桒山真悟
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    # 第一章 総説 ## 第 1 節 改訂の経緯及び基本方針 ### 1 改訂の経緯  今の子供たちやこれから誕生する子供たちが,成人して社会で活躍する頃には,我が国は厳しい挑戦の時代を迎えていると予想される。生産年齢人口の減少,グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により,社会構造や雇用環境は大きく,また急速に変化しており,予測が困難な時代となっている。また,急激な少子高齢化が進む中で成熟社会を迎えた我が国にあっては,一人一人が持続可能な社会の担い手として,その多様性を原動力とし,質的な豊かさを伴った個人と社会の成長につながる 新たな価値を生み出していくことが期待される。 こうした変化の一つとして,進化した人工知能(AI)が様々な判断を行ったり,身近 な物の働きがインターネット経由で最適化される IoT が広がったりするなど,Society5.0 とも呼ばれる新たな時代の到来が,社会や生活を大きく変えていくとの予測もなされてい る。また,情報化やグローバル化が進展する社会においては,多様な事象が複雑さを増し, 変化の先行きを見通すことが一層難しくなってきている。そうした予測困難な時代を迎え る中で,選挙権年齢が引き下げられ,更に平成 34(2022)年度からは成年年齢が 18 歳へと 引き下げられることに伴い,高校生にとって政治や社会は一層身近なものとなるとともに, 自ら考え,積極的に国家や社会の形成に参画する環境が整いつつある。このような時代にあって,学校教育には,子供たちが様々な変化に積極的に向き合い,他者と協働して課題を解決していくことや,様々な情報を見極め,知識の概念的な理解を実現し,情報を再構成するなどして新たな価値につなげていくこと,複雑な状況変化の中で目的を再構築することができるようにすることが求められている。 このことは,本来我が国の学校教育が大切にしてきたことであるものの教師の世代交代が進むと同時に,学校内における教師の世代間のバランスが変化し,教育に関わる様々な経験や知見をどのように継承していくかが課題となり,子供たちを取り巻く環境の変化により学校が抱える課題も複雑化・困難化する中で,これまでどおり学校の工夫だけにその実現を委ねることは困難になってきている。 こうした状況の下で,平成 26 年 11 月には,文部科学大臣から,新しい時代にふさわし い学習指導要領等の在り方について中央教育審議会に諮問を行った。中央教育審議会にお いては,2 年 1 か月にわたる審議の末,平成 28 年 12 月 21 日に「幼稚園,小学校,中学校, 高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」(以下「平成 28 年 12 月の中央教育審議会答申」という。)を示した。平成 28 年 12 月の中央教育審議会答申においては,“よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創る”という目標を学校と社会が共有し,連携・協働しながら,新しい時代に求 められる資質・能力を子供たちに育む「社会に開かれた教育課程」の実現を目指し,学習 指導要領等が,学校,家庭,地域の関係者が幅広く共有し活用できる「学びの地図」とし ての役割を果たすことができるよう,次の 6 点にわたってその枠組みを改善するとともに, 各学校において教育課程を軸に学校教育の改善・充実の好循環を生み出す「カリキュラ ム・マネジメント」の実現を目指すことなどが求められた。 1 「何ができるようになるか」(育成を目指す資質・能力) 2 「何を学ぶか」(教科等を学ぶ意義と,教科等間・学校段階間のつながりを踏まえた教 育課程の編成) 3 「どのように学ぶか」(各教科等の指導計画の作成と実施,学習・指導の改善・充実) 4 「子供一人一人の発達をどのように支援するか」(子供の発達を踏まえた指導) 5 「何が身に付いたか」(学習評価の充実) 6 「実施するために何が必要か」(学習指導要領等の理念を実現するために必要な方策) これを踏まえ,文部科学省においては,平成 29 年 3 月 31 日に幼稚園教育要領,小学校 学習指導要領及び中学校学習指導要領を,また,同年 4 月 28 日に特別支援学校幼稚部教 育要領及び小学部・中学部学習指導要領を公示した。 高等学校については,平成 30 年 3 月 30 日に,高等学校学習指導要領を公示するととも に,学校教育法施行規則の関係規定について改正を行ったところであり,今後,平成 34 (2022)年 4 月 1 日以降に高等学校の第 1 学年に入学した生徒(単位制による課程にあって は,同日以降入学した生徒(学校教育法施行規則第 91 条の規定により入学した生徒で同 日前に入学した生徒に係る教育課程により履修するものを除く。)から年次進行により段 階的に適用することとしている。また,それに先立って,新学習指導要領に円滑に移行す るための措置(移行措置)を実施することとしている。 ## 2 改訂の基本方針 今回の改訂は平成 28 年 12 月の中央教育審議会答申を踏まえ,次の基本方針に基づき行った。 **(1)今回の改訂の基本的な考え方** ①教育基本法,学校教育法などを踏まえ,これまでの我が国の学校教育の実践や蓄積ひらを生かし,生徒が未来社会を切り拓くための資質・能力を一層確実に育成することを目指す。その際,求められる資質・能力とは何かを社会と共有し,連携する「社会に開かれた教育課程」を重視すること。 ②知識及び技能の習得と思考力,判断力,表現力等の育成とのバランスを重視する平 成 21 年改訂の学習指導要領の枠組みや教育内容を維持した上で,知識の理解の質を 更に高め,確かな学力を育成すること。 ③道徳教育の充実や体験活動の重視,体育・健康に関する指導の充実により,豊かな心や健やかな体を育成すること。 **(2)育成を目指す資質・能力の明確化** 平成 28 年 12 月の中央教育審議会答申においては,予測困難な社会の変化に主体的に 関わり,感性を豊かに働かせながら,どのような未来を創っていくのか,どのように社 会や人生をよりよいものにしていくのかという目的を自ら考え,自らの可能性を発揮し, よりよい社会と幸福な人生の創り手となる力を身に付けられるようにすることが重要で あること,こうした力は全く新しい力ということではなく学校教育が長年その育成を目 指してきた「生きる力」であることを改めて捉え直し,学校教育がしっかりとその強み を発揮できるようにしていくことが必要とされた。また,汎用的な能力の育成を重視す る世界的な潮流を踏まえつつ,知識及び技能と思考力,判断力,表現力等とをバランス よく育成してきた我が国の学校教育の蓄積を生かしていくことが重要とされた。 このため「生きる力」をより具体化し,教育課程全体を通して育成を目指す資質・能 力を,ア「何を理解しているか,何ができるか(生きて働く「知識・技能」の習得)」, イ「理解していること・できることをどう使うか(未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等」の育成)」,ウ「どのように社会・世界と関わり,よりよい人生 かんを送るか(学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性等」の涵養)」 の三つの柱に整理するとともに,各教科等の目標や内容についても,この三つの柱に基 づく再整理を図るよう提言がなされた。 今回の改訂では,知・徳・体にわたる「生きる力」を生徒に育むために「何のために学ぶのか」という各教科等を学ぶ意義を共有しながら,授業の創意工夫や教科書等の教材の改善を引き出していくことができるようにするため,全ての教科等の目標や内容を「知識及び技能」,「思考力,判断力,表現力等」,「学びに向かう力,人間性等」の三つ の柱で再整理した。 **(3)「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善の推進** 子供たちが,学習内容を人生や社会の在り方と結び付けて深く理解し,これからの時代に求められる資質・能力を身に付け,生涯にわたって能動的に学び続けることができるようにするためには,これまでの学校教育の蓄積も生かしながら,学習の質を一層高める授業改善の取組を活性化していくことが必要である。 特に,高等学校教育については,大学入学者選抜や資格の在り方等の外部要因によって,その教育の在り方が規定されてしまい,目指すべき教育改革が進めにくいと指摘されてきたところであるが,今回の改訂は,高大接続改革という,高等学校教育を含む初等中等教育改革と,大学教育の改革,そして両者をつなぐ大学入学者選抜改革という一体的な改革や,更に,キャリア教育の視点で学校と社会の接続を目指す中で実施されるものである。改めて,高等学校学習指導要領の定めるところに従い,各高等学校において生徒が卒業までに身に付けるべきものとされる資質・能力を育成していくために,どのようにしてこれまでの授業の在り方を改善していくべきかを,各学校や教師が考える必要がある。 また,選挙権年齢及び成年年齢が 18 歳に引き下げられ,生徒にとって政治や社会が一層身近なものとなる中,高等学校においては,生徒一人一人に社会で求められる資 質・能力を育み,生涯にわたって探究を深める未来の創り手として送り出していくこと が,これまで以上に重要となっている。「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた 授業改善(アクティブ・ラーニングの視点に立った授業改善)とは,我が国の優れた教 育実践に見られる普遍的な視点を学習指導要領に明確な形で規定したものである。 今回の改訂では,主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を進める際の指 第1章 導上の配慮事項を総則に記載するとともに,各教科等の「第 3 款 各科目にわたる指導総説計画の作成と内容の取扱い」等において,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を進めることを示した。 その際,以下の点に留意して取り組むことが重要である。 ①授業の方法や技術の改善のみを意図するものではなく,生徒に目指す資質・能力を育むために「主体的な学び」,「対話的な学び」,「深い学び」の視点で,授業改善を進めるものであること。 ②各教科等において通常行われている学習活動(言語活動,観察・実験,問題解決的な学習など)の質を向上させることを主眼とするものであること。 ③1回1回の授業で全ての学びが実現されるものではなく,単元や題材など内容や時 間のまとまりの中で,学習を見通し振り返る場面をどこに設定するか,グループなど で対話する場面をどこに設定するか,生徒が考える場面と教師が教える場面とをどのように組み立てるかを考え,実現を図っていくものであること。 ④深い学びの鍵として「見方・考え方」を働かせることが重要になること。各教科等 の「見方・考え方」は,「どのような視点で物事を捉え,どのような考え方で思考し ていくのか」というその教科等ならではの物事を捉える視点や考え方である。各教科 等を学ぶ本質的な意義の中核をなすものであり,教科等の学習と社会をつなぐもので あることから,生徒が学習や人生において「見方・考え方」を自在に働かせることができるようにすることにこそ,教師の専門性が発揮されることが求められること。 ⑤基礎的・基本的な知識及び技能の習得に課題がある場合には,それを身に付けさせるために,生徒の学びを深めたり主体性を引き出したりといった工夫を重ねながら,確実な習得を図ることを重視すること。 **(4)各学校におけるカリキュラム・マネジメントの推進** 各学校においては,教科等の目標や内容を見通し,特に学習の基盤となる資質・能力 (言語能力,情報活用能力(情報モラルを含む。以下同じ。),問題発見・解決能力等) や現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力の育成のために教科等横断的な学習 を充実することや,主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を単元や題材な ど内容や時間のまとまりを見通して行うことが求められる。これらの取組の実現のため には,学校全体として,生徒や学校,地域の実態を適切に把握し,教育内容や時間の配 分,必要な人的・物的体制の確保,教育課程の実施状況に基づく改善などを通して,教育活動の質を向上させ,学習の効果の最大化を図るカリキュラム・マネジメントに努めることが求められる。 このため,総則において,「生徒や学校,地域の実態を適切に把握し,教育の目的や 目標の実現に必要な教育の内容等を教科等横断的な視点で組み立てていくこと,教育課 程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと,教育課程の実施に必要な人的又は 物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくことなどを通して,教育課程に基 づき組織的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向上を図っていくこと(以下「カリ キュラム・マネジメント」という。)に努める」ことについて新たに示した。 **(5)教育内容の主な改善事項** このほか,言語能力の確実な育成,理数教育の充実,伝統や文化に関する教育の充実, 道徳教育の充実,外国語教育の充実,職業教育の充実などについて,総則や各教科・科 目等(各教科・科目,総合的な探究の時間及び特別活動をいう。以下同じ。)において, その特質に応じて内容やその取扱いの充実を図った。 # 第 2 節 農業科改訂の趣旨及び要点 ## 1 農業科改訂の趣旨 平成28年12月21日の中央教育審議会答申では,学習指導要領改訂の基本的な方向性,第1章 各教科等における改訂の具体的方向性などが示されている。このたびの高等学校農業科の改訂は,これを踏まえて行ったものである。 中央教育審議会答申の中で,職業に関する各教科・科目の改善については,次のように示されている。 **I 職業に関する各教科・科目 (1)現行学習指導要領の成果と課題を踏まえた産業教育の目標の在り方 ①現行学習指導要領の成果と課題** ○ 農業,工業,商業,水産,家庭,看護,情報,福祉から成る職業に関する 各教科(以下「職業に関する各教科」という。)においては,各教科の指導 を通して,関連する職業に従事する上で必要な資質・能力を育み,社会や産 業を支える人材を輩出してきたが,科学技術の進展,グローバル化,産業構 造の変化等に伴い,必要とされる専門的な知識・技術も変化するとともに高 度化しているため,これらへの対応が課題となっている。 ○ また,職業に関する各教科においては,専門的な知識・技術の定着を図るとともに,多様な課題に対応できる課題解決能力を育成することが重要であり,地域や産業界との連携の下,産業現場等における長期間の実習等の実践的な学習活動をより一層充実させていくことが求められている。