AYAKO TAKAHASHI
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    〔共通事項〕(1)は,今回の改訂で新たに示した事項である。 > 表現及び鑑賞の学習において共通に必要となる資質・能力を次のとおり育成する。 〔共通事項〕は「A表現」及び「B鑑賞」の学習において共通に必要となる資質・能力である。また,それは,感性を働かせ,書を,書を構成する要素やそれらが相互に関連する働きの視点で捉え,書かれた言葉,歴史的背景,生活や社会,諸文化などとの関わりから,書の表現の意味や価値を見いだすことであると考えられる。書に関する見方・考え方を働かせ,表現及び鑑賞の活動を通して一体的に育成されることが重要である。 今回の改訂では,「A表現」の「(1)漢字仮名交じりの書」,「(2)漢字の書」及び「(3)仮名の書」,「B鑑賞」,〔共通事項〕で内容の全体を構成し,芸術科書道において育成を目指す資質・能力を一層明確にするとともに,生徒が感性を働かせて感じ取ったことをもとに,思考,判断,表現したり,鑑賞したりする一連の学習過程を大切にすることを求めている。 「A表現」,「B鑑賞」及び〔共通事項〕の指導を通して,生徒一人一人が,書に関する見方・考え方を働かせ,表現及び鑑賞に関する資質・能力を高め,生活や社会の中の文字や書,書の伝統と文化と幅広く関わることができるようにすることを目指している。 > (1)「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。  ア 用筆・運筆から生み出される書の表現性とその表現効果との関わりについて理解すること。  イ 書を構成する要素について,それら相互の関連がもたらす働きと関わらせて理解すること 〔共通事項〕は,「A表現」及び「B鑑賞」の学習において共通に必要となる資質・能力であり,「知識」に関する資質・能力として示しており,「A表現」及び「B鑑賞」の各事項の指導と併せて,また,それらの指導を通して適切に指導する必要がある。また,〔共通事項〕は,「(1)漢字仮名交じりの書」,「(2)漢字の書」,「(3)仮名の書」及び「B鑑賞」の学習に共通の支えとなる知識であり,書の特質や書の美を捉えて表現したり鑑賞したりする上での観点というべきものでもある。同時に,〔共通事項〕の中で示す書独自の特質は,生活の中での書,芸術としての書の歴史や伝統を形づくってきたものであり,我が国の「言語文化」,「文字文化」,書の「芸術文化」を支える基盤でもある。 その指導内容は,以下の四つの視点から捉えられる。 ① 時間性と運動性 書は,言葉を書き記す芸術であることから,言葉による「時間性」を特質として必然的に担っている。また,記録された文字や文字群,表現された書は,時や時代を超えて継承され,生活や社会の歴史と伝統をその「時間性」をもって後世に伝えることで,文化を形づくってきた。 また,書は「一回性」という特質をもっている。点画に基づく文字の構築性を規範とし,言語としての組み立てや構造を辿 たどり書き進められる過程に生じる「運動性」,つまり身体の動きや用筆・運筆における遅速や緩急,紙面に対する筆圧の強弱,運筆の途中における間などが,そのまま視覚化・具体化されることによる「一回性」は,書の「時間性」と「運動性」によって生じる特質である。 ② 書の表現性 言葉の意味内容を正確に記録し伝えることを超え,芸術としての書の表現では,更に「いかに伝えるか」が意図される。筆者の思いや感興を,書の様々な特性を有効に機能させて,より美しく,より豊かに伝えることが書の表現の根幹であり,そのために活用され工夫される表現上の特性が「表現性」である。書の「表現性」は重層的であり,それらが複合的に合わさって生じる「表現効果」は更に様々に変容する。 書の「表現性」とは,以下の③に示す「書を構成する要素」の複合的な働きにより生じるもので,「変化」,「律動」,「性情」などがあげられる。 「表現性」が重層的・複合的に合わさることにより書の美が生成される時,その美を美たらしめる表現上の効果が「表現効果」であり,背反する諸要素の「造形性に基づく調和」や,「言葉と表現の調和」などがあげられる。こうした表現効果やそこに生成された美は,鑑賞を通して,更に「風趣」として捉えられる。「風趣」としては,力強さや穏やかさ,爽やかさや静けさなどの直感的な印象をはじめ,作品全体から滲にじみ出る風韻,趣,雅致,品格などがあげられる。 ③ 書を構成する要素 「(1)漢字仮名交じりの書」,「(2)漢字の書」及び「(3)仮名の書」の三分野に共通の「書を構成する要素」として,以下のものがあげられる。これは,書を書として成立させ,書特有の「表現性」を生み出す具体的な書の構成要素として位置付けられる。 ・ 用具・用材の特性や用筆・運筆から生まれる「線質」 ・ 書風が端的に表れ,書風を形づくる「字形」 ・ 文字構成,全体の構成等の「構成」 これらを支える要素として,さらに,「墨色」や「余白」等を含めて考えることもできる。上記の「書を構成する要素」は,三分野での独自性はあるものの,三分野で共通に理解が必要であり,表現や鑑賞の活動を通して,実感的に理解を深めたり生かしたりすることが重要である。「書を構成する要素」の特性を効果的に働かせることにより多様な「表現性」が生まれ,それらが重層的・複合的に合わさり,様々な「表現効果」や「風趣」がもたらされることになる。 ④ 造形性と空間性 書は視覚芸術であり,造形芸術である。それゆえ,書には,視覚によって捉えられる文字及び文字群の造形がある。表現においては,文字としての規範性を確保しながら,表現上の対象として様々に文字及び文字群の造形を工夫することになる。均斉,均衡,変化,統一等の「造形性」に,「時間性」や「運動性」が生み出す「律動性」が加わって様々な「形態美」が生じ,その先に「調和の美」がもたらされる。加えて,用具・用材による濃淡・潤渇等の「墨色の美」,用筆・運筆や筆鋒の開閉から生まれる「線の美」も「造形性」を担うものとして捉えることができる。 一方,書は平面芸術でありながら,表現においては言葉を書き記し,鑑賞においては書かれた過程,書きぶりを読み解くことから,「時間性」を特質としてそなえている。また,身体の動き,「運動性」がそのまま視覚化・具体化される書は,平面の表現形式でありながら立体的な運動がそこに刻まれ,余白にも視覚上の造形を超えた意味や価値が込められている。鑑賞においても,言葉や運筆のつながりによる余韻や間を感じ取るなど,「運動性」を読み取ることが求められる。このように,書は,「時間性」と「運動性」の複雑な関連に基づく書独自の「空間性」を特質として併せもつ。 そこで構想され鑑賞される美は,用筆・運筆の「運動性」による動静,緩急,抑揚,強 弱,伸縮,軽重,気脈等の「線の美」や,言葉及び運筆の「時間性」による「余白の美」などということになる。さらに,筆者の思いや感興を背景に,「時間性」や「運動性」,「空間性」等の特質を強く帯びて生じる書の美は,書のよさや美しさの本質とも言うべき「風趣」へとつながることになる。 上記の四つの視点のうち,①及び②は主に以下のア,③及び④は主に以下のイに当たる。 > ア 用筆・運筆から生み出される書の表現性とその表現効果との関わりについて理解 すること。 この事項は,芸術科書道における「知識」に関する資質・能力であり,**用筆・運筆から生み出される書の表現性とその表現効果との関わりについて理解すること**をねらいとしている。 **用筆・運筆**の**用筆**とは,筆の使い方,また,筆毛の働かせ方のことであり,**運筆**とは, 筆の運び方のことを指す。**用筆・運筆**を通して,筆者の思いや感興などが緩急・抑揚となり,線の軽重や強弱となって表れる。 書は言葉を書き記す芸術であり,その過程はおおよそ次のように進んでいく。 まず,紙に対して起筆に向かう空間での運動があり,起筆し,送筆を経て,収筆に至り,一つの点画となる。収筆は,次の起筆へ続く運動を内包し,空中での運動を経て,次の点画の起筆へとつながる。この繰り返しによって一つの文字となり,文字群となり,言葉や文章が形成され,視覚化されていく。この一連の過程における筆の使い方や運び方が**用筆・運筆**であり,紙に対する筆管及び穂の角度や筆圧,速度の変化等が一体となって展開していく。古来,用筆には,直筆・側筆,方筆・円筆,露鋒・蔵鋒,順筆・逆筆,俯仰等の要素があり,運筆には,筆圧の軽重,遅速,緩急,筆脈・気脈等の要素があり,両者は様々に連動しあって働く。ここでの用筆・運筆は,書の表現を「時間性」ならびに「運動性」の視点から捉えることを示している。 **表現性**とは,言葉による記録・伝達の機能を保ちながら,「いかに伝えるか」を意図し,「書を構成する要素」の特性を効果的に働かせ,より美しく,より豊かに伝えるために活用し工夫される書独自の表現上の特質のことである。 **用筆・運筆から生み出される書の表現性**とは,用筆・運筆から生み出される太細,強弱,遅速,緩急等の主に「線質」に関わる「変化」,用筆・運筆における「律動」,また,「運動性」の背景となる「性情」などを示している。 **表現効果**とは,上記の用筆・運筆から生み出される「表現性」の他,様々な書特有の「表現性」が重層的・複合的に複雑に合わさることによって生まれる,美を美たらしめる表現上の効果のことである。「表現効果」は,書特有の「表現性」の働きに加え,鑑賞される場や方法・形態や,表装の効果などにも影響を受け,また,鑑賞者の鑑賞力にも左右されながら成立しうるものである。多様な書の「表現効果」は,鑑賞を通して,「風趣」として捉えられることもある。「風趣」には,作品に対する直感的印象や作品に見られる部分的な特徴に対する印象といったものから,作品全体から滲み出る風韻や趣,味わいといった高次で包括的な作品の捉え方や感じ方までが含まれ,この「風趣」こそが,書のよさや美しさの本質であると考えることもできる。 指導に当たっては,用筆・運筆から生み出される「表現性」と,そこから生じる「表現 効果」や「風趣」との関わりについて考えさせられるよう留意することが重要である。表現においては,思いや感興,意図に応じて最適に「表現性」を働かせ,「表現効果」を意図して構想しながら,表現を工夫できるよう,鑑賞においては,書の「表現性」と「表現効果」との関わりから作品や書を読み解くことを意識できるよう指導を工夫することが大切である。 > イ 書を構成する要素について,それら相互の関連がもたらす働きと関わらせて理解すること。 この事項は,芸術科書道における「知識」に関する資質・能力であり,**書を構成する要素について,それら相互の関連がもたらす働きと関わらせて理解すること**をねらいとしている。 **書を構成する要素**とは,用具・用材の特性や用筆・運筆から生まれる「線質」,書風を形づくる「字形」,文字構成,全体の構成等の「構成」であり,「墨色」や「余白」等を含めて考えることもできる。 書を構成するこれらの要素は,それぞれに効果を生むだけではなく,互いに関連しながら働くことで,書特有の「表現性」を生み,さらに,「表現性」が重層的・複合的に合わさって多様な「表現効果」や「風趣」を生じさせる。「書を構成する要素」の相互の関連がもたらす働きにより生成される「表現性」として,例えば,「変化」,「律動」,「性情」があり,「表現効果」としては,「紙面上の造形的な調和」,「題材となる言葉と表現との調和」,さらに,それらが鑑賞されることで捉えられる「風趣」等があげられる。 表現と鑑賞の活動を通して,「書を構成する要素」についての理解を深め,それらを表現に生かす技能に習熟するととともに,それら相互の関連がもたらす働きやその多様性と効果について理解を深めることが大切である。そうすることにより,書の特質である「造形性」や「空間性」への理解も深まり,書の「表現性」や「表現効果」を意図して構想し表現を工夫したり,書の美を捉え考えたりするための資質・能力が養われることになる。 指導に当たっては,「書を構成する要素」を単独で捉えるのではなく,表現や鑑賞の活動を通して,「書を構成する要素」相互の関連がもたらす働きを実感的に理解できるようにすることが大切である。また,これらの要素は,技能の習得に伴って理解が深められる側面もあるが,表現における技能習得の経験を鑑賞での考える活動と関わらせながら理解を深め,書のよさや美しさの理解へと導くことが大切である。 #### 4 内容の取扱い > (1) 内容の「A表現」及び「B鑑賞」の指導については,それぞれ特定の活動のみに偏らないようにするとともに,「A表現」及び「B鑑賞」相互の関連を図るものと する。 ここでは,「A表現」及び「B鑑賞」のそれぞれの指導事項を相互に関連付けて,「A表現」及び「B鑑賞」の関連を図りながら指導することにより,広く書に関わる資質・能力を育成することを示している。 「(1)漢字仮名交じりの書」,「(2)漢字の書」及び「(3)仮名の書」のそれぞれの「A表現」の指導では,「B鑑賞」での学習を通して身に付けた資質・能力や学習成果を生かしながら「A表現」での学びを深め,「B鑑賞」の指導においては,「A表現」での学習を通して身に付けた資質・能力や学習成果を生かしながら「B鑑賞」での学びを深められるよう,常に相互に関連を図りながら展開させていくことが大切である。 > (2) 内容の「A表現」の(1),(2)及び(3)の指導については,それぞれア,イ及びウの各事項を,「B鑑賞」の(1)の指導については,ア及びイの各事項を適切に関連させて指導する。 「A表現」の(1),(2)及び(3)のそれぞれのア,イ及びウの各事項は,アが「思考力,判断力,表現力等」,イが「知識」,ウが「技能」に関する資質・能力を示し,その内容を構成している。ア,イ及びウに示す各事項は,原則として,それぞれの一つ以上又は全部を関連付けて指導を行うこととしている。 「B鑑賞」の(1)のア及びイの各事項も同様に,アが「思考力,判断力,表現力等」,イ が「知識」に関する資質・能力を示し,それぞれの内容を構成している。ア及びイに示す各事項は,原則として,それぞれの一つ以上又は全部を関連付けて指導を行うこととしている。 > (3) 内容の「A表現」の(1)については漢字は楷書及び行書,仮名は平仮名及び片仮名,(2)については楷書及び行書,(3)については平仮名,片仮名及び変体仮名を扱うものとし,また,(2)については,生徒の特性等を考慮し,草書,隷書及び篆書を加えることもできる。 「A表現」の(1),(2)及び(3)の三分野のそれぞれで扱う書体等については,「(1)漢字仮名交じりの書」では,中学校国語科の書写を受けて,漢字は楷書及び行書,仮名は平仮名及び片仮名を扱うこととしている。「(2)漢字の書」では,楷書及び行書とし,生徒の特性等によっては草書,隷書及び篆書を加えることもできるとしている。草書は,「(3)仮名の書」の学習での理解をより深めること,隷書は,文字の点画構造が楷書に近く,書体の変遷の視点からも双方の書体への理解が深められること,篆書は,「3 内容の取扱い」の(6) で「篆刻,刻字等を扱うよう配慮する」と示していることなどを踏まえ,関連付けて指導したり,幅広く学習したりすることができるようにしている。また,「(3)仮名の書」では,従前どおり平仮名,片仮名及び変体仮名を扱うものとしている。 楷書,行書,草書,隷書及び篆書の五つの書体の学習は,総合的に書に対する理解を深めるために必要であるが,この場合の草書,隷書及び篆書の指導は,楷書や行書に優先するものではなく,「書道Ⅰ」では基礎的な楷書及び行書の学習を充実させることが大切である。 「(3)仮名の書」での変体仮名の扱いについては,生徒の興味を高める上で,仮名の古典を理解したり表現の幅を広くしたりする観点から取り上げるものとする。 > (4) 内容の「A表現」の(2)及び(3)については,臨書及び創作を通して指導するものとする。 「(2)漢字の書」及び「(3)仮名の書」において,臨書及び創作を通して指導することは従前と変わりはない。臨書の指導については,「書道Ⅱ」及び「書道Ⅲ」との関連に配慮した上で,学習の系統性を考慮し,適切な指導計画を立てる必要がある。また,創作の指導については,臨書での学習を基礎として,生徒が主体的に構想し,目的や意図に応じた効果的な表現や用具・用材の特徴を生かした表現等を工夫することで自己実現をし,達成感を味わえるようにすることが大切である。創作での作品の構想の際,倣書等を段階的に扱うことも有効である。 > (5) 内容の〔共通事項〕は,表現及び鑑賞の学習において共通に必要となる資質・能力であり,「A表現」及び「B鑑賞」の指導と併せて,十分な指導が行われるよう工夫する。 〔共通事項〕は,「A表現」及び「B鑑賞」の学習において共通に必要となる資質・能力であり,知識として位置付けている。