# 自分達より若い世代が受ける情報教育について
> 本記事は[法政大学理工学部 Advent Calendar 2023](https://adventar.org/calendars/8853) 5日目の記事です
お疲れ様です。が最も定番の挨拶である世の中どうかしてると思います。もっと「こんにちは」とか「やっほー」とか使った方がいい。
といった風に、頭良さそうな事つぶいてリツイートされてみたい人間、B4のgalaxyです(○・ω・)ノ
音楽好きなことはいずれ別記事にするとして、みなさんは某教授の
> ほんの数年前までは全部書かなければいけなかったコードが、今はライブラリをimportして1行で書ける
的なお話しを聞いたことはありますか?
このお話が示すように、情報分野は発展が著しいです。弊研の教授が担当するB実験もラジオ制作から機械学習に変わりました。
学校の授業内容は時代に応じて変化していきます。では、高校の情報はどうなのでしょうか?
もちろん変わっています。というか全然違います。そもそも講義型の授業形式がよくないとか言われる時代ですからね。机の配置を変えろ、ICT機器を使え、生徒が主体的に学ぶように、なんてことを言われながら教員は頑張っているみたいです。
本記事では、情報系大学生、かつ数学の教職課程を履修している私が、**今現在、高校現場で行われている情報教育について**記していきます。
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:warning: 個人の見解が含まれています。「ああ、そんな考えもあるのね」程度に受け止めてください(客観的に聞くことを意識すると、怪しい陰謀論とかの動画も楽しく観れます😄)
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## 1. 基礎知識
実は文部科学省が授業内容や評価方法を定める学習指導要領は、約10年おきに改訂されます。メディアが勝手に呼び始める”ゆとり世代”や”Z世代”に当てはまる年代が約10年なのは、この学習指導要領の改訂に起因していると考えられます。
**2020年に小学校、2021年に中学校、2022年に高校の学習指導要領が改定され、新課程が始まりました!**
小学校では、英語教育が小学5年生からと正式に定められました。(先に始めている小学校が多かったようです)
現在の高校2年生以下からは、高校数学が「数学 Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲ・C」になっています。(これまで省略されることが多かった数学Bの統計が必修となり、数学Cが復活し、ベクトルと複素数はそこで学びます)

(昔の数学Cは行列がありましたが、現在の数学Cに行列は含まれていません。これを知らない大学の先生が意外と多い...)
実は今回の学習指導要領の改訂で1番変わったのは、評価観点の変更なのですが、教員志望以外は知らなくていいことなので割愛します。
## 2. 情報教育の”今”
突然ですが、以下、私が教育実習で体験した出来事です。
>高校1年生の担任を任されていた私は、実習2日目に総合の授業時間を頂き、自己紹介を兼ねてchatGPTやStable Diffusionを体験させることにしました。<div><div/>galaxy :「今後、何らかの新しい技術を扱う機会が必ずあるはずです。そのときのために今のうちから新しい技術に触れておいてほしいんだ。これからは、情報とは切り離せない社会になるからね。えっと...Society何だっけ?」
生徒たち:「5.0!」
galaxy :「そうそう!よく知ってるね。情報の授業でやったの?」
生徒たち:「中学の技術で習いました!!」
ところで、**Society 5.0**という言葉をご存知ですか?
世の中のあらゆるものに情報システムが結びつき(Iot:Internet of Things)、全ての人とモノがつながることで、課題を解決するという[内閣府の科学技術政策](https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/)で用いられた言葉です。
**私はこの用語を教職の授業で学んだのですが、彼らはそれを中学生の頃から知っているのです!**
また、先に述べた学習指導要領の改訂により、高校で学ぶ「情報」の授業について、2022年から「情報Ⅰ・Ⅱ」となり、内容が大きく変わっています。
何と、来年度の大学入試から共通テストに「情報Ⅰ・Ⅱ」が加わり、**特に「情報Ⅰ」に関しては国公立大学を受験する場合は必須科目となります。**(必須だけど点数は計算しないとかいう大学がほとんどですが...)
では、「情報Ⅰ・Ⅱ」はどのようなことを学ぶのか。文部科学省は以下の通り記しています。
>「情報Ⅰ」では,プログラミング,モデル化とシミュレーション,ネットワーク(関連して情報セキュリティを扱う)とデータベースの基礎といった基本的な情報技術と情報を扱う方法とを扱うとともに,コンテンツの制作・発信の基礎となる情報デザインを扱い,更に,この科目の導入として,情報モラルを身に付けさせ情報社会と人間との関わりについても考えさせる。
「情報Ⅱ」では,情報システム,ビッグデータやより多様なコンテンツを扱うとともに,情報技術の発展の経緯と情報社会の進展との関わり,更に人工知能やネットワークに接続された機器等の技術と今日あるいは将来の社会との関わりについて考えさせる。
なお,プログラミングに関しては,中学校技術・家庭科技術分野においても充実を図っており,それらの学習内容との適切な接続が求められる。<div style="text-align: right;"/>(情報科の学習指導要領より)
「情報Ⅰ」はデータベースやセキュリティなど、情報を扱う上で必要な分野(ITパスポートとかに出てきそうなレベル)を学びながら、プログラミングもします。
(簡単なScratchだけ教えるところもあれば、PythonやJavaScriptをごりごりにやることもあるみたいです。)


<div style="text-align: right;">(日本文教出版「情報Ⅰ」より)</div>
↑教科書の例(情報Ⅰ)
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「情報Ⅱ」は今年から導入された科目なので、実態は分かりませんが、教科書にはk-近傍法とか主成分分析とかしっかり載っています。

<div style="text-align: right;">(日本文教出版「情報Ⅱ」より)</div>
↑教科書の例(情報Ⅱ)
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早くても2年後には、入学時点で統計やプログラミングの基礎を理解している理系大学生が増えていきます。
ちなみに2020年より小学校でプログラミング教育が始まっています。
(初等教育でのプログラミング教育導入について、インドは2005年から、イギリスも2014年から始めています。実は世界と比較すると日本のプログラミング教育の導入は遅いです!)
これが何を意味するか...
私たちが大学で学んだことが高校、何なら小学校で教わる時代を既に迎えているわけです。
今年話した高校生や大学生の中には、高校時代に天体望遠鏡の内部プログラムを書いたとか、マッチングアプリ作ったとか色々なすごい人たちがいます。
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**その”すごい”が近い将来、”普通”になるのでしょうね...**
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自分達がおじいちゃん・おばあちゃんになる頃には、大学で学んだ知識が「そんなの小学校で習ったよ!」とか言われるようになるのかもしれませんね。(ああ、こわいこわい😳 法律でも学んでおけばよかったかしら...)
## 3. さいごに
この記事で何を伝えたかったのかというと、子育ての際や年下と関わるとき、自分の受けてきた教育とは違う育ち方をしているということを意識すること。受ける教育の違いは獲得する常識観の違いに直結するため、相手の常識を真っ向から否定するのではなく、そういう育ち方をしているんだなと認めてあげる心の広さを持ってほしいということです。(こういうまとめのところで思想を押し付けてくる記事や動画には用心すること:eyes:)
記事執筆は初めてやりましたが、めっちゃぽくなった(≧∀≦)ウレシィ~
### 追伸
本当は自分の教育観や、リーダーシップについての話をしたかったのですが、その導入部分として書き始めた内容が膨らみ、記事になってしまいました笑
それについては、またいつか記事にします。(来年かな?)