あわせて,職業学科に学んだ生徒の進路が多様であることから,大学等との接続についても重要な課題となっている。 **②課題を踏まえた産業教育の目標の在り方** ○ このような中,産業教育全体の目標の考え方については,産業界で必要とされる資質・能力を見据えて,三つの柱に沿って次のように整理することができる。 職業に関する各教科の「見方・考え方」を働かせた実践的・体験的な学習活動を通して,社会を支え産業の発展を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 ・ 各職業分野について(社会的意義や役割を含め)体系的・系統的に理解させるとともに,関連する技術を習得させる。 ・ 各職業分野に関する課題(持続可能な社会の構築,グローバル化・少子高齢化への対応等)を発見し,職業人としての倫理観をもって合理的かつ創造的に解決する力を育成する。 ・ 職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して自ら学び,産業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を育成する。 ○ これらを構成する要素のうち,例えば,「倫理観」や「合理的」等は,従来,学習指導要領において明示してきた重要な要素である。一方で,「職業 人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して自ら学 ぶ」,「社会貢献」,「協働的に取り組む」は,社会や産業における新たな課題 の解決に向けて多くの人と協力して挑戦し粘り強く学び続けることや,広い 視野でよりよい社会の構築に取り組むことが重要であることから明示した。 **③産業教育における「見方・考え方」** ○ また,産業教育の特質に応じた「見方・考え方」については,教科ならではの物事を捉える視点や考え方であり,三つの柱で整理していく資質・能力を育むため,各教科に関連する職業を踏まえて検討を行った。 その結果,社会や産業に関する事象を,職業に関する各教科の本質に根ざした視点で捉え,人々の健康の保持増進や快適な生活の実現,社会の発展に寄与する生産物や製品,サービスの創造や質の向上等と関連付けることなどに整理することができる。 ○ 各教科の目標や「見方・考え方」については,前述の産業教育全体の目標の考え方や「見方・考え方」を踏まえ,各産業の特質に応じて整理することが必要である。 **(2)具体的な改善事項 1教育課程の示し方の改善 i)資質・能力を育成する学びの過程についての考え方** ○ 前述の三つの柱に沿った資質・能力を育成するためには,産業教育において従前から実施されている具体的な課題を踏まえた課題解決的な学習の充実が求められる。 ○ このような学習については,解決すべき職業に関する課題を把握する 「課題の発見」,関係する情報を収集して予想し仮説を立てる「課題解決の 方向性の検討」,「計画の立案」,計画に基づき解決策を実践する「計画の 実施」,結果を基に計画を検証する「振り返り」,といった過程に整理する ことができる。この過程においては,例えば,「課題の発見」では,学び に向かう力や人間性として,よりよい社会の構築に向け課題を発見しよう とする態度が,「計画の実施」では,思考力・判断力・表現力として,専門的な知識・技術を活用する力が育まれることが想定される。 ○ ここで整理した過程はあくまでも例示であり,各過程を行き来して学習 活動が行われるものであることに留意する必要があるが,これらの過程において,先述した三つの柱に基づき整理した資質・能力の育成を図ることができる。 **ii)科目構成の構造** ○ 今回の改訂においては,産業教育で育成する資質・能力を踏まえ,各教科で指導すべき共通の内容を整理し,これを各教科共通の基礎的・基本的な内容として各教科の原則履修科目などの基礎的科目において扱うことが求められる。 ○ また,産業教育に関する各教科の科目構成については,基礎的科目にお いて各教科に関する基礎的・基本的な内容を理解させ,それを基盤として 専門的な学習につなげ,「課題研究」等で更に専門的な知識・技術の深化, 総合化を図るという現行の考え方を継続し,改訂を進めることが必要である。 **2教育内容の改善・充実** ○ 今回の改訂においては,前述のような資質・能力の育成を前提に,社会や産業の変化の状況等や学校における指導の実情を踏まえて,持続可能な社会の構築,情報化の一層の進展,グローバル化などへの対応についての視点から改善を図ることが求められる。また,こうした社会や産業の変化の状況等に対応する観点からも,経営等に関する指導についてはより重要となっており,例えば,農林水産業などの各産業においては,経営感覚に優れた次世代の人材の育成に向けた指導の充実などが求められる。 **3学習・指導の改善充実や教育環境の充実等 i)「主体的・対話的で深い学び」の実現** ○ 産業教育においては,企業等と連携した商品開発,地域での販売実習,高度熟練技能者による指導など,地域や産業界等と連携した実験・実習などの実践的,体験的な学習活動を重視してきた。 (「主体的な学び」の視点) ・ 企業等での高度な技術等に触れる体験は,キャリア形成を見据えて生 徒の学ぶ意欲を高める「主体的な学び」につながるものである。 「対話的な学び」の視点) ・ 産業界関係者等との対話,生徒同士の協議等は,自らの考えを広げ深める「対話的な学び」につながるものである。 (「深い学び」の視点) ・ また,社会や産業の具体的な課題に取り組むに当たっては,各教科等 の特質に応じた「見方・考え方」を働かせ,よりよい製品の製造やサー ビスの創造等を目指すといった「深い学び」につなげていくことが重要 である。「深い学び」を実現する上では,課題の解決を図る学習や臨床 の場で実践を行う「課題研究」等の果たす役割が大きい。 ○ これらの学びを実現するためには,地域や産業界等との連携が重要であり,産業教育においては,今後とも地域や産業界等と連携した実験・実習などの実践的,体験的な学習活動を充実し,アクティブ・ラーニングの三つの視点から,これらの学習活動を再確認しながら,不断の授業改善に取り組むことが求められる。 **ii)教育環境の充実 (産業界等との連携)** ○ 地域や産業界等と連携した実験・実習などの実践的,体験的な学習活動は,アクティブ・ラーニングの三つの視点を踏まえた学びを実現する上でも重要なものであることから,地域や産業界等との連携がより一層求められる。このような連携を促進するためには,各地域の産業教育振興会等と協力して,定期的に学校と産業界等が情報交換を行うとともに、教育委員会,地方公共団体の関係部局,経済団体等が協力し,インターンシップの受入れや外部講師の派遣の調整を行うなどといった取組も期待される。 また,(2)1ii)で述べた職業に関する各教科で指導すべき共通の内 容については,より充実した指導を行うため,例えば,関係の団体に働 き掛け,校長会等の協力を得ながら副教材を作成することなど,各学校 の取組を支援することが期待される。 **(中学校や大学等との接続)** ○ 研修を通じて中学校の教員が職業の多様性や専門高校について理解を深めることや,産業教育フェア等の取組によって,中学生の主体的な進路選択に資するよう,専門高校での学習に対する理解・関心を高めることも求められる。 ○ 現在実施されている大学入学者選抜は,共通教科を中心としていることが多いため,アドミッション・ポリシー等に応じ,専門高校での学びを積極的に評価できる入学者選抜の実施の拡大が望まれる。また,農業大学校や職業能力開発大学校などの省庁系大学校等との連携・協力の促進等も求められる。 **(教員研修等の充実)** ○ 教員の資質・能力を向上させるための研修の機会等の充実,大学が教育委員会等と連携した教員養成課程の充実,実務経験が豊富な社会人の活用が求められる。 **(実験・実習の環境整備)** ○ 計画的な施設・設備の改善・充実・更新,生産や販売実習等の学習活動を円滑に実施するための地方公共団体における関係する財務規則等の整理などの環境整備が求められる。 また,農業科に関しては,次のように示されている。 **I 職業に関する各教科・科目 (2)具体的な改善事項 2教育内容の改善・充実** ○ 資質・能力の育成に向けた職業に関する各教科の教育内容については,次の方向で改善・充実を図る。 **〔農業〕** ○ 安定的な食料生産の必要性や農業のグローバル化への対応など農業を取 り巻く社会的環境の変化を踏まえ,農業や農業関連産業を通して,地域や 社会の健全で持続的な発展を担う職業人を育成するため,次のような改善・充実を図る。 ・ 現在の「農業経営,食品産業分野」と「バイオテクノロジー分野」を再構造化し,バイオテクノロジーを含む「農業生産や農業経営の分野」と「食品製造や食品流通の分野」に整理 ・ 農業の各分野において,持続可能で多様な環境に対応した学習の充実 ・ 農業経営のグローバル化や法人化,六次産業化や企業参入等に対応した経営感覚の醸成を図るための学習の充実 ・ 安全・安心な食料の持続的な生産と供給に対応した学習の一層の充実 ・ 農業の技術革新と高度化等に対応した学習の充実 ・ 農業の持つ多面的な特質を学習内容とした地域資源に関する学習の充実 ## 2 農業科改訂の要点 ### (1)目標の改善 教科及び科目の目標については,産業界で必要とされる資質・能力を見据えて三つの 柱に沿って整理し,育成を目指す資質・能力のうち,(1)には「知識及び技術」を,(2) には「思考力,判断力,表現力等」を,(3)には「学びに向かう力,人間性等」を示し た。 農業科の目標の主な改善点としては次の四点が挙げられる。 第一に,生徒や学校の実態,指導の内容に応じ,主体的・対話的で深い学びの実現に 向けた授業改善を図り,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,農業や農 業関連産業を通じ,地域や社会の健全で持続可能な発展を担う職業人として必要な資 質・能力の育成を目指すようにすることから,「農業の見方・考え方を働かせ,実践 的・体験的な学習活動を行うことなど」を示した。 農業科で育成を目指す人材像を「農業や農業関連産業を通じ,地域や社会の健全で持続的な発展を担う職業人」とし,必要な資質・能力の育成を目指すこととした。 第二に,農業や農業関連産業は,農業に関する個別の知識や技術ではなく,それらが 相互に関連付けられるとともに,具体的に農業や農業関連産業と結び付くなどした知識 や技術などを身に付けるようにすることから,「農業の各分野について体系的・系統的 な理解,関連する技術を身に付けるようにする」ことを示した。 第三に,明瞭な答えがないことの多い社会において,地域や社会が健全で持続的に発展する上での具体的な課題を発見し,利益や効率,成果だけを優先するのではなく,職業人に求められる倫理観をもって,課題に向き合い,様々な地域資源などを活用し,科学的な根拠に基づき,創造的に解決する力を養うことを示した。 第四に,職業人に求められる倫理観などを育み,農業や農業関連産業を通じ,地域農業をはじめ地域社会の健全で持続的な発展を担う職業人として必要な豊かな人間性,よりよい社会の構築を目指して自ら学びに向かう力,社会の健全で持続的な発展のため,自己の役割を認識し,当事者としての意識をもって,組織の内外と協働して農業の各分野の創造と発展に取り組む態度を養うことから「職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して自ら学び,農業の発展や振興に主体的かつ協働的に 取り組む態度を養う」ことを示した。 各科目の目標については,教科の目標を踏まえるとともに,農業や農業関連産業で必要とされる資質・能力を見据えて改善を図った。 **(2)内容の改善** ①〔指導項目〕について 今回の改訂では,専門教科に属する全ての科目の「2 内容」においては〔指導項目〕として「(1),(2)」などの大項目や「ア,イ」などの小項目を,柱書においては 「1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導す る」と示した。これは,〔指導項目〕として示す学習内容の指導を通じて,目標にお いて三つの柱に整理した資質・能力を身に付けさせることを明確にしたものである。 なお,項目の記述については,専門教科は学科や課程を問わず,様々な履修の形が あり,学習内容の程度にも幅があることから,従前どおり事項のみを大綱的に示した。 ②学習内容の改善の方向性について学習内容については,安定的な食料生産の必要性や農業のグローバル化への対応など農業を取り巻く社会的環境の変化を踏まえ,農業や農業関連産業を通して,地域や社会の健全で持続的な発展を担う職業人を育成する視点から,科目の組織や内容の見直しなどの改善・充実を図った。 ア 各科目における学習内容の改訂の共通点として,生徒が課題意識をもって,主体的・計画的に農業学習に取り組むよう,『プロジェクト学習』の意義やプロセス 「1課題設定,2計画立案,3実施,4まとめ(反省・評価)」並びに実践について関係する科目に位置付けた。 イ 学習内容の改善について (ア)持続可能で多様な環境に対応した学習を充実 〇 「農業と環境」で学習していた農業と環境の関係性について,持続可能で多様な環境に対応するよう新たに「栽培と環境」,「飼育と環境」と分類整理した。 (イ)経営感覚の醸成を図る学習を充実 〇経 営 感 覚 の 醸 成 と 商 品 開 発 な ど へ つ な げ る た め に ,「 農 業 経 営 」,「 食 品 流 通」でマーケティングに関する学習内容を充実するとともに,生産系の科目で農業科改訂の趣旨及び要点 ある「作物」,「野菜」,「果樹」,「草花」,「畜産」などにおいて,起業や六次産業化に関わる内容を扱うことを明記した。 (ウ)安全・安心な食料の持続的な生産と供給に対応した学習を一層充実 〇 「農業と環境」,「総合実習」,「作物」,「野菜」,「果樹」,「草花」,「畜産」, 「食品製造」などの科目において,農業生産工程管理(GAP)や危害分析・重 要管理点方式(HACCP)など安全・安心な食料の持続的な生産と供給に対応 した生産工程管理に関する学習内容を充実した。 〇 「微生物利用」で学習していた安全・安心な食品関係の学習内容を更に充実 するよう「食品微生物」に名称変更した。 (エ)農業の持つ多面的な特質を学習内容とした地域資源に関する学習を充実 ○ 「グリーンライフ」で学習していた農業・農村の持つ多面的な特質(地域振 興や文化の伝承など)を学習内容とした地域資源に関する学習の充実を図る視 点で整理し,「地域資源活用」に名称変更した。 ウ 整理統合や名称変更した科目について (ア)整理統合した科目 〇 「農業経営」では,「農業経済」の経済の仕組みや農産物の輸出入などを経営 感覚の醸成へつなげるために統合し,マーケティングに関する学習内容を充実した。 ○ 「造園施工管理」及び「造園植栽」では,「造園技術」並びに「環境緑化材 料」を統合し,造園に関する施工から管理までを学習する科目を「造園施工管 理」,造園に関する植物の植栽を中心に学習する科目を「造園植栽」とし学習 内容を充実した。 (イ)名称変更した科目 〇 進展する産業社会の情報化を見通し,農業の各分野における先進技術や革新技術を題材とした探究的な学習活動を通し,収集した情報と情報手段を適切かつ効果的に活用できるような学習内容の一層の充実を図り,科目名も従前の 「農業情報処理」から「農業と情報」に名称変更した。 3 分野構成と科目の学習内容について ア 基礎的な科目に関する学習内容 ○ 「農業と環境」については,従前と同様に農業科における原則履修科目とした。 内容としては,目的と目標を明確にした農業生物の育成と環境保全に関するプロ ジェクト学習の意義と役割を明確に位置付け,農業の各科目における系統的なプ ロジェクト学習を展開できるようにした。 〇 「農業と情報」については,進展する産業社会の情報化を見通し,農業の各分 野における先進技術や革新技術を題材とした探究的な学習活動を通し,収集した 情報と情報手段を適切かつ効果的に活用できるような学習内容の一層の充実を図 り,科目名も従前の「農業情報処理」から「農業と情報」に変更した。 イ 総合的な科目に関する学習内容 ○ 「課題研究」については,従前と同様に農業科における原則履修科目とした。 各科目でプロジェクト学習の意義や実践について明確に位置付けたことから,こ の科目では農業学習の集大成として,専門的な知識と技術を関連付け,その深 化・総合化を図るための科目として内容を見直した。 ○ 「総合実習」については,各農業科目の知識と技術の確実な定着を図る科目で あることから,農業の各分野におけるプロジェクト学習などを補完しながら展開 できるよう内容を見直した。 ウ 四つの分野と学習内容について (ア)農業生産や農業経営の分野 この分野では,農産物の生産や農業経営について,生産性や品質の向上を経営 発展の視点で捉え,持続可能で創造的な農業や地域振興と関連付けて学習する。 今回の改訂では,生産と経営に関する学習内容として,安全・安心な食料の持 続的な生産と供給及び起業や六次産業化などに対応した経営感覚の醸成が重要で あることから学習内容の充実を図った。特に農業生産工程管理(GAP)や危害 分析・重要管理点方式(HACCP)など安全・安心な食料の持続的な生産と供給に対応した生産工程管理に関する学習内容を充実した。 また,「農業経営」では,経済活動の広い視点を持ち経営管理や顧客を創造するために必要なマーケティングについて学習するようにした。 一方,農業と環境の関係性について,持続可能で多様な環境に対応するよう新 たに「栽培と環境」,「飼育と環境」とし,関連する栽培系科目や飼育系科目と関連を図り,その補完的及び発展的に学習するよう内容を充実した。 (イ)食品製造や食品流通の分野 この分野では,農産物の加工や食品流通について,生産性や品質の向上を経営 発展の視点で捉え,持続可能で創造的な農業や地域振興と関連付けて学習する。 今回の改訂では,「食品製造」では,地域農産物を使った商品開発や起業,六次産業化など地域振興についても触れ,実践的な学習となるようにした。 また,危害分析・重要管理点方式(HACCP)など安全・安心な食料の持続的な生産と供給に対応した生産工程管理に関する学習内容を充実した。 一方,「食品流通」では,安全・安心と顧客ニーズを踏まえた合理的な食品流 通に加え,顧客を創造する活動であるマーケティングを重視し,実践的な学習内容になるよう充実を図った。 (ウ)国土保全や環境創造の分野 この分野では,農地や緑地,森林の保全や再生について,地域環境の創造の視点で捉え,持続可能で創造的な農業や地域振興と関連付けて学習する。今回の改訂では,この分野で共通する科目としての「測量」で,測量及び地理空間情報を農林業及び農村の発展,国土保全や環境創造の視点で捉えて活用することが重要であることから内容を充実した。 森林・林業に関する 3 科目では,森林の構造や機能並びに保全技術などを科学農業科改訂の趣旨及び要点的に捉え,森林生態系としての構造や多面的機能との関係性と森林に関する技術を学べるようにした。また,持続可能な森林経営やその組織などの理解,国や都 道府県・市町村等の公的管理による森林経営について学習内容の充実を図った。林産物の利用では,森林資源の活用と循環資源である木材等の有効活用による林産業の発展に寄与できるような学習内容とした。 農業土木に関する3科目では,農村の発展や国土保全,環境創造の視点で捉え 第1章 た農業土木事業の計画や設計について学習内容を充実した。また,国土保全,環境創造の視点で,環境に配慮した施工が重要であることから,学習内容を充実した。一方,環境創造を図る健全な水循環系の構築という視点では,水の有効かつ継続的な利用につなげる重要性から学習内容を充実した。造園に関する3科目では,持続可能で多様な環境や住宅の形態,都市環境の変化に対応した計画と設計について学習内容を充実した。 また,持続可能で多様な環境や住宅の形態,都市環境の変化に対応し,造園の 持つ多面的な特質を活い かした造園施工と管理についての学習内容を充実した。さらに,植物を除く造園材料の種類や特性から活用に至るまでを系統的に「造園施 工管理」で学習できるようにし,植物材料の種類や特性から植物材料の活用に至 るまでを系統的に「造園植栽」で学習するようにした。 (エ)資源活用や地域振興の分野 この分野では,農業生物や地域資源の活用について,生活の質の向上と地域創造の視点で捉え,持続可能で創造的な農業や地域振興と関連付けて学習する。 今回の改訂では,「生物活用」について,園芸作物や社会動物が人の心身の健 康及び社会的な健康にもたらす効用と健康増進に注目した生物の活用を学び,交流においては活動の評価まで行うよう学習内容を充実した。 また,「地域資源活用」では,将来の地域振興の担い手として,農業と農村の持つ多面的な特質を地域資源として捉え,その価値や活用について学習するようにした。 # 第 3 節 農業科の目標 農業科の目標は,次のとおりである。 農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,農業や農業関連産業を通じ,地域や社会の健全で持続的な発展を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1)農業の各分野について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身 に付けるようにする。 (2)農業に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏まえ合理的かつ創 造的に解決する力を養う。 (3)職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して自ら 学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。 農業科においては,農業や農業関連産業に従事する上で必要な資質・能力を育み,地域農業や地域社会を支える人材を育成してきた。我が国の農業は,食料を安定的に供給するとともに,食品産業や国土保全などの農業関連産業並びに地域経済を支える重要な役割を担っている。また,農村は,高品質な農産物を生産する技術,持続性に優れた生産圃場である水田,世界に評価される伝統的な食文化など地域資源として潜在的な価値を有している。そのような農業・農村を教材とした農業学習は,グローバル化や環境保全を考慮した持続可能な農業の発展を念頭に,暮らしや地域社会を創造し,持続可能な社会の形成に寄与する人材の育成をねらいとしている。 そのねらいを達成するために農業学習の特質を踏まえ,「農業科の目標」を上記のよう に示し,各科目の目標の基盤とした。この目標では,農業や農業関連産業に必要とされる 資質・能力を見据え,どのような考え方で思考していくのかという物事を捉える視点や考 え方を示すとともに,育成を目指す資質・能力の三つの柱として,(1)を「知識及び技術」,(2)を「思考力,判断力,表現力等」,(3)を「学びに向かう力,人間性等」と教科目標に 示し,具体的には次のような視点で整理した。 **1 「農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して, 農業や農業関連産業を通じ,地域や社会の健全で持続的な発展を担う職業人として必要 な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。」について 農業の見方・考え方** を,「農業や農業関連産業に関する事象を,安定的な食料生産と 環境保全及び資源活用等の視点で捉え,持続可能で創造的な農業や地域振興と関連付け ること」としている。これは,農業や農業関連産業に関する学習を学校農場や実習施設 などで**実践的・体験的な学習活動**を通して学び,食料生産や環境保全及び資源活用の現 状を認識するとともに,持続可能で創造的な農業や地域振興の観点からこれからの農業 のあるべき姿を見いだし,地域農業や地域社会の課題解決へ向けた学習活動を進めてい くことを示している。 その学習活動で,「主体的な学び」という視点では,キャリア形成を見据えて生徒の農業科の 目標学ぶ意欲が高まるよう農業や農業関連産業に触れる機会を設けるとともに,「対話的な 学び」では,自らの考えを深め,広げる機会として地域農業界の関係者等との対話や生 徒同士の協議を設けることも重要である。また,「深い学び」では,地域農業や地域社 会の持続的な発展につながるよう,学んだ各教科での学習を生かしながら具体的な課題 に取り組むことが大切である。 ここでは,農業や農業関連産業の発展だけを考えるのではなく,**地域や社会の健全で持続的な発展を担う職業人として必要な資質・能力を育成する**視点が重要である。 **2 「(1)農業の各分野について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身 に付けるようにする。」について 農業の各分野について**は,農業科に属する科目を4つに分類し,農業生産や農業経営, 食品製造や食品流通,国土保全や環境創造,資源活用や地域振興の分野とした。 農業や農業関連産業は,農業に関する個別の知識や技術だけではなく,社会の中で活 用する知識や技術などと相互に関連付けられたものが多いことから,**体系的・系統的に 理解するとともに,関連する技術を身に付ける**ことが大切である。また,将来の職業を 見通してよりよいものを創造できるよう発展的に学び続ける資質・能力を身に付けるこ とも重要である。このように発展的に学び続ける資質・能力を身に付けるためには,授 業だけではなく,学校農業クラブ活動による地域活動や各種競技会への挑戦など,目標 を明確にした学習活動へ取り組むことも重要である。 3 「(2)農業に関する課題を発見し,職業人に求められる倫理観を踏まえ合理的かつ創造的に解決する力を養う。」について これは,農業学習を通して未来を切り拓くための力を養うとともに,農業や農業関連産業に関する課題を発見し,利益や効率,成果だけを優先するのではなく,課題に向き 合い,科学的な根拠に基づき答えを導き,職業人に求められる倫理観を踏まえ合理的か つ創造的に解決する力を養うことを意味している。 このような力を養うためには,農業や農業関連産業に関する知識と技術を体系的・系統的に身に付けるとともに,農畜産物の生産活動や販売及び地域環境の保全や管理などの学習活動を通して,農業学習の中で見いだす様々な課題に対し思考しながら解決を図るなど実践する力を培うことが大切である。 また,地域資源を活用した商品開発,地域産業の振興に関する提案には,学校での学習活動だけでなく,地域へ出かけ地域社会や市場などの現地調査により現状を認識し,農業経営者や地域活動の実践からあるべき姿を見いだすことが重要である。その場合,情報通信技術を活用した合理的な協議などにより,複合的に課題解決策を見いだす学習活動も重要で,将来,地域産業を担う当事者として意識を高めていくことも必要である。 ** 4 「(3)職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会の構築を目指して自ら 学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。」について** これは,身に付けた知識や技術を活用し,思考力,判断力,表現力などを,どのよう な方向で働かせていくかを決定する重要なものである。ここでは,社会の信頼を得て, 農業や農業関連産業に従事するための倫理観,遵法精神,規範意識,責任感,協調性, リーダーシップなど社会を担う職業人として必要な豊かな人間性を育み,よりよい社会 の構築を目指して自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度 を養うことを意味している。 このような態度を養うための学習活動には,他者との協議により課題の解決策を見い だすこと,他者の考えを踏まえながら,対立する意見であっても自己の意見を整理し伝 目標 えること,地域を学びのフィールドとして,様々な職業や年代の方々とつながりながら 協働して取り組むことなどが重要である。 # 第 4 節 農業科の内容構成 ## 1 科目構成 今回の改訂の主な内容については,第1章第2節の2の(2)で述べたとおりである。農 業科に属する科目は,従前同様 30 科目で編成されている。科目の整理統合,分類整理, 名称変更及び改訂前の科目との関連については,次の表1に示すとおりである。 **表1 新旧科目対照表** | 改訂| 改訂前 | 備考| | -------- | -------- | -------- | | 農業と環境<br>課題研究<br>総合実習<br>農業と情報<br>作物<br>野菜<br>果樹<br>草花<br>畜産<br>栽培と環境<br>飼育と環境<br>農業経営<br> 農業機械<br>植物バイオテクノロジー<br>食品製造<br>食品化学<br>食品微生物<br>食品流通<br>森林科学<br>森林経営<br>林産物利用<br>農業土木設計<br>農業土木施工<br>水循環<br>造園計画<br>造園施工管理<br>造園技術<br> 整理統合<br> 造園植栽<br>測量<br>生物活用<br>地域資源活用|農業と環境<br>課題研究<br>総合実習<br>農業情報処理<br>作物<br>野菜<br>果樹<br>草花<br>畜産<br><br>農業経営<br>農業機械<br><br>食品製造<br>食品化学<br>微生物利用<br>植物バイオテクノロジー<br>動物バイオテクノロジー<br>農業経済<br>食品流通<br>森林科学<br>森林経営<br>林産物利用<br>農業土木設計<br>農業土木施工<br>水循環<br>造園計画<br>造園技術<br>環境緑化材料<br>測量<br>生活活用<br>グリーンライフ<br>|分類整理<br>名称変更<br>分類整理<br>分類整理<br>整理統合<br><br>名称変更<br>整理統合<br>整理統合<br>名称変更| # 2 分野構成 従前は,教科組織上の分野を,「農業の経営や食品産業」,「バイオテクノロジー」,「環 境創造や素材生産」,「ヒューマンサービス」とし,原則履修科目である「農業と環境」は, 農業の各分野への導入を図る基礎的な科目と位置付け,「課題研究」,「総合実習」を総合 的な科目とするとともに,「農業情報処理」は農業及び社会の情報化の進展に対応し,情 報活用能力を育成する共通的な科目とし,他の 26 科目を四つの区分に分類し,各分野に 内容構成 それぞれ位置付けていた。 