「A表現」の「(1)漢字仮名交じりの書」,「(2)漢字の書」,「(3)仮名の書」及び「B鑑賞」のそれぞれの指導内容ならびに学習活動の中で常に意識され,「A表現」及び「B鑑賞」のそれぞれでの学習を通して育成される資質・能力と併せて育成されるよう指導することが大切である。 〔共通事項〕のアは「用筆・運筆から生み出される書の表現性とその表現効果との関わりについて理解すること」,イは「書を構成する要素について,それら相互の関連がもたらす働きと関わらせて理解すること」とし,それぞれの内容を示している。 〔共通事項〕における基本的な視点として,①時間性と運動性,②書の表現性,③書を構成する要素,④造形性と空間性の四つの視点をあげているが,①及び②は主にア,③及び④は主にイに該当する内容となっている。 > (6) 内容の「A表現」の指導に当たっては,篆刻,刻字等を扱うよう配慮するものとする。 「篆刻,刻字等」とは,篆刻,刻字の立体的表現を中心に,陶芸や染色などの工芸的要素を含む表現の領域を示したものである。「扱うよう配慮するものとする」とは,「書道Ⅰ」での立体的表現等を扱う唯一の機会であることを踏まえて,可能な限り扱うようにするということである。 篆刻については,基本的には篆書を用いることが一般的であるが,姓名印等では平仮名,片仮名,アルファベット等を扱うこともある。したがって,篆刻の作品を構想する段階では,「A表現」の「(1)漢字仮名交じりの書」,「(2)漢字の書」及び「(3)仮名の書」で示した指導内容を踏まえ,生徒が主体的に意図に基づいて構想できるようにすることが大切である。刻印の段階では,書を立体化することによる刻線のよさや美しさを理解し,表現を工夫していくことができるよう指導することが大切である。また,刻字については,漢字を中心に,仮名や漢字仮名交じり文を扱うことも考えられ,その制作過程における指導は,篆刻と同様に考えることが可能である。 指導に当たっては,「B鑑賞」との関連を図り,書体が変遷していく過程で文字が刻されてきたことと関連付けて,文字文化の視点から,書の伝統と文化を理解できるよう指導することが大切である。また,「書道I」では,基礎的な内容のものを中心に取り扱い,それにより書を生活に生かす態度を育てるとともに,他の芸術分野との関連について考える機会とすることも大切である。 なお,これらの活動に要する用具・用材の準備や管理,取り扱い方の指導については十分な配慮が必要である。特に 印刀,鑿 のみ,彫刻刀等を正しく慎重に扱うことや,片付けの仕方などの安全指導を適切に行い,事故の防止に努めなければならない。貸し出しする道具については,番号の記入や劣化の点検などを行い,その管理の徹底を図る必要がある。 > (7) 内容の「A表現」の指導に当たっては,中学校国語科の書写との関連を十分に考慮するとともに,高等学校国語科との関係を図り,学習の成果を生活に生かす視点から、目的や用途に応じで、硬筆も取り上げるよう配慮するものとする。 中学校国語科の書写で培ってきた書写能力をさらに高めるといった観点から中学校国語科との関連を十分に考慮するとともに,実生活・実社会との関わりを踏まえて効果的に文学を書く活動の充実を図ることや,文学文化への理解をさらに深める観点から高等学校国語かとの問題を測っていくことが必要である。 なお,硬筆についても,生活や社会との関わりから再認識し,生活に生かすという観点から,目的や用途に応じて,「A表現」の各分野で取り上げるよう配慮するものとする。 > (8) 内容の「B鑑賞」の(1)のイの(ウ)の指導に当たっては,漢字仮名交じり文の成立について取り上げる様にする。 従前は,「B鑑賞」において,漢字の書体の変遷,仮名の成立等について扱い,国語表記の経緯について触れることを示唆する内容にとどめていたが,今回の改訂では,漢字の書体の変遷と仮名の成立に加えて,「漢字仮名交じり文の成立」を取り上げることを示している。 日本における国語表記の経緯及び漢字仮名交じり文の成立について学習することは,我が国の固有の文字文化への理解を深めることにつながる。また,これは,生活や社会の中の文字や書について学ぶことの意義に気付いたり,書の伝統と文化の視点から,書のよさや美しさを捉えたりする上でも重要であり,「書道Ⅰ」から「書道Ⅲ」への系統性にも配慮しながら指導することが大切である。 > (9) 内容の「A表現」及び「B鑑賞」の指導に当たっては,思考力,判断力,表現力等の育成を図るため,芸術科書道の特質に応じた言語活動を適切に位置付けられるよう指導を工夫する。なお,内容の「B鑑賞」の指導に当たっては,作品について根拠をもって批評する活動などを取り入れるようにする。 「思考力,判断力,表現力等」の育成を図るためには,「A表現」及び「B鑑賞」を通して,適切な言語活動を設定して,生徒が協働的に学習を進められるよう指導を工夫することが大切である。 「A表現」については,生徒が作品の題材となる言葉を選定したり,自ら言葉を紡ぎ出したりする場面において,言語活動を効果的に位置付け,意見交換しながら意図や構想を練り上げ,意図に基づいた作品の構想と表現の工夫へつなげていく活動となるよう指導を工夫することが大切である。また,「B鑑賞」との関連を図り,作品の構想や表現の工夫,表現の変容過程について発表して他者に伝えたり,互いに批評し合ったりするなどの言語活動を通して,「思考力,判断力,表現力等」を育成することが求められる。 「B鑑賞」については,言語活動を通して,作品自体に存在する美について,その美を構成する要素やそこから生じる表現性,表現効果や風趣への視点から作品や書を捉えられるようにすることが大切である。 また,「A表現」と「B鑑賞」の相互の関連を図り,それぞれの学びの成果が効果的に生かされるよう配慮するとともに,「A表現」及び「B鑑賞」での言語活動では,〔共通事項〕で示した四つの視点を生徒が適切に活用できるよう指導することが大切である。 > (10) 内容の「A表現」及び「B鑑賞」の指導に当たっては,書道の諸活動を通して,生徒が文字や書と生活や社会との関わりを実感できるよう指導を工夫する。 芸術科書道の学習は,言葉を題材として扱うことから,「A表現」の三分野における表 現活動は,自ずと実用的側面と芸術的側面をもつ。また,〔共通事項〕で示しているとおり,書は多層的な独自の在り方により芸術として成立している。こうした書独自の在り方は,生活や社会の中で,今日まで,書の伝統と文化として長く継承されてきており,今なおその価値や効用は社会で共有されている。表現や鑑賞の活動の場面においては,書道の幅広い活動を通して,文字や書のよさや美しさ,価値や効用と生活や社会との関わりについて実感できるよう指導することが大切である。 このような学習を通して,生徒が生活や社会の中の文字や書,書の伝統と文化と幅広く関わる資質・能力を身に付けることができるよう指導を工夫することが大切である。 > (11) 自己や他者の著作物及びそれらの著作者の創造性を尊重する態度の形成を図るとともに,必要に応じて,書に関する知的財産権について触れるようにする。また,こうした態度の形成が,書の伝統と文化の継承,発展,創造を支えていることへの理解につながるよう配慮する。 生徒一人一人が自ら主体的に構想し工夫を重ねて生み出した作品にはかけがえのない価値がある。同様に,自己や他者の著作物及びそれらの著作者の創造性にも価値があることを理解し,それらを尊重し合う態度を育成することが重要である。 こうした態度を育成することは,書に限らず,様々な場面での生徒一人一人の表現活動に関連して重要であるだけでなく,今後の社会生活の中で,書の伝統と文化の継承,発展,創造を維持していく上でも重要であることを理解できるよう指導することが大切である。 また,必要に応じて,書に関する著作権などの知的財産権にも触れることとしている。創造的に表現された書の作品はもちろんのこと,題材とする詩文や和歌,俳句などの作品にも原則として著作権があり,他者の詩文や和歌,俳句などを題材として書の作品を表現する場合には,原則として著作権者の了解が必要となる。ただし,授業で利用する場合は例外とされ,一定の条件を満たす場合には著作権者の了解を得る必要はないとされている。しかし,他者の著作物を題材とした生徒作品をホームページなどに掲載したり,授業とは無関係に展覧会に出品したりする場合は,例外となる条件を満たさないことになる。 なお,原則として,個人が著作者の場合はその没後,法人が著作者の場合は公表後それぞれ 70 年を経たものは,著作権がなく自由に利用ができるとされている。 ### 第 11 節 書 道 Ⅱ #### 1 性 格 「書道Ⅱ」は,「書道Ⅰ」を履修した生徒が,更に次の段階として履修するために設けている科目である。 「書道Ⅱ」は,「書道Ⅰ」での学習を基礎にして,生徒の資質・能力,適性,興味・関心 等に応じた活動を展開し,書に関する見方・考え方を働かせ,生活や社会の中の文字や書,書の伝統と文化と深く関わる資質・能力を育成することをねらいとしている。 「書道Ⅱ」においても,「書道Ⅰ」と同様に,目標を(1)「知識及び技能」,(2)「思考力, 判断力,表現力等」,(3)「学びに向かう力,人間性等」の三つの柱に位置付けた上で,「A表現」の指導事項を各分野とも「思考力,判断力,表現力等」,「知識」及び「技能」に分けて示し,「B鑑賞」の指導事項を「思考力,判断力,表現力等」及び「知識」に分けて示している。 「書道Ⅱ」では,従前と同様に,「(1)漢字仮名交じりの書」について,その内容を一層深める観点から必ず扱うものとし,「(2)漢字の書」及び「(3)仮名の書」については,生徒の特性,学校や地域の実態を考慮し,いずれか一つ以上を選択して扱うことができるようにしている。 #### 2 目 標 「書道Ⅱ」の目標は,芸術科の目標を受けるとともに,「書道Ⅰ」の目標との関連を考慮して,次のように示している。 >  書道の創造的な諸活動を通して,書に関する見方・考え方を働かせ,生活や社会の中の文字や書,書の伝統と文化と深く関わる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1)書の表現の方法や形式,多様性などについて理解を深めるとともに,書の伝統に基づき,効果的に表現するための技能を身に付けるようにする。 (2)書のよさや美しさを感受し,意図に基づいて創造的に構想し個性豊かに表現を工夫したり,作品や書の伝統と文化の意味や価値を考え,書の美を味わい深く捉えたりすることができるようにする。 (3)主体的に書の創造的な諸活動に取り組み,生涯にわたり書を愛好する心情を育むとともに,感性を高め,書の伝統と文化に親しみ,書を通して心豊かな生活や社会を創造していく態度を養う。 「書道Ⅱ」の目標は,**書道の創造的な諸活動を通して**学習が行われることを前提とし,**書に関する見方・考え方を働かせ**た学習活動によって,**生活や社会の中の文字や書,書の伝統と文化と深く関わる資質・能力**を育成することを目指すことである。その上で,育成を目指す資質・能力として,(1)に「知識及び技能」の習得に関すること,(2)に「思考力,判断力,表現力等」の育成に関すること,(3)に「学びに向かう力,人間性等」の涵養に関することを示すことによって構成されている。 (1)は,表現や鑑賞の創造的な諸活動を通して,習得されたり活用されたりする知識と,効果的に表現するための技能に関する目標,(2)は,作品の構想と表現の工夫,鑑賞における思考,判断に関する目標,(3)は,主体的に学習に取り組む態度,生涯にわたり書を愛好する心情などに関する目標を示している。(1)及び(2)は,「書道Ⅱ」の「A表現」,「B鑑賞」及び〔共通事項〕の指導事項に位置付けられているが,(3)については,それらを指導する中で,一体的に身に付けられるものであることに留意する必要がある。 「書道Ⅱ」で目指す資質・能力の育成は,目標に示されている(1),(2)及び(3)が相互に関連し合い,一体となって働くことが重要であり,「知識及び技能」を習得してから「思考力,判断力,表現力等」を身に付けるといった順序性をもって育成するものではないことは,「書道Ⅰ」と同様である。 **書道の創造的な諸活動を通して**とは,「書道Ⅰ」での学習を発展させて,「A表現」の「(1)漢字仮名交じりの書」,「(2)漢字の書」,「(3)仮名の書」及び「B鑑賞」の各領域・分野の学習を深める活動を通してという意味である。従前と同様に「A表現」の三分野のうち(1)を扱うとともに,(2)又は(3)のうち一つ以上の分野と「B鑑賞」を学習することとし,生徒の実態に応じて,創造的な表現や鑑賞の学習を展開することとしている。 **書に関する見方・考え方**については,「書道Ⅰ」と同様であり,書の特質に即して物事を捉える視点や考え方を十分に働かせて,表現や鑑賞の創造的な活動を展開する必要がある。 **生活や社会の中の文字や書,書の伝統と文化と深く関わる資質・能力**については,「書道Ⅱ」では ,「書道Ⅰ」での学習を発展させて,各領域・分野における学習を深め,生活や社会の中の文字や書,書の伝統と文化と深く関わる資質・能力を育成することにより,書の伝統と文化の継承と発展,また,現代という時代における創造的で個性豊かな表現活動へとつなげることをねらいとしている。 ##### 科目の目標(1) > (1)書の表現の方法や形式,多様性などについて理解を深めるとともに,書の伝統に 基づき,効果的に表現するための技能を身に付けるようにする。 (1)は,「書道Ⅱ」における「知識及び技能」に関する目標である。**書の表現の方法や形式,多様性などについて理解を深める**ことが「知識」に関する目標であり,**書の伝統に基づき,効果的に表現するための技能を身に付ける**ことが「技能」に関する目標を示している。 **書の表現の方法や形式,多様性などについて理解を深める**とは,「書道Ⅰ」での学習を発展させて,書特有の用具・用材の特徴,書を構成する様々な要素,用筆・運筆と様々な書の表現性,表現効果や風趣との関わり,書の様々な表現形式などについて,また,文字と書の伝統と文化,書の美と時代などとの関わりについて,表現や鑑賞の創造的な諸活動を通して理解を深めることである。 **書の伝統に基づき,効果的に表現するための技能**とは,「書道Ⅰ」での学習を発展させ,臨書活動においては,取り扱う古典の幅を広げ,古典における線質,字形,構成等の要素とそこに生じる表現性,表現効果や風趣を捉え,古典の特徴を生かして効果的に作品として表現する技能であり,創作活動においては,意図に基づいて作品を構想し,古典の特徴を生かしながら作品として効果的に表現する技能を示している。 「書道Ⅱ」における「知識」については,書を構成する要素や表現性,表現効果や風趣の視点をもって,表現や鑑賞の活動を通して,実感的に理解を深められるようにすることが大切である。 「書道Ⅱ」における「技能」については,書を構成する要素や表現性,表現効果や風趣の視点をもって,個性豊かに表現を工夫していく過程で,効果的に表現し主体的に活用できる技能を身に付けることができるようにすることが大切である。 ##### 科目の目標(2) > (2)書のよさや美しさを感受し,意図に基づいて創造的に構想し個性豊かに表現を工夫したり,作品や書の伝統と文化の意味や価値を考え,書の美を味わい深く捉えたりすることができるようにする。 (2)は,「書道Ⅱ」における「思考力,判断力,表現力等」に関する目標である。表現領域と鑑賞領域の両方に関わり,**意図に基づいて創造的に構想し個性豊かに表現を工夫**することが表現領域に関する目標であり,作**品や書の伝統と文化の意味や価値を考え,書の美を味わい深く捉え**ることが鑑賞領域に関する目標を示している。 **書のよさや美しさを感受し**とは,「書道Ⅰ」での学習を踏まえ,書のよさや美しさを直感的に受け止め,それが活動の契機となることを示しており,「書道Ⅱ」では感受を深めることが大切である。意図に基づいて創造的に構想し個性豊かに表現を工夫するとは,「書道Ⅰ」での学習を受け,感興や意図に応じて,創造的に構想し個性豊かに表現を工夫することである。その過程で,知識や技能を活用しながら,書を構成する要素や表現性,表現効果や風趣の視点をもって,実感的に表現活動を展開できるようにすることが大切である。 **作品や書の伝統と文化の意味や価値を考え**とは,「書道Ⅰ」と同様であり,書の様々な表現,書の伝統と文化について,そのよさや美しさを分析的に捉えたり,生活や社会における書の役割や効用,書の美の意味や価値,書の現代的意義などについて深く考えたりすることである。 **書の美を味わい深く捉えたりする**とは,「書道Ⅰ」での学習を踏まえ,書を構成する要素や表現性,表現効果や風趣の視点をもって,作品や書のよさや美しさを感じ取り,それを生み出す根拠を考え,感性を働かせて,評価しながら作品や書を深く捉えることである。 