# ダンガンロンパV3 考察の考察 前から興味はあったダンガンロンパ。Switch版が出るという話を聞いて、一足早くWindows版をプレイしました。 特にV3の内容が考察しがいがあるものだったので、まとめてみました。 以下、**ダンガンロンパ1・2・V3すべての重大なネタバレ**を含みます。 未プレイの方は申し訳ないですがブラウザバック! ~ ~ ~ ~ ~ ~ とりあえずネタバレを見て、面白そうならやってみようと思っていませんか? **見ない方が絶対に面白いです!** ブラウザバック! ~ ~ ~ ~ ~ ~ **…こうかいしませんね?** それではいきましょう! ## はじめに ダンガンロンパV3は多くの考察がネットにあり、語り尽くされています。 中でも[ファミコン琉拳](http://blog.livedoor.jp/jjj2017/archives/danganronpa.html)さんの考察は大変深く、よくまとまっていて、私の考察はかなりこの内容に拠っています。なので「考察の考察」です。 言ってしまえば焼き直しなのですが、一度自分の言葉でまとめてみたいと思って書き始めました。 ディープなファンには拙い内容かもしれませんがお付き合いください。 ## 賛否両論の結末 「嘘」がテーマと言われるV3。 ラストでは今までのことはすべてフィクションの設定で、どれが本当か嘘かもわからないという大胆な終わり方をします。  まさかこれも伏線だったとは。 この「すべてフィクション」を強調するため、ラスボスの白銀はダンガンロンパ1・2のキャラの姿に次々とコスプレし、希望ヶ峰学園も過去の事件も、キャラ自身すらも作られた存在だというメタ発言をしまくります。 さらに第四の壁を越え、プレーヤーに対しても悪趣味なコロシアイゲームを楽しんでいると煽ってきます。  お前が言うか! この辺りの演出に嫌悪感を抱いた人が多いようですね。 フィクションのキャラなのは当然だし、悪趣味なものをニコニコして見ている自覚もあるのですが、それでも私もちょっと抵抗感がありました。 ただ、それを乗り越えてキャラ自らが「ダンガンロンパを終わらせる!」と言ってくるのは清々しかったですね。これでシリーズ完結なら最高にロックな終わり方だと思います。 「ゲームを放棄する」ということで、実際に何も操作しないのをプレイヤーに要求するのも面白かったです。 ニコニコっぽい弾幕コメントはコテコテでしたが、「最原君の眼球舐めたい」だけは秀逸だったなぁ。  「チームダンガンロンパ」?いやいや「スパイク・チュンソフト」でしょう。~~日和るな会社の看板背負え~~ ## 世界の構造 「どれが本当か嘘かわからない」ということで、作中世界の構造さえもゲーム内で確定されることはありません。 以下、「実在」と言った場合は「ゲーム内に実体がある(作中作の中の存在ではない)」とします。 「プログラム世界」はゲーム内のどこかにあるコンピュータの中の世界(作中作)です。 ひとまず「チームダンガンロンパ」は実在するとして、主人公たちを取り巻く世界の構造を考えてみましょう。選択肢は、 ### 実在説 - 才囚学園は実在し、参加者も実在の肉体があり、記憶を書き換えられてコロシアイに参加している -  ### 新世界プログラム説 - 才囚学園はプログラム世界で、参加者は実在の肉体とリンクしたアバターで参加している - ダンガンロンパ2や、V3の4章の新世界プログラムと同じ - アバターが死亡すると実在の肉体も死亡する -  ### フィクション説 - 才囚学園はプログラム世界で、参加者も実在の肉体をモデルにしたプログラム(フィクションのキャラクター) - プログラム世界での出来事は実在の肉体に影響しない -  ここではフィクション説を選んでみます。理由としては、 - 参加者の存在が希薄であるほど、ラストの「フィクションでも現実は変えられる」「ダンガンロンパのキャラクター自身がダンガンロンパを否定する」展開がより輝くから - 実際に人が死ぬようなイベントが、平和そのものの外の世界に広く配信されるのはおかしい(警察が動くでしょう) - ダンガンロンパではだいたい16人中5人くらいしか生き残れないのに、死のリスクを負ってオーディションで自ら参加を望むのは疑問 ## フィクション説の疑問点 ### 白銀の発言との矛盾 6章の学級裁判で、白銀が「参加者の肉体は本物」と発言していて、これはフィクション説と矛盾します。 これに関しては、白銀が嘘をついていると仮定します。 参加者の命そのものが実在しないと気づかれてしまうと、コロシアイが盛り上がらないからです。  この「肉体は本物」という点には、裁判中に何度も言葉を変えつつ、(文字通り)キャラも変えつつ、さりげなく何度も触れてきます。 それだけきちんと刷り込んで騙したいということなのでしょう。     