今回の改訂では,農業や農業関連産業を通じ,地域農業をはじめ地域社会の健全で持続 的な発展を担う職業人を育成することを目指しており,分野を「農業生産や農業経営」, 「食品製造や食品流通」,「国土保全や環境創造」,「資源活用や地域振興」の四つに再構成 した(表2)。また,原則履修科目である「農業と環境」は,農業の各分野への導入を図 る分野共通の科目及び基礎的な科目と位置付け,「課題研究」,「総合実習」を総合的な科 目とするとともに,「農業と情報」は農業及び社会の情報化の進展に対応し情報活用能力 を育成する分野共通の科目及び基礎的な科目とした。今回の改訂では,農業科 30 科目を 分野共通の科目に4科目(基礎的な科目が2科目,総合的な科目が2科目),26 科目を四 つの分野に整理した。 **表2 分野構成** | 分野等| | 科目 | | -------- | -------- | -------- | | 分野共通の<br>科目 | 基礎的な科目<br>総合的な科目 | 農業と環境*・農業と情報<br>課題研究*・総合実習 | | | 農業生産や農業経営 |作物・野菜・果樹・草花・畜産・栽培と環境・飼育 と環境・農業経営・農業械・植物バイオテクノロ ジー | | | 食品製造や食品流通 | 食品製造・食品化学・食品微生物・食品流通 | | 分野 | 国土保全や環境創造 | 森林科学・森林経営・林産物利用・農業土木設計・ 農業土木施工・水循環・造園計画・造園施工管理・ 造園植栽・測量 | | | 資源活用や地域振興 | 生物活用・地域資源活用 | | | | |*農業科における原則履修科目 # 第2章 農業科の各科目 ## 第 1 節 農業と環境 この科目は,原則履修科目であり,農業学習への導入を図る基礎的な科目である。今回の改訂では,目的と目標を明確にした農業生物の育成と環境保全に関するプロジェクト学習の意義と役割を明確に位置付け,農業生物の栽培・飼育と加工に,森林・林業,農業土 木,造園などの環境関係のプロジェクト学習も加え,農業の各分野における系統的なプロジェクト学習を展開できるようにした。 #### 第 1 目標 **1 目 標** 農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,農業の各分野で活用する基礎的な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1)農業と環境について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に 付けるようにする。 (2)農業と環境に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合理 的かつ創造的に解決する力を養う。 (3)農業と環境について基礎的な知識と技術が農業の各分野で活用できるよう自ら 学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。 この科目においては,農業の社会的な意義や役割を理解して,農業生物の育成と栽培や 飼育の仕組み,環境保全について興味・関心を高めながら,栽培・飼育や環境等のプロ ジェクト学習の体験的・探究的な課題解決学習を通して,農業と環境に関する基礎的な資 質・能力を育成することをねらいとしている。 目標の(1)については,農業生物の育成や環境保全に関するプロジェクト学習を通して, 農業生物の仕組みと栽培・飼育や環境保全に必要な知識と技術を体系的・系統的に理解し, 身につけるようにすることを意味している。 目標の(2)については,栽培・飼育分野,環境分野の体験的,探究的な学習活動を通し て,農業生物の仕組みとその育成や地域環境に関する課題を発見し,農業生物の育成や環 境保全に関わる法令遵守など職業人に求められる倫理観をもって,農業生物や環境につい て科学的な根拠に基づいて創造的に解決する力を養うことを意味している。 目標の(3)については,農業生物の育成が地域の環境要因の相互関係で成り立ち,環境 の保全が自然環境の多様性の維持と人間生活の質の向上に貢献していることを学ぶ中で, 農業の各分野への展開と活用を目指し,主体的かつ協働的に取り組む態度を養うことを意 味している。 ### 第 2 内容とその取扱い #### 1 内容の構成及び取扱い この科目は,目標に示す資質・能力を身に付けることができるよう,(1)「農業と環 境」とプロジェクト学習,(2)暮らしと農業,(3)農業生産の基礎,(4)農業と環境のプ ロジェクト,(5)学校農業クラブ活動の五つの指導項目で,4~6単位程度履修される ことを想定し,内容を構成している。また,内容を取り扱う際の配慮事項は次のように 示されている。 (内容を取り扱う際の配慮事項) ア 農業の社会的な役割と環境や暮らしとの関わりについて,地域農業の見学や地域環境の調査及び統計資料の分析など具体的な学習を通して理解できるよう留意して指導するとともに,地域の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。 この科目の指導に当たっては,農業と農村の社会的な意義と役割,農業と農村の多面的な機能,農村文化の形成,生態系の物質循環,地球環境及び地域環境と身近な暮らしとの相互関係,農業の動向と展望などについて理解できるようにする。その際,現地見学や統計資料などを活用し,農業の各分野に関する学習に興味と関心を喚起しながら学習を行うことが重要である。なお,教材については,地域農業と地域環境の実態,学科の目標や特色及び農業生物の特性などに応じて,主要な農業生物と地域環境から適切に選定する必要がある。 イ 〔指導項目〕の(1)については,農業学習の特質とプロジェクト学習の意義や進め 方について身近な事例を通して理解させ,生徒の興味・関心が高まるよう工夫して 指導すること。 〔指導項目〕の(1)については,農業学習の特質を念頭に学習のねらいを三つに整理し, これらを踏まえて指導する必要がある。 第一に農業生物の栽培と飼育,加工と利用,環境分野の体験的,継続的な学習活動を通して興味・関心を高めること。第二にプロジェクト学習を主体とする実践的な農業学習を通して,農業生物の特性と育成,及び地域環境について科学的な見方や考え方を培うこと。第三に,プロジェクト学習の過程で実施する調査,観察,記録や分析と考察を通して科学的な思考力,判断力,表現力を養い,課題を解決する力を育てながら,農業の各分野で活用,探究する実践力を育成すること。以上の三つである。 ウ 〔指導項目〕の(3)については,農業生物の特性や育成環境との相互関係,具体的 な栽培計画,農業生産工程管理などを基礎的な実験・実習を通して学習できるよう にすること。 〔指導項目〕の(3)については,農業生産の基礎的な知識と,それに関連する技術を習 得して,農業生物の育成と環境保全等に関するプロジェクト学習を実施する。その際, 農業生物の育成と栽培・飼育環境並びに環境の要素を関連付けて習得できるようにする ことが必要である。また,農業生産においては,食品安全,環境保全,労働生産性などに留意した持続可能な生産性を確保するための生産工程管理が必要であることから,農 業生物の育成と環境保全に関する実践的な学習を通して,農業生産工程管理(GAP) について理解できるよう工夫すること。 エ 〔指導項目〕の(4)については,プロジェクト学習を通して,科学的な見方・考え 方を働かせ,農業の各分野に関する学習への興味・関心が高まるよう工夫して指導 すること。 〔指導項目〕の(4)については,農業生物の育成や環境保全に関するプロジェクト学習 において,学科の特性や地域農業の実態に応じた課題を設定して,科学的な思考力や分 析力を培いながら実践力を高めることが必要である。  そのためには,学習ノートや調査・観察カードなどを活用して,常に生徒が農業生物の成長や環境の要素の変化などを実感するとともに,基礎的な知識と技術を習得できるように工夫すること。また,学習成果をより確実なものにするために,生徒個人でまとめ,その結果をグループで協議するなど言語活動につなげることも大切である。 さらに,プロジェクト学習のまとめについては,各種の記録・資料・情報の整理,分析と考察の仕方,成果のまとめ方,成果の発表,報告書の作成,自己評価を行うなど,その成果を農業の各科目のプロジェクト学習の展開に繋がるようにすることが必要である。また,分析や考察,発表などについては,生徒個人のまとめをグループ毎に整理するなど展開を工夫し,科学的な思考力,判断力,表現力を培い,コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力を高めるように配慮することが重要である。 #### 2 内容 2 内 容 1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 #### 〔指導項目〕 (1)「農業と環境」とプロジェクト学習 ア 農業学習の特質 イ プロジェクト学習の方法と進め方 (内容の範囲や程度) ア 〔指導項目〕の(1)については,農業学習の特質とプロジェクト学習の進め方につ いて,身近な事例を扱うこと。 #### (1)「農業と環境」とプロジェクト学習 ここでは,「農業と環境」とプロジェクト学習について,農業と環境を科学的に捉え, 自ら学び,取り組むことができるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 1 農業学習の特質や,農業と環境に関するプロジェクト学習の意義,及び方法と進め方について理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 2 農業と環境に関する課題を発見し,プロジェクト学習により,科学的な根拠に基づいて創造的に解決すること。 3 農業と環境について自ら学び,プロジェクト学習に必要な情報収集と分析について,主体的かつ協働的に取り組むこと。 #### ア 農業学習の特質 ここでは,農業と環境の学び方,農業生物を育てる意義と役割,環境を調べること の重要性,農業と環境との関わりなどについて取り上げて指導する。その際,農業学 習の特性が理解できるように,具体的な事例を取り入れる。 #### イ プロジェクト学習の方法と進め方 ここでは,農業生物の育成や環境保全などについて,生徒が主体的,計画的に実践 して課題を解決するプロジェクト学習について取り上げて指導する。プロジェクト学 習は一般的に,1あるべき姿を見いだし,現状を把握して問題を抽出し,学習目的と 達成目標を明確にして課題を設定すること(課題設定),2仮説を設定し,解決方法 の手順を考えて目標達成のための計画を立てること(計画立案),3計画に従って継 続的に実行すること(実施),4実行の過程や結果を考察して検討し,まとめること(反省・評価)の4段階で構成される。 なお,「農業と環境」における最初のプロジェクト学習は,農業の現状認識の観点からあらかじめ設定したテーマのもと,農業学習への興味・関心を高めながら,目標を達成できるように工夫する必要がある。 課題設定に当たっては,例えば,生産系の分野では,野菜を教材とした場合,目的を「野菜生産の現状を知り,野菜の栽培に興味・関心を持つ」とし,目標を「野菜の生理・生態や生育環境の理解と基本的な栽培技術の習得」として示す。テーマは「生産計画に基づく野菜栽培」とし,グループや個人ごとに小テーマを設定することも考えられる。課題の解決に向けては,プロジェクトの計画に沿って実験・実習,調査,観察,記録などを継続的に行い,その結果を分析,考察,評価してまとめ,発表するなど,意欲的に農業学習に取り組むことができるように留意する。 #### 〔指導項目〕 (2)暮らしと農業 ア 食料と農業 イ 自然環境と農業 ウ 環境保全と農業 エ 生活文化と農業 オ 農業の動向と展望 (内容の範囲や程度) イ 〔指導項目〕の(2)については,社会や産業全体の課題及びその解決のために農業が果たしている役割,働くことの社会的意義や役割,職業人に求められる倫理観についても取り上げること。また,農業が有する生命を育むという生命倫理についても扱うこと。 #### (2)暮らしと農業 ここでは,暮らしと農業について,地域の農業と環境の実態などの具体的な事例を通して理解できるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 1 暮らしと農業との関係について理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 2 暮らしと農業に関する課題を発見し,科学的な根拠などに基づいて創造的に解決すること。 3 暮らしと農業について自ら学び,主体的かつ協働的に取り組むこと。 #### ア 食料と農業 ここでは,食料と生産,食料の供給や我が国農業の特色,世界の農業と食料,農業を支える生産技術の特色,安全で持続的な食料生産と生産工程の管理,食料の流通と消費や食品産業,有機農産物と環境保全型農業について取り上げ,食料の安定供給について考察する学習活動を取り入れる。 #### イ 自然環境と農業 ここでは,農業を支える自然環境や,自然環境と暮らしとの関わり,里地里山の役割と機能,農業と生態系や物質循環機能との関わり,農村景観の維持と創造,農業生態系と生物多様性の機能などについて取り上げ,自然環境と農業との関わりについて考察する学習活動を取り入れる。 #### ウ 環境保全と農業 ここでは,地球環境や地域環境と人間生活との関係,例えば,国際連合が定めた持 続可能な開発目標(SDGs)や持続可能な開発のための教育(ESD),農業生態系と生 物多様性の保全機能,国土保全機能や環境保全機能と二酸化炭素(CO2)の固定など について取り上げ,環境保全と農業との関わりについて考察する学習活動を取り入れる。 #### エ 生活文化と農業 ここでは,地域の農業及び農業生物と社会や暮らしとの関わり,農業と農山村が果 たす社会的・文化的な役割,農業生物を活用した介護・福祉や食農教育としての機能, 景観形成の機能,保健休養などの快適性,農山村における地域資源の価値と役割,世 界農業遺産や日本農業遺産の役割,固定種などの遺伝資源の価値と在来作物など食文 化の継承,地理的表示(GI)の活用などについて取り上げ,地域文化の形成と伝承 について考察する学習活動を取り入れる。 #### オ 農業の動向と展望 ここでは,自然環境と調和した農業,田園回帰,資源循環型社会と持続可能な農業,生物多様性の保全や伝統的農法と伝統的品種など,植物遺伝資源と持続的な利用に関する知的財産保護や伝統農法の次世代への継承,農村と都市の交流・共生,異業種交流や世代間交流,高度な農業技術による生産性の向上,農産物の輸出入などについて取り上げ,これからの農業と生産の在り方について考察する学習活動を取り入れる。 #### 〔指導項目〕 (3)農業生産の基礎 ア 農業生物の種類と特性 イ 農業生物の育成と環境要素 ウ 農業生産の計画と工程管理・評価 エ 農業生物の栽培・飼育 (内容の範囲や程度) ウ 〔指導項目〕の(3)については,農業生物の生理・生態的な特性,気象・土壌・生 物などの環境要素やそれらの相互関係及び農業生産工程管理などを扱うこと。 #### (3)農業生産の基礎 ここでは,プロジェクト学習を通して,農業生産に関する基礎的な知識と技術について理解し,農業生産ができるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 1 農業生物の育成と農業生産について理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 2 農業生物の育成と農業生産に関する課題を発見し,科学的な根拠に基づいて創造的に解決すること。 3 農業生物の育成と農業生産について自ら学び,主体的かつ協働的に取り組むこと。 #### ア 農業生物の種類と特性 ここでは,農業生物の分類,生理・生態的な特性,成長の仕組みと管理,作物の繁殖と育種,作付体系,作物に必要な養分と生育過程,家畜の特性と飼育,家畜の生育過程について基礎的な内容を取り上げて指導する。 #### イ 農業生物の育成と環境要素 ここでは,栽培・飼育と環境との相互関係,育成環境の要素として,大気環境,土壌環境,作物の養分と肥料,栽培・飼育を取り巻く生物環境について基礎的な内容を取り上げて指導する。 #### ウ 農業生産の計画と工程管理・評価 ここでは,農業生産工程管理(GAP)などに基づく生産計画の作成,管理の手順, 調査と観察,記録と分析の方法,まとめと評価の方法について基礎的な内容を取り上 げ,農業生産の計画と工程管理・評価に取り組む学習活動を取り入れる。 #### エ 農業生物の栽培・飼育 ここでは,農業生物の栽培管理と環境,栽培環境と管理技術,家畜と飼育,飼育環境と管理技術など,農業生物の栽培と飼育について基礎的な内容を取り上げ,農業生物の栽培・飼育に取り組む学習活動を取り入れる。 #### 〔指導項目〕 (4)農業と環境のプロジェクト (内容の範囲や程度) エ 〔指導項目〕の(4)については,学科の特色や地域性を考慮した題材を扱うこと。 #### (4)農業と環境のプロジェクト ここでは,プロジェクト学習を通して,学習意欲と知的好奇心を喚起し,農業生物の特性と地域環境を科学的に捉え,実際に農業生物の栽培・飼育と加工・利用分野,環境分野に関するプロジェクトについて,自ら学び実践できるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 1 栽培・飼育と加工・利用分野や環境分野に関するプロジェクトの内容について理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 2 栽培・飼育と加工・利用分野や環境分野に関する課題を発見し,科学的な根拠に基づいて創造的に解決すること。 3 栽培・飼育と加工・利用分野や環境分野について自ら学び,主体的かつ協働的に取り組むこと。 ○ 地域農業・農村に関する調査活動 ここでは,プロジェクトの課題を見いだすことをねらいとして,地域における農業や農村,地域資源,食文化の現況などについて取り上げ,地域の「暮らしと農業」に関わる調査に取り組む学習活動を取り入れる。 ○ 地域の環境に関する調査活動 ここでは,地域の気象や水,土壌,生物などの環境要素として,地域の植生,地域の生き物,水質,土壌,気象などについて取り上げ,環境調査に取り組む学習活動を取り入れる。 ○ 生産系のプロジェクト ここでは,栽培分野では,栽培植物の栽培,栽培環境の管理,収穫物の加工・利用など,飼育分野では,家畜の飼育,飼料作物の栽培,飼育環境の管理,加工・利用などについて基礎的な内容を取り上げ,生産系のプロジェクトを適切に実施できるように指導する。 その際,プロジェクトで生産した収穫物の加工と利用,農業生産物の品質と安全性,生鮮食品や加工食品の原料について考察する学習活動を取り入れる。 ○ 環境系のプロジェクト ここでは,森林・林業分野では,学校林や地域の樹木調査,森林の管理,林産物の栽培,木炭づくりとその活用など,農業土木分野では,農業土木施設などの調査,河 ため川や溜池の植生と水質調査,生き物調査など,造園分野では,苗木など造園材料の栽 せん培,庭園や公園の管理,植生調査,樹木の剪定,庭園づくりなどについて基礎的な内容を取り上げ,環境系のプロジェクトを適切に実施できるように指導する。 #### 〔指導項目〕 (5)学校農業クラブ活動 (内容の範囲や程度) オ 〔指導項目〕の(5)については,学校農業クラブ活動の目標,内容,組織などにつ いて各種活動を通して実践的に扱うとともに,プロジェクト学習の成果を発表する 機会を設けること。 #### (5)学校農業クラブ活動 ここでは,学校農業クラブ活動が,教科の目標を達成する基礎的な学習活動であることを踏まえ,学校農業クラブ活動の目標,歴史,組織,活動内容,現状及び活動方法について,自ら学び実践できるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 1 学校農業クラブ活動の組織と内容及び活動の方法について理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 2 学校農業クラブ活動に関する課題を発見し,科学的な根拠に基づいて創造的に解決すること。 3 学校農業クラブ活動について自ら学び,主体的かつ協働的に取り組むこと。学校農業クラブ活動の目標,組織,主な活動として,専門分会活動やプロジェクト活動,各種発表などの活動について取り上げて指導する。その際,プロジェクト学習の結果や成果については,記録やデータの処理と分析・考察を踏まえて,まとめ,反省と評価,発表,報告書の作成などの学習活動に取り組むことが大切である。 # 第 2 節 課題研究 この科目は,原則履修科目であり,生徒個々の実態に応じ,農業に関する諸課題や進路に応じた諸課題を自ら見いだし,これまで学んだ農業に関する各科目や自身の経験を基に,課題解決に向けて自発的に創造的及び発展的に取り組む科目である。 今回の改訂では,各科目でプロジェクト学習の意義や実践について明確に位置付けたことから,この科目では農業学習の集大成として,専門的な知識と技術を関連付け,その深化・総合化を図るための科目として内容を見直した。 #### 第 1 目標 ### 1 目 標 農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,社会を支え産業の発展を担う職業人として必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1)農業の各分野について体系的・系統的に理解するとともに,相互に関連付けら れた技術を身に付けるようにする。 (2)農業に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として解決策を探 究し,科学的な根拠に基づいて創造的に解決する力を養う。 (3)課題を解決する力の向上を目指して自ら学び,農業の振興や社会貢献に主体的 かつ協働的に取り組む態度を養う。 この科目においては,農業各分野の将来のスペシャリストに必要な問題解決能力や自己 教育力などを育成するとともに,「農業と環境」をはじめとするプロジェクト学習や各分 野の専門科目の学習と関連付けて考え,考察する力を養い,実践的・体験的な学習を行う ことなどを通して,社会を支え産業の発展を担う職業人として必要な資質・能力を育成す ることをねらいとしている。 目標の(1)については,課題解決のための学習活動を通して,各科目で学習した知識と 技術を再確認し,自らの課題解決に活用できるより高度な知識と技術を深化・総合化し, 全体を体系的・系統的に理解し,身に付けるようにすることを意味している。 目標の(2)については,現状の把握や分析などを通して農業に関する課題を自ら発見し, 学習の目的や課題を意識しながら計画的に課題解決を図り,記録,評価,検証,まとめ, 発表などを通し,科学的な根拠などに基づいて創造的に解決する力を養うことを意味して いる。 目標の(3)については,課題解決に取り組む学習活動を通して,自らの課題解決能力の 向上を図り,主体的かつ協働的に農業の振興や社会貢献に取り組む態度を養うことを意味 している。 #### 第 2 内容とその取扱い #### 1 内容の構成及び取扱い この科目は,目標に示す資質・能力を身に付けることができるよう,(1)調査,研究, 実験,(2)作品製作等,(3)産業現場等における実習,(4)職業資格の取得,(5)学校農業 クラブ活動の五つの指導項目で,3~6単位程度履修されることを想定し,内容を構成 している。また,内容を取り扱う際の配慮事項は次のように示されている。 (内容を取り扱う際の配慮事項) ア 生徒の興味・関心,進路希望等に応じて,〔指導項目〕の(1)から(5)までの中か ら,個人又はグループで農業に関する適切な課題を設定し,主体的かつ協働的に取 り組む学習活動を通して,専門的な知識,技術などの深化・総合化を図り,農業に 関する課題の解決に取り組むことができるようにすること。なお,課題については,(1)から(5)までの 2 項目以上にまたがるものを設定することができること。 この科目の指導に当たっては,生徒が自らの興味・関心,専門科目の学習や希望する 進路,地域の実情に基づいて,個人又はグループで課題を設定し,主体的な学習活動を 通して課題の解決を図り,まとめ,発表,自己評価に至る課題探究型の学習を展開する ことが大切である。このことから,この科目の内容については,他の科目のように体系 化された知識・技術を中心に示すのではなく,生徒が設定する課題の学習形態から,(1)調査,研究,実験,(2)作品製作等,(3)産業現場等における実習,(4)職業資格の取 得,(5)学校農業クラブ活動の 5 項目に大別して示している。 なお,課題については,内容の(1)から(5)までの 2 項目以上にまたがって設定するこ とができる。内容の(1)から(4)の実施においては,学校農業クラブ活動との関連を図る ことが大切である。 また,設定した課題に取り組む過程においては,自己のキャリア形成の方向性と関連 付けて取り組むようにすることが大切である。さらに,課題と関連する具体的な事例を 取り上げ,農業や農業関連産業をはじめとした知識や技術などを基盤として,農業の 様々な技術に関する理論や地域社会の動向などと関連付けての分析や,農業経営に関す る様々なデータを入手し,それらを比較するなどして活用することなどにより探究の質 の向上を図り,農業の各分野の内容に関する専門的な知識,技術などについて,実務に 即して深化・統合化を図ることができるようにすることが大切である。 実施に当たって,放課後や休日など時間割以外の活動や期間を限定する活動は,安全管理も含めて計画的に実施する必要がある。 イ 課題研究の成果について発表する機会を設けるようにすること。 農業学習を通じて主体的・対話的で深い学びの充実を図り,論理的な表現力などを育 成する観点から,課題研究の成果に ついて発表する機会を設けることとする。 課題研究の成果を整理し分かりやすく発表することは,生徒自身の学習を深める上でも大変効果的であり,成果発表会や作品展示会の開催,各種作品コンクールへの応募など,積極的に発表の機会を設けるようにする。また,学校内だけでなく保護者や中学生をはじめ地域の人々に広く公開するような工夫も考えられる。 #### 2 内容 #### 2 内 容 1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 ここでは,科目の目標を踏まえ,農業や農業関連産業の健全で持続的な発展を担うことができるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 1 農業の各分野について体系的・系統的に理解するとともに,相互に関連付けられた技術を身に付けること。 2 農業に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として解決策を探究し,科学的な根拠に基づいて創造的に解決すること。 3 課題を解決する力の向上を目指して自ら学び,農業の創造と発展に主体的かつ協働的に取り組むこと。 #### 〔指導項目〕 (1)調査,研究,実験 (2)作品製作等 (3)産業現場等における実習 (4)職業資格の取得 (5)学校農業クラブ活動 #### (1)調査,研究,実験 ここでは,1から3までの事項を身に付けるよう設定した課題を解決するために適した学習形態が調査,研究,実験の場合を取り上げる。具体的には,あるべき姿と現状認識から問題を整理し,課題を設定し課題解決に取り組む中で,課題解決能力を育成するとともに,自発性や創造性などを身に付けることをねらいとしている。課題としては,生産技術,経営技術,地域環境,流通,消費などに関する調査,生産技術の改良や技術の適応試験などの研究,地域農業の振興プランの研究,新技術の実用化に関する実験などが挙げられ,それらを複合的に取り入れた課題も考えられる。 #### (2)作品製作等 ここでは,1から3までの事項を身に付けるよう設定した課題を解決するために適した学習形態が作品製作などの場合を取り上げる。製作課題の構想から作品の発表と鑑賞までの学習活動を通して,自己学習力の伸長と自発性や創造性などを育成することをねらいとしている。学習課題としては,農業機械や木工製品の設計・製作,住宅庭園の製図・製作や交流プログラムなどがあげられ,成果物を各分野に関連するコンテストやコンクールへ応募することも考えられる。 #### (3)産業現場等における実習 ここでは,1から3までの事項を身に付けるよう設定した課題を解決するために適した学習形態が産業現場などにおける実習の場合を取り上げる。課題の設定から発表活動までの学習活動を通して,自己学習力の伸長,創造性や実践力などを育成することをねらいとしている。学習課題としては,生産技術の習得・利用に関する実習・調査,経営技術の習得・利用に関する実習・調査などが考えられる。 なお,設定する課題が,自己の進路選択や産業現場の状況に即した課題となるよう調整を図ることが大切である。 #### (4)職業資格の取得 ここでは,1から3までの事項を身に付けるよう設定した課題を解決するために適した学習形態が職業資格の取得の場合を取り上げる。資格の内容の研究から発表活動までの学習活動を通して,自己学習力の伸長と問題解決の能力を育成することをねらいとしている。学習課題としては,農業技術検定,フラワーデザイン,園芸装飾,実験動物,農業簿記,農業土木,造園,測量などに関する各種の資格が考えられる。 なお,資格の取得だけを最終的な目標として捉えず,これまでの学習の深化,総合化の一環として位置付けるとともに,資格に関連する分野の総合的,発展的な学習を促し,その過程を通して自発性や創造性を培い,進路目標を明確にすることが大切である。 #### (5)学校農業クラブ活動 ここでは,1から3までの事項を身に付けるよう設定した課題を解決するために適した学習形態が学校農業クラブ活動の場合を取り上げている。学校農業クラブ活動のうち,主としてプロジェクトを通して,課題解決能力や自発的,創造的な学習態度などを育成することをねらいとしている。