「書道Ⅱ」における「思考力,判断力,表現力等」については,感じたことを言葉で表 現したり,意見を交換したりして,考えを深めていく言語活動を適切に位置付け,「A表現」と「B鑑賞」を関連させながら育成することが大切である。 ##### 科目の目標(3) > (3)主体的に書の創造的な諸活動に取り組み,生涯にわたり書を愛好する心情を育むとともに,感性を高め,書の伝統と文化に親しみ,書を通して心豊かな生活や社会を創造していく態度を養う。 (3)は,「書道Ⅱ」における「学びに向かう力,人間性等」の涵養に関する目標である。**主体的に書の創造的な諸活動に取り組み**とは,生徒一人一人が内発的な動機に基づいて,多様な観点をもって主体的に書の表現や鑑賞の創造的な活動に取り組むことを示している。 **生涯にわたり書を愛好する心情を育む**とは,「書道Ⅰ」での学習を踏まえ,生徒が身近な手書き文字や名筆への関心をもち,作品や書に興味・関心を抱き,生涯にわたり,主体的に書と豊かに関わることができる資質・能力を育成することである。書を深く味わって捉える活動を通して,書を表現したり鑑賞したりすることの意味や価値を実感し,書の現代的意義を考えることで,生涯にわたり書を愛好する心情を育てることが求められる。 **感性**については,「書道Ⅰ」と同様であり,書の特質に根ざした感性を意味している。表現や鑑賞の創造的な諸活動を通して,生徒が書を構成する要素や表現性,表現効果や風趣の視点をもつことで,一層高められるようにすることが大切である。ここでは,特に言語活動の充実を図ることが重要となる。 **書の伝統と文化**については,「書道Ⅰ」と同様であり,これまでの書としてのあらゆる表現,書に関わる思索など,各時代で新しく生み出された価値や今日まで受け継がれてきた有形・無形の成果の総体を指している。表現や鑑賞の創造的な活動を通して,書の伝統と文化について理解が深められるよう指導を工夫することが大切である。 **書を通して心豊かな生活や社会を創造していく態度を養**うとは,「書道Ⅰ」での学習を発展させて,書の表現や鑑賞の創造的な諸活動を通して,生活や社会における書の役割や効用,書の美の意味や価値,書の現代的意義などについて考え,多様な文字や書と豊かに関わることで,心豊かな生活や社会を創造していく態度を育てることを示している。 #### 内容 ##### A 表 現 > 表現に関する資質・能力を次のとおり育成する。 「A表現」は「(1)漢字仮名交じりの書」,「(2)漢字の書」,「(3)仮名の書」の三つの分野から構成されている。各分野の指導事項のうち,アは「思考力,判断力,表現力等」,イは「知識」,ウは「技能」に関する資質・能力を示している。 > (1)漢字仮名交じりの書   漢字仮名交じりの書に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。 ア 知識や技能を得たり生かしたりしながら,次の(ア)から(ウ)までについて構想し工夫すること。   (ア)目的や用途,表現形式に応じた全体の構成   (イ)感興や意図に応じた個性的な表現   (ウ)現代に生きる創造的な表現  イ 次の(ア)及び(イ)について理解すること。   (ア)漢字仮名交じりの書を構成する様々な要素   (イ)名筆や現代の様々な書の表現と用筆・運筆との関わり  ウ 次の(ア)及び(イ)の技能を身に付けること。   (ア)目的や用途,意図に応じた効果的な表現   (イ)漢字と仮名の調和等による全体の構成 ここでは,「書道Ⅱ」における「(1)漢字仮名交じりの書」に関する指導事項を示している。 「書道Ⅱ」における「(1)漢字仮名交じりの書」は,「書道Ⅰ」の内容を受けて,創造的 な表現活動を通して,学習を深めることができるよう内容を示している。 指導に当たっては,〔共通事項〕との関連を図り,書を構成する要素や用筆・運筆から生み出される表現性や表現効果への視点をもって,作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫することができるよう指導することが大切である。 > ア 知識や技能を得たり生かしたりしながら,次の(ア)から(ウ)までについて構想し工夫すること。 この事項は,「(1)漢字仮名交じりの書」における「思考力,判断力,表現力等」に関する資質・能力であり,作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫して表すことをねらいとしている。「(1)漢字仮名交じりの書」に関わる「知識」はイ,「技能」はウに示している。 「書道Ⅱ」においては,「書道Ⅰ」での学習を受けて,作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫する過程で,新たな知識や技能を習得すること,既に習得している知識や技能を活用することの両方が大切であることから,知識や技能を得たり生かしたりしながらとしている。 ここでは,知識及び技能を習得してから,構想し工夫するといった順序性をもって育成するものではないことに留意する必要がある。 指導に当たっては,〔共通事項〕との関連を図り,書を構成する要素や用筆・運筆から生み出される表現性や表現効果への視点をもって,作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫することができるよう指導することが大切である。 > (ア)目的や用途,表現形式に応じた全体の構成 この事項は,「(1)漢字仮名交じりの書」における「思考力,判断力,表現力等」に関する資質・能力であり,目的や用途,表現形式に応じた全体の構成を構想し工夫することをねらいとしている。これは,「書道Ⅰ」における「ア(ア)漢字と仮名の調和した字形,文字の大きさ,全体の構成」,「ア(イ)目的や用途に即した表現形式,意図に基づいた表現」の内容を一層深めたものである。 **目的や用途**については,実用的な表現と芸術的な表現があり,生徒が主体的にそれぞれにふさわしい**表現形式**を工夫できるようにすることが大切である。 実用的な表現形式は,目的や用途が実用を目指しているということである。芸術的な表現形式については,半紙,条幅,色紙,短冊,扇面等の伝統的な様々な表現形式の他,大きさや形などは生徒の創造的な構想により,自由に工夫されることも考えられる。 **全体の構成**とは,紙面全体に占める文字や文字群と余白との関係や,文字と文字,文字群と文字群とのつり合いをいう。 **目的や用途,表現形式に応じた全体の構成**とは,漢字と仮名の調和と紙面全体のまとまりを図りながら,自身の思いや感興を効果的に表現するために,実用的な表現と芸術的な表現の両側面それぞれでの目的や用途,表現形式に応じて,全体の構成を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫するということである。 また,今日の生活や社会での日常的な書字の実態に鑑み,特に「(1)漢字仮名交じりの書」においては,横書きによる表現活動を取り扱う場合も考えられる。書の伝統に対する理解を図りながら,生徒の表現の意図を尊重し,生徒が主体的に構想し個性豊かに表現を工夫できるようにすることが大切である。 指導に当たっては,生徒が自身の思いや感興に即して心に響く言葉を主体的に選定したり紡ぎ出したりできるよう,また,その目的や用途,表現形式に応じて,適切かつ効果的に全体の構成を構想し表現を工夫できるよう指導することが大切である。 > (イ)感興や意図に応じた個性的な表現 この事項は,「(1)漢字仮名交じりの書」における「思考力,判断力,表現力等」に関する資質・能力であり,**感興や意図に応じた個性的な表現**を構想し工夫することをねらいと している。これは,「書道Ⅰ」の「ア(イ)目的や用途に即した表現形式,意図に基づいた表現」のうち,「意図に基づいた表現」の内容を一層深めたものである。 **感興**とは,例えば芸術や自然などの美に触れた時や,詩歌や文章を読んで感動した時などに,他者からの刺激を受け,内からわき起こる感慨をいう。その感興をより効果的に表現しようとする思いが意図である。 **感興や意図に応じた**について,「(1)漢字仮名交じりの書」においては,生徒にとって心に響く言葉を題材とし,その言葉と自身との関わりをもとに,自身の内からわき起こる思いや感興をいかに効果的に表現するかが意図であり,その思いや感興,意図に応じて作品を創造的に構想し,書を通して自身の思いを伝えるために,表現性の働かせ方や表現効果の生かし方を工夫するということである。 **個性的な表現**とは,感性を働かせて,作品を構想し表現を工夫して自身の思いや感興を表す自己表現であり,まず,自分自身を再確認し,自己の意図を十分に生かそうとする意欲がそのもととなる。また,「(2)漢字の書」及び「(3)仮名の書」での古典の臨書活動を通して効果的な表現の技能を身に付けたり,名筆や現代の書の様々な表現を生かしたりすることで,作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫することができるようにすることが大切である。 指導に当たっては,「B鑑賞」との関連を図り,多様な美の表現に触れたり,言語活動を通して様々な個性に触れたりすることにより,視野を広げ,感性を高め,自身の意図に基づいて,作品を創造的に構想したり個性豊かに表現を工夫したりできるよう指導することが大切である。 また,感興や意図に応じて,作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫し,作品を完成させていく一連の過程を通して,生徒自らによる計画的な表現活動の中で,主体的に自己実現を図るとともに,活動の全体を振り返ることで自己課題を見出し,次の表現活動へと発展的につなげることができるよう指導することが大切である。 > (ウ)  現代に生きる創造的な表現 この事項は,「(1)漢字仮名交じりの書」における「思考力,判断力,表現力等」に関する資質・能力であり,**現代に生きる創造的な表現**を構想し工夫することをねらいとしてい る。これは,「書道Ⅰ」の「ア(ウ)名筆を生かした表現や現代に生きる表現」のうち,特に 「現代に生きる表現」の内容を一層深めたものである。 **現代に生きる創造的な表現**とは,多様な感性や価値観に基づいて形づくられている現代の社会とそこでの生活の中で,効果的に活用された書,個性豊かに表現された書を指している。 現代の社会で生活する生徒にとって,生徒自身が表現しようとする思いや感興,意図は,現代に裏打ちされた感性から生じるものであり,現代の多様な書の表現や美への関心を高めることは,生徒が作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫する上で,確かな素地となる。 指導に当たっては,「B鑑賞」とも関連を図りながら,「現代」という視点から,書の表 現を捉え,その意味や価値,書の美の効用について考え,現代の生活や社会と関わらせながら,創造的で豊かな表現活動へとつなげることが重要である。また,言語活動を活用して,書に対する様々な感性や捉え方に触れることも大切である。現代という視点をもつことにより,書の伝統と文化への新たな関心をもつことにもつながるよう指導することが大切である。 > イ 次の(ア)及び(イ)について理解すること。 この事項は,「(1)漢字仮名交じりの書」における「知識」に関する資質・能力であり,「漢字仮名交じりの書」の表現の方法や形式,多様性などについて理解を深めることをねらいとしている。 ここでの「知識」は,作品を構想し表現を工夫する過程を通して実感的に習得されるものである。また,知識を習得してから,構想し工夫するといった順序性をもって育成するものではないことに留意する必要がある。 指導に当たっては,〔共通事項〕との関連を図り,書を構成する要素や用筆・運筆から生み出される表現性や表現効果への視点をもって,実感的に理解を深めることができるよう指導することが大切である。 > (ア)  漢字仮名交じりの書を構成する様々な要素 この事項は,「(1)漢字仮名交じりの書」における「知識」に関する資質・能力であり,**漢字仮名交じりの書を構成する様々な要素**について理解することをねらいとしている。これは,「書道Ⅰ」の「イ(ア)用具・用材の特徴と表現効果との関わり」の内容を一層深めたものである。 「書道Ⅱ」では,漢字の書体については「書道Ⅰ」で学習する楷書,行書に加え,草書 や隷書も扱うことから,表現形態も多様なものとなる。「書道Ⅰ」での学習を発展させ,用具・用材の特徴について理解を深め,「漢字仮名交じりの書」の創造的な作品の構想,個性豊かな表現の工夫に生かせるよう指導することが大切である。 **漢字仮名交じりの書を構成する様々な要素**として,「線質」,「字形」,「構成」があり,これらを支える要素として「墨色」,「余白」等がある。 「線質」については,その基本的な技能や知識は,主に「(2)漢字の書」及び「(3)仮名の書」の学習を通して身に付けることになるが,「(1)漢字仮名交じりの書」の学習では,線質から生じる表現効果として,「漢字仮名交じりの書」の表現に必要な漢字と仮名の調和について理解を深められるよう指導を工夫することが大切である。 また,線質に直接関わる,より基本的な要素である用具・用材については,「書道Ⅰ」では,意図する表現に適合する用具・用材を工夫して用いることを扱った。「書道Ⅱ」では,実用的な表現であれ,芸術的な表現であれ,用具・用材の特徴とそこに生じる表現性について理解を深めることが大切である。また,表現と鑑賞との関連を図り,用具・用材の特徴と表現性,表現効果や風趣との関わりについて実感的に理解を深められるようにすることが大切である。 「字形」については,「書道Ⅰ」のア(ア)でも示しているとおり,漢字と仮名の調和した字形による表現を工夫することが大切である。字形は,用筆・運筆における遅速・緩急等の「運動性」とも関わりながら成立するもので,字形による調和を考え理解するためには,字形がいかに成り立つかについても併せて理解する必要がある。 「造形性」を担う文字構成・全体の構成等の「構成」については,特に「漢字仮名交じりの書」では,全体の構成について実用的な表現と芸術的な表現の両側面の視点から理解を深めることが大切である。実用的な表現においては,伝統的に継承されてきた書式があるが,芸術的な表現の学習を通して身に付け理解した表現性や表現効果は,実用的な表現の場でも生かされるものであり,実用的な表現と芸術的な表現を関連付けるような指導の工夫が大切である。 また,全体の構成に関わり,「造形性」を担う要素として「余白」がある。余白に象徴される「空間性」は,他の芸術と大きく異なる書の特質であり,余白は同じく書の特質である「時間性」や「運動性」とも直接関わる要素である。「漢字仮名交じりの書」では特に題材となる言葉がもつ「時間性」やリズムとも大きく関わり,例えば,句点や読点を省略することに代わる役割を果たすなど,余白の意味や効果,余白の美について理解を深めることが大切である。  指導に当たっては,〔共通事項〕に示した視点や内容を踏まえ,表現及び鑑賞,言語活動を通して,その理解が更に深められ,創造的な作品の構想や個性豊かな表現の工夫につながるよう指導することが大切である。 > (イ)名筆や現代の様々な書の表現と用筆・運筆との関わり この事項は,「(1)漢字仮名交じりの書」における「知識」に関する資質・能力であり,「漢字仮名交じりの書」における**名筆や現代の様々な書の表現と用筆・運筆との関わり**について理解することをねらいとしている。これは,「書道Ⅰ」の「イ(イ)名筆や現代の書の表現と用筆・運筆との関わり」の内容を一層深めたものである。 **名筆**とは,「漢字仮名交じりの書」に限定することなく,古典から近現代までの優れた書をいう。 **現代の様々な書の表現**とは,古典等の書の伝統と文化を継承した書の他に,新たな発想や手法に基づいて表現された書,伝統に裏打ちされた「漢字の書」及び「仮名の書」の枠組みで括りきれない書,そして,現代の生活や社会に様々な形で生かされている書を示している。 「(1)漢字仮名交じりの書」では,「(2)漢字の書」,「(3)仮名の書」と異なり,臨書活動を通して表現力を養うための評価の定まった古典が少ない中で,漢字仮名交じり文で表現された肉筆等を参考にし,学習の幅を広げることが大切である。例えば,名筆としては,平安時代以降の漢字と仮名が一つの典籍の中に渾然一体となって調和している古典文学や絵巻の詞書などの書写本があげられる。