種類と特性を取り上げ,変形加工,付着加工及び除去加工などについて扱う。 ウ 有機材料 プラスチック材料の種類と特性を取り上げ,成形加工法などについて扱う。 〔指導項目〕 (2)各種のエレメント ア 家具 イ 建具 ウ 照明器具 エ 窓回り部品 オ テキスタイル製品 カ 壁装材料 キ 工芸品 (内容の範囲や程度) イ〔指導項目〕の(2)については,インテリアの構成材,製品の構造及び機能を扱うこと。 ##### (2)各種のエレメント ここでは,科目の目標を踏まえ,各種のエレメントについて,構造と機能の視点で捉え,科学的な根拠に基づき工業生産に関連付けて考察し,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,インテリアエレメントの生産ができるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 ①各種のエレメントについて家具,建具,照明器具,窓回り部品,テキスタイル製品,壁装材料及び工芸品などの構造,名称,形式,設置方法,施工方法を踏まえて理解すること。 ②構造と機能に着目して,各種のエレメントに関する課題を見いだすとともに解決策を考え,科学的な根拠に基づき結果を検証し改善すること。 ③各種のエレメントについて自ら学び,インテリア産業の発展に主体的かつ協働的に取り組むこと。 ア 家具 家具が中心的なエレメントであることに留意し,素材別では木製,金属製,プラス チック製,籐製の家具を,機能別では人体系,準人体系,建物系の家具をそれぞれ取り上げ,それらの構造について扱う。 イ 建具 素材別では木製,金属製,プラスチック製の建具を,位置別では内部用と外部用の建具をそれぞれ取り上げ,それらの構造について扱う。 ウ 照明器具 住宅用,商店用,事務所用,学校用,交通用,工業用などの照明器具を取り上げ,それらの名称と形式,設置方法などについて扱う。 エ 窓回り部品 ブラインド類,スクリーン類を取り上げ,窓回り部品の名称と形式,設置方法などについて扱う。 オ テキスタイル製品 カーテン,いす張り地,カーペット,ホームリネン・寝具などのテキスタイル製品を取り上げ,それらの名称と形式,設置方法などについて扱う。 カ 壁装材料 紙壁紙,ビニル壁紙,織物壁紙などの壁装材料を取り上げ,それらの名称と形式,施工方法などについて扱う。 キ 工芸品 木・竹や漆などを材料とした日本の伝統工芸品の具体例を取り上げ,伝統的な工芸の技法について扱う。 木材工芸では,指物,挽き物,曲げ物,彫り物,象眼などの技法を,竹工芸では,丸竹加工,編組加工,割竹加工などを,漆工芸では,漆塗,変り塗,蒔絵,沈金,きんま,螺鈿などについて扱う。 〔指導項目〕 (3)加工方法 ア 木材加工 イ 金属加工 (内容の範囲や程度) ウ 〔指導項目〕の(3)については,実際の生産工程に沿って機械設備と工作法を扱うこと。また,関連する法規の目的と概要を扱うこと。 ##### (3)加工方法 ここでは,科目の目標を踏まえ,加工方法について,木材及び金属加工の設備と工作法の視点で捉え,科学的な根拠に基づき工業生産に関連付けて考察するとともに,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,インテリアエレメントの生産ができるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 ①加工方法について家具や建具などの加工方法,塗装方法,機械設備を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 ②木材及び金属加工の設備と工作法に着目して,加工方法に関する課題を見いだすとともに解決策を考え,科学的な根拠に基づき結果を検証し改善すること。 ③加工方法について自ら学び,インテリア産業の発展に主体的かつ協働的に取り組むこと。 ア 木材加工 切断加工,平削り加工,成形削り加工,接合部の加工,穿孔加工,旋削加工,研削加工,塑性加工,接着,塗装などの機械設備及び工具を取り上げ,生産工程と加工方法について扱う。 イ 金属加工 塑性加工,切削加工,工作機械などの機械設備を取り上げ,生産工程と加工方法について扱う。 〔指導項目〕 (4)生産管理 ア 生産管理の計画 イ 生産の工程 (内容の範囲や程度) エ 〔指導項目〕の(4)のアについては,生産計画,工程管理,品質管理,安全管理及 び衛生管理を扱うこと。イについては,実際の生産工程を扱うこと。 ##### (4)生産管理 ここでは,科目の目標を踏まえ,生産管理について,製品の生産に関わる計画,管理,工程,安全などの視点で捉え,科学的な根拠に基づき工業生産に関連付けて考察し,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,インテリアエレメントの生産ができるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 ①生産管理について生産管理の計画及び管理を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 ②製品の生産に関わる計画,管理,工程,安全などに着目して,生産管理に関する課題を見いだすとともに解決策を考え,科学的な根拠に基づき結果を検証し改善すること。 ③生産管理について自ら学び,インテリア産業の発展に主体的かつ協働的に取り組むこと。 ア 生産管理の計画 生産の形式と計画,工程管理,安全・衛生管理,品質管理,原価計画,生産の省力化などについて扱う。 イ 生産の工程 生産 インテリアエレメントの具体的な生産の事例を取り上げ,生産工程及び管理方法について扱う。 ## 第57節 デザイン実施 この科目は,社会や生活における諸課題をデザインによって解決することに必要な資 質・能力を育成することを主眼として内容を構成した。 今回の改訂では,工業技術の進展により多様化する工業製品の製造などに対応するため,工業におけるデザインを指導項目に位置付け,また,ビジュアルデザインの指導項目では情報とデザインの小項目を位置付けるなどの改善を図り,平成21年改訂の学習指導要領の「デザイン技術」から科目名称を改めた。 ### 第1 目標 #### 1 目標 工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,社会や生活における諸課題をデザインによって解決することに必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1)デザインについて社会や生活との関係を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2)デザインにより解決できる課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき構想を立て解決する力を養う。 (3)デザインによる豊かで快適な生活空間を構築する力の向上を目指して自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。 この科目においては,デザインを機能そのものを表現する技術の視点から捉え,工業生産と相互に関連付けて考察し,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,社会や生活における諸課題をデザインによって解決することができるようにすることをねらいとしている。 目標の(1)については,安全・安心で快適な生活環境を構築し改善するために,デザインについて社会や生活との関係を踏まえて理解するとともに,ものづくりにおける様々な状況に対応できる技術を身に付けるようにすることを意味している。 目標の(2)については,機能そのものを表現する技術に着目して,デザインにより解決 できる課題を見いだし,単に表面的なデザイン性だけを優先するのではなく,デザインが 社会や生活に与える影響に対して責任をもち,科学的な根拠に基づき構想を立て解決する 力を養うことを意味している。 目標の(3)については,デザインによる豊かで快適な生活空間を構築する力の向上を目指し,人々が求めているものや社会の動向の情報を基にした機能を製品化する方法について自ら学ぶ態度や,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養うことを意味している。 ### 第2 内容とその取り扱い #### 1 内容の構成及び取り扱い この科目は,目標に示す資質・能力を身に付けることができるよう,(1)工業におけるデザイン,(2)デザインと創造活動,(3)ビジュアルデザイン,(4)プロダクトデザイン,(5)環境デザインの五つの指導項目で,2~4単位程度履修されることを想定して内容を構成している。また,内容を取り扱う際の配慮事項は次のように示されている。 (内容を取り扱う際の配慮事項) ア 実際のデザイン事例,産業現場の見学及びメディア教材の活用などを通して,工業技術の進展に対応し工業生産及び社会や生活における諸課題の解決に向けたデザインの役割について,具体的に理解できるよう工夫して指導すること。 イ 〔指導項目〕の(3)のアからエまで及び(4)のアからオまでについては,生徒や地域の実態,学科の特色等に応じて,それぞれいずれかを選択して扱うことができる こと。 