学習課題としては,学級分会や専門分会におけるプロジェクト活動や奉仕活動などが考えられる。 なお,放課後や休日など時間割以外の活動や期間を限定する活動を行う場合は,安全管理も含めて計画的に実施することが大切である。 # 第 3 節 総合実習 この科目は,農業生物の育成と環境保全に関する実習について,農業の各分野の総合的な技術と各科目とを関連させて学習する共通的な科目である。今回の改訂では,農業科目の知識と技術の確実な定着を図る科目であることから,農業の各分野におけるプロジェクト学習などを補完しながら展開できるよう内容を見直した。 ## 第 1 目標 ### 1 目 標 農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,農業の各分野の改善を図る実践的な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1)農業を総合的に捉え体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術を身に 付けるようにする。 (2)農業に関する総合的な課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として合 理的かつ創造的に解決する力を養う。 (3)農業の総合的な経営や管理につながる知識や技術が身に付くよう自ら学び,農 業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。 この科目においては,農業の各分野に関する実践的・体験的な学習を通して,総合的な 知識と技術を体系的・系統的に習得できるようにして,経営や管理,及びその活用につい て理解を深め,企画力や管理能力,活用技術などを身に付けて,農業の各分野の改善に向 けて取り組むことができるようにすることをねらいとしている。 目標の(1)については,農業の各分野に関する総合的な知識と技術を体系的・系統的に 理解し,身に付けるようにすることを意味している。 目標の(2)については,農業の各分野における総合的な技術の習熟と,各科目における 知識の確認と検証を通して総合的な技術に関する課題を発見し,環境への配慮や法令遵守 などの職業人に求められる倫理観をもって,農業各分野の専門的な内容について,科学的 な根拠などに基づいて創造的に解決する力を養うことを意味している。 目標の(3)については,農業の各分野における自らの職業生活について考えながら,農 業の総合的な知識や技術,経営や管理について企画力や管理能力,活用技術などを学ぶ中 で,農業の各分野への展開と活用を目指し,主体的かつ協働的に取り組む態度を養うこと を意味している。 ### 第 2 内容とその取扱い #### 1 内容の構成及び取扱い この科目は,目標に示す資質・能力を身に付けることができるよう,(1)栽培と飼育,環境等に関する基礎的な実習,(2)農業の各分野に関する総合的な実習,(3)農業の産業 現場等における総合的な実習,(4)学校農業クラブ活動の四つの指導項目で,6~8単 位程度履修されることを想定し,内容を構成している。また,内容を取り扱う際の配慮 事項は次のように示されている。 (内容を取り扱う際の配慮事項) ア 農業科に属する各科目の学習と関連付け,総合的な知識と技術の習得につながるよう留意して指導すること。なお,実験・実習中の安全を確保するとともに,学習のねらいを明確にするなど課題解決へつながるようにすること。 この科目の指導に当たっては,地域農業の実態,学科の目標や特色及び履修科目などに応じた学習内容を選定し,農業科の各分野の科目と関連付けて,課題解決に向けた指導計画を作成することが必要である。 また,指導に当たっては,施設・設備の安全管理に配慮し,関連する法規などを遵守するとともに,学習環境を整え,機械,薬剤などによる事故防止の指導を徹底して,安全面と衛生面に十分留意することが大切である。 イ 〔指導項目〕の(3)については,経営や管理の改善を図る実践的な能力と態度を育 むようにするとともに,先進的な地域や外部機関等との連携に配慮すること。 〔指導項目〕の(3)については,実際の経営や産業に関連した体系的,総合的な実習を 通して,生産や経営管理の手法とその活用などの知識や技術を体得できるようにするこ とが必要である。そのためには,先進地や外部機関との連携を密にするとともに,宿泊 を伴う実習や産業現場での実習を行う場合は,特に綿密な指導計画を関係者と連携して 作成することが大切である。 また,農業の各分野における総合的な実習を通して,各分野の作業内容に応じた実践的,体系的,総合的な知識と技術を習得して,経営管理における技術の体系と役割,技術の相互関係を理解できるようにするとともに,企画力,管理能力,コミュニケーション能力,活用能力など,実践的な能力と態度の育成を図ることが大切である。 なお,内容の(3)については,地域の実態や学科の特色に応じて扱わないことができる ウ 〔指導項目〕の(4)については,農業の各分野の学習を基に,学校農業クラブ活動 における自主的な研究活動を通して,技術及び経営と管理を体験的に理解させ,実 践的な能力と態度を育むよう工夫して指導すること。なお,地域の実態や学科の特 色等に応じて,適切な題材を選定すること。 〔指導項目〕の(4)については,専門分会活動や技術競技など,生徒の自主的な研究活 動において,農業の各分野で習得した技術の活用などを通して体系化,総合化された知 識と技術を習得し,農業各分野の改善を図るために必要な企画力,管理能力,コミュニ ケーション能力,活用能力など,実践的な能力と態度を育成することが必要である。 そのためには,プロジェクト活動や技術競技などの活動で,反復練習や試行錯誤を通して,技術の習熟と向上を図り,農業各分野の改善に関するプロジェクトなどに主体的に取り組み,経営や管理,その活用を体験的に理解できるようにすることが大切である。 #### 2 内容 #### 2 内 容 1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 #### 〔指導項目〕 (1)栽培と飼育,環境等に関する基礎的な実習 #### (1)栽培と飼育,環境等に関する基礎的な実習 ここでは,「農業と環境」をはじめ,関連科目における基礎的な実習を実践的・体験 的に実施して,習得した知識の確認や検証,技術の習熟を図ることができるようにする ことをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 1 栽培と飼育,環境等に関する基礎的な知識を理解するとともに,総合的な技術を身に付けること。 2 栽培と飼育,環境等の基礎的な知識と技術に関する課題を発見し,科学的な根拠に基づいて創造的に解決すること。 3 栽培と飼育,環境等に関する基礎的な知識と技術について自ら学び,主体的かつ協働的に取り組むこと。 栽培・飼育・加工利用分野における基礎的な知識と技術については,農業生物として,作物,野菜,果樹,草花,畜産などの各生産分野を取り上げるとともに,栽培・飼育のしくみと育成環境や,栽培・飼育管理の実際,収穫物の加工と利用,出荷,食品製造などに関する基礎的な知識と技術や環境要素の調査などの方法とその実際について取り上げて指導する。 環境分野における基礎的な知識と技術について,森林・林業では,学校林や地域の樹 木調査,森林の管理,苗木や林産物の栽培,木炭づくりとその活用など,農業土木では, 測量や農業土木施設などの調査,河川と溜ため池の植生や水質調査,生き物調査など,造園 では,苗木など造園材料の栽培,庭園や公園などの植生調査,樹木の剪定,庭園づくり と管理などに関する基礎的な知識と技術や環境調査などの方法とその実際について取り 上げて指導する。 #### 〔指導項目〕 (2)農業の各分野に関する総合的な実習 ア 農業の総合的な知識と技術 イ 経営と管理の手法 (内容の範囲や程度) ア 〔指導項目〕の(2)については,農業の各分野の技術,経営と管理手法及びその活用について,基礎的な内容を総合的に扱うこと。その際,農業生産工程管理についても実践的に扱うこと。 #### (2)農業の各分野に関する総合的な実習 ここでは,農業の各分野における専門的な知識と技術や施設管理,情報管理,経営管理の手法とその活用に関する技術を身に付けることができるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 1 農業の各分野に関する総合的な知識と技術や,経営と管理の手法について理解するとともに,総合的な技術を身に付けること。 2 農業の各分野に関する総合的な知識と技術や,経営と管理の手法に関する課題を発見し,科学的な根拠に基づいて創造的に解決すること。 3 農業の各分野に関する総合的な知識と技術や,経営と管理の手法について,主体的かつ協働的に取り組むこと。 #### ア 農業の総合的な知識と技術 ここでは,専門技術の総合化を図る実習として,農業生産や農業経営の分野,食品製造や食品流通の分野,国土保全や環境保全の分野,資源活用や地域振興の分野など,農業の各分野における総合的な実習,及び各分野におけるプロジェクトなどについて取り上げて指導する。 #### イ 経営と管理の手法 ここでは,経営管理技術の総合化を図る実習として,生産計画の企画,立案,生産 の調整,マーケティングや商品化などに関する実習を取り上げて指導する。その際, 経営と管理について,マーケティングや農業生産工程管理(GAP),食品製造では危 害分析・重要管理点方式(HACCP)に基づいて管理し,実践的に取り組む中では生 徒自身が仮説を立て,試行して考察する学習活動を取り入れる。 #### 〔指導項目〕 (3)農業の産業現場等における総合的な実習 ア 農業の総合的な知識と技術 イ 経営と管理の手法 (内容の範囲や程度) イ 〔指導項目〕の(3)については,産業現場等において,農業の各分野の技術,経営 と管理手法及びその活用について,実践的な内容を総合的に扱うこと。 #### (3)農業の産業現場等における総合的な実習 ここでは,産業現場等での実習を通して,内容の(2)で習得した知識と技術を基に, 農業各分野の技術や経営管理の実際について理解し,実践的な生産技術や経営管理技術, 活用技術などの習得に加えて,地域との連携活動や交流活動などにおいて企画力,管理 能力,コミュニケーション能力,活用能力などが発揮できるようにすることをねらいと している。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 1 農業の産業現場等における総合的な知識と技術や,経営と管理の手法について理解するとともに,総合的な技術を身に付けること。 2 農業の産業現場等における総合的な知識と技術や,経営と管理の手法に関する課題を発見し,科学的な根拠に基づいて創造的に解決すること。 3 農業の産業現場等における総合的な知識と技術や,経営と管理の手法について,主体的かつ協働的に取り組むこと。 #### ア 農業の総合的な知識と技術 ここでは,農業各分野の生産,加工,利用と作業の順序,組み合わせとその管理及び技術の実践的な役割,地域資源の活用技術,生産管理などの作業体系の改善などについて取り上げて指導する。その際,作業内容の記録,実務の調査,疑問点の相談や実習のまとめなどに取り組み,考察する学習活動を取り入れる。 #### イ 経営と管理の手法 ここでは,生産計画,商品企画や経理など経営や管理の実際,さらに施設管理,情報管理,労働管理やマーケティングなどの経営管理技術,経営管理の改善などについて取り上げて指導する。その際,経営内容の記録,経営の調査,改善事項などについて考察する学習活動を取り入れる。 #### 〔指導項目〕 (4)学校農業クラブ活動 #### (4)学校農業クラブ活動 ここでは,学校農業クラブの各活動において,農業の各分野における専門的な知識と技術について,自ら学び実践できるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 1 学校農業クラブの諸活動について理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 2 学校農業クラブの諸活動に関する課題を発見し,科学的な根拠に基づいて創造的に解決すること。 3 学校農業クラブの諸活動について自ら学び,主体的かつ協働的に取り組むこと。 ここでは,専門分会活動において,自主的な研究・研修活動やプロジェクト活動を取り上げ,自主的,主体的な活動を通して,活動過程のデータや結果の記録などを分析して考察し,検証する学習活動を取り入れる。 また,各種の発表や競技において,生徒が検証し,活動を改善,発展できるよう試行錯誤する学習活動も取り入れる。 なお,習得した知識と技術や,産業現場等での実習を通して培った知識と技術は,各種の資格取得をはじめ,地域との連携や社会貢献活動,各学校や大学との連携などに発展させ,学校農業クラブの諸活動を充実するよう取り組むことが大切である。 # 第 4 節 農業と情報 この科目は,農業に関する情報を適切かつ効果的に活用できるよう,農業の各科目の学習活動との横断を図る基礎的な科目である。今回の改訂では,進展する産業社会の情報化を見通し,農業の各分野における先進技術や革新技術を題材とした探究的な学習活動を通して,収集した情報と情報手段を適切に活用できるような学習内容の一層の充実を図り,科目名も従前の「農業情報処理」から「農業と情報」に変更した。また,他の農業科目で位置付けたプロジェクト学習と連携を密にし,関連した情報を整理・表現する手段として活用できるようにした。 #### 第 1 目標 #### 1 目 標 農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,農業に関する情報を主体的に活用するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1)農業に関する情報について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術 を身に付けるようにする。 (2)農業情報の活用に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者として 合理的かつ創造的に解決する力を養う。 (3)農業に関する情報について主体的に調査・分析・活用ができるよう自ら学び, 農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。 この科目においては,科学技術の進展,グローバル化に伴う高度情報通信社会の特質,情報通信ネットワークとデータとの相関関係や,これらを農業の各分野における情報の収集,整理,調査・分析し,活用するための資質と能力を養い,職業人として情報社会に主体的に参画する態度を育成することをねらいとしている。 目標の(1)については,学校での実習や産業現場での体験を通して,農業に関する情報 や情報手段を目的や条件に合わせて効果的に使いこなすことができる知識と技術を体系 的・系統的に理解し,身につけるようにすることを意味している。 