一方で,「漢字の書」や「仮名の書」の古典の多様な表現を発展させたり,生徒にとって身近な現代の様々な書の表現を生かして表現したりすることも重要となる。 **用筆・運筆との関わり**とは,これらの名筆や現代の様々な書の表現が,どのような用筆・運筆によって生み出されているのかを実感的に理解することであり,「書道Ⅱ」では,取り扱う表現の幅を広げていくことが重要である。 指導に当たっては,「B鑑賞」との関連を図りながら,言語活動を通して,名筆や現代の様々な書の表現と用筆・運筆との関わりについて考える機会を設定することが大切である。また,生徒自身の表現における用筆・運筆の効果について考え,実感的に理解できるようにすることも大切である。 > ウ 次の(ア)及び(イ)の技能を身に付けること。 この事項は,「(1)漢字仮名交じりの書」における「技能」に関する資質・能力であり,書の伝統に基づき,「漢字仮名交じりの書」を効果的に表現するための技能を身に付けることをねらいとしている。 ここでの「技能」は,作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫する過程を通して実感的に育成されるものである。また,技能を習得してから,構想し工夫するといった順序性をもって育成するものではないことに留意する必要がある。 指導に当たっては,〔共通事項〕との関連を図り,書を構成する要素や用筆・運筆から生み出される表現性や表現効果への視点をもって,実感的に身に付けられるようにすることが大切である。 > (ア)目的や用途,意図に応じた効果的な表現 この事項は,「(1)漢字仮名交じりの書」における「技能」に関する資質・能力であり,**目的や用途,意図に応じた効果的な表現**の技能を身に付けることをねらいとしている。これは,「書道Ⅰ」の「ウ(ア)目的や用途に即した効果的な表現」の内容を一層深めたものである。 **目的や用途,意図**については,実用的な表現と芸術的な表現の両側面がある。実用的な表現については,小・中学校国語科の書写及び「書道Ⅰ」で学習してきた,文字や書の伝統と文化に基づく表現形式や書式が学習の中心となり,表現における効果の対象は主として目的や用途として捉えられる。一方,芸術的な表現については,生徒自身の内からわき起こる思いや感興を表現するために,自身の言葉や心に響く他者の言葉を題材として表現されるのであり,表現の核となる自身の思いや感興をいかに効果的に表現するかという意図が表現における効果の対象となる。 **目的や用途,意図に応じた効果的な表現**の技能については,実用的な表現であれ,芸術的な表現であれ,「伝える」ことがまず意識されなければならず,実用的な表現では,目的や用途に即して適切かつ効果的に伝えるための技能が,芸術的な表現では,意図に応じて効果的に伝えるための技能が必要となる。その際,実用的な表現では,小・中学校国語科の書写及び「書道Ⅰ」での書式及び表現形式の学習で身に付けた「伝達」を念頭に適切に表現する技能に加え,文字と書の伝統と文化の視点から,効果的に表現する技能を身に付ける必要がある。一方,芸術的な表現では,伝達という目的や用途を超えて,表現の核となる自己の思いや感興,そして,自分自身を,より効果的に伝えるという意図に応じて表現するための技能を身に付けることが必要となる。 「(1)漢字仮名交じりの書」における技能は,主に「(2)漢字の書」や「(3)仮名の書」の表現や鑑賞を通して身に付けた技能を基盤として,「(1)漢字仮名交じりの書」の表現に活用することになるが,「漢字仮名交じりの書」の特質に応じた表現の工夫は不可欠であり,名筆等の鑑賞や言語活動を通して感性を高めるとともに,技能を高められるよう指導することが大切である。 指導に当たっては,特に意図に関わり,題材となる言葉の選定の過程に留意することが重要であり,生徒自身の内からわき起こる思いや感興と,言葉との関係から表現の意図を生徒自身で思い描き,その意図に基づいて作品を創造的に構想し効果的な表現の工夫へとつなげられるよう指導することが大切である。また,「B鑑賞」の学習や言語活動を活用して,効果的な表現のための様々な工夫に触れることにより,目的や用途,意図に応じた効果的で個性豊かな表現の技能を身に付けられるよう指導することが大切である。 > (イ)漢字と仮名の調和等による全体の構成 この事項は,「(1)漢字仮名交じりの書」における「技能」に関する資質・能力であり, **漢字と仮名の調和等による全体の構成**の技能を身に付けることをねらいとしている。これは,「書道Ⅰ」の「ウ(イ)漢字と仮名の調和した線質による表現」の内容を一層深めたものである。 「漢字仮名交じりの書」は,漢字仮名交じり文で書かれた詩文等を題材とする。さらに,生徒の日常的な言語生活においては,漢字,仮名の他,数字やアルファベットなどが自然に混在している。「漢字仮名交じりの書」における調和を図るに当たっては,異なる体系の複数の文字種が混在することに留意しなければならない。 **漢字と仮名の調和等**については,小・中学校国語科の書写でも学習してきた,文字の大きさによる調和等の他,中学校での「行書に調和する仮名」のように,運筆における「運動性」,律動性・リズム,気脈等による調和,また,「書道Ⅰ」で扱った線質による調和などがある。 漢字と仮名を調和させるには,漢字と仮名それぞれの特質を踏まえつつ,用筆・運筆について相互に歩み寄るといった工夫と,それを実現するための相応の技能の習得が必要となる。ただし,調和を図ったとしても,「漢字仮名交じりの書」には「読まれる」という特性があり,可読性を阻害するものであっては,適切かつ効果的な表現とは言えない。 また,漢字と仮名の調和の他,言葉と表現の調和,つまり,題材となる言葉や詩文の内容と書の表現との関係における調和が重要となる。これは,書の表現性が複合的に合わさり生じる表現効果であり,風趣と併せて重要な書の特質である。特に,「漢字仮名交じりの書」は言葉の内容と書の表現との関連が強く,「漢字仮名交じりの書」における表現の工夫は言葉と表現との調和に結実するとも言える。 **全体の構成**とは,紙面上の全体のまとめ方を指す。「漢字仮名交じりの書」では,漢字と仮名の調和がまず考えられるが,「書道Ⅱ」では,漢字と仮名の調和を生かして,題材となっている言葉や詩文の内容,その作品を通して表現しようとする思いや感興と,表現との調和による作品としてのまとまりを,そこに生じる表現効果の視点から捉えることが大切である。そこでの全体の構成が,諸要素及びそこから生じる表現性の調和により見事に成立した時,そこに生じる表現効果や作品全体から醸し出される風趣をもって,表現された思いや感興が伝わり,見る者の心を動かすことにつながるのである。 指導に当たっては,感興や意図に応じて,作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫できるよう,効果的な表現の技能を身に付けるとともに,自己表現としての表現活動において,完成した作品の姿を思い描く構想力と,それを支え作品を完成へと導く知識と表現の技能を身に付けられるよう指導することが大切である。また,身に付けた知識や技能を適切に活用できるようにすることが大切であり,その過程で知識や技能は更に深まっていくことになるのである。 > (2)漢字の書   漢字の書に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。 ア知識や技能を得たり生かしたりしながら,次の(ア)及び(イ)について構想し工夫すること。   (ア)表現形式に応じた全体の構成   (イ)感興や意図に応じた個性的な表現  イ 次の(ア)及び(イ)について理解すること。   (ア)漢字の書を構成する様々な要素   (イ)古典の特徴と用筆・運筆との関わり  ウ 次の(ア)及び(イ)の技能を身に付けること。   (ア)古典に基づく効果的な表現   (イ)変化や調和等による全体の構成 ここでは,「書道Ⅱ」における「(2)漢字の書」に関する指導事項を示している。 「書道Ⅱ」における「(2)漢字の書」は,「書道Ⅰ」の内容を受けて,創造的な表現活動を通して,学習を深めることができるよう内容を示している。 指導に当たっては,〔共通事項〕との関連を図り,書を構成する要素や用筆・運筆から生み出される表現性や表現効果への視点をもって,作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫することができるよう指導することが大切である。 > ア 知識や技能を得たり生かしたりしながら,次の(ア)及び(イ)について構想し工夫すること。 この事項は,「(2)漢字の書」における「思考力,判断力,表現力等」に関する資質・能力であり,作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫して表すことをねらいとしている。「(2)漢字の書」に関わる「知識」はイ,「技能」はウに示している。   「書道Ⅱ」においては,「書道Ⅰ」での学習を受けて,作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫する過程で,新たな知識や技能を習得すること,既に習得している知識や技能を活用することの両方が大切であることから,**知識や技能を得たり生かしたりしながら**としている。 ここでは,知識及び技能を習得してから,構想し工夫するといった順序性をもって育成するものではないことに留意する必要がある。 指導に当たっては,〔共通事項〕との関連を図り,書を構成する要素や用筆・運筆から生み出される表現性や表現効果への視点をもって,作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫することができるよう指導することが大切である。 > (ア)表現形式に応じた全体の構成 この事項は,「(2)漢字の書」における「思考力,判断力,表現力等」に関する資質・能力であり,**表現形式に応じた全体の構成**を構想し工夫することをねらいとしている。これは,「書道Ⅰ」における「ア(ア)古典の書体や書風に即した用筆・運筆,字形,全体の構成」の内容を一層深めたものである。 「漢字の書」におけ**る表現形式**については,伝統的な形式と現代的な形式,実用的な形式と芸術的な形式,あるいは,書かれる詩文の内容による形式,用途の違いから生じる形式などがあげられる。 伝統的な形式には,条幅,扁額,巻子(巻物),折帖,屏風,色紙,短冊,扇面などが ある。条幅や扁額などは,かつては実用性が強いものであったが,現代では芸術的な形式として活用されることが多い。ここでは,書は古来,伝統的に縦書きで表現されてきたことを踏まえることが大切である。例えば,扁額が縦一文字の縦書きであることや,扇面等の伝統的な全体の構成について取り上げることなども考えられる。 現代的な形式は,これら伝統的な形式にとらわれず,現代の生活や社会における新たな感覚で工夫されたものがあり,形・素材も様々で,特定の名称で表し得ないことも多い。 書かれる詩文の内容による形式には,例えば,対句を対聯にする,禅語を一行ものにするなどがある。 用途の違いから生じる形式には,和室に掛ける場合,洋間で鑑賞する場合,学校・公共施設等で展示・鑑賞する場合などに適した形式が考えられる。 **表現形式に応じた**とは,こうした様々な表現形式のもつ意味や効果を理解し,それに応じて全体を構成していくことである。 **全体の構成**とは,紙面全体に占める文字や文字群と余白との関係や,文字と文字,文字群と文字群とのつり合いをいう。ここでは,様々な表現形式のもつ特徴を理解し,それに応じて,全体の構成を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫することが求められる。 なお,全体の構成を構想し工夫することについては,「書道Ⅰ」での学習を踏まえ,表現形式に応じて,選定した詩文の文字数に対して紙の大きさや形などを適切に選択できるよう指導することが大切である。 指導に当たっては,伝統的な形式及びそれに基づく全体の構成を踏まえた上で,創造的に表現の幅を広げることができるよう,また,現代の生活や社会における新たな感覚で作品を構想したり表現を工夫したりすることができるよう配慮して指導することが大切である。 > (イ)感興や意図に応じた個性的な表現 この事項は,「(2)漢字の書」における「思考力,判断力,表現力等」に関する資質・能力であり,**感興や意図に応じた個性的な表現**を構想し工夫することをねらいとしている。これは,「書道Ⅰ」の「ア(イ)意図に基づいた表現」の内容を一層深めたものである。 **感興**とは,例えば芸術や自然などの美に触れた時や,詩歌や文章を読んで感動した時などに,他者からの刺激を受け,内からわき起こる感慨をいう。その感興をより効果的に表現しようとする思いが**意図**である。 **感興や意図に応じた**について,「(2)漢字の書」の表現活動では次の二つが考えられる。一つは,生徒にとって心に響く語句や詩文等が先にあり,その言葉と自身との関わりからわき起こる感興や意図に応じて作品を構想する場合である。もう一つは,このように表現したいという構想に即して,語句や詩文等を選定していく場合で,例えば,長条幅に連綿草で,流動的で各行の呼応を図った全体の構成を表現の意図とし,それにふさわしい詩文等を選定し,古典から集字して表現することなどである。 **個性的な表現**とは,感性を働かせて,作品を構想し表現を工夫して自身の思いや感興を表す自己表現であり,まず,自分自身を再確認し,自己の意図を十分に生かそうとする意欲がそのもととなる。また,多様な古典の臨書活動を通して,各書体の古典の特徴と用筆・運筆との関わりについて理解を深め,そこで触れる様々な書風が筆者の個性的な表現であることに気付くことができるようにするとともに,効果的な表現の技能を身に付けたり,古典の様々な表現を生かしたりすることで,作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫することができるようにすることが大切である。 指導に当たっては,多様な古典の臨書活動を通して表現の幅を広げるとともに,「B鑑賞」との関連を図り,多様な美の表現に触れたり,言語活動を通して様々な個性に触れたりすることにより,視野を広げ,感性を高め,自身の意図に基づいて,作品を創造的に構想したり個性豊かに表現を工夫したりできるよう指導することが大切である。 また,感興や意図に応じて,作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫し,作品を完成させていく一連の過程を通して,生徒自らによる計画的な表現活動の中で,主体的に自己実現を図るとともに,活動の全体を振り返ることで自己課題を見出し,次の表現活動へと発展的につなげることができるよう指導することが大切である。 > イ 次の(ア)及び(イ)について理解すること。 この事項は,「(2)漢字の書」における「知識」に関する資質・能力であり,「漢字の書」の表現の方法や形式,多様性などについて理解を深めることをねらいとしている。 ここでの「知識」は,作品を構想し表現を工夫する過程を通して実感的に習得されるものである。また,知識を習得してから,構想し工夫するといった順序性をもって育成するものではないことに留意する必要がある。 指導に当たっては,〔共通事項〕との関連を図り,書を構成する要素や用筆・運筆から生み出される表現性や表現効果への視点をもって,実感的に理解を深めることができるよう指導することが大切である。 > (ア)漢字の書を構成する様々な要素 この事項は,「(2)漢字の書」における「知識」に関する資質・能力であり,**漢字の書を構成する様々な要素**について理解することをねらいとしている。これは,「書道Ⅰ」の「イ(ア)用具・用材の特徴と表現効果との関わり」の内容を一層深めたものである。 「書道Ⅱ」では,「書道Ⅰ」で学習する楷書,行書に加え,草書,隷書及び篆書も扱うこ とから,表現も多様なものとなる。「書道Ⅰ」での学習を発展させ,用具・用材の特徴について理解を深め,「漢字の書」の創造的な作品の構想,個性豊かな表現の工夫に生かせるよう指導することが大切である。 **漢字の書を構成する様々な要素**として,「線質」,「字形」,「構成」があり,これらを支える要素として「墨色」,「余白」等がある。 「線質」は,書風を形成する重要な要素であり,主に用筆・運筆によって大きく変化するが,用具・用材の特徴が担う側面も大きく,毛筆の毛質や穂の形状,紙や墨の種類・原材料,硯の材質や鋒鋩の粗密などが,線質の美しさを生む。