内容を取り扱う際には,デザインは社会が進展し職業が分化する中において実践されるものであり,多様な要素を組み合わせて構成されているため,実際のデザイン事例,産業現場の見学,美術館や博物館などの見学,各種メディア教材の活用のほか,実習などを関連付けることにより,具体的にデザインの役割とその技術を理解できるよう工夫して指導すること。また,デザインに関わる課題の解決に当たっては,デザインが社会に与える影響やデザインに携わる技術者に求められる倫理観を踏まえ,意匠権などの知的財産権に関わる法規などの法的な側面からもあわせて考察できるよう工夫して指導すること。 〔指導項目〕の(3)のアからエまで及び(4)のアからオまでについては,地域のデザインの実態にあった特色ある題材を選定し,生徒や地域の実態,学科の特色等に応じて,選択して扱うことができること。 #### 2 内容 2 内容 1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)工業におけるデザイン ア 工業製品の企画と計画 イ ニーズとデザイン ウ 組織と進行管理 (内容の範囲や程度) ア 〔指導項目〕の(1)については,製品デザインの企画,宣伝の企画及び市場調査などの具体的な事例を通して扱うこと。 ##### (1)工業におけるデザイン ここでは,科目の目標を踏まえ,工業におけるデザインについて,社会や生活のニーズの視点で捉え,科学的な根拠に基づき工業生産に関連付けて考察し,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,社会や生活における諸課題をデザインによって解決ができるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 ①工業におけるデザインについて企業などにおける実際のデザイン事例を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 ②社会や生活のニーズに着目して,工業におけるデザインに関する課題を見いだすとともに,科学的な根拠に基づき構想を立て,結果を検証し改善すること。 ③工業におけるデザインについて自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組むこと。 ア 工業製品の企画と計画 デザインの企画,開発,計画,促進などの業務における発想法,デザイン方法や業務管理方法などについて扱う。 イ ニーズとデザイン マーケティングの概要,市場調査,製品企画,宣伝企画などについて,具体的な事例について扱う。 ウ 組織と進行管理 組織におけるデザインプロセス,協働作業などについて取り上げ,地域資源を生かしたデザインについて扱う。また,デザインに関わる知的財産の管理や運用及び意匠権などについて扱う。 〔指導項目〕 (2)デザインと創造活動 ア デザインの概要 イ 形態観察と表示 ウ 色彩 エ 人間要素 (内容の範囲や程度) イ〔指導項目〕の(2)のアについては,デザインの考え方と技術を扱うこと。イについては,物の見え方,とらえ方,表示及び表現の技術を扱うこと。エについては,造形の心理及び人間工学をデザインと関連付けて扱うこと。 #### # (2)デザインと創造活動 ここでは,科目の目標を踏まえ,デザインとその創造活動について,デザインを構成する基本要素の視点で捉え,科学的な根拠に基づき工業生産に関連付けて考察し,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,社会や生活における諸課題をデザインによって解決ができるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の①から③までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 ① デザインと創造活動について企業などにおける実際のデザイン事例を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 ② デザインを構成する基本要素に着目して,デザインと創造活動に関する課題を見いだすとともに,科学的な根拠に基づき構想を立て,結果を検証し改善すること。 ③ デザインと創造活動について自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組む こと。 ア デザインの概要 デザインの意義と要素,創造の意義と手法などについて扱う。 イ 形態観察と表示 ものの見え方,とらえ方,表示及び表現の種類と技法について扱う。 ウ 色彩 デザインを行う上で必要な色彩について扱う。 エ 人間要素 デザインと人間要素などの基礎的な内容にかかる人間工学,感性工学,造形の心理学などについて扱う。 〔指導項目〕 (3)ビジュアルデザイン ア ビジュアルデザインの概要 イ グラフィックデザイン ウ パッケージデザイン エ 情報とデザイン (内容の範囲や程度) ウ 〔指導項目〕の(3)のアについては,デザインにおける視覚情報を伝達する技術を扱うこと。エについては,デザインにおける情報機器の活用を扱うこと。 ##### (3)ビジュアルデザイン ここでは,科目の目標を踏まえ,ビジュアルデザインについて,工業製品などのデザイン制作の視点で捉え,科学的な根拠に基づき工業生産に関連付けて考察し,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,社会や生活における諸課題をデザインによって解決ができるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 ①ビジュアルデザインについて企業などにおける実際のデザイン事例を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 ②工業製品などのデザイン制作に着目して,ビジュアルデザインに関する課題を見いだすとともに,科学的な根拠に基づき構想を立て,結果を検証し改善すること。 ③ビジュアルデザインについて自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組むこと。 ア ビジュアルデザインの概要 ビジュアルデザインの意義,要素,視覚伝達の機能などについて扱う。 イ グラフィックデザイン 宣伝媒体,広告デザイン,編集デザイン,展示計画などを取り上げ,機能,目的及び手法について扱う。 ウ パッケージデザイン パッケージの種類,構造,材質及びリユースやリサイクルなどの環境への配慮などを取り上げ,機能,目的及び手法について扱う。 エ 情報とデザイン コンピュータグラフィック,映像デザイン,インタラクション・インタフェースデザインなどの機能,目的及び手法について扱う。 〔指導項目〕 (4)プロダクトデザイン ア プロダクトデザインの概要 イ 生活器具のデザイン ウ 産業機器のデザイン エ 繊維や服飾のデザイン オ 工芸品のデザイン (内容の範囲や程度) エ 〔指導項目〕の(4)については,プロダクトデザインの工業生産における意義,要素及び用途を扱うこと。 ##### (4)プロダクトデザイン ここでは,科目の目標を踏まえ,プロダクトデザインについて,工業製品などのデザイン制作の視点で捉え,科学的な根拠に基づき工業生産に関連付けて考察し,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,社会や生活における諸課題をデザインによって解決ができるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 ①プロダクトデザインについて企業などにおける実際のデザイン事例を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 ②工業製品などのデザイン制作に着目して,プロダクトデザインに関する課題を見いだすとともに,科学的な根拠に基づき構想を立て,結果を検証し改善すること。 ③プロダクトデザインについて自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組むこと。 ア プロダクトデザインの概要 プロダクトデザインの意義,要素,デザインプロセス,デザインと材料,環境への配慮などについて扱う。 イ 生活器具のデザイン 家庭用器具,レジャー,スポーツ,福祉介護関連などの生活器具のデザインについて扱う。 ウ 産業機器のデザイン 事務用機器,生産用機器,輸送用機器のデザインについて扱う。 エ 繊維や服飾のデザイン テキスタイルデザイン,織物,染色,服飾などについて扱う。 オ 工芸品のデザイン 地域の工芸品のデザインについて扱う。 〔指導項目〕 (5)環境デザイン ア 環境デザインの概要 イ 住空間のデザイン ウ 公共空間のデザイン エ 都市空間のデザイン (内容の範囲や程度) オ 〔指導項目〕の(5)のエについては,都市景観についても扱うこと。 ##### (5)環境デザイン ここでは,科目の目標を踏まえ,環境デザインについて,生活環境及び都市環境の視点で捉え,科学的な根拠に基づき工業生産に関連付けて考察し,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,社会や生活における諸課題をデザインによって解決ができるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 ①環境デザインについて企業などにおける実際のデザイン事例を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 ②生活環境及び都市環境に着目して,環境デザインに関する課題を見いだすとともに,科学的な根拠に基づき構想を立て,結果を検証し改善すること。 ③環境デザインについて自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組むこと。 ア 環境デザインの概要 環境デザインの意義,要素,デザインプロセス,デザインと環境などについて扱う。 イ 住空間のデザイン 住宅,オフィスなどの住空間を取り上げ,人の動線とその調査,平面,室内計画に関わる家具や什器の機能と条件について扱う。 ウ 公共空間のデザイン 多様な人が利用する公園,広場,商業施設,美術館や博物館などを取り上げ,公共的な空間の機能や条件について扱う。 エ 都市空間のデザイン 多数の人が暮らす都市空間を取り上げ,町並みやコミュニティづくりに寄与する人とものに関わる機能,条件及び影響について扱う。 ## 第58節 デザイン材料 この科目は,デザインにおける適切な材料を選択し加工した上で利活用することに必要な資質・能力を育成することを主眼として内容を構成している。 今回の改訂では,工業技術の進展により多様化する工業製品の製造に対応するため,デザインの可能性を広げる材料と加工技術を指導項目として位置付けるなどの改善を図った。 ### 第1 目標 #### 1 目標 工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,デザインにおける適切な材料を選択し加工した上で利活用することに必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1)デザインに関わる材料の利活用について工業生産を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2)デザインに関わる材料の利活用や加工法に関する課題を発見し,技術者として科学的な根拠に基づき工業技術の進展に対応し解決する力を養う。 (3)デザインに関わる材料の利活用とよりよい生活空間を構築する力の向上を目指して自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。 この科目においては,デザイン材料を工業製品などに適用される材料の視点から捉え,工業生産と相互に関連付けて考察し,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,デザインにおける適切な材料を選択した上で利活用することができるようにすることをねらいとしている。 目標の(1)については,安全・安心で快適な生活環境を構築し改善するために,デザインに関わる材料の利活用について工業生産を踏まえて理解するとともに,ものづくりにおける様々な状況に対応できる技術を身に付けるようにすることを意味している。 目標の(2)については,工業製品などに適用される材料に着目して,デザインに関わる 材料の利活用や加工法に関する課題を見いだし,単に生産性や効率だけを優先するのではなく,デザインにおいて適用される材料及びその製品が社会に与える影響に責任をもち,科学的な根拠に基づき工業技術の進展に対応し解決する力を養うことを意味している。 目標の(3)については,デザインに関わる材料の利活用とよりよい生活空間を構築する力の向上を目指し,材料の効果的な利活用について自ら学ぶ態度や,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養うことを意味している。 ### 第2 内容とその取扱い #### 1内容の構成及び取扱い この科目は、目標に示す資質・能力を身につけることができるよう,(1)デザインと材料,(2)無機材料の特性と加工技術,(3)有機材料の特性と加工技術,(4)デザインの可能性を広げる材料と加工技術の四つの指導項目で,2~4単位程度履修されることを想定して内容を構成している。また,内容を取り扱う際の配慮事項は次のように示されている。 (内容を取り扱う際の配慮事項) ア 実際のデザイン事例,産業現場の見学及びメディア教材の活用などを通して,材料を利活用する方法について,具体的に理解できるよう工夫して指導すること。 内容を取り扱う際には,工業製品は多様な材料を組み合わせて構成されるものであり,伝統的な材料から新素材まで,材料を効果的に利活用するための方法と材料を適切に選択することが必要となるため,実際のデザイン事例,産業現場の見学及び各種メディア教材の活用のほか,実習などと関連付けることにより,デザインの役割と材料の関連を具体的に理解できるよう工夫して指導すること。 #### 2 内容 2 内容 1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 1)デザインと材料 ア 生活と材料 イ 材料の種類と特性 ウ デザインにおける材料の利活用 (内容の範囲や程度) ア〔指導項目〕の(1)については,生徒や地域の実態,学科の特色等に応じて,適切な題材を選定し,材料の特性を生かしたデザインを扱うことができること。 ##### (1)デザインと材料 ここでは,科目の目標を踏まえ,デザインと材料について,工業製品などをデザインする時に使用する材料の特性などの視点で捉え,科学的な根拠に基づき工業生産に関連付けて考察し,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,デザインにおける適切な材料を選択し加工した上での利活用ができるようにすることをねらいとしている。このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 ①デザインと材料について工業製品などを構成する様々な材料の特性を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 ②工業製品などをデザインする時に使用する材料の特性などに着目して,デザインと材料に関する課題を見いだすとともに解決策を考え,科学的な根拠に基づき結果を検証し改善すること。 ③ーデザインと材料について自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組むこと。 ア 生活と材料 生活を支える材料の種類,特性及び活用方法を取り上げ,生活様態のデザインにおける材料の位置付けについて扱う。 イ 材料の種類と特性 生活空間を構成する材料の種類,特性及び特徴について扱う。特性については,熱,光,水,電気,薬品などに対する工学的特性に加えて,材料の表面処理技術に関わる視覚的効果,色彩的効果,テクスチャーなどの感覚的特性も含めたデザインにおける材料について扱う。 ウ デザインにおける材料の利活用 デザインにおける材料の利活用の事例を取り上げ,デザインする過程における材料の利活用に関わる材料の選択基準,加工方法,構成方法,廃棄方法などについて扱う。 〔指導項目〕 (2)無機材料の特性と加工技術 ア 金属材料 イ セラミック材料 ウ ガラス (内容の範囲や程度) イ 〔指導項目〕の(2)については,無機材料の活用方法を扱うこと。 ##### (2)無機材料の特性と加工技術 ここでは,科目の目標を踏まえ,無機材料の特性と加工技術について,工業製品などへの利活用の視点で捉え,科学的な根拠に基づき工業生産に関連付けて考察し,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,デザインにおける適切な材料を選択し加工した上での利活用ができるようにすることをねらいとしている。このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 ①無機材料の特性と加工技術について企業などにおける実際のデザイン事例を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 ②工業製品などへの利活用に着目して,無機材料の特性と加工技術に関する課題を見いだすとともに解決策を考え,科学的な根拠に基づき結果を検証し改善すること。 ③無機材料の特性と加工技術について自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組むこと。 ア 金属材料 鉄と銅,アルミニウムとその合金,銅とその合金など金属材料の特性や加工技術について取り上げ,デザインにおける効果的な活用方法について扱う。 イ セラミック材料 陶磁器,ファインセラミックスなどセラミック材料の特性や加工技術について取り上げ,デザインにおける効果的な活用方法について扱う。 ウ ガラス ガラスの原料と成形ガラスなどガラスの特性や加工技術について取り上げ,デザインにおける効果的な活用方法について扱う。 〔指導項目〕 (3)有機材料の特性と加工技術 ア プラスチック イ 木材 (内容の範囲や程度) ウ 〔指導項目〕の(3)については,竹材料,繊維と皮革類,紙類,塗料と色材及び接 着剤などの有機材料についても活用する方法を扱うこと。 ##### (3)有機材料の特性と加工技術 ここでは,科目の目標を踏まえ,有機材料の特性と加工技術について,工業製品などへの利活用の視点で捉え,科学的な根拠に基づき工業生産に関連付けて考察し,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,デザインにおける適切な材料を選択し加工した上での利活用ができるようにすることをねらいとしている。このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 ①有機材料の特性と加工技術について企業などにおける実際のデザイン事例を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 ②工業製品などへの利活用に着目して,有機材料の特性と加工技術に関する課題を見いだすとともに解決策を考え,科学的な根拠に基づき結果を検証し改善すること。 ③有機材料の特性と加工技術について自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組むこと。 ア プラスチック プラスチックの種類と性質,プラスチック材料の成形加工などを取り上げ,デザインにおける効果的な活用方法について扱う。 イ 木材 木や竹材料の特性と加工技術について取り上げ,デザインにおける効果的な活用方法について扱う。 〔指導項目〕 (4)デザインの可能性を広げる材料と加工技術 ##### (4)デザインの可能性を広げる材料と加工技術 ここでは,科目の目標を踏まえ,デザインの可能性を広げる材料と加工技術について,工業製品などへの効果的な利活用の視点で捉え,科学的な根拠に基づき工業生産に関連付けて考察し,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,デザインにおける適切な材料を選択し加工した上での利活用ができるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 ①デザインの可能性を広げる材料と加工技術について企業などにおける実際のデザイン事例を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 ②工業製品などへの効果的な利活用に着目して,デザインの可能性を広げる材料と加工技術に関する課題を見いだすとともに解決策を考え,科学的な根拠に基づき結果を検証し改善すること。 ③デザインの可能性を広げる材料と加工技術について自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組むこと。 これらの事項を身に付けるよう,付加製造技術や複合材料,機能性材料の特性,成形方法及び加工技術の有効な活用方法について扱う。 ## 第59節 デザイン史 この科目は,造形とデザインの鑑賞により創造的かつ効果的なデザインに必要な資質・ 能力を育成することを主眼として内容を構成している。 今回の改訂では,工業技術の進展により多様化する工業製品の製造に対応するため,過 去の造形やデザイン事例の鑑賞及び関連する技術を扱うことを通して,創造的かつ効果的 なデザインができるような学習活動を取り入れるなどの改善を図った。 ### 第1目標 #### 1目標 工業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,造形とデザインの鑑賞により創造的かつ効果的なデザインに必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1)デザインについて歴史的な背景を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにする。 (2)歴史的なデザイン事例からデザインに関する課題を発見し,技術者として科 的な根拠に基づき構想を立て解決する力を養う。 (3)歴史的なデザイン事例と造形方法を踏まえて独創的にデザインする力の向上を目指して自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。 この科目においては,デザイン史を人間がものをつくりだしてきた創造の営みを振り返る視点で捉え,人間生活,自然,社会及び工業生産を相互に関連付けて考察し,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,造形とデザインの鑑賞により創造的かつ効果的なデザインができるようにすることをねらいとしている。 目標の(1)については,安全・安心で快適な生活環境を構築し改善するために,デザインについて歴史的な背景を踏まえて理解するとともに,デザインにおける様々な状況に対応できる技術を身に付けるようにすることを意味している。 目標の(2)については,人間がものをつくりだしてきた創造の営みの振り返りに着目して,歴史的なデザイン事例に関する課題を見いだし,単に表面的なデザイン性だけを優先するのではなく,デザインが社会や生活に与える影響に対して責任をもち,科学的な根拠に基づき構想を立て解決する力を養うことを意味している。 目標の(3)については,歴史的なデザイン事例と造形方法を踏まえて独創的にデザイン する力の向上を目指し,ものの機能や構造などを踏まえた造形を自ら学ぶ態度や,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養うことを意味している。 ### 第2内容とその取扱い #### 1内容の構成及び取扱い この科目は,目標に示す資質・能力を身に付けることができるよう,(1)日本のデザイン,(2)西洋のデザイン,(3)現代のデザインの三つの指導項目で,2~4単位程度履修されることを想定して内容を構成している。また,内容を取り扱う際の配慮事項は次のように示されている。 (内容を取り扱う際の配慮事項) ア 幅広い時代のデザイン事例,産業現場の見学及びメディア教材の活用などを通して,デザインが地域,生活及び産業などに対して果たしてきた役割について,具体的に理解できるよう工夫して指導すること。 内容を取り扱う際には,歴史的なデザインが社会や生活に与えてきた効果を踏まえ,古代から現代までの造形物やデザイン事例,産業現場の見学及び各種メディア教材のほか,地域に伝えられる伝統工芸の工房を見学するなど,歴史的にデザインが地域,生活及び産業などに対して果たしてきた役割について,調査や模写するなどして具体的に理解できるよう工夫して指導すること #### 1内容 2 内容 1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 〔指導項目〕 (1)日本のデザイン ア 古代の生活と造形 イ 中世の生活と造形 ウ 近世の生活と造形 エ 近代の生活とデザイン (内容の範囲や程度) ア〔指導項目〕の(1)については,日本における歴史的なデザイン活動の内容と関連する技術を扱うこと。また,東洋のデザインについても扱うこと。 ##### (1)日本のデザイン ここでは,科目の目標を踏まえ,日本のデザインについて,歴史的なデザイン技術の視点で捉え,科学的な根拠に基づき工業生産に関連付けて考察し,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,造形とデザインの鑑賞により創造的かつ効果的なデザインができるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 ①日本のデザインについて歴史的なデザイン事例や東洋のデザインも踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 ②歴史的なデザイン技術に着目して,日本のデザインに関する課題を見いだすとともに,科学的な根拠に基づき構想を立て,結果を検証し改善すること。 ③日本のデザインについて自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組むこと。 ア 古代の生活と造形 原始と古代に大別し,原始では住まいや生活用具,古墳の装飾を,古代では飛鳥時代,奈良時代,平安時代において大陸の仏教文化が日本の生活と造形に影響を与えた過程を取り上げ,それぞれの生活と造形について扱う。 イ 中世の生活と造形 鎌倉時代,室町時代における武家社会の生活と造形の成り立ちについて扱う。 ウ 近世の生活と造形 安土桃山時代,江戸時代における町人文化の発生から,伝統工芸の形成に至るまでの生活と造形について扱う。 エ 近代の生活とデザイン 明治時代,大正時代,昭和初期から第二次世界大戦の終結までにおける西洋文化の生活と造形への影響や,近代デザインの始まりにおける生活とデザインについて扱う。 〔指導項目〕 (2)西洋のデザイン ア 古代の生活と造形 イ 中世の生活と造形 ウ 近世の生活と造形 エ 近代のデザインの成立と展開 (内容の範囲や程度) イ 〔指導項目〕の(2)については,西洋における歴史的なデザイン活動の内容と関連 する技術を扱うこと。 ##### (2)西洋のデザイン ここでは,科目の目標を踏まえ,西洋のデザインについて,歴史的なデザイン技術の視点で捉え,科学的な根拠に基づき工業生産に関連付けて考察し,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,造形とデザインの鑑賞により創造的かつ効果的なデザインができるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 ①西洋のデザインについて歴史的なデザイン事例を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 ②歴史的なデザイン技術に着目して,西洋のデザインに関する課題を見いだすとともに,科学的な根拠に基づき構想を立て,結果を検証し改善すること。 ③西洋のデザインについて自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組むこと。 ア 古代の生活と造形 原始の造形文化,オリエント,エーゲ海文明,ギリシャ・ローマにおける古代の生活と造形について扱う。 イ 中世の生活と造形 初期キリスト教文化,ビザンチン,イスラム,ロマネスク,ゴシックの様式におけるキリスト教文化やイスラム文化の影響を受けた中世の生活と造形について扱う。 ウ 近世の生活と造形 ルネッサンス,バロック,ロココとネオクラシズム,産業革命以前までの近世の生活と造形について扱う。 エ 近代のデザインの成立と展開 近代デザインの始まりから,その成立と展開について扱う。 〔指導項目〕 (3)現代のデザイン (内容の範囲や程度) ウ〔指導項目〕の(3)については,戦後及び高度経済成長後から現在までのデザイン 活動の内容と関連する技術を扱うこと。 ##### (3)現代のデザイン ここでは,科目の目標を踏まえ,現代のデザインについて,社会や生活を豊かにするデザイン技術の視点で捉え,科学的な根拠に基づき工業生産に関連付けて考察し,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,造形とデザインの鑑賞により創造的かつ効果的なデザインができるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 ①現代のデザインについてデザイン事例を踏まえて理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 ②社会や生活を豊かにするデザイン技術に着目して,現代のデザインに関する課題を見いだすとともに,科学的な根拠に基づき構想を立て,結果を検証し改善すること。 ③現代のデザインについて自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組むこと。 これらの事項を身に付けるよう,日本や海外の産業の発展及び現代デザインの動向や諸課題を取り上げ,現代のデザイン活動について扱う。 また,具体的な事例を取り上げ,国際的なデザインの動向についても扱う。 # 第3章 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取り扱い ## 第1節 指導計画の作成にあたっての配慮事項 ### 1 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善 (1)単元など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。 その際,工業の見方・考え方を働かせ,見通しをもって実験・実習などを行い,科学的な根拠に基づき創造的に探究するなどの実践的・体験的な学習活動の充実を図ること。この事項は,工業科の指導計画の作成に当たり,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を目指した授業改善を進めることとし,工業科の特質に応じて,効果的な学習が展開できるように配慮すべき内容を示したものである。 選挙権年齢や成年年齢の引き下げなど,高校生にとって政治や社会が一層身近なものとなる中,学習内容を人生や社会の在り方と結び付けて深く理解し,これからの時代に求められる資質・能力を身に付け,生涯にわたって能動的に学び続けることができるようにするためには,これまでの優れた教育実践の蓄積も生かしながら,学習の質を一層高める授業改善の取組を推進していくことが求められている。 指導に当たっては,(1)「知識及び技術」が習得されること,(2)「思考力,判断力,表現力等」を育成すること,(3)「学びに向かう力,人間性等」を涵養することが偏りなく実現されるよう,単元など内容や時間のまとまりを見通しながら,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を行うことが重要である。 主体的・対話的で深い学びは,必ずしも 1 単位時間の授業の中で全てが実現されるものではない。単元など内容や時間のまとまりの中で,例えば,主体的に学習に取り組めるよう学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりして自身の学びや変容を自覚できる場面をどこに設定するか,対話によって自分の考えなどを広げたり深めたりする場面をどこに設定するか,学びの深まりをつくりだすために,生徒が考える場面と教師が教える 場面をどのように組み立てるか,といった観点で授業改善を進めることが求められる。ま た,生徒や学校の実態に応じ,多様な学習活動を組み合わせて授業を組み立てていくことが重要であり,単元など内容や時間のまとまりを見通した学習を行うに当たり基礎となる「知識及び技術」の習得に課題が見られる場合には,それを身に付けるために,生徒の主 体性を引き出すなどの工夫を重ね,確実な習得を図ることが必要である。 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を進めるに当たり,特に「深い学び」の視点に関して,各教科等の学びの深まりの鍵となるのが「見方・考え方」である。 各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方である「見方・考え方」を,習得・活用・探究という学びの過程の中で働かせることを通じて,より質の高い深い学びにつなげることが重要である。 工業科においては,「工業の見方・考え方」を働かせ,見通しをもって実験・実習など を行い,科学的な根拠に基づき創造的に探究するなどの実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,「主体的・対話的で深い学び」の実現を図るようにすることが重要で ある。 「主体的な学び」については,例えば,工業の事象などから課題を見いだし,見通しを もって課題や仮説の設定をしたり,実験・実習の計画を立案したりする学習となっているか,実験・実習の結果を分析して仮説の妥当性を科学的な根拠に基づき検証し,全体を振り返って改善策を考えることをしているか,得られた知識及び技術を基に,次の課題を発見しているか,新たな視点でものづくりを把握しているかなどの視点から,授業改善を図 ることが考えられる。 「対話的な学び」については,例えば,課題の設定や検証計画の立案,実験・実習の結 果の検証,考察する場面などでは,あらかじめ個人で考え,その後,意見交換をしたり,科学的な根拠に基づき討論したりするなどして,自分の考えをより妥当なものにする学習 活動となっているかなどの視点から,授業改善を図ることが考えられる。 「深い学び」については,例えば,「工業の見方・考え方」を働かせながら探究の過程を通して学ぶことにより,工業科で育成を目指す資質・能力を獲得するようになっているか,様々な知識がつながって,より科学的な概念を形成することに向かっているか,さらに,新たに獲得した資質・能力に基づいた「工業の見方・考え方」を,次の学習や日常生活などにおける課題の発見や解決の機会に働かせているかなどの視点から,授業改善を図ることが考えられる。 以上のような授業改善の視点を踏まえ,工業科で育成を目指す資質・能力及びその評価 の観点との関係も十分に考慮し,指導計画等を作成することが必要である。 ### 2 原則履修科目 (2)工業に関する各学科においては,「工業技術基礎」及び「課題研究」を原則として全ての生徒に履修させること。 今回の改訂においても,「工業技術基礎」及び「課題研究」の 2科目を工業科における原則履修科目として位置付けている。 「工業技術基礎」は,工業科に関する基礎的な技術を実験・実習によって実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,工業に関する各分野における技術への興味・関心を高め,工業技術について工業のもつ社会的な意義や役割と人と技術との関わりを踏まえて理解するとともに,工業に関する広い視野と技術者に求められる職業人としての倫理観や,ものづくりを通じて地域や社会の健全で持続的な発展を担う職業人として必要な資質・能力を育成し,工業の発展を図る主体的かつ協働的な態度を育てることをねらいとし ている。この科目は,工業に関する各分野における基礎的・基本的な内容で構成し,より 専門的な学習への動機付けや卒業後の進路についての生徒の意識を深めることが大切である。 また「課題研究」は,生徒が主体的に設定した工業に関する課題について,知識,技術 などの深化・総合化を図る学習を通して,課題を解決する力の向上や工業の発展や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を育てることをねらいとした科目である。 科目の性格やねらいなどからみて,「工業技術基礎」は入学年次で,「課題研究」は卒業年次で履修させることが望ましい。 ### 3 実験・実習に配当する授業時数の確保 (3)工業に関する各学科においては,原則として工業科に属する科目に配当する総授業時数の10分の5以上を実験・実習に配当すること。 