目標の(2)については,情報化の進展と産業社会における情報の意義や役割についての 学習を通して,進展する情報社会の特徴や仕組みと農業への先進技術や革新技術の活用方 法などに関心を持つようにする。また,多様で大量の情報と情報技術が産業社会や人間に 与える影響などを踏まえるとともに,産業社会における情報の活用について,環境への配 慮や法令遵守などの職業人に求められる倫理観をもって,科学的な根拠などに基づいて創 造的に解決する力を養うことを意味している。 目標の(3)については,農業情報を活用した事例を基に,環境保全や農林業の持続的発 展に果たす意義や役割に関心をもちながら,その仕組みや効果について体系的・系統的に 理解できるようにすることが大切である。また,各種の情報の価値を適切に判断し,情報通信ネットワークを活用した情報の収集,情報手段を用いた調査・分析・統合・加工・発信ができる技術を習得するとともに,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養うことを意味している。 #### 第 2 内容とその取扱い #### 1 内容の構成及び取扱い この科目は,目標に示す資質・能力を身に付けることができるよう,(1)産業社会と 情報,(2)農業に関する情報手段,(3)農業に関する情報の分析と活用,(4)農業学習と 情報活用の四つの指導項目で,4~6単位程度履修されることを想定し,内容を構成し ている。また,内容を取り扱う際の配慮事項は次のように示されている。 (内容を取り扱う際の配慮事項) ア 産業社会における情報の意義を理解させ,農業の各分野における先進技術や革新技術を題材とした探究的な学習活動を通して,創造的思考をもてるよう留意して指導すること。なお,生徒の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。 この科目の指導に当たっては,農業情報の持つ社会的な意義と役割や情報社会の仕組みなど,農業情報の活用場面の現状や今日的な課題などについて取り上げ,農業情報を効果的に活用することを体験し,農業情報の活用に対する意欲を醸成することが大切である。 また,学校農場等における実習や産業現場での体験を通して,農業分野への先進技術や革新技術の導入の状況について調査し,その具体的な活用場面や課題についても長期的な視点で考察することが大切である。 なお,進展する情報社会において情報通信ネットワークを利用する上での情報モラルやセキュリティ管理に関する学習については,情報社会で起こりうる様々な場面を想定した学習活動を行うことが大切である。 イ 〔指導項目〕の(1)については,農業分野を中心に産業社会における情報の活用の 具体的な事例を取り上げ,情報の意義を理解させ,農業の各分野における情報の役 割や情報を適切に扱うことへの責任などについて関心をもたせるよう工夫して指導 すること。 〔指導項目〕の(1)については,産業社会における情報化への課題や,農業分野におけ る効果的な情報活用について,事例をもとに考察する学習活動を取り入れることが大切 である。 ウ 〔指導項目〕の(2)及び(3)については,実習や産業現場の見学などを通して,農 業の各分野において,情報と情報手段を適切かつ効果的に活用する能力を育むよう にすること。また,農業技術の先進的な事例を基に農業経営の発展に向けた探究的 な学習活動を取り入れるなど,農業科に属する他の科目との関連を図るようにする こと。 〔指導項目〕の(2)及び(3)については,プロジェクト学習の基礎を学習する「農業と 環境」をはじめとして,より発展的なプロジェクト学習へと移行する農業に属する他の 科目において,「農業と情報」で習得した知識,技術などが応用できるよう,科目を横 断する学習活動を実施することが重要である。 また,情報通信技術(ICT)や人工知能(AI)などの先端技術を活用し,省力化や精 密化,大規模生産や品質の向上などを進めた次世代農業について,先進農業経営者や農 業関係機関での視察や研修などを実施するとともに,農業科に属する他の科目と横断的 に学習活動を進めることも大切である。 エ 〔指導項目〕の(2)のア及び(3)のイについては,農業生産及び経営管理などへの 効率的な利用を見通して,基礎的なプログラミングなどを含むソフトウェアの活用 について理解できるよう工夫して指導すること。 〔指導項目〕の(2)のア及び(3)のイについては,農業生産及び経営管理において,作 業の効率化や省力化に向けて,情報機器,ソフトウェアなどの活用方法を創造する学習 活動を取り入れることが大切である。 #### 2 内容 #### 2 内 容 1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 #### 〔指導項目〕 (1)産業社会と情報 ア 産業社会における情報の意義 イ 農業における情報の役割と課題 ウ 情報モラルとセキュリティ管理 #### (1)産業社会と情報 ここでは,産業社会における情報の意義や課題について情報活用の具体的事例を通して,農業の各分野において適切に情報を扱うことができるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 1 産業社会における情報の意義について理解すること。 2 農業分野における情報の役割と活用に関する課題を発見し,科学的な根拠などに基づいて創造的に解決すること。 3 社会の中で,適切に情報を扱うためのルールや技術の習得に向けて主体的かつ協働的に取り組むこと。 #### ア 産業社会における情報の意義 ここでは,情報化の進展に伴う産業や生活の変化など,情報社会と人との関わりについて理解するとともに,学校農場等における実習や産業現場での体験を通して,農業情報を活用することへの目的や意義について取り上げる。 イ 農業における情報の役割と課題 ここでは,農業における農業情報の効果的な活用方法について,実際の事例を取り上げるとともに,農業情報の活用過程における課題の発見やその解決に向けた学習活動を取り入れる。 ウ 情報モラルとセキュリティ管理 ここでは,個人のプライバシーや著作権などの知的財産の保護,収集した情報の管理,情報発信に対する責任,情報に関する法や制度,情報セキュリティの重要性,情報モラルについて取り上げる。 #### 〔指導項目〕 (2)農業に関する情報手段 ア ハードウェアとソフトウェア イ 農業の各分野における情報の役割 ウ 情報メディアとデータ (内容の範囲や程度) ア 〔指導項目〕の(2)については,農業の各分野で導入されている情報機器の種類や 利用方法,農業情報の活用場面に適したソフトウェアや情報メディアについて扱う こと。 #### (2)農業に関する情報手段 ここでは,農業の各分野において利用されている情報機器等の役割やソフトウェアや情報メディアの多様な活用場面について理解し,これらを主体的かつ合理的に活用できるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 1 ハードウェアに関する基礎的な知識や様々な農業情報の活用場面に適したソフト ウェアの選択や,その操作方法について理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 2 農業の各分野において活用される多様な情報の役割について課題を発見し,科学的な根拠に基づいて創造的に解決すること。 3 情報メディアの特性や種類や活用について自ら学び,主体的かつ協働的に取り組むこと。 #### ア ハードウェアとソフトウェア ここでは,ハードウェア及びソフトウェアの原理,機能,役割,構成,種類について学習し,ハードウェアやソフトウェアの評価や選択について取り上げる。また,実習を通してオペレーティングシステムの役割と働き,ハードウェアとソフトウェアの相互関係を理解し,文書処理,表計算,画像処理,プレゼンテーションなどのアプリケーションソフトウェアを目的に応じて活用する学習活動を取り入れる。 イ 農業の各分野における情報の役割 ここでは,農業,林業,環境における情報技術の進展と地域社会における情報通信ネットワークの概要について学習し,情報と情報技術について興味と関心を持つとともに,情報の収集,整理,分析及び活用方法などの基礎的な学習活動を取り入れる。 ウ 情報メディアとデータ ここでは,情報メディアの特性を踏まえる中で,情報機器や情報通信ネットワークなどをコミュニケーションツールとして主体的に使いこなす能力を身に付けるとともに,これらに用いるデータを適切に蓄積,管理し,効果的に表現する学習活動を取り入れる #### 〔指導項目〕 (3)農業に関する情報の分析と活用 ア 情報通信ネットワーク イ 生産,加工,流通,経営のシステム化 ウ 農業情報の分析と活用 (内容の範囲や程度) イ 〔指導項目〕の(3)については,情報通信ネットワークを介して流通するデータの 種類,情報通信ネットワークや情報システムがサービスを提供する仕組みと特徴に ついて実際の事例を取り上げること。情報システムによる問題解決の方法について は,モデル化,シミュレーションなど基礎的な内容を扱うこと。 #### (3)農業に関する情報の分析と活用 ここでは,情報ネットワークを介して収集した農業に関する情報を,整理,分析,発信する方法及びその特性を理解し,目的に合わせて情報技術を活用できるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 1 目的に応じた情報通信ネットワークの活用について理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 2 農業をシステム化するための考え方や,その過程における課題を発見し,科学的な根拠などに基づいて創造的に解決すること。 3 情報通信ネットワークを介した情報の収集,整理,分析などに主体的かつ協働的に取り組むこと。 #### ア 情報通信ネットワーク ここでは,情報通信ネットワークの種類や仕組み,性能や特徴について取り上げ,情報端末により情報通信ネットワークを効果的に活用して情報を適切に収集,整理発信する学習活動を取り入れる。 #### イ 生産,加工,流通,経営のシステム化 ここでは,農業に関連する生産,加工,流通,経営のシステムの事例を通して,シ ステムの目的,仕組み,特徴,効果,安全管理などについて取り上げ,システム化す るための考え方や方法,活用するための学習活動を取り入れる。 事例としては,地域の実態や学科に応じて,生産履歴管理システム,栽培環境制御 システム,自動搾乳システム,地理情報システム,食品製造システム,食品トレーサ ビリティシステム,経営診断システムなどが考えられる。また,農業への先進技術や 革新技術の導入状況ついて産業現場の見学を通した学習活動を取り入れる。 #### ウ 農業情報の分析と活用 ここでは,情報通信ネットワークやコンピュータを活用するなどにより,収集した一次情報(アンケートやインタビュー調査など自ら収集する情報)や,二次情報(行政など一般に公開された情報)を,整理・評価,分析するための知識と技術を習得し,農業の技術や経営などに情報を効果的に活用する学習活動を取り入れる。 農業情報として取り上げる内容の例として,農業生産や農業経営の分野では,農 政・経済,農業経営,市況,生産履歴,牛群検定,病害虫,気象などに関する情報が ある。 国土保全や環境創造の分野では,森林資源,森林経営,地理空間,農業農村整備技術,環境,景観などに関する情報がある。 食品製造や食品流通の分野では,食品製造工程,食品成分・栄養,食品微生物特性,食品衛生,食品物流,食品トレーサビリティなどに関する情報がある。 資源活用や地域振興の分野では,交流や地域活性化活動におけるアンケート,都市部や地方の人口や年齢構成,各県の消費動向調査,観光などに関する情報がある。 #### 〔指導項目〕 (4)農業学習と情報活用 (内容の範囲や程度) ウ 〔指導項目〕の(4)については,農業情報を活用したプロジェクト学習などを扱うこと。 #### (4)農業学習と情報活用 ここでは,「農業と情報」が「課題研究」や他の農業に属する他の科目と横断的に, 発展的かつ創造的な学習につながるよう,各科目の内容との連携を図るとともに,学習 の成果を記録・整理・発信できるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 1 農業情報を農業に属する各科目のプロジェクト学習に向けて,合理的な活用について理解するとともに,関連する技術を身に付けるようにすること。 2 農業情報を活用し,栽培や経営,環境に関する課題を発見し,科学的な根拠などに基づいて課題を創造的に解決すること。 3 経営の発展や環境の創造に向けて,農業情報を効果的かつ合理的に活用するとともに,主体的かつ協働的に取り組むこと。 課題の発見・テーマ設定段階における情報の収集と整理・共有,計画段階での企画や工程管理,農業情報の送受信,解決策作成段階におけるデータ分析や表・グラフの作成,モデル化やシミュレーション,結果発表段階におけるプレゼンテーションとその伝達方法など,学習を進める各段階において情報通信技術を合理的に活用する学習活動を取り入れる。また,生徒の主体的・体験的活動を重視し,生徒によるグループ討議や相互評価などの学習活動を取り入れ,これらを通して,創造的思考力や科学的判断力,コミュニケーション能力と主体的かつ協働的に取り組む態度を養うことが大切である。 # 第5節 作物 この科目は,作物の生産と経営について学習する科目であり,「農業生産や農業経営に 関する分野」に属する科目である。今回の改訂では,これからの作物の生産と経営には, 安全・安心な食料の持続的な生産と供給への対応や農業経営のグローバル化,法人化,六 次産業化,企業参入などに対応した経営感覚の醸成が重要であることから学習内容の充実 を図った。また,課題意識をもって学習に臨むことが重要であることから,プロジェクト 学習の意義や実践について明確に位置付けた。 #### 第 1 目標 #### 1 目 標 農業の見方・考え方を働かせ,実践的・体験的な学習活動を行うことなどを通して,作物の生産と経営に必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1)作物の生産と経営について体系的・系統的に理解するとともに,関連する技術 を身に付けるようにする。 (2)作物の生産と経営に関する課題を発見し,農業や農業関連産業に携わる者とし て合理的かつ創造的に解決する力を養う。 (3)作物の生産と経営について生産性や品質の向上が経営発展へつながるよう自ら 学び,農業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養う。 この科目においては,作物生産を農業経営の視点で捉え,生産性及び品質の向上や経営の発展と関連付けて考察するとともに,作物生産や経営に関するプロジェクト学習などの実践的・体験的な課題解決学習を通して,作物生産と経営に必要な資質・能力の育成することをねらいとしている。 目標の(1)については,作物の生産と経営に関するプロジェクト学習を通して,作物の 生理・生態や生育環境などの作物生産に必要な知識と技術,作物生産の計画,管理,評価 などの作物経営に関する知識と技術を体系的・系統的に理解し,身に付けるようにするこ とを意味している。 