「書道Ⅱ」では,用具・用材の特徴についての理解を深めるとともに,そこに生じる表現性について,「漢字の書」の特質に即して理解を深めることが大切である。表現と鑑賞との関連を図り,用具・用材の特徴と表現性,表現効果や風趣との関連について実感的に理解を深められるよう指導を工夫することが大切である。 また,線質と同様に用具・用材の特徴に基づく要素として「墨色」があげられる。墨色とは,紙面に表された墨の色合いのことである。磨墨による墨の濃度,墨の種類や原材料と紙の種類や原材料等のそれぞれの特性の関連によって生まれる墨色,そこに生じる濃淡や潤渇の変化が,墨色の美しさを生む重要な要素となる。 「字形」については,小・中学校国語科の書写で学習してきた楷書,中学校国語科の書写で学習した行書を基礎として,さらに,書体の広がりを理解し,「漢字の書」の古典を通して様々な書風について理解を深めていく中で,それぞれの書風に応じて字形も様々にあること,また,字形がそれぞれの書風を形づくる重要な要素であることについて理解を深めることが大切である。 「造形性」を担う文字構成・全体の構成等の「構成」のうち,文字構成については,書風と併せて考えることができる。全体の構成については,「書道Ⅰ」での学習を踏まえ,文字同士の関係や,紙面における文字の大きさ,文字群の配列,字間や行間,上下(天地)・左右の余白などに加え,多様な紙のサイズや文字数,表現の意図や構想に応じて,効果的に工夫することが必要となる。創造的な作品の構想に基づいて個性豊かに工夫された表現,多様な形式や意図による表現に向けて,全体の構成,つまり表現としての総合的なまとめ方について,鑑賞や言語活動を通して理解を深めることが大切である。 また,全体の構成に関わり,「造形性」を担う要素として「余白」がある。余白に象徴される「空間性」は,他の芸術と大きく異なる書の特質であり,余白は同じく書の特質である「時間性」や「運動性」とも直接関わる要素であり,余白の意味や効果,余白の美について理解を深められるよう指導を工夫することが大切である。 指導に当たっては,〔共通事項〕に示した視点や内容を踏まえ,表現及び鑑賞,言語活動の学習を通して,その理解が更に深められ,創造的な作品の構想や個性豊かな表現の工夫につながるよう指導することが大切である。 > (イ)  古典の特徴と用筆・運筆との関わり この事項は,「(2)漢字の書」における「知識」に関する資質・能力であり,「漢字の書」における**古典の特徴と用筆・運筆との関わり**について理解することをねらいとしている。これは,「書道Ⅰ」の「イ(イ)書体や書風と用筆・運筆との関わり」の内容を一層深めたものである。 **古典の特徴**とは,各古典の書体や書風,古典特有の筆法,構成,線質,墨色など,様々な要素から生じる各古典特有の表現及びその多様性を指す。「書道Ⅱ」では,学習する古典の幅を広げ,「B鑑賞」との関連を図りながら,臨書活動を通して,「漢字の書」の表現の多様性を理解することが大切である。 **用筆・運筆との関わり**とは,各古典における線質,字形,構成などの特徴が,どのような用筆・運筆によって生み出されているのかを実感的に理解することである。 漢字には,楷書,行書,草書,隷書及び篆書の五つの書体があり,それぞれに固有の特徴がある。また,時代ごとの美意識を反映させながら,同じ書体であっても用筆・運筆の違いなどから生じる様々な書風の古典が存在している。「書道Ⅰ」では,中学校国語科の書写での学習を踏まえ,楷書及び行書における基本的な用筆・運筆を基礎として,書の表現の基本となる用筆・運筆を,楷書及び行書の古典を中心に,書風とその表現を通して学習した。「書道Ⅱ」では,楷書及び行書に加えて,草書,隷書,篆書の各書体を学ぶことから,用筆・運筆についても多様化する。書体の違いや様々な個性に基づく書風に触れ,その用筆・運筆を体験的に学んだり鑑賞したりする活動を通して,筆法への理解を一層深められるよう指導することが大切である。また,「B鑑賞」との関連を図りながら,多様な古典の臨書活動を通して,古典の特徴と用筆・運筆との関わりを理解し,表現の幅を広げていくことが大切である。 指導に当たっては,「B鑑賞」とも関連を図りながら,作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫することができるよう,生徒の特性を考慮して,学習する古典を段階的に示したり古典を主体的に選定できるようにしたりすることが大切である。 > ウ 次の(ア)及び(イ)の技能を身に付けること。 この事項は,「(2)漢字の書」における「技能」に関する資質・能力であり,書の伝統に基づき,「漢字の書」を効果的に表現するための技能を身に付けることをねらいとしている。 ここでの「技能」は,作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫する過程を通して実感的に育成されるものである。また,技能を習得してから,構想し工夫するといった順序性をもって育成するものではないことに留意する必要がある。 指導に当たっては,〔共通事項〕との関連を図り,書を構成する要素や用筆・運筆から生み出される表現性や表現効果への視点をもって,実感的に身に付けられるようにすることが大切である。 > (ア)  古典に基づく効果的な表現 この事項は,「(2)漢字の書」における「技能」に関する資質・能力であり,**古典に基づく効果的な表現**の技能を身に付けることをねらいとしている。これは,「書道Ⅰ」の「ウ(ア)古典に基づく基本的な用筆・運筆」の内容を一層深めたものである。 **古典に基づく効果的な表現**の技能を身に付けるためには,学習する古典の範囲や種類を広げ,「B鑑賞」との関連を図りながら,その臨書活動を通して,古典のもつ美を感受し,それを追体験することで表現の幅を広げていくことが大切である。ここでは,「書道Ⅰ」で身に付けた基本的な線質の表し方,用筆・運筆の技能を踏まえ,さらに,効果的な表現の技能を身に付けるために,「書道Ⅱ」で扱う五つの書体について,相互の関連性にも配慮して学習することが大切である。また,書風についても表現の幅を広げられるよう,臨書の対象となる古典について発展的なものを厳選することが重要である。 創作活動においては,自己表現へと発展させる拠り所が大切であり,その際,古典が大きな役割を果たすことを理解した上で,臨書活動を通して効果的な表現の技能を身に付けられるようにすることが大切である。 指導に当たっては,書体及び書風の多様化に対応し,どのような順序でどの古典を学ぶかに留意することが大切である。臨書や創作に関わらず,自身の思いや感興,意図に応じて主体的に表現する際には,様々な古典の臨書活動を通して身に付けた用筆・運筆及び用具・用材の特徴による線質や墨色,書風を大きく担う字形,余白の効果も含めた全体の構成などの技能を生かして,効果的に表現することが大切である。なお,臨書から創作へ発展させる際には,倣書などの方法を活用することも考えられる。 > (イ)変化や調和等による全体の構成 この事項は,「(2)漢字の書」における「技能」に関する資質・能力であり,**変化や調和等による全体の構成**の技能を身に付けることをねらいとしている。これは,「書道Ⅰ」の「ウ(イ)古典の線質,字形や構成を生かした表現」の内容を一層深めたものである。 **変化や調和**とは,書の表現性や表現効果を最も端的に表すものであり,**全体の構成**の原理ともいえるものである。律動性や性情の表出などの表現性と同様に,書特有の表現性の一つである変化,また,それらが合わさって生じる表現効果である調和は,「漢字の書」に限ったものではなく,「漢字仮名交じりの書」及び「仮名の書」にも共通に,作品のまとまりとしての全体の構成を質的に支えるものである。また,そこに生じる表現効果は,風趣と併せて重要な書の特質であり,書のよさや美しさを豊かなものとする。変化や調和は,書の表現において作品を構想し表現を工夫する際には,三分野のいずれであれ,いかなる表現であれ,常に意識されるものではあるが,書体や書風が多様な「漢字の書」で特に捉えやすく,その働きや効果を理解したり,技能を身に付けたりするためには,「漢字 の書」での学習が最も適していると考えられる。 指導に当たっては,変化等の表現性,調和等の表現効果が全体の構成に及ぼす効果を実感的に理解するとともに,そこに生じる表現効果や風趣を,作品を構想し表現を工夫する中で効果的に生かすための技能を身に付けられるよう指導することが大切である。 > (3)仮名の書   仮名の書に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。 ア 知識や技能を得たり生かしたりしながら,次の(ア)及び(イ)について構想し工夫すること。   (ア)表現形式に応じた全体の構成   (イ)感興や意図に応じた個性的な表現  イ 次の(ア)及び(イ)について理解すること。   (ア)仮名の書を構成する様々な要素   (イ)古典の特徴と用筆・運筆との関わり  ウ 次の(ア)及び(イ)の技能を身に付けること。   (ア)古典に基づく効果的な表現   (イ)墨継ぎや散らし書き等による全体の構成 ここでは,「書道Ⅱ」における「(3)仮名の書」に関する指導事項を示している。 「書道Ⅱ」における「(3)仮名の書」は,「書道Ⅰ」の内容を受けて,創造的な表現活動を通して,学習を深めることができるよう内容を示している。 指導に当たっては,〔共通事項〕との関連を図り,書を構成する要素や用筆・運筆から生み出される表現性や表現効果への視点をもって,作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫することができるよう指導することが大切である。 > ア 知識や技能を得たり生かしたりしながら,次の(ア)及び(イ)について構想し工夫すること。 この事項は,「(3)仮名の書」における「思考力,判断力,表現力等」に関する資質・能 力であり,作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫して表すことをねらいとしてい る。「(3)仮名の書」に関わる「知識」はイ,「技能」はウに示している。  「書道Ⅱ」においては,「書道Ⅰ」での学習を受けて,作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫する過程で,新たな知識や技能を習得すること,既に習得している知識や技能を活用することの両方が大切であることから,**知識や技能を得たり生かしたりしながら**としている。 ここでは,知識及び技能を習得してから,構想し工夫するといった順序性をもって育成するものではないことに留意する必要がある。 指導に当たっては,〔共通事項〕との関連を図り,書を構成する要素や用筆・運筆から生み出される表現性や表現効果への視点をもって,作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫することができるよう指導することが大切である。 > (ア)表現形式に応じた全体の構成 この事項は,「(3)仮名の書」における「思考力,判断力,表現力等」に関する資質・能 力であり,**表現形式に応じた全体の構成**を構想し工夫することをねらいとしている。これは,「書道Ⅰ」における「ア(ア)古典の書風に即した用筆・運筆,字形,全体の構成」の内容を一層深めたものである。 「仮名の書」における**表現形式**については,例えば,色紙,短冊,懐紙,巻子(巻物),冊子,折帖,屏風などの伝統的な表現形式があげられる。また,近年は条幅を用いた大字仮名や,伝統的な表現形式を額装した作品も多く見られる。我が国では,古来,懐紙を料紙の基本の大きさとしつつ,それをもとに色紙,短冊,カルタなどの大きさが定められ,扇面等も含め,多様な表現形式により「仮名の書」が表現されてきた。例えば,色紙における伝統的な書式としては,雁行や藤の花などに見立てた様々な散らし書きなど余白を生かした表現形式が今日まで受け継がれている。 **表現形式に応じた**とは,こうした様々な表現形式のもつ意味や効果を理解し,それに応じて全体を構成していくことである。 **全体の構成**とは,紙面全体に占める文字や文字群と余白との関係や,文字と文字,文字群と文字群とのつり合いをいう。ここでは,様々な表現形式のもつ特徴を理解し,それに応じて,全体の構成を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫することが求められる。 また,今日まで,行の長短や高低,行間,墨継ぎなどを工夫して,多様な散らし書きがなされているが,そうした全体の構成の単位をなすのが連綿であり,平仮名と変体仮名を交えて用いることによって,幅広い表現が可能となる。 指導に当たっては,全体の構成を構想し表現を工夫していく活動を通して,散らし書きによる余白の美に触れ,我が国独自の伝統と文化に親しみ,豊かに関わることにより,作品の構想や表現の工夫に生かすことができるよう指導することが大切である。 > (イ)感興や意図に応じた個性的な表現 この事項は,「(3)仮名の書」における「思考力,判断力,表現力等」に関する資質・能力であり,**感興や意図に応じた個性的な表現**を構想し工夫することをねらいとしている。これは,「書道Ⅰ」の「ア(イ)意図に基づいた表現」の内容を一層深めたものである。 **感興**とは,例えば芸術や自然などの美に触れた時や,詩歌や文章を読んで感動した時などに,他者からの刺激を受け,内からわき起こる感慨をいう。その感興をより効果的に表現しようとする思いが**意図**である。 **感興や意図に応じた**について,「(3)仮名の書」の表現活動では,次の二つが考えられる。一つは,生徒にとって心に響く語句や詩歌等が先にあり,その言葉と自身との関わりからわき起こる感興や意図に応じて作品を構想する場合である。もう一つは,このように表現したいという構想に即して,語句や詩歌等を選定していく場合で,例えば,色紙に散らし書きで表現する場合,古典を参考にしながら各行の呼応を図った全体の構成を表現の意図とし,それにふさわしい詩歌等を選定し,古典から集字して表現することなどである。 なお,古典から集字する際には,「仮名の書」の特徴である連綿による連続性を表現できるよう,連綿単位で集字することがより効果的である。 **個性的な表現**とは,感性を働かせて,作品を構想し表現を工夫して自身の思いや感興を表す自己表現であり,まず,自分自身を再確認し,自己の意図を十分に生かそうとする意欲がそのもととなる。また,「仮名の書」の古典の臨書活動を通して,そこで触れる様々な書風が筆者の個性的な表現であることに気付くことができるようにするとともに,効果的な表現の技能を身に付けたり,古典の様々な表現を生かしたりすることで,作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫することができるようにすることが大切である。 指導に当たっては,多様な古典の臨書活動を通して表現の幅を広げるとともに,「B鑑賞」との関連を図り,多様な美の表現に触れたり,言語活動を通して様々な個性に触れたりすることにより,視野を広げ,感性を高め,自身の意図に基づいて,作品を創造的に構想したり個性豊かに表現を工夫したりできるよう指導することが大切である。 また,感興や意図に応じて,作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫し,作品を完成させていく一連の過程を通して,生徒自らによる計画的な表現活動の中で,主体的に自己実現を図るとともに,活動の全体を振り返ることで自己課題を見出し,次の表現活動へと発展的につなげることができるよう指導することが大切である。 > イ 次の(ア)及び(イ)について理解すること。 この事項は,「(3)仮名の書」における「知識」に関する資質・能力であり,「仮名の書」の表現の方法や形式,多様性などについて理解を深めることをねらいとしている。 ここでの「知識」は,作品を構想し表現を工夫する過程を通して実感的に習得されるものである。また,知識を習得してから,構想し工夫するといった順序性をもって育成するものではないことに留意する必要がある。 指導に当たっては,〔共通事項〕との関連を図り,書を構成する要素や用筆・運筆から生み出される表現性や表現効果への視点をもって,実感的に理解を深めることができるよう指導することが大切である。 > (ア)仮名の書を構成する様々な要素 この事項は,「(3)仮名の書」における「知識」に関する資質・能力であり,**仮名の書を構成する様々な要素**について理解することをねらいとしている。これは,「書道Ⅰ」の「イ(ア)用具・用材の特徴と表現効果との関わり」の内容を一層深めたものである。 