工業科においては,実践的・体験的な実験・実習を主要な学習方法として,工業の各分 野の知識,技術などの確実な習得を図ってきている。今後も,技術の進展等にも対応し,創造性や課題を解決する力の育成及び望ましい勤労観・職業観の育成などを一層重視し, 実験・実習を充実することが必要である。 工業に関する実験・実習は,工業科に属する科目の「工業技術基礎」,「実習」を中心として授業時数に配当する総授業時数の10分の5以上を充てることとしているが,授業時数の確保とともに内容の一層の充実に努めることが大切である。なお,指導計画の作成に当たっては,いわゆる座学との関連を図ることが大切である。 なお,ここでいう実験・実習は,「工業技術基礎」,「実習」のほか,「課題研究」,「製図」及び専門科目の授業中に行われる示範実験・教示実習や製図作業,調査,設計や製作,観察,見学,現場実習などの実践的・体験的な学習を指すものである。 ### 4 「実習」及び「製図」の名称 (4)「実習」及び「製図」については,それぞれ科目名に各学科の名称を冠し,例えば「機械実習」,「機械製図」などとして取り扱うことができること。 「実習」及び「製図」の名称については,それぞれの科目名に工業に関する各学科の名称を冠して扱うことができる。例えば,機械科では「機械実習」,「機械製図」と,電気科では「電気実習」,「電気製図」とすることができる。 ### 5 地域や産業界などとの連携・交流 (5)地域や産業界等との連携・交流を通じた実践的な学習活動や就業体験活動を積極 的に取り入れるとともに,社会人講師を積極的に活用するなどの工夫に努めること。 工業科の改善・充実を図っていく上では,地域や産業界との双方向の連携・交流関係を 確立していくことが,極めて重要である。単に地域や産業界の協力を仰ぐというだけでな く,各学校の教育力を地域に還元することにより,地域や産業界との連携・交流関係を築 くことが大切である。 工業に関する各分野の第一線で活躍する地域や産業界の技術者などを学校に招き,生徒 が先端的な知識,技術などを身に付けたり,優れた技術・技能を身に付けたりするととも に,望ましい勤労観・職業観を育成するために,学校における実践的な教育活動に連携・ 協力してもらうことは有意義なことである。特に,我が国の優れた伝統技術・技能の継承 も重視される中,伝統技能継承者や高度熟練技能者を学校に招き,実践的な指導を生徒が 直接受けることや優れた技術・技能を見学することは大変効果的である。各学校において は,特別非常勤講師制度などにより,社会人講師等を積極的に活用するなどの工夫をする ことが大切である。 従来から,「課題研究」や各科目の実習の一部として,産業現場等における実習が,地 域の産業現場において積極的に取り組まれてきているところである。今回の改訂において は,各学校では,地域や学校の実態,生徒の特性,進路等を考慮し,キャリア教育を推進 するために,地域や産業界等との連携・交流を図り,産業現場等における長期間の実習を 取り入れるなどの就業体験活動の機会を積極的に設けるものとされ,また,職業に関する 各教科・科目については,就業体験活動をもって実習に替えることができることが総則に 示されている。したがって,工業に関する学科においても,これまで以上に,就業体験活 1 指導計画作 成上の配慮 動を積極的に取り入れていくことが求められている。その際,あらかじめ学校の教育活動 の一環として計画し,就業体験活動を工業科に属する科目の一部又は全部に替えるよう工 事項 夫することが大切である。 また,地域や産業界等との連携関係を確立するためには,学校の教育力を地域に還元す る努力も重要であり,学校のもつ施設・設備等を地域に開放し,ものづくり体験教室や先 端技術講習会の実施などの交流活動に取り組むこと,生徒が自らの学習の成果によって身 に付けた工業の専門性を生かしたボランティア活動に取り組むことなども考えられる。 ### 6 障害のある生徒などへの指導 (6)障害のある生徒などについては,学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的,組織的に行うこと。 障害者の権利に関する条約に掲げられたインクルーシブ教育システムの構築を目指し,児童生徒の自立と社会参加を一層推進していくためには,通常の学級,通級による指導,小・中学校における特別支援学級,特別支援学校において,児童生徒の十分な学びを確保し,一人一人の児童生徒の障害の状態や発達の段階に応じた指導や支援を一層充実させていく必要がある。 高等学校の通常の学級においても,発達障害を含む障害のある生徒が在籍している可能性があることを前提に,全ての教科等において,一人一人の教育的ニーズに応じたきめ細かな指導や支援ができるよう,障害種別の指導の工夫のみならず,各教科等の学びの過程において考えられる困難さに対する指導の工夫の意図,手立てを明確にすることが重要である。 これを踏まえ,今回の改訂では,障害のある生徒などの指導に当たっては,個々の生徒によって,見えにくさ,聞こえにくさ,道具の操作の困難さ,移動上の制約,健康面や安全面での制約,発音のしにくさ,心理的な不安定,人間関係形成の困難さ,読み書きや計算等の困難さ,注意の集中を持続することが苦手であることなど,学習活動を行う場合に生じる困難さが異なることに留意し,個々の生徒の困難さに応じた指導内容や指導方法を 工夫することを,各教科等において示している。 その際,工業科の目標や内容の趣旨,学習活動のねらいを踏まえ,学習内容の変更や学習活動の代替を安易に行うことがないよう留意するとともに,生徒の学習負担や心理面にも配慮する必要がある。 例えば,工業科における配慮として,次のようなものが考えられる。 工業に関する各学科における実験・実習の指導においては,実験・実習の安全確保を図るため,工業科に属する科目の特質や学習過程の段階等に応じた困難さの状態に対する配慮の意図と手立てを示す必要がある。 例えば,実験・実習の全体像を俯瞰できないなど学習活動への参加が困難な場合,学習の見通しをもてるようにするため,それらの手順や方法の視覚的な明示や,全体の流れの中で何を学習しているのかを示すなどの配慮を行うことが考えられる。 また,機械や装置類の操作,毒物及び劇物などの各種薬品や薬剤,可燃物の使用に際しては,安全面などの留意点について,集団場面での口頭による指示の理解が困難な場合,事故を防止する方法を理解しやすいようにするため,全体での指導を行った上で,個別に指導を行うこと,実際に動作で示すことなど,配慮することが考えられる。 なお,学校においては,こうした点を踏まえ,個別の指導計画を作成し,必要な配慮を記載し,他教科等の担当教師と共有したり,翌年度の担当教師等に引き継いだりすることが必要である。 ## 第2節 内容の取り扱いにあたっての配慮事項 ### 1 言語活動の充実 (1)工業に関する課題の解決方策について,科学的な根拠に基づき論理的に説明することや討論することなど,言語活動の充実を図ること。 今回の改訂においても,言語に関する能力の育成を重視し,各教科等において言語活動を充実することとしている。 工業科においても,思考力,判断力,表現力を育成する学習活動の充実に関わって,工業に関する課題の解決方策について,工業の視点から解決すべき課題を把握し,職業人としての倫理観に基づく合理的かつ創造的な解決策の考察・決定や関係者への説明や意見を交換するなどして,計画の実施に当たって専門的な知識,技術などを活用し,より合理的かつ創造的な改善策を考察するための振り返りといった学習活動の中で,科学的な根拠に基づき論理的に説明することや討論することなど,言語活動に関わる学習を一層重視する必要がある。 ### 2 コンピュータや情報通信ネットワークなどの活用 (2)コンピュータや情報通信ネットワークなどの活用を図り,学習の効果を高めるよう工夫すること。 これまで工業科では,情報化の進展に対応するため,生徒が情報モラルを身に付け,コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を適切かつ実践的,主体的に活用できるようにするための学習活動を充実し,工夫して指導してきた。今回の改訂では,「工業情報数理」をはじめ,工業科に属する各科目についても,工業技術の情報化とネットワーク化の進展に対応して,内容の改善を図っている。学校においては,工業科に属する各科目の指導に当たって,コンピュータや情報通信ネットワークなどの積極的な活用を図り,情報モラルを踏まえて,生徒の情報活用能力の育成に努めるとともに,指導の工夫を図り,学習の効果を高めるようにすることが必要である。 ### 3 職業人に求められる倫理観 (3)工業に関する課題の解決に当たっては,職業人に求められる倫理観を踏まえるよう留意して指導すること。 ものづくりに関わる課題を解決する上での誤った判断は,事故や社会的な災害を発生させ,技術の発展に伴って,その被害規模は想像を超えて大きなものとなる。 工業に関する課題の解決に当たっては,単に利益を追求することや生産性を優先することだけではなく,ものづくりにおける製品などが社会に与える影響や職業人に求められる倫理観を踏まえ,社会に利益がもたらされるよう関係法規を踏まえて法的な側面からも考察できるよう工夫して指導することが必要である。 ## 第3節 実験・実習の実施にあたっての配慮事項 3 実験・実習を行うに当たっては,関連する法規等に従い,施設・設備や薬品等の安全管理に配慮し,学習環境を整えるとともに,事故防止や環境保全の指導を徹底し,安全と衛生に十分留意するものとする。また,排気,廃棄物や廃液などの処理についても,十分留意するものとする。 実験・実習を行うに当たっては,実験・実習の安全確保を図るため,関連する法規等に従い,施設,実験・実習装置や照明などの日常の点検,施設・設備の安全管理及び学習環境の整備が必要である。また,機械や装置類の操作,毒物及び劇物などの各種薬品や薬剤,可燃物の使用に際しては,関連する法規に基づき適正に管理・運用するとともに,事故の防止に努め,安全と衛生の指導を徹底する必要がある。実験・実習では,関連する法規を遵守するとともに,適切な管理と使用方法について十分理解することにより,実験・実習における事故防止や作業の安全確保,適切な薬品管理など,安全意識の高揚を図っていく ことが大切である。 特に,工業に関する各学科における「実習」においては,排気,廃棄物や廃液などの処理について人体や環境に及ぼす影響に十分配慮し,安全管理について指導計画に組み入れて指導するなど,十分留意することが必要である。 ## 第4節 総則に関する事項 ### 1 同独教育との関連(総則第1款2(2)の2段目) 学校における道徳教育は,人間としての在り方生き方に関する教育を学校の教育活動全体を通じて行うことによりその充実を図るものとし,各教科に属する科目(以下「各教科・科目」という。),総合的な探究の時間及び特別活動(以下「各教科・科目等」という。)のそれぞれの特質に応じて,適切な指導を行うこと。 高等学校における道徳教育については,各教科・科目等の特質に応じ,学校の教育活動 全体を通じて生徒が人間としての在り方生き方を主体的に探究し,豊かな自己形成ができるよう,適切な指導を行うことが求められている。 このため,各教科・科目においても目標や内容,配慮事項の中に関連する記述がある。 工業科においては,例えば,教科の目標に,職業人に求められる倫理観を踏まえて課題を解決する力を養うこと,職業人として必要な豊かな人間性を育むこと,よりよい社会の 構築を目指して自ら学ぶ態度を養うことを示している。 このような目標の実現を目指して実践的・体験的な学習活動を行う際に,相手の立場を 尊重すること,義務を果たすこと,よりよい人間関係の構築に配慮するとともに,単に利益を追求することや生産性を優先することだけではなく,ものづくりによる製品などが社会に利益をもたらすよう,関係法規を踏まえて自己の役割に対して責任をもつことなどに留意して指導することは,ものづくりを通じ,地域や社会の健全で持続的な発展を担う職業人の育成につながるものである。 各学校においては,道徳教育の充実が今回の改訂においても重視されていることを踏まえ,校長の方針の下に,道徳教育推進教師を中心に,全教師の連携協力のもと,年間指導計画に基づき,教育活動全体を通じて人間としての在り方生き方に関する教育が一層具体的に展開されるよう努める必要がある。 ### 2 専門教科・科目の標準単位数(総則第 2 款 3(1)ウ) 各学校においては,教育課程の編成に当たって,次の表に掲げる主として専門学科 (専門教育を主とする学科をいう。以下同じ。)において開設される各教科・科目及び 設置者の定めるそれぞれの標準単位数を踏まえ,生徒に履修させる各教科・科目及びその単位数について適切に定めるものとする。 専門教科・科目については,従前から,地域の実態や学科の特色等に応じるため,その標準単位数の決定を設置者に委ねており,今回の改訂においても同様の扱いとしている。 したがって,これらの各教科・科目について,設置者がその標準単位数を定め,その標準単位数を標準として各学校が具体的な単位数を定めることになる。各設置者においては,当該地域の実態や管内の学校の実態等に留意し,適切な標準単位数を定めることが必要である。 工業科に属する科目について,設置者は,地域の実態や設置する学科の特色等に応じて, 本解説第2章を参考にして標準単位数を定めることになる。各学校においては,設置者の定める標準単位数を踏まえ,学科の特色や生徒の実態などに応じて,適切に科目を選定し,履修単位数を定めることが必要である。 ### 3 学校設定科目(総則第 2 款 3(1)エ) 学校においては,生徒や学校,地域の実態及び学科の特色等に応じ,特色ある教育課程の編成に資するよう,イ及びウの表に掲げる教科について,これらに属する科目以外の科目(以下「学校設定科目」という。)を設けることができる。この場合において,学校設定科目の名称,目標,内容,単位数等については,その科目の属する教 科の目標に基づき,高等学校教育としての水準の確保に十分配慮し,各学校の定めるところによるものとする。 学校設定科目の名称,目標,内容,単位数等は各学校において定めるものとされているが,その際には,「その科目の属する教科の目標に基づき」という要件が示されていること,及び科目の内容の構成については関係する各科目の内容との整合性を図ることに十分配慮する必要がある。 工業科に属する科目については,工業に関する各分野に対応して,通常履修される教育内容などを想定して,59科目が示されている。しかしながら,工業の各分野の多様な発展や地域の実態等に対応し,新しい分野の教育を積極的に展開する必要がある場合など,学校設定科目を設けることにより,特色ある教育課程を編成することができる。 ### 4 専門学科における各教科・科目の履修(総則第 2 款 3(2)イ) #### (1)専門教科・科目の最低必修単位数 (ア)専門学科においては,専門教科・科目(1)のウの表に掲げる各教科・科目,同表に掲げる教科に属する学校設定科目及び専門教育に関する学校設定教科に関する 科目をいう。以下同じ。)について,全ての生徒に履修させる単位数は,25 単位を下らないこと。ただし,商業に関する学科においては,上記の単位数の中に外国語に属する科目の単位を5単位まで含めることができること。また,商業に関する学科以外の専門学科においては,各学科の目標を達成する上で,専門教科・科目以外 の各教科・科目の履修により,専門教科・科目の履修と同様の成果が期待できる場合においては,その専門教科・科目以外の各教科・科目の単位を5単位まで上記の単位数の中に含めることができること。 専門学科における専門教科・科目の最低必修単位数は,従前と同様に25単位以上とし,生徒の多様な実態に応じた弾力的な教育課程の編成を可能にしている。なお25単位を下らないこととしているので,専門教育の深化のため,あるいは職業資格の取得要件等を考慮して教育課程を編成する場合は,当然,最低必修単位数の25単位を超えて履修することができるよう配慮する必要がある。 学習指導要領では,従前と同様に,専門教科・科目について,第1章総則第2款(31)ウの表に掲げる各教科・科目,同表の教科に属する学校設定科目及び専門教育に関する学校設定教科に関する科目であることを明確にしている。すなわち,学習指導要領に示されている専門教科・科目及びその教科に属する学校設定科目はもとより,専門教育の一環として設けられる学校設定教科及び当該教科に関する科目についても,専門教科・科目に含まれることとなる。 専門教科・科目以外の教科・科目の履修を専門教科・科目の履修とみなす措置については,従前と同様,専門教科・科目の履修単位数を確保する観点から特例として規定している。工業に関する学科においては,各学科の特色に従い,多様な職業教育の要求に応えるために,専門教科・科目の履修と同様の成果が期待できる場合は,5単位を限度として,その専門教科・科目以外の科目を専門教科・科目の履修として認めることがで きることとしている。そのため,この規定を活用する際には,趣旨を踏まえるとともに,工業科の目標に照らして,目標や内容について慎重な検討が必要なのは当然であり,各学校に説明責任が求められることに留意する必要がある。 #### (2)専門教科・科目による必履修教科・科目の代替 (イ)専門教科・科目の履修によって,アの必履修教科・科目の履修と同様の成果が期待できる場合においては,その専門教科・科目の履修の一部又は全部に替えることができること。 専門教科・科目を履修することによって,必履修教科・科目の履修と同様の成果が期待できる場合は,その専門教科・科目の履修をもって必履修教科・科目の履修の一部又は全部に替えることができる。 これは,各教科・科目間の指導内容の重複を避け,教育内容の精選を図ろうとするものであり,必履修教科・科目の単位数の一部を減じ,その分の単位数について専門教科・科目の履修で代替させる場合と,必履修教科・科目の単位数の全部について専門教科・科目の履修で代替させる場合とがある。 実施に当たっては,専門教科・科目と必履修教科・科目相互の目標や内容について,あるいは代替の範囲などについて十分な検討を行うことが必要である。この調整が適切に行われることにより,より効果的で弾力的な教育課程の編成に取り組むことができる。 工業に関する学科においては,例えば,「工業情報数理」の履修により「情報I」の履修に代替することなどが考えられるが,全部代替する場合,「工業情報数理」の履修単位数は,2単位以上必要である。 なお,この例示についても,機械的に代替が認められるものではない。代替する場合には,各学校に説明責任が求められる。 #### (3)職業学科における総合的な探究の時間の特例 (ウ)職業教育を主とする専門学科においては,総合的な探究の時間の履修により,農業,工業,商業,水産,家庭若しくは情報の各教科の「課題研究」,看護の「看護臨地実習」又は福祉の「介護総合演習」(以下「課題研究等」という。)