他にも白銀の発言をどこまで信用するかが問題ですが、多くは真実だと想像できます。 白銀は江ノ島盾子の模倣犯を自称しています。そして江ノ島盾子の戦略の基本は、「絶望的な真実を畳み掛けて相手の心を折る」ことだからです。嘘を交えることはしません。 そのため、嘘はこの一点だけと仮定します。 これまで王馬がさんざん嘘をついてきたので、その対比と考えてもいいです。 ### プロローグとの整合性 白銀は、みんなが積極的にコロシアイへの参加を望むオーディション映像を見せつけました。  白銀は実在の人物にコスプレできないため、コスプレでこの映像を捏造したわけではありません。 一方、プロローグでは何者かに誘拐された描写があります。自らオーディションに来たならもちろん誘拐する必要はありません。  オーディションの存在はあまりに唐突だし、エピローグで終一があれは嘘だと思うと言っていることもあり、これが嘘だと思っている人も多いようです。 ただ、これは一応説明ができます。 1回目のプロローグでモノクマーズは「最初の記憶」がまだだと言っていました。そして、思い出しライトで「最初の記憶」を付与したあと、2回目のプロローグでは誘拐の件を思い出せなくなっています。 思い出しライトには、記憶を植え付けるだけでなく上書きする機能もあります。 実は0回目のプロローグが存在し、そこでみんなはオーディションに合格したことを喜んだのです。  (背景が才囚学園の体育館ですね) そして思い出しライトを浴びてオーディションと合格発表の記憶を誘拐事件に上書きされ、1回目のプロローグに移行したのでしょう。 ちなみにオーディションでは百田のこんな発言があります。  死のリスクなしで大人気イベントの勝者の座を狙えて、(おそらく)賞金も手に入るならみんな喜んで参加するでしょう。 ### 白銀はなぜ参加者にコスプレできないのか 参加者が実際の肉体とリンクしていないなら、それはフィクションのキャラなのでコスプレできてもいい気もします。 これは現実とフィクションの境目はどこか、それも白銀がどちらと認識したか次第なので、基準が曖昧な気がします。 「究極のリアルフィクション」なので、実在の人物がリアルにモデリングされていて、見た目が二次元ではないからということにしましょうか。 ## 他の説も少し考えてみる 「実在説」を採ると、ちょっと面白い補強材料があるので触れますね。 思い出しライトは人格と記憶を植え付けますが、どうも身体能力には影響がないようです。 そして「超高校級の才能」のうち、身体能力が必要な才能は作中でほとんど発揮されていません。 赤松はピアノの腕を披露していないし(最原の練習に付き合った程度)、夢野はマジックの手技に自信がないし、星はテニスをしていないし、ハルマキに至っては暗殺どころかロボットに乗って正面突破します。 つまり、一般人を連れてきて脳だけいじったという説を補強できるのです。 例外は美兎の発明や斬美の料理がうまい程度でしょうか。ゴン太がマンホールを軽々と持ち上げるのは元々筋肉があるからで十分そうです。 ## 考察はもういい、とにかくあの演出は許せないという方は 1・2とV3は別世界として、V3の世界は1・2の内容を知っている(メタ設定)とします。そしてV3を黒歴史にすれば簡単です。  あくまで共通の世界にしたいなら、1・2は実在の事件を元にしたフィクションだとしてしまえばいいです。  そうすれば白銀がどれだけ愚弄しようと、コアとなった史実は汚されません。おそらく史実の主人公の名前は苗木誠ではなく、十神財閥も違う名前にはなってしまいますが。 ちなみにmoonファンの知人は「ドビュッシーの「月の光」にゲーム内ゲーム…これmoonだろ!オマージュならもっと丁寧にやれ!」と怒ってました。 ## おわりに ダンガンロンパ1・2のキャラを使った煽りでプレーヤーが怒っていること自体、フィクションが現実に影響を与えられることを証明しているのが何とも皮肉ですね。 しかし、ファンのキャラ愛をことごとく逆なでするキャラとセリフの選び方は絶妙で、逆に制作陣の熱意を感じます。決して勢いで雑に書いたような内容には見えません。 悪意と愛に満ちた、とてもダンガンロンパらしいラストに思えました。 上記はあくまで考察の一例です。プレーヤーの数だけ解釈があるゲームだと思いますので、ぜひとも「それは違うよ!」と論破してやってください。 コメントお待ちしております。 ## おまけ  タイトルメニューに早速「V3 = 53」のヒントがありますね。  最原くんの研究教室。V3以前のダンガンロンパの事件ファイルがちょうど52冊あります。  いやダンガンロンパはそういうゲームじゃねぇから。
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