「書道Ⅱ」では,扱う古典の幅が広がることから,表現も多様なものとなる。「書道Ⅰ」での学習を発展させ,用具・用材の特徴について理解を深め,「仮名の書」の創造的な作品の構想,個性豊かな表現の工夫に生かせるよう指導することが大切である。 **仮名の書を構成する様々な要素**として,「線質」,「字形」,「構成」があり,これらを支える要素として「墨色」,「余白」等がある。 「線質」については,特に「仮名の書」では用具・用材の特徴が深く関わり,「仮名の書」の書風の違いも線質によって形づくられてきた。「仮名の書」では小筆を用いることが多いが,穂先の長さ,筆毛の固さや弾力等の特徴と,そこから生じる線質との関連について理解を深められるよう指導を工夫することが大切である。 「仮名の書」特有の暢達した線質を生むためには,磨墨や含墨量など,墨の扱いに関わる工夫が重要な要素となる。例えば,墨の原料による墨色や,磨墨による墨の濃淡の他,墨量による墨の潤渇等が,線質における伸びやかさや張りなどを左右することになる。また,「仮名の書」で古来より伝統的に用いられてきた美麗な加工を施した料紙の他,洋紙に色や文様を印刷したものや,各古典専用の臨書用紙を用いるなど,紙に関わる工夫についても,「仮名の書」特有の線質,表現性,表現効果や風趣を生む要素となる。 「字形」については,表音文字である仮名が,意味を成す上で必然的に何文字かが連続して書かれる「連綿」という表現が行われてきたことを理解することが大切である。それを踏まえ,仮名の単体の字形が必ずしもその字形に固定されたものではないということ,連綿が大きな原動力となって「仮名の書」の多様な書風が生まれてきたこと,連綿によって字形が変化すること,連綿線は単に文字と文字の接続線ではなく,それ自体が「仮名の書」の美の重要な要素であることなどの視点から,「仮名の書」の字形について理解することが大切である。 「造形性」を担う文字構成・全体の構成等の「構成」のうち,文字構成については,連綿の視点から捉えることが大切である。これは,仮名の字源や成立過程等の文字文化に関わる視点,書の変遷等の言語文化に関わる視点であり,書における言語の「時間性」及び書字における「運動性」の視点からの捉え方でもある。全体の構成については,行の長短や高低,行間や余白,墨継ぎ,多様な散らし書き,平仮名と変体仮名を交えた変化と調和など,「仮名の書」特有の表現について理解を深めることが大切である。 また,全体の構成に関わり,「造形性」を担う要素として「余白」がある。余白に象徴される「空間性」は,他の芸術と大きく異なる書の特質であり,余白は同じく書の特質である「時間性」や「運動性」とも直接関わる要素である。特に「仮名の書」では,「仮名の書」特有の散らし書きにおける余白の意味や効果,余白の美について理解を深めることが大切である。 指導に当たっては,〔共通事項〕に示した視点や内容を踏まえ,表現及び鑑賞,言語活動の学習を通して,その理解が更に深められ,創造的な作品の構想や個性豊かな表現の工夫につながるよう指導することが大切である。  > (イ)古典の特徴と用筆・運筆との関わり この事項は,「(3)仮名の書」における「知識」に関する資質・能力であり,「仮名の書」における古典の特徴と用筆・運筆との関わりについて理解することをねらいとしている。これは,「書道Ⅰ」の「イ(イ)線質や書風と用筆・運筆との関わり」の内容を一層深めたものである。 **古典の特徴**とは,各古典特有の筆法,構成,線質,墨色など,様々な要素から生じる各古典特有の表現及びその多様性を指す。「書道Ⅱ」では,学習する古典の幅を広げ,「B鑑賞」との関連を図りながら,臨書活動を通して,「仮名の書」の表現の多様性を理解することが大切である。 **用筆・運筆との関わり**とは,各古典における線質,字形,構成などの特徴が,どのような用筆・運筆によって生み出されているのかを実感的に理解することである。「仮名の書」は,時代ごとの美意識を反映させながら,多様な用筆・運筆から生み出される線質の差異によって,古典ごとの様々な書風を形づくってきた。「仮名の書」の古典の特徴を生み出す用筆・運筆は,まず筆の穂先が線の真ん中を通る直筆による基本的な用筆・運筆,そして筆の腹を駆使した,穂先の開閉による厚みのある用筆・運筆,さらに,院政期の古筆に代表される穂先の命毛を生かした細身の線による用筆・運筆の,概ね三つに分類される。加えて,言語の「時間性」を運動に重ね合わせて「言語を書く」中で生じる,運筆上の遅速や緩急,抑揚,筆圧の変化,筆脈などの「仮名の書」特有の筆法について理解を深めることが大切である。また,「B鑑賞」との関連を図りながら,多様な古典の臨書活動を通して,古典の特徴と用筆・運筆との関わりを理解し,表現の幅を広げていくことが大切である。 指導に当たっては,「B鑑賞」とも関連を図りながら,作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫することができるよう,生徒の特性を考慮して,学習する古典を段階的に示したり古典を主体的に選定できるようにしたりすることが大切である。 > ウ 次の(ア)及び(イ)の技能を身に付けること。 この事項は,「(3)仮名の書」における「技能」に関する資質・能力であり,書の伝統に基づき,「仮名の書」を効果的に表現するための技能を身に付けることをねらいとしている。 ここでの「技能」は,作品を創造的に構想し個性豊かに表現を工夫する過程を通して実感的に育成されるものである。また,技能を習得してから,構想し工夫するといった順序性をもって育成するものではないことに留意する必要がある。 指導に当たっては,〔共通事項〕との関連を図り,書を構成する要素や用筆・運筆から生み出される表現性や表現効果への視点をもって,実感的に身に付けられるようにすることが大切である。 > (ア)古典に基づく効果的な表現 この事項は,「(3)仮名の書」における「技能」に関する資質・能力であり,**古典に基づく効果的な表現**の技能を身に付けることをねらいとしている。これは,「書道Ⅰ」の「ウ(ア)古典に基づく基本的な用筆・運筆」の内容を一層深めたものである。 **古典に基づく効果的な表現**として,「仮名の書」では「書風」及びそれらを形づくる「線質」があげられる。これらの技能を身に付けるためには,学習する古典の範囲や種類を広げ,「B鑑賞」との関連を図りながら,臨書活動を通して,古典のもつ美を感受し,それを追体験することで表現の幅を広げていくことが大切である。また,効果的な表現の技能を身に付けるためには,様々な書風の古典の臨書活動を通して,表現の多様性に触れ,用筆・運筆との関わりから,構想した意図に即して効果的に表現を工夫する上での表現の幅を広げていくことが重要である。 創作活動においては,自己表現へと発展させる拠り所が大切であり,その際,古典が大きな役割を果たすことを理解した上で,臨書活動を通して効果的な表現の技能を身に付けられるようにすることが大切である。 指導に当たっては,書風の多様化に対応し,どのような順序でどの古典を学ぶかに留意することが大切である。創作活動においては,自身の思いや感興,意図を生かそうとする意欲が基盤となるが,臨書活動によって培われた多様な表現の技能を表現の工夫に生かして,効果的に表現することが大切である。なお,臨書から創作へ発展させる際には,倣書などの方法を活用することも考えられる。 > (イ)墨継ぎや散らし書き等による全体の構成 この事項は,「(3)仮名の書」における「技能」に関する資質・能力であり,**墨継ぎや散らし書き等による全体の構成**の技能を身に付けることをねらいとしている。これは,「書道Ⅰ」の「ウ(イ)連綿と単体,線質や字形を生かした表現」の内容を一層深めたものである。 「仮名の書」の**全体の構成**については,**墨継ぎや散らし書き等**が大きく関わっている。**墨継ぎ**とは,文字どおり含墨する箇所のことであり,**散らし書き**とは,行の長短や高低, 行間の広狭といった,余白を生かした「仮名の書」独自の紙面構成法のことである。墨継ぎの場所は,散らし書きの紙面構成において重要な役割を担っており,墨継ぎや散らし書きは,「仮名の書」における全体の構成を形づくる重要な要素である。墨継ぎによる墨量 の変化や散らし書きによる余白の効果に加え,連綿による流動美や用筆・運筆の律動美などが複合し,「仮名の書」特有の構成美が形づくられる。こうした様々な要素がもたらす表現効果や意味を実感的に理解し,それに即して紙面を構成していく技能を身に付けることが求められる。 指導に当たっては,「仮名の書」特有の散らし書きによる余白の美,墨継ぎによる墨量の変化,連綿の流動美などが,全体の構成における美を形づくり,そして,表現効果や風趣へとつながることを理解し,全体の構成の技能を身に付けられるよう指導することが大切である。 ##### B 鑑 賞 > 鑑賞に関する資質・能力を次のとおり育成する。 「B鑑賞」については,アは「思考力,判断力,表現力等」,イは「知識」に関する資質・能力を示している。 > (1)鑑賞   鑑賞に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。  ア 鑑賞に関わる知識を得たり生かしたりしながら,次の(ア)及び(イ)について考え,書のよさや美しさを味わって深く捉えること。   (ア)作品の価値とその根拠   (イ)生活や社会における書の美の効用と現代的意義  イ 次の(ア)から(エ)までについて理解を深めること。   (ア)線質,字形,構成等の要素と表現効果や風趣との関わり  (イ)日本及び中国等の文字と書の伝統と文化   (ウ)漢字の書,仮名の書,漢字仮名交じりの書の特質とその歴史   (エ)書の美と時代,風土,筆者などとの関わり ここでは,「書道Ⅱ」における「鑑賞」に関する指導事項を示している。 今回の改訂では,アは鑑賞領域における「思考力,判断力,表現力等」に関する事項を,イは「知識」に関する事項を示している。 「書道Ⅱ」では,書の表現の方法や形式,多様性などについて理解を深めたり,作品や書の伝統と文化の意味や価値,現代的意義について考え,書のよさや美しさを味わい深く捉えたりすることをねらいとしている。また,「書道I」の学習の上に立って発展的に内容を構成するとともに,幅広い観点から書のよさや美しさを鑑賞し,その表現方法や形式,書の歴史や文化について理解を深めることなどを扱うこととしている。 指導に当たっては,「思考力・判断力・表現力等」と「知識」とを関連させて指導するとともに,「A表現」の学習との関連を図ることに留意することが大切である。 > ア 鑑賞に関わる知識を得たり生かしたりしながら,次の(ア)及び(イ)について考え,書のよさや美しさを味わって深く捉えること。 この事項は,鑑賞領域における「思考力,判断力,表現力等」に関する資質・能力であり,作品や書の伝統と文化の意味や価値を考え,**書のよさや美しさを味わって深く捉えること**をねらいとしている。鑑賞領域に関わる「知識」はイに示している。 「書道Ⅱ」では,書の美を味わって深く捉える過程で,新たな知識を習得することや,既に習得している知識を活用することの両方が大切であることから,**知識を得たり生かしたりしながら**としている。このように,知識の習得は,書のよさや美しさを味わって深く捉える過程で行われるものである。ここでは,知識を習得してから,書を味わって捉えるといった順序性をもって育成するものではないことに留意する必要がある。 指導に当たっては,〔共通事項〕との関連を図り,書を構成する要素や用筆・運筆から生み出される表現性や表現効果への視点をもって,書のよさや美しさを味わって深く捉えることができるようにすることが大切である。 > (ア)  作品の価値とその根拠 この事項は,鑑賞領域における「思考力,判断力,表現力等」に関する資質・能力であり,**作品の価値とその根拠**について考え,書のよさや美しさを味わって深く捉えることをねらいとしている。 「書道Ⅱ」では,「書道I」での学習を踏まえ,書のよさや美しさをもたらす基本となる 書を構成する要素との関係をもとに,知識と関連させながら作品を分析的に捉え,書を構成する要素から生まれ,書のよさや美しさを生む表現性が複合的に合わさることで生じる表現効果や風趣にも目を向けて,作品の価値とその根拠を考えることが求められる。ここでは,〔共通事項〕の内容や「A表現」の各分野のイ(ア)との関連を図りながら,書を構成する要素の視点をもって,作品を捉えることが重要である。 人が芸術作品を目前にしたときに自らの感性に触れて覚える最初の感懐,すなわち直感的鑑賞によるよさや美しさの把握を経て,その根拠を分析的に把握し,そのよさや美しさを捉える分析的鑑賞に発展するのが,段階的な鑑賞方法の一般的な展開である。書の場合には,対象となる古典や作品から受ける第一印象の把握に止まることなく,その印象をもたらす諸要素に関わる様々な視点から,生徒自身が分析的に作品を捉え,対象がもつ表現効果や風趣を捉えることができるようにすることが大切である。 また,「書道Ⅰ」の「B鑑賞」の「イ(エ)書の伝統的な鑑賞の方法や形態」で学習した知識を活用して,題材となる言葉の内容や目的,表現形式,表装の様式など,鑑賞の場や方法,形態等の環境などにも留意しつつ,作品の価値とその根拠について考えられるようにすることが重要である。 指導に当たっては,「書道Ⅰ」での学習を発展させて,評価が定まっている古典については,生徒が主体的に情報を収集するなどして知的理解の面から鑑賞を深めることが効果的である。また自身の作品や他者の作品については,「A表現」との関連を図り,作品のよさや美しさを実感的に捉え,根拠をもって作品の価値を考えることができるよう指導することが大切である。また,言語活動を通して,感じたことを言葉で表現したり,意見を交換したりして,考えを深めることも大切である。 > (イ)  生活や社会における書の美の効用と現代的意義 この事項は,鑑賞領域における「思考力・判断力・表現力等」に関する資質・能力であり,**生活や社会における書の美の効用と現代的意義**について考え,書のよさや美しさを味わって深く捉えることをねらいとしている。 **生活や社会における書の美の効用と現代的意義**とは,生活や社会において,書特有の美が,どのような場面で生活を豊かにしたり,社会に影響を及ぼしたりしているかをいう。 書は,人との関わりが密接であり,毛筆等による手書き文字は筆者の個性を発揮する恰好の場である。書は,漢詩や和歌を書いたものだけではなく,自ら紡ぎ出した言葉や自身の思いや感興に合う詩歌を選定することにより,主体的に表現活動に取り組むことができる。書は,字句,詩文等の言葉の意味を表現するだけではなく,感興や意図に応じて,用具・用材を選択したり,作品を創造的に構想し表現を工夫したりすることにより,筆者の思いや感興を表現することができる。それを多くの人々が享受することができれば,我々の生活はより豊かなものになる。 日常の書字はもとより,芸術にまで高められた書の意義や価値は,現代に生かされるとともに未来にもつながるものである。書の現代的意義への理解を深めることを通して,文化の創造や継承,生活や社会における書の役割や効用の更なる可能性,書の貢献すべき課題等について考えることも大切である。 指導に当たっては,作品や書の表現効果や風趣を直感的に味わいながら感受を深めるとともに,書のよさや美しさを分析的に把握することに主体的に取り組めるよう指導を工夫することが大切である。 > イ 次の(ア)から(エ)までについて理解を深めること。 この事項は,鑑賞領域における「知識」に関する資質・能力であり,書の表現の方法や形式,多様性などについて幅広く理解することをねらいとしている。 ここでの「知識」は,書のよさや美しさを味わって捉える過程を通して実感的に習得されるものであり,作品の名称や鑑賞に関する用語等を記憶することを目的とするような活動にならないようにすることが重要である。また,知識を習得してから,書のよさや美しさを味わって捉えるといった順序性をもって育成するものではないことに留意する必要がある。 指導に当たっては,〔共通事項〕との関連を図り,書を構成する要素や用筆・運筆から生み出される表現性や表現効果への視点をもって,実感的に理解できるよう指導することが大切である。 > (ア)  線質,字形,構成等の要素と表現効果や風趣との関わり この事項は,鑑賞領域における「知識」に関**する資質・能力であり,**線質,字形,構成等の要素と表現効果や風趣との関わりについて理解を深めることをねらいとしている。 書のよさや美しさには,線質,字形,構成等の要素の特性の働きにより生じる表現性がもたらす調和等の表現効果の他にも,書かれた文字の意味や言葉が発する効果,可読性に支えられた文字や言葉に連動する筆者の思いや感興なども関与する。