の履修と同様の成果が期待できる場合においては,総合的な探究の時間の履修をもって課題研究等の履修の一部又は全部に替えることができること。また,課題研究等の履修により,総合的な探究の時間の履修と同様の成果が期待できる場合においては,課題研究等の履修をもって総合的な探究の時間の履修の一部又は全部に替えることができること。 工業に関する学科において,原則として全ての生徒に履修させる科目として「課題研究」が位置付けられている。 この科目では,個人又はグループで工業に関する適切な課題を設定し,主体的かつ協働的に取り組む学習活動を通して,専門的な知識,技術などの深化・統合化を図り,工業に関する課題の解決に取り組むことができるようにすることとしており,総合的な探究の時間の目標と「課題研究」の目標とが軌を一にする場合も想定される。そのため,総合的な探究の時間の履修をもって「課題研究」の履修の一部又は全部に替えることができるとするとともに,「課題研究」の履修をもって総合的な探究の時間の履修の一部又は全部に変えることができることとしている。 なお,相互の代替が可能とされるのは,「同様の成果が期待できる場合」とされており,例えば,「課題研究」の履修によって総合的な探究の時間の履修に代替するためには,「課題研究」を履修した成果が総合的な探究の時間の目標等からみても満足できる成果を期待できることが必要であり,自動的に代替が認められるものではない。 ### 5 職業教育を主とする専門学科における配慮事項(総則第 2 款 3(7)ウ) #### (1)実験・実習に配当する授業時数の確保 (ア)職業に関する各教科・科目については,実験・実習に配当する授業時数を十分確保するようにすること。 (ア)は,職業に関する各教科・科目における実験・実習の重視について示したものである。また,商業を除く職業学科においては,各教科の各科目にわたる指導計画の作成について,原則として総授業時数の10分の5以上を実験・実習に配当することが明記されていることにも配慮すべきである。 職業教育は,各教科・科目の履修を通して一般的教養を身に付けることにとどまらず,実験・実習という実際的・体験的な学習を一層重視し,実践力を体得することに特色があると言える。 実験・実習には,体験を通して知識の習得に役立て,技能を習熟させるという側面が ある。工業に関する学科においても,これまでの実験・実習では,基礎的・基本的事項の習得という立場から,このねらいを一貫して重視してきた。 一方,技術の高度化,安全・安心な社会の構築,環境保全やエネルギーの有効な活用,情報技術の進展,地域や社会の健全で持続的な発展等に適切に対応するためには,実際に課題を解決することができる体験の機会をできる限り拡充していくことにより,よりよい社会の構築を目指して自ら学び,工業の発展に主体的かつ協働的に取り組む態度を養うことが必要である。そのため,基礎的・基本的事項を確実に習得するとともに,実験・実習のもう一つの側面である生徒の自発的・創造的な学習態度の育成を一層重視していく必要がある。特に,主体的に取り組む学習活動を通して,専門的な知識,技術などの深化・総合化を図ることは重要であり,実験・実習の一層の充実が求められる。 実験・実習の授業時数の確保に当たっては,いわゆる座学と実験・実習との調和と関連性,基礎的・基本的事項と発展的・応用的事項との関連,特に技術革新等新たな内容の習得について配慮する必要がある。 #### (2)生徒の実態に応じた配慮 (イ)生徒の実態を考慮し,職業に関する各教科・科目の履修を容易にするため特別な 配慮が必要な場合には,各分野における基礎的又は中核的な科目を重点的に選択し,その内容については基礎的・基本的な事項が確実に身に付くように取り扱い,また, 主として実験・実習によって指導するなどの工夫をこらすようにすること。 (イ)に示されている,生徒の各教科・科目の履修を容易にするための配慮事項は,従前と同じであり,①各分野における基礎的又は中核的な科目を重点的に選択すること,②その内容については基礎的・基本的な事項が確実に身に付くように取り扱うこと,③主として実験・実習によって指導するなどの工夫をこらすことが示されている。①は職 業に関する各教科・科目の選択,②は職業に関する各教科・科目の内容の取扱い,③は 指導方法の工夫についての配慮事項である。 今回の改訂では,工業科においては科目の新設など科目構の見直しを図っているが,これらの科目を網羅的に履修させるのではなく,生徒の実態等に応じて適切に選択して履修させることが大切である。そのため,特に1~2単位程度の科目を多く履修させることは避けなければならない。また,内容や教材については一層精選し,十分時間をかけて理解させるようにしなければならない。さらに,生徒の理解,習得を容易にするため,いわゆる座学による説明にとどめず,できるだけ実験・実習を通して体験的に学ばせる機会を多くすることに努める必要がある。 ### 6 職業に関する各教科・科目についての配慮事項(総則第 2 款 3(7)エ) #### (1)就業体験活動による実習の代替 (ア)職業に関する各教科・科目については,就業体験活動をもって実習に替えること ¥ができること。この場合,就業体験活動は,その各教科・科目の内容に直接関係があり,かつ,その一部としてあらかじめ計画し,評価されるものであることを要すること。 就業体験活動を推進する観点から,特に,職業に関する各教科・科目については,現場実習を含め就業体験活動を積極的に取り入れることとし,就業体験活動をもって実習に替えることができることを示したものである。なお,この場合の就業体験活動は,関係する科目の指導計画に適切に位置付けて行う必要がある。 工業科に属する科目における就業体験活動は,地域や学校の実態,生徒の特性,進路等を考慮し,実際に生産の現場などで高度な技術を産業界等の人々から学ぶことによる学習意欲の喚起,主体的な職業選択の能力や高い職業意識の育成,異世代とのコミュニケーション能力の向上などその教育上の意義が大きいものである。 そのため,従来から「課題研究」や各科目の実習の一部として,産業現場等における実習が行われてきている。これらの実践等を踏まえ,社会人・職業人として自立していくためには,生徒一人一人の勤労観・職業観を育てるキャリア教育を充実することが重要であり,その一環として小学校での職場見学,中学校での職場体験活動,高等学校での就業体験活動等を通じた体系的な指導も必要である。また,就業体験活動を通じて実社会や職業と関わりをもち,高い職業意識,勤労観・職業観,規範意識,コミュニケーション能力等に根ざした実践力を高めることを一層重視し,例えば,職業の現場における長期間の実習を取り入れるなどにより,教育活動を充実する必要もある。 #### (2)定時制及び通信制の課程における実務等による職業に関する各教科・科目の履修の 一部代替 (ウ)定時制及び通信制の課程において,職業に関する各教科・科目を履修する生徒が,現にその各教科・科目と密接な関係を有する職業(家事を含む。)に従事している 場合で,その職業における実務等が,その各教科・科目の一部を履修した場合と同 様の成果があると認められるときは,その実務等をもってその各教科・科目の履修 の一部に替えることができること。 この規定は,定時制及び通信制の課程において,職に就き現にその各教科・科目と密接な関係を有する生徒の実務等の体験を評価し,職業に関する各教科・科目の履修の一部に代替できることを定めたものである。 生徒の校外における実務等を職業に関する各教科・科目の履修の一部として評価するためには,次のような要件が満たされる必要がある。 ①職業に関する各教科・科目が教育課程に位置付けられていること ②職業に関する各教科・科目を履修する生徒が,現にその各教科・科目と密接な関係を有する職業に従事していること ③生徒の職業等における実務等が,その各教科・科目の一部を履修したと同様の成果があると認められること 工業科に属する科目においても,上記の要件が満たされる場合には,生徒の職業における実務経験を科目の履修の一部に替えることができる。 代替の方法としては,生徒一人一人の職場における実務等の体験に応ずるよう,職業に関する各教科・科目を網羅した教育課程を編成した上で,校外における実務等をそれらの各教科・科目の増加単位として評価すること,あるいは学校における履修の一部を免除することなどが考えられるが,全ての生徒の職業に対応した職業に関する各教科・科目を網羅することは実際上困難な場合が多い。したがって,各学校において学校や生徒の実態に応じて教育課程の編成等が工夫されなければならないが,一般的には,生徒の職業に対応した共通的な職業に関する各教科・科目をできるだけ設けて,実務等の評価を行う方法が考えられる。 生徒の職場における実務等と密接な関係を有する職業に関する各教科・科目を履修している場合や,特定の企業等から比較的多数の生徒が通学し,職場における職種が一,二に限定され,実務等の経験が共通である場合などについては,生徒の職場における実務等を履修の一部に替えることが比較的容易である。 なお,実務の内容,執務の状況等の把握については,生徒からのレポート,その各教科・科目の担任による職場訪問,雇用主からの報告等によることになると考えられる。

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