目標の(2)については,作物の生産と経営に関して,生産技術や生産工程,経費や流 通・販売方法などの生産や経営に関する課題を発見し,地域の作物経営の実践事例や作物 生産が果たす社会的な意義と役割などを踏まえるとともに,環境への配慮や法令遵守など, 職業人に求められる倫理観をもって,科学的な根拠などに基づいて創造的に解決する力を 養うことを意味している。 目標の(3)については,作物の生産と経営の学習を通して,作物生産が人々の健康と生 命の維持に直結し,暮らしを守ることや,人々の暮らしを豊かにする素材を提供するとい う社会的な役割を担っていることを理解し,品質と生産性の向上を図るとともに,安全で 安心できる作物の生産と経営を目指し,その振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組 む態度を養うことを意味している。 #### 第 2 内容とその取扱い #### 1 内容の構成及び取扱い この科目は,目標に示す資質・能力を身に付けることができるよう,(1「)作物」とプ ロジェクト学習,(2)作物生産の役割と動向,(3)作物の特性と栽培技術,(4)作物の栽 培と管理・評価,(5)作物の生産と経営,(6)作物生産と経営の実践の六つの指導項目で, 4~8単位程度履修されることを想定し,内容を構成している。また,内容を取り扱う 際の配慮事項は次のように示されている。 (内容を取り扱う際の配慮事項) ア 作物の生産から消費,経営までの仕組みと作物の利用形態を理解できるよう留意して指導すること。また,プロジェクト学習では観察や実験・実習を通して,科学的かつ創造的に学習を進め,作物生産に関する実践力が身に付くようにすること。 なお,地域農業の実態や学科の特色等に応じて,適切な題材を選定すること。 この科目の指導に当たっては,作物生産が果たす社会的な意義と役割や生産技術の仕組みなど,生産と経営の現状や今日的な課題などについて取り上げ,学習意欲を醸成することが大切である。 また,作物生産と経営に関するプロジェクト学習を取り入れ,体験的,継続的な生産 活動と観察,実験,調査,記録などの学習活動を通して,作物の生理・生態的な特性や 生産に適した環境及びそれらと生育の相互関係などの基本を理解するよう工夫すること も必要である。一方,生産技術の習熟を図る実践的な生産活動と,知識の深化を図る探 究的な学習活動などを通して,作物生産に応用できる体系的・系統的な知識と技術を身 に付けることも重要である。その際,農業生産工程管理(GAP)に基づく生産実習や, 経営感覚の醸成につながるよう販売実習などを取り入れることも大切である。 さらに,作物生産や経営において自らの職業生活について考えるよう,地域の農業経営者や農業法人などの協力を得ながら就業体験活動を行うなど,地域産業界との連携を図ることが大切である。 イ 〔指導項目〕の(1)については,科目学習の導入として扱うこと。また,(6)につ いては,(1)を踏まえ,(2)から(5)までと並行して,又はそれらを学習した後に扱 うこと。 〔指導項目〕の(1)については,課題意識をもって学習に臨むことが重要であることか ら,「農業と環境」で習得したプロジェクト学習の方法を踏まえ,作物生産に関するプ ロジェクト学習の意義と役割について明確に位置付け,科目学習の最初に扱い,プロ ジェクト学習を活用した学習展開がスムーズに行われることが大切である。 また,(6)については,(2)から(5)までの学習と並行して,あるいはその学習の後に, 実際に一連の作物の生産と経営に取り組む実践的・体験的な学習活動を通して,その地 域に適した作物の生産と経営に主体的,意欲的に取り組むことができるようにすること が大切である。 #### 2 内容 #### 2 内 容 1に示す資質・能力を身に付けることができるよう,次の〔指導項目〕を指導する。 #### 〔指導項目〕 (1)「作物」とプロジェクト学習 ア 作物生産と経営に関するプロジェクト学習の意義 イ プロジェクト学習の進め方 (内容の範囲や程度) ア 〔指導項目〕の(1)については,農業科に属する他の科目と関連付けながら科目全 体で科学的かつ創造的に学習を進めるように扱うこと。 #### (1)「作物」とプロジェクト学習 ここでは,「作物」とプロジェクト学習について,作物生産と経営を科学的に捉え, 自ら学び取り組むことができるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 1 作物生産と経営に関するプロジェクト学習の意義や進め方について理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 2 作物生産と経営に関する課題を発見し,プロジェクト学習により科学的な根拠に基づいて創造的に解決すること。 3 作物生産と経営について自ら学び,プロジェクト学習に必要な情報収集と分析に主体的かつ協働的に取り組むこと。 #### ア 作物生産と経営に関するプロジェクト学習の意義 ここでは,常に科学的な見方と,自ら課題意識をもち,その課題を解決するための実践力を身に付けることが重要であることから,作物生産と経営に関するプロジェクト学習の意義について理解できるよう指導する。 #### イ プロジェクト学習の進め方 ここでは,「農業と環境」で習得したプロジェクト学習の方法を踏まえ,課題設定, 計画立案,実施,まとめ(反省と評価)の一連の流れをもとに,作物生産と経営に関 する諸課題を主体的に解決するための具体的な実践事例を取り上げて指導する。 課題設定に当たっては,例えば,統一テーマを「安定した品質の作物生産と効果的な販売方法」として示し,グループや個人で具体的な小テーマを設定する方法が考えられる。なお,課題設定では,安定した品質の作物生産などのあるべき姿と,それに対する現状の認識から問題点を抽出・整理し,達成する目標を明確にすることが大切である。 また,設定した課題の解決に向けては,仮説を設定した上で計画を立案し,その計 画に沿って,作物の農業生産工程管理(GAP)に基づいた調査,観察,実験,記録などを継続的に実施し,その結果を分析,考察,評価してまとめるなど,主体的な学習活動を展開する必要がある。なお,学習成果を共有し,取組を評価して次につなげ るなど学習を確かなものにするために発表の機会を設けることが大切である。 #### 〔指導項目〕 2)作物生産の役割と動向 ア 作物生産の役割 イ 生活と作物の利用 ウ 作物の流通と需給の動向 (内容の範囲や程度) イ 〔指導項目〕の(2)については,作物の生産及び需給の動向について基礎的な内容 を扱うこと。 #### (2)作物生産の役割と動向 ここでは,作物生産の役割と動向について,生産上の特性や生活での利用及び流通と需給の動向との関連から捉えることができるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 1 作物生産の役割と動向について理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 2 作物生産の役割と動向に関する課題を発見し,科学的な根拠に基づいて創造的に解 決すること。 3 作物生産の役割と動向について自ら学び,主体的かつ協働的に取り組むこと。 #### ア 作物生産の役割 ここでは,我が国で生産している作物の種類や生産形態と作物の生産上の特性や利用上の特性について取り上げて指導し,作物生産が担う社会的な役割,最近の作物生産を取り巻く諸問題や今後の可能性について考察する学習活動を取り入れる。 #### イ 生活と作物の利用 ここでは,生徒の食生活や地域の作物生産の実態などの具体的な事例を通して,作物の生産,流通,利用及び作物生産と地域環境との関係,作物が人々の健康と生命の維持に直結していることや食・衣・住の材料と伝統文化に必要な農産物を供給していることについて考察する学習内容を取り上げて指導する。また,農地の持つ機能,フードマイレージについて考察する学習活動も取り入れる。 #### ウ 作物の流通と需給の動向 ここでは,我が国の食生活の動向と作物の需要と供給について学習し,作物の需要動向と供給動向の両面から,我が国の作物生産の役割と特質について取り上げ,作物生産の可能性と栽培的,経営的な課題について考察する学習活動を取り入れる。 なお,グローバル化する社会と農業の関係性,特に高度な農業技術による生産性の向上と農産物の輸出入についても学習することが重要である。 #### 〔指導項目〕 (3)作物の特性と栽培技術 ア 作物の種類と特徴 イ 作物の生育と生理 ウ 栽培環境と生育の調節 エ 品種改良と繁殖 (内容の範囲や程度) ウ 〔指導項目〕の(3)については,生育過程,生理作用,栽培環境と生育の調節や環 境に配慮した作物栽培の技術について基礎的な仕組みを扱うこと。 #### (3)作物の特性と栽培技術 ここでは,作物の特性と栽培技術について,作物の種類や特徴,生育と生理や栽培環 境との関連性などを理解した上で,作物の栽培ができるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 1 作物生産の特性と栽培技術について理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 2 作物生産の特性と栽培技術に関する課題を発見し,科学的な根拠に基づいて創造的に解決すること。 3 作物生産の特性と栽培技術について自ら学び,主体的かつ協働的に取り組むこと。 #### ア 作物の種類と特徴 ここでは,栽培方法や利用する部位による分類,作物の種類と特徴などについて考察する学習活動を取り入れる。 #### イ 作物の生育と生理 ここでは,生育の特徴と規則性,生理作用の特徴など作物の生育と生理並びに成長と環境との関係について取り上げて指導する。実験・実習を通して,種子の構造,苗の生産と貯蔵,成長の生理について取り上げ,栄養成長や生殖成長と環境との関わりについて分析し,考察する学習活動を取り入れる。 #### ウ 栽培環境と生育の調節 ここでは,各生育段階の環境要素と生育との関わり,栽培環境が作物の成長に影響を与えることについて取り上げて指導する。水,温度,酸素,土壌,光,栄養などの環境要素が作物の生育に影響することについて考察する学習活動を取り入れる。 #### エ 品種改良と繁殖 ここでは,作物の品種改良の目的と原理,及び品種,系統等について取り上げ,育種,品種登録,銘柄及び遺伝子組換えの仕組みについて考察する学習活動を取り入れる。 #### 〔指導項目〕 (4)作物の栽培と管理・評価 ア 品種の特性と選び方 イ 作型と栽培計画 ウ 栽培管理 エ 商品化と生産物の管理・評価 オ 機械・施設の利用 (内容の範囲や程度) エ 〔指導項目〕の(4)については,品種の選定,栽培計画の立案,生育段階に応じた 栽培管理,商品化と生産物の管理・評価などについて体系的に扱うこと。 #### (4)作物の栽培と管理・評価 ここでは,作物の栽培と管理・評価について,品種の特性や栽培計画,商品化などと の関連から捉える学習活動により,農業生産工程管理(GAP)などに基づく作物の生 産と管理,その評価ができるようにすることをねらいとしている。  このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 1 作物の栽培と管理・評価について理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 2 作物の栽培と管理・評価に関する課題を発見し,科学的な根拠に基づいて創造的に解決すること。 3 作物の栽培と管理・評価について自ら学び,主体的かつ協働的に取り組むこと。 #### ア 品種の特性と選び方 ここでは,代表的な品種や地域で栽培される品種の特性を取り上げ,地域環境への適性,食味,早晩性や市場性,地域ブランド力を高めるなどの品種の選定について考察する学習活動を取り入れる。 #### イ 作型と栽培計画 ここでは,作物の栽培計画とそれに必要な条件について取り上げる。実際に栽培する作物に関して,土地や施設などの経営条件や地域農業の実態に応じた栽培計画を作成するために必要な生育過程や作業計画などに基づいて,経営形態ごとの条件について考察する学習活動を取り入れる。 また,地域の気象や土壌などの環境と特産物が生まれる条件との関わりや,作期を選定するための条件について考察する学習活動も取り入れる。 #### ウ 栽培管理 ここでは,各生育段階における特性と生育の診断,栽培管理の方法について取り上 げる。栽培する作物の特性や地域の状況に応じた種子の選別や育苗,栽培方法,病害 虫対策や水管理など,各生育段階における特性と栽培管理の目的や方法について考察 する学習活動を取り入れる。特に,栽培管理においては,生育状況と環境条件を観 察・記録して,その後の生育を予測しながら,作業の適期や方法を判断して適切に実施する学習活動を取り入れる。 #### エ 商品化と生産物の管理・評価 ここでは,作物の収穫と調製,出荷,その際の品質検査及び商品化について取り上げる。作物の収穫適期の判断,収穫,調製,貯蔵,包装,品質検査,出荷,流通に関する実習を通して,栽培技術や収穫の適期と方法が品質に及ぼす影響について考察する学習活動を取り入れ,品質の向上や消費者ニ一ズに配慮した付加価値を高める商品化等について取り上げる。 また,必要に応じて,種苗法による育成者権や商標法による商標権などの知的財産権についても取り上げる。 #### オ 機械・施設の利用 ここでは,作物栽培に必要な農業機械の利用,貯蔵・調製の施設・設備,保管や環 境調整のための設備について,その構造や操作技術を取り上げる。また,作物生産で 使用する最新機械や,施設・設備を効率的に利用する技術,情報通信技術(ICT)や 人工知能(AI)などの先端技術を活用し,省力化や精密化,大規模生産や品質の向 上などに取り組む次世代農業についても取り上げる。 なお,水稲を扱う場合には,水田圃場の高低,土壌の構造や保水力,土質,年間の圃場管理についても取り上げる。 #### 〔指導項目〕 (5)作物の生産と経営 ア 生産目標と経営計画 イ 生産工程の管理 ウ 流通と販売 エ 地域環境に配慮した作物生産 (内容の範囲や程度) オ 〔指導項目〕の(5)については,生産目標の設定と経営計画の立案,農業生産工程 管理,販売方法の工夫,生産費や流通手段などについて基礎的な内容を扱うこと。 #### (5)作物の生産と経営 ここでは,作物の生産と経営について,生産目標や工程管理,経営と流通等との関連から捉える学習活動により,将来の作物経営に生かすことができるようにすることをねらいとしている。 このねらいを実現するため,次の1から3までの事項を身に付けることができるよう,〔指導項目〕を指導する。 1 作物の生産と経営について理解するとともに,関連する技術を身に付けること。 2 作物の生産と経営に関する課題を発見し,科学的な根拠に基づいて創造的に解決す ること。 3 作物の生産と経営について自ら学び,主体的かつ協働的に取り組むこと。 #### ア 生産目標と経営計画

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