また,これらが複雑に融合して滲み出る風趣も深く関わっている。 「書道Ⅱ」では,「書道Ⅰ」での学習を発展させて,まず用筆・運筆と線質との関係が理解できるよう,「A表現」と関連させた指導を工夫することが大切である。また,線質,字形,構成等と,それらがもたらす表現性,表現効果や風趣との関係について理解を深めることが大切である。 例えば,評価の定まった古典がもつ表現効果や風趣と,線質,字形,構成等との関わりについて理解を深める指導などが考えられる。このことは,自己の作品や他者の作品についても同様であり,作品を構想し表現を工夫した結果が,どのような表現効果を生むに至ったかを分析的に捉えることが大切である。 指導に当たっては,「A表現」との関連を図ることで,線質,字形,構成等の要素と表現効果や風趣との関わりについて,一層理解を深められるようにすることが大切である。 > (イ)  日本及び中国等の文字と書の伝統と文化 この事項は,鑑賞領域における「知識」に関する資質・能力であり,**日本及び中国等の文字と書の伝統と文化**について理解を深めることをねらいとしている。 「書道Ⅱ」では,「書道Ⅰ」での学習を発展させて,日本及び中国等で生まれ発展を遂げてきた文字と書の伝統と文化の広がりについて理解を深めることが大切である。 中国における文字の生成については不明であるが,黄河や長江流域のいくつかの古い遺跡から原始的符号や漢字に先行する文字とも考えられるものが発見されている。また,最古の漢字とされる甲骨文は,すでに高度に発達した段階に至っており,数千年の歴史を有する漢字の実態が確認されている。一方,我が国では,中国から漢字を受容し,漢字から仮名を生み出し,「漢字の書」とともに独自の「仮名の書」を発展させるとともに,漢字仮名交じり文による表記も工夫され,独自の書の伝統と文化を育んできた。 また,書は表現の用途について,古文書,写経,手紙,広告,看板など実用的な面で継承されてきた一方で,併せて,美的要求が加味され,発展してきた。その過程において,宗教や茶道,絵画,文芸などの分野と深く関わり,建築様式,地域や気候,風土等の特性など,それぞれの時代や人々の表現の用途に即して発展してきた。 なお,書の鑑賞を通して,書の伝統と文化について理解を深めることは,未来に向けた書の文化の継承と発展において重要な意味をもっている。また,ここで育成される資質・能力は,グローバル化が進む社会の中で,我が国とは異なる文化を理解する上での素地となる。 指導に当たっては,日本や中国等における書の文化の継承と発展を理解すると同時に,グローバル化が進む中で,我が国の書の伝統と文化を大切にする意義が理解できるようにすることが大切である。 > (ウ)  漢字の書,仮名の書,漢字仮名交じりの書の特質とその歴史 この事項は,鑑賞領域における「知識」に関する資質・能力であり,**漢字の書 , 仮名の書 , 漢字仮名交じりの書の特質とその歴史**について理解を深めることをねらいとしている。 **漢字の書**は,中国で生まれ,篆書,隷書,草書,行書,楷書などの書体が変遷し,実用と芸術の両面にわたって表現されてきた。我が国では,漢字を受容し,和様とよばれる優美な表現を発展させた。 漢字は表意文字で,一文字であっても意味を伝達できる。したがって,表意性と他字との区別を担保しつつ形象の抽象化や簡略化が進んだが,漢字の草書を更に崩した平仮名や漢字の一部を用いるなどして生じた片仮名のようには簡素化できない。その一方で,多くの筆画を筆順にしたがって合理的に書き進めるために,複雑な形象をそなえ,文字を書き連ねることでいっそう複雑な形象が生じ,極めて豊かな表現を生み出してきている。また,近年は墨色や墨量の変化による表現性に着目し,その美をとりわけ強調する表現や,現代の生活様式との調和を図る表現なども加わって,表現の幅がいっそう拡大している。 **仮名の書**については,中国から漢字を受容し,日本語を漢字で表記していく過程で,独自の草仮名,平仮名,片仮名を生み,十一世紀には,我が国独自の表現を成立させた。平仮名や片仮名は,漢字と対照的に,可読性を担保する極限まで簡素化することができ,また,文字を書き連ねることで変化のある形象を生み出すこともできる。近年は,壁面で鑑賞する大字仮名の形態も広く行われている。 **漢字仮名交じりの書**は,今日の我が国の生活や社会で一般に用いられる文体による書である。我が国は,中国からもたらされた漢文を訓読することで日本語として読む方法を考え出し,漢字と仮名を交えた表記を生み出してきた。この漢字仮名交じり文による表記は,九世紀頃から始まり,鎌倉時代には一般化し,現代ではほとんどが漢字仮名交じり文で表記されている。現代では,漢字仮名交じり文が自らの思いや感興,意図を伝えやすく,受け手も筆者の思いや感興,意図を汲くみ取りやすいことから,漢字仮名交じり文が通用文体 となっている。併せて,書の表現についても,漢字仮名交じり文による言葉や詩歌を書く「漢字仮名交じりの書」が広く行われるようになった。「漢字仮名交じりの書」は,複雑な漢字と簡素な仮名との調和を要件とするが,その調和のための様々な工夫を反映することで,「漢字の書」及び「仮名の書」とは異なった表現を生み出している。 指導に当たっては,「A表現」との関連を図りながら,「(2)漢字の書」,「(3)仮名の書」及び「(1)漢字仮名交じりの書」それぞれの特質を十分に理解し,その歴史的展開について理解を深められるようにすることが大切である。また,それらの特質が,社会や文化にどのように反映されているかについても理解できるように指導することが大切である。 > (エ)  書の美と時代,風土,筆者などとの関わり この事項は,鑑賞領域における「知識」に関する資質・能力であり,**書の美と時代,風土,筆者などとの関わり**について理解することをねらいとしている。 **書の美と時代,風土,筆者などとの関わり**とは,各時代の書の美がどのような時代,風土,筆者との関わりから形成されてきたかを理解することである。 書には長い歴史と伝統があり,そうした時間的な流れの中で,各時代の思潮や文化的背景の相違によって書体が変遷し,書風もまた変化を遂げてきた。また,書は儒教や老荘などの思想,宗教,文芸,美術・工芸など,各時代の思想や文化と関連しながら発達してきた。したがって,書の鑑賞の際には,書かれた時代や背景などを考えることが必要となる。例えば,同じ時代を生きた初唐の三大家は,共通して整斉な書の美を表現するに至ったが,同時に三者三様の独自の書風の美しさを表出している。 さらに,それぞれの国がもつ気候や風土の違いも考える対象となる。概して,中国の書は構造的であり,日本の書は情緒的であると言われることがあるが,このような違いには,風土も大きく関わっている。日本独自の気候や四季折々に見られる自然等も,情緒的な書を育む環境を作り出している一因と言える。また,筆者の個性等も書の作品との関連において重要な視点となる。 指導に当たっては,筆者に関する事項や,いかなる目的や背景があって書かれたものなのか,筆者がどのような感興や意図を抱いて表現したものなのかを捉え,味わいながら,生徒の感性に応じて鑑賞活動が広がり深まるよう指導を工夫することが大切である。 ##### 共通事項 〔共通事項〕(1)は,今回の改訂で新たに示した事項である。 > 表現及び鑑賞の学習において共通に必要となる資質・能力を次のとおり育成する。 〔共通事項〕は「A表現」及び「B鑑賞」の学習において共通に必要となる資質・能力である。また,それは,感性を働かせ,書を,書を構成する要素やそれらが相互に関連する働きの視点で捉え,書かれた言葉,歴史的背景,生活や社会,諸文化などとの関わりから,書の表現の意味や価値を見いだすことであると考えられる。書に関する見方・考え方を働かせ,表現及び鑑賞の活動を通して一体的に育成されることが重要である。 今回の改訂では,「A表現」の「(1)漢字仮名交じりの書」,「(2)漢字の書」及び「(3)仮名の書」,「B鑑賞」,〔共通事項〕で内容の全体を構成し,芸術科書道において育成を目指す資質・能力を一層明確にするとともに,生徒が感性を働かせて感じ取ったことをもとに,思考,判断,表現したり,鑑賞したりする一連の学習過程を大切にすることを求めている。 「A表現」,「B鑑賞」及び〔共通事項〕の指導を通して,生徒一人一人が,書に関する見方・考え方を働かせ,表現及び鑑賞に関する資質・能力を高め,生活や社会の中の文字や書,書の伝統と文化と深く関わることができるようにすることを目指している。 > (1) 「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。  ア 用筆・運筆から生み出される書の表現性とその表現効果との関わりについて理解すること。  イ 書を構成する要素について,それら相互の関連がもたらす働きと関わらせて理解すること。 〔共通事項〕は,「A表現」及び「B鑑賞」の学習において共通に必要となる資質・能力であり,「知識」に関する資質・能力として示しており,「A表現」及び「B鑑賞」の各事項の指導と併せて,また,それらの指導を通して適切に指導する必要がある。また,〔共通事項〕は,「(1)漢字仮名交じりの書」,「(2)漢字の書」,「(3)仮名の書」及び「B鑑賞」の学習に共通の支えとなる知識であり,書の特質や書の美を捉えて表現したり鑑賞したりする上での観点というべきものでもある。同時に,〔共通事項〕の中で示す書独自の特質は,生活の中での書,芸術としての書の歴史や伝統を形づくってきたものであり,我が国の「言語文化」,「文字文化」,書の「芸術文化」を支える基盤でもある。 その指導内容は,「書道Ⅰ」で示したとおり,以下の四つの視点から捉えられる。 ① 時間性と運動性 ② 書の表現性 ③ 書を構成する要素 ④ 造形性と空間性 これら四つの視点は,〔共通事項〕での指導内容ア及びイについて,指導上の指針として役立てられるよう示したものである。同時に,書の特質及びそれにより生まれる書のよさや美しさを理解し捉える上での観点でもあり,書の美と,書の芸術としての社会的価値を貫く根拠となる性質を具体的に示したものである。 今回の改訂において,社会に開かれた教育課程の実現が求められている中で,各教科・科目の学びの在り方が,生活や社会との関わりの視点から見直されたことを受け,芸術科書道は芸術科目として生活や社会といかに関わるか,また,文字文化に裏打ちされたいかなる学びを実現するかが問われている。その前提として,「書はいかなる芸術か」という命題があり,今回新設された〔共通事項〕の内容について示した四つの視点は,この命題に対する一つの答えとなる。 指導に当たっては,表現や鑑賞の創造的な諸活動を通して,生活や社会の中の文字と書や,書の伝統と文化と深く関わる資質・能力を育成する上での指針として十分に留意し,各領域・分野の学習と適切に関連付けることが大切である。 上記の四つの視点のうち,①及び②は主に以下のア,③及び④は主に以下のイに当たる。 > ア 用筆・運筆から生み出される書の表現性とその表現効果との関わりについて理解すること。 この事項は,芸術科書道における「知識」に関する資質・能力であり,**用筆・運筆から生み出される書の表現性とその表現効果との関わりについて理解すること**をねらいとしている。 筆の使い方,筆毛の働かせ方である**用筆**と,筆の運び方である**運筆**を通して生み出される書の「表現性」は,筆者の思いや感興を反映し,身体の運動を介して,その「運動性」がそのまま視覚化・具体化されるものである。 **用筆・運筆から生み出される書の表現性とその表現効果との関わりについて理解する**とは,用筆・運筆における身体運動及び言葉を書くことによる「運動性」や「時間性」への視点をもち,構想に基づいて表現を工夫する中で,多様な「表現性」への理解を深め,「表現性」が重層的・複合的に合わさって働き,「表現効果」や「風趣」がいかに生じるのかについて,表現及び鑑賞の活動を通して考え,理解を深めるということである。この視点に基づく表現での学習成果は鑑賞に生かされ,さらに,鑑賞や言語活動での学習成果が表現に生かされることが大切である。 「書道Ⅱ」では,「書道Ⅰ」での学習を発展させ,より創造的に構想し個性豊かに表現を工夫することが求められることから,「表現効果」や「風趣」を意図した構想に基づいて,個性的で効果的な「表現性」の働かせ方を工夫することが重要となる。「書道Ⅰ」では,題材となる言葉の内容はもちろんのこと,表現において意図される構想の核は,「表現性」そのものにとどまることが多いだろうが,「書道Ⅱ」では,「表現性」を複合的に働かせて生じる「表現効果」について考えたり,「表現性」を支える「時間性」や「運動性」,また,様々な「表現性」が複合的に働くことにより捉えられる「風趣」に目を向けて,構想した り鑑賞したりすることに留意した指導が大切である。 指導に当たっては,用筆・運筆から生み出される「表現性」と,それらが合わさって生じる「表現効果」や「風趣」との関わりについて理解を深め,「表現効果」や「風趣」を意図して構想したり,意図に基づき自身の思いや感興を伝えるために,最適な「表現性」を効果的に働かせたりすることに主体的に取り組めるよう,また,書の「表現性」をその背景として支える「時間性」や「運動性」についても目が向けられるよう指導することが大切である。鑑賞においても,書の「表現性」と「表現効果」や「風趣」との関わりから,書を読み解くことを意識できるよう,また,書の「表現性」や「表現効果」の視点を通して,書の美について深く捉えられるようにすることが大切である。また,その指導を通して,書のよさや美しさ,作品や書の伝統と文化の意味や価値について理解が深められるよう指導を工夫することが大切である。 > イ 書を構成する要素について,それら相互の関連がもたらす働きと関わらせて理解すること。 この事項は,芸術科書道における「知識」に関する資質・能力であり,**書を構成する要素について,それら相互の関連がもたらす働きと関わらせて理解すること**をねらいとして いる。 「書道Ⅰ」の〔共通事項〕では,**書を構成する要素**の例として,「線質」,「字形」,「構成」,また「余白」,「墨色」等を示した。また,書を構成するこれらの要素は,それぞれに効果を生むだけではなく,相互の関連がもたらす働きにより,「変化」,「律動」,「性情」等の書特有の「表現性」を生み出し,さらに,それらが重層的・複合的に組み合わさることによって,「調和」などの「表現効果」や「風趣」が生まれるとしている。アで示した「用筆・運筆から生み出される書の表現性」のように,「時間性」や「運動性」に関わる「表現性」の他,料紙等の紙の模様や表装の様式,鑑賞の場や方法,形態なども複合して働き,多様な「表現効果」が生じることになる。 「書道Ⅱ」では,創造的に構想し個性豊かに表現を工夫することが求められ,アで示したように,「表現効果」を意図した構想に基づいて,個性的で効果的な「表現性」の働かせ方を工夫することが重要となる。その一方で,表現と鑑賞の活動を通して,「書を構成する要素」である「線質」についての理解を深めるとともにその技能に習熟し,「字形」に表れる書風についての理解を深め,「構成」についてその多様性と効果について理解を深めることが,書の特質である「造形性」を直接的に支える資質・能力ともなる。「書道Ⅱ」においては,「書道Ⅰ」での学習を基礎として,例えば,「題材となる言葉と表現との調和」について,双方の「時間性」の視点から捉えたり,書の「空間性」にも関わる「余白」の意味や効果,「余白」の美を理解して,作品を構想し表現を工夫したり,書が芸術として複合的な存在形式によって成り立っていることを理解した上で,「調和」などの「表現効果」や「風趣」について考えたりすることが大切である。 指導に当たっては,「書を構成する要素」を相互の関連がもたらす働きから実感的に理解するとともに,書の芸術としての存在形式ゆえの特質である複合的な「空間性」や,その代表的な例とも言える「余白」について理解を深めることにより,書の美を深く捉えられるようにすることが大切である。また,その指導を通して,書のよさや美しさ,作品や書の伝統と文化の意味や価値について理解が深められるよう指導を工夫することが大切である。 #### 4 内容の取扱い > (1)内容の「A表現」及び「B鑑賞」の指導については,相互の関連を図るものとする。 ここでは,「書道Ⅰ」と同様に,「A表現」及び「B鑑賞」の関連を図りながら指導する ことにより,系統的に育成を目指す資質・能力が身に付けられるよう,指導の効果を高める工夫が大切である。 > (2)生徒の特性,学校や地域の実態を考慮し,内容の「A表現」については(1)を扱うとともに,(2)又は(3)のうち一つ以上を選択して扱うことができる。 ここでは,従前どおり,「A表現」の「(1)漢字仮名交じりの書」は「書道Ⅰ」の内容を 更に深化させるために必ず扱うものとし,また,生徒の特性,学校や地域の実態を考慮し,「(2)漢字の書」又は「(3)仮名の書」のうち一つ以上を選択して扱うことができることとした。 > (3)内容の「A表現」の(1)については漢字は楷書,行書,草書及び隷書,仮名は平仮名及び片仮名,(2)については楷書,行書,草書,隷書及び篆書,(3)については平仮名,片仮名及び変体仮名を扱うものとする。 「書道Ⅱ」においては,「(1)漢字仮名交じりの書」で扱う書体について,従前は,「書道Ⅰ」で扱う書体に草書を加えていたが,今回の改訂では,生徒が主体的に表現の幅を広げられるよう,更に隷書を加えて指導することとした。「(2)漢字の書」については,従前どおり,「書道Ⅰ」で扱う書体に草書,隷書及び篆書を加えており,全ての書体を学習することとした。これにより,臨書や創作に当たって,意図や目的に即した表現の工夫の幅を広げることができるようにしている。「(3)仮名の書」については,従前どおり,平仮名,片仮名及び変体仮名を扱うものとしている。 > (4)内容の「A表現」の指導については,篆刻を扱うものとし,生徒の特性等を考慮し,刻字等を加えることもできる。 篆刻及び刻字等の取扱いは従前と同様であり,篆刻については必ず扱うものとし,生徒の特性等を考慮し,刻字等を加えることもできるとしている。 刻字等の「等」に当たる内容については,「書道I」における「3 内容の取扱い」の(6)の解説に示すとおりであり,立体的表現に加えて工芸的要素等を含んだ多様な表現に対する視点も重視していることを示したものである。 指導に当たっては,「書道Ⅰ」での学習を基礎として発展的な学習となるよう指導を工夫するとともに,「B鑑賞」とも関連を図りながら,文字文化の視点から,書の伝統と文化ならびに生活や社会との関わりへの理解を深められるようにすることが大切である。 > (5)内容の「B鑑賞」の指導については,各事項において育成を目指す資質・能力の定着が図られるよう,適切かつ十分な授業時数を配当するものとする。 今回の改訂では,「書道Ⅱ」において,書の伝統と文化についての理解を深め,美術館や博物館で作品や書を鑑賞するなど,生涯にわたり書と豊かに関わる資質・能力を育成するために鑑賞の充実を図っている。作品や書の伝統と文化の意味や価値を考え,書の美を味わい深く捉えたりすることができるようにするため,鑑賞について適切かつ十分な授業時数を確保する必要がある。 > (6)内容の取扱いに当たっては,「書道Ⅰ」の3の(2),(4),(5)及び(9)から(11)までと同様に取り扱うものとする。 ここでは,「書道Ⅰ」の「3 内容の取扱い」のうち,(2),(4),(5)及び(9)から(11)までと同様に取り扱うことを示している。「書道Ⅱ」では,「書道Ⅰ」での学習を基礎として,各領域・分野の内容を深められるよう指導を工夫することが大切である。 ### 第 12 節 書 道 Ⅲ #### 1 性 格 「書道Ⅲ」は,「書道Ⅱ」を履修した生徒が,更に次の段階として履修するために設けている科目である。 「書道Ⅲ」は,「書道Ⅰ」及び「書道Ⅱ」での学習を基礎にして,生徒の資質・能力,適 性,興味・関心等に応じた活動を更に展開し,書に関する見方・考え方を働かせ,生活や社会の中の文字や書,書の伝統と文化と深く関わる資質・能力を伸ばすことをねらいとしている。 「書道Ⅲ」においても,「書道Ⅰ」及び「書道Ⅱ」と同様に,目標を(1)「知識及び技能」,(2)「思考力,判断力,表現力等」,(3)「学びに向かう力,人間性等」の三つの柱に位置付けた上で,「A表現」の指導事項を各分野とも「思考力,判断力,表現力等」,「知識」及び「技能」に分けて示し,「B鑑賞」の指導事項を「思考力,判断力,表現力等」及び「知識」に分けて示している。 「書道Ⅲ」では,「A表現」については「(1)漢字仮名交じりの書」,「(2)漢字の書」,「(3)仮名の書」から一つ以上を扱うこととし,「B鑑賞」については「思考力,判断力,表現力等」に関するアの各事項を扱うとともに,「知識」に関するイの(ア),(イ)又は(ウ)のうち一つ以上を選択して扱うことができるとしている。 今回の改訂において,「A表現」と「B鑑賞」の両方を取り扱うことにしたのは,「書道Ⅲ」において「知識」,「技能」及び「思考力,判断力,表現力等」の全ての資質・能力を育成する必要があるからである。 #### 2 目 標 「書道Ⅲ」の目標は,芸術科の目標を受けるとともに,「書道Ⅰ」及び「書道Ⅱ」の目標との関連を考慮して,次のように示している。 >  書道の創造的な諸活動を通して,書に関する見方・考え方を働かせ,生活や社会の中の多様な文字や書,書の伝統と文化と深く関わる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1)書の表現の方法や形式,多様性などについて理解を深めるとともに,書の伝統に基づき,創造的に表現するための技能を身に付けるようにする。 (2)書のよさや美しさを感受し,意図に基づいて創造的に深く構想し個性豊かに表現を工夫したり,作品や書の伝統と文化の意味や価値を考え,書の美を味わい深く捉えたりすることができるようにする。 (3)主体的に書の創造的な諸活動に取り組み,生涯にわたり書を愛好する心情を育むとともに,感性を磨き,書の伝統と文化を尊重し,書を通して心豊かな生活や社会を創造していく態度を養う。 「書道Ⅲ」の目標は,**書道の創造的な諸活動を通して**学習が行われることを前提とし,**書に関する見方・考え方を働かせた**学習活動によって,**生活や社会の中の多様な文字や書,書の伝統と文化と深く関わる資質・能力を育成することを目指すことである。その上で,育成を目指す資質・能力**として,(1)に「知識及び技能」の習得に関すること,(2)に「思考力,判断力,表現力等」の育成に関すること,(3)に「学びに向かう力,人間性等」の涵養に関することを示すことによって構成されている。 (1)は,表現や鑑賞の創造的な諸活動を通して,習得されたり活用されたりする知識と,創造的に表現するための技能に関する目標,(2)は,作品の構想と表現の工夫,鑑賞における思考,判断に関する目標,(3)は,主体的に学習に取り組む態度,生涯にわたり書を愛好する心情などに関する目標を示している。(1)及び(2)は,「書道Ⅲ」の「A表現」,「B鑑賞」及び〔共通事項〕の指導事項に位置付けられているが,(3)については,それらを指導する中で,一体的に身に付けられるものであることに留意する必要がある。「書道Ⅲ」で目指す資質・能力の育成は,目標に示されている(1),(2)及び(3)が相互に関連し合い,一体となって働くことが重要であり,「知識及び技能」を習得してから「思考力・判断力・表現力等」を身に付けるといった順序性をもって育成するものではないことは,「書道Ⅰ」及び「書道Ⅱ」と同様である。 **書道の創造的な諸活動を通して**とは,「書道Ⅰ」及び「書道Ⅱ」での学習を更に発展させ,「A表現」の「(1)漢字仮名交じりの書」,「(2)漢字の書」,「(3)仮名の書」及び「B鑑賞」の各領域・分野の学習を深める活動を通してという意味である。「書道Ⅲ」では,「A表現」については,(1),(2)又は(3)のうち一つ以上の分野,「B鑑賞」については,アの各事項を扱うとともに,イの(ア),(イ)又は(ウ)のうち一つ以上を学習することとし,生徒の実態に応じて,より深い表現と鑑賞の学習を展開することとしている。 **書に関する見方・考え方**については,「書道Ⅰ」及び「書道Ⅱ」と同様であり,書の特質に即して物事を捉える視点や考え方を十分に働かせて,表現や鑑賞の創造的な活動を展開する必要がある。 **生活や社会の中の多様な文字や書,書の伝統と文化と深く関わる資質・能力**については,「書道Ⅲ」では ,「書道Ⅰ」及び「書道Ⅱ」での学習を更に発展させて,各領域・分野における学習を更に深め,生活や社会に広がる多様な文字や書,書の伝統と文化と深く関わる資質・能力を育成することにより,書の伝統と文化の継承と発展,また,現代という時代における創造的で個性豊かな表現活動へとつなげることをねらいとしている。 ##### 科目の目標(1) > (1)書の表現の方法や形式,多様性などについて理解を深めるとともに,書の伝統に基づき,創造的に表現するための技能を身に付けるようにする。 (1)は,「書道Ⅲ」における「知識及び技能」に関する目標である。**書の表現の方法や形式,多様性などについて理解を深める**ことが「知識」に関する目標であり,**書の伝統に基づき,創造的に表現するための技能を身に付ける**ことが「技能」に関する目標を示している。 **書の表現の方法や形式,多様性などについて理解を深める**とは,「書道Ⅰ」及び「書道Ⅱ」での学習を更に発展させて,書特有の用具・用材の特徴,書を構成する様々な要素,用筆・運筆と様々な書の表現性,表現効果や風趣との関わり,書の様々な表現形式などについて,また,書の美の多様性,書の伝統や諸文化などとの関わりについて,表現や鑑賞の創造的な諸活動を通して理解を深めることである。ここでは,書を構成する要素と表現性,表現効果や風趣との関わりの視点から捉えることにより,それぞれの分野の書の特徴について理解を深めるようにすることが大切である。 **書の伝統に基づき,創造的に表現するための技能を身に付ける**については,「書道Ⅱ」での学習を更に発展させて扱うことから,創造的にとしている。臨書活動においては,取り扱う古典の幅を広げ,古典における線質,字形,構成等の要素とそこに生じる表現性,表現効果や風趣,さらには,書の美の多様性を捉え,古典の特徴を生かして創造的に作品として表現する技能であり,創作活動においては,意図に基づいて作品を創造的に深く構想し,古典の特徴を生かしながら作品として創造的に,個性豊かに表現する技能を示している。 「書道Ⅲ」における「知識」については,書を構成する要素や表現性,表現効果や風趣の視点をもって,表現や鑑賞の活動を通して,実感的に理解を深められるようにすることが大切である。 「書道Ⅲ」における「技能」については,書を構成する要素や表現性,表現効果や風趣の視点をもって,個性豊かに表現を工夫していく過程で,創造的に表現し主体的に活用できる技能を身に付けることができるようにすることが大切である。 ##### 科目の目標(2) > (2)書のよさや美しさを感受し,意図に基づいて創造的に深く構想し個性豊かに表現を工夫したり,作品や書の伝統と文化の意味や価値を考え,書の美を味わい深く捉えたりすることができるようにする。 (2)は,「書道Ⅲ」における「思考力,判断力,表現力等」に関する目標である。表現領域と鑑賞領域の両方に関わり,**意図に基づいて創造的に深く構想し個性豊かに表現を工夫**することが表現領域に関する目標であり,**作品や書の伝統と文化の意味や価値を考え,書の美を味わい深く捉える**ことが鑑賞領域に関**する目標を示している。 書のよさや美しさを感受し**については,「書道Ⅰ」及び「書道Ⅱ」での学習を踏まえ,書のよさや美しさの感受を一層深めることが大切である。 **意図に基づいて創造的に深く構想し個性豊かに表現を工夫**するとは,「書道Ⅱ」での学習を受け,感興や意図に応じて,創造的に深く構想し個性豊かに表現を工夫することである。その過程で,知識や技能を活用しながら,書を構成する要素や表現性,表現効果や風趣の視点をもって,実感的に表現活動を深めて展開できるようにすることが大切である。 **作品や書の伝統と文化の意味や価値を考え**とは,「書道Ⅰ」及び「書道Ⅱ」と同様であり,作品や書の様々な表現,書の伝統と文化について,そのよさや美しさを分析的に捉えたり,生活や社会における書の役割や効用,書の美の意味や価値,書の現代的意義や普遍的価値などについて深く考えたりすることである。 **書の美を味わい深く捉えたりする**とは,書を構成する要素や表現性,表現効果や風趣の視点をもって,作品や書のよさや美しさを感じ取り,それを生み出す根拠を考え,感性を働かせて,主体的に評価しながら作品や書を深く捉えることである。 「書道Ⅲ」における「思考力,判断力,表現力等」については,自身の考えを確かな言葉で伝え,他者の考えを受け止め,その体験を通して,自身の考えを更に深めていく言語活動を適切に位置付け,「A表現」と「B鑑賞」を関連させながら育成することが大切である。 ##### 科目の目標(3) > (3)主体的に書の創造的な諸活動に取り組み,生涯にわたり書を愛好する心情を育むとともに,感性を磨き,書の伝統と文化を尊重し,書を通して心豊かな生活や社会を創造していく態度を養う。 (3)は,「書道Ⅲ」における「学びに向かう力,人間性等」の涵養に関する目標である。**主体的に書の創造的な諸活動に取り組み**とは,「書道Ⅱ」と同様であり,より高度な創造的な活動に取り組むことを示している。 **生涯にわたり書を愛好する心情を育む**とは,「書道Ⅱ」での学習を更に発展させ,生徒が様々な作品や書を分析的に捉えることを通して,その意味や価値に気づき,生涯にわたり,主体的に書と豊かに関わることができる資質・能力を育成することである。 **感性**については,「書道Ⅰ」及び「書道Ⅱ」では「高め」としているが,「書道Ⅲ」では磨きとし,「書道I」及び「書道Ⅱ」で高めた感性をより一層洗練させていくことを目指したものである。表現や鑑賞の創造的な諸活動を通して,生徒が書を構成する要素や表現性,表現効果や風趣の視点をもち,多様な書の表現や多様な考え,感性に触れることで,洗練させていけるようにすることが大切である。ここでは,特に言語活動の充実を図ることが重要となる。 **書の伝統と文化を尊重し**については,「書道Ⅰ」及び「書道Ⅱ」での学習を踏まえ,書の伝統と文化への理解が一層深められるよう指導を工夫し,書が我が国の伝統を形づくる芸術であることへの理解を深めるとともに,広い視野から書を尊重する態度を育てることが大切である。  **書を通して心豊かな生活や社会を創造していく態度を養う**とは,「書道Ⅰ」及び「書道Ⅱ」での学習を更に発展させて,書の表現や鑑賞の創造的な諸活動を通して,生活や社会における書の役割や効用,書の美の意味や価値,書の現代的意義や普遍的価値などについて考え,多様な文字や書と豊かに関わることで,心豊かな生活や社会を創造していく態度を育てることを示している。 #### 3 内 容 ##### A 表 現 > 表現に関する資質・能力を次のとおり育成する。 「A表現」は「(1)漢字仮名交じりの書」,「(2)漢字の書」,「(3)仮名の書」の三つの分野から構成されている。各分野の指導事項のうち,アは「思考力,判断力,表現力等」,イは「知識」,ウは「技能」に関する資質・能力を示している。 > (1)漢字仮名交じりの書   漢字仮名交じりの書に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。  ア 主体的な構想に基づく個性的,創造的な表現を追求すること。  イ 現代の社会生活に生きる様々な書の表現とその要素について理解を深めること。  ウ 書の伝統を踏まえ,目的や用途,意図に応じて創造的に表現する技能を身に付けること。 ここでは,「書道Ⅲ」における「(1)漢字仮名交じりの書」に関する指導事項を示している。 「書道Ⅲ」における「(1)漢字仮名交じりの書」は,「書道Ⅰ」及び「書道Ⅱ」の内容を 受けて,三つの事項に集約し,「思考力,判断力,表現力等」はア,「知識」はイ,「技能」はウに示し,更に発展的な学習となるようにしている。 指導に当たっては,〔共通事項〕との関連を図り,書を構成する要素や用筆・運筆から生み出される表現性や表現効果への視点をもって,作品を創造的に深く構想し個性豊かに表現を工夫することができるよう指導することが大切である。 > ア 主体的な構想に基づく個性的,創造的な表現を追求すること。 この事項は,「(1)漢字仮名交じりの書」における「思考力,判断力,表現力等」に関する資質・能力であり,主体的な構想に基づく個性的,創造的な表現を追求することをねらいとしている。 これは,主として「書道Ⅱ」の「ア(ア)目的や用途,表現形式に応じた全体の構成」,「ア(イ)感興や意図に応じた個性的な表現」及び「ア(ウ)現代に生きる創造的な表現」の内容を一層深めたものである。 **主体的な構想に基づく**とは,「書道I」及び「書道Ⅱ」での学習を生かして,自己の感興や意図に応じて,生徒が主体的に構想を具現化していくことである。題材となる言葉に

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