この記事は UEC Advent Calendar 2023 20日目の記事です。
19日の記事はあずきバーさんの音楽サブスクサービスをより便利に使うための外部サービスn選でした。stats.fmのあずきバーさんのページに行ったらあずきバーさんが今日どの曲をどれくらい聴いたか、どの時間帯に聴いたかが表示されてて、人の携帯を覗き見してる気分になりました。
みなさん英語の勉強はしていますでしょうか。私も日々ホロライブEnglishの配信を聞き取れるようになるために、ホロライブEnglishの配信を見て勉強しています。
この記事ではホロライブEnglishを布教するべく
などについて解説していきます。
ホロライブはカバー株式会社が運営するVTuberのグループです。
ホロライブEnglishはホロライブの中でも主に英語を使って配信を行っているグループです。長いのでホロライブENと呼ばれることが多いです。
姉妹グループに日本語を使って配信をするホロライブJPや、主に英語もしくはインドネシア語を使って配信をするホロライブID、男性VTuberグループのホロスターズ(JP/EN)があります。
楽しい
配信は面白くて中毒性があります。
実際の話し言葉が学べる
ドラマや映画でも話し言葉は学べますが、やはり実際の話し言葉とは少し違うと思います。
基本無料
もちろん課金したい人はメンバーシップやスーパーチャットなどで課金できます。
英語字幕や翻訳字幕がついた切り抜き動画がたくさんある
YouTubeの英語の自動生成字幕は日本語の自動生成字幕と比べるとかなり精度は高いですが、それでも完璧ではありません。ホロライブはファンが多く、また切り抜きが許可されているため切り抜きチャンネルがたくさんあり、手動の字幕付きの動画が見れます。また英語の勉強になるかはわかりませんが、日本語の翻訳字幕をつけている切り抜きチャンネルもあります。
言語を勉強中の世界中のホロライブファンが互いにわからない所を質問し合うDiscordサーバーがある
ホロライブENで英語を学ぶ日本人がいるように、ホロライブJPで日本語を学ぶ海外ファンも多いです。辞書を引いても検索してもChatGPTに聞いてもわからない。そもそも何を言ってるのかわからないので辞書が引けない。そんなときに非常にありがたいです。
招待リンクはこちら: https://join.hololang.exchange/
英語についての質問のためのチャンネルは#en-questions
です。
残念な点も書いたほうが良い点の信憑性が上がるものです。
その配信者についての背景知識がないと何の話をしているのかわからない時がたまにある
ここが映画やTED Talksと違う所です。
例えばゲームで黒猫が登場したときに、配信者が「あ、snail(かたつむり)だ」と言ったとします。この配信者が家で飼っている黒猫の名前がsnailであることを知っていればゲームの猫を飼い猫の名前で呼んでいるということがわかりますが、何も知らない人からすると意味不明です。
このように、わからない表現が出てきたときにそれが英語の普通の表現なのか、ネットスラングなのか、その配信者だけが使っている用語なのかがわからなくて苦労することがあります。
でも大丈夫。こういうのも前述のDiscordサーバーで聞けば教えてもらえます。
手動の字幕は切り抜きに頼るしかない
配信にはYouTubeの自動生成字幕しかついていないため、手動の字幕が見たい場合には切り抜きに頼るしかなく、全編を手動字幕付きで見ることはできません。
また切り抜きチャンネルも、元々はYouTube動画に字幕をつける文化がない中で日本の切り抜き動画に影響されて字幕をつけてくれているという感じなので(要出典)、字幕が付いていたり付いていなかったりするチャンネルも多いです。一回に出る字幕の量が少ないせいで字幕が切り替わるのがフラッシュ暗算並みに早いチャンネルとかもあります。お気に入りの切り抜きチャンネルを見つけるのが良いと思います。
配信中はYouTubeの自動生成字幕すらない
自動生成字幕は生成されるのに数時間かかるようで、配信中や終わった直後は見ることができません。こういうときにはPC版Chromeで使えるライブキャプション機能が便利です。精度はYouTubeの字幕とほとんど変わりません。FireFoxで使えないのが残念です。
2023年12月現在ホロライブENには15人のメンバーがいます。
2020年9月にデビューした1期生がこちらの5人。
1期生ですが、1期生という呼び方はされず、Mythという名前で呼ばれています。
2021年7月~8月にデビューしたのがこちらの5人。
5人あわせてPromiseと呼ばれています。本当はもう一人いたのですが、卒業してしまいました。
2023年7月にデビューしたのがこちらの5人。
5人あわせてAdventと呼ばれています。
MythとPromiseの個別のメンバーに関しては、わかりやすい紹介動画を見つけたのでこれを観てください。ENメンバーの英語の難易度をランク付けするという趣旨の動画ですが、同時にメンバー紹介動画にもなっています。残念ながらAdventはこの動画の公開の後にデビューしたので含まれていません。
動画に含まれていないAdventのメンバーについては私が文章で紹介します。
Mythのカリオペ(Calliope)とPromiseのクロニー(Kronii)の名前について一つ注意点があります。この二人の公式のかな表記はそれぞれカリオペ、クロニーですが、英語の発音はどちらかというとカライオピ、クローニ(もしくはクローニー)に近いです。しかし日本語中ではカリオペ、クロニーと表記・発音するのが正しいようで、本人たちも日本語で自分の名前を言うときはカリオペ、クロニと発音しています。なのでこの記事でもカリオペ、クロニーと表記しています。
なおカリオペはCalliというあだ名で呼ばれることがほとんどで、他のメンバーからCalliopeという名前で呼ばれることはめったにありません。
これからホロライブENを見始める人のために、受験英語ではあまり登場しないけど配信では頻出の英語をいくつか紹介します。特に辞書で調べづらい多義語と熟語を集めました。
切り抜きの方が前後の流れが追いやすいし手動の字幕もついてるので、切り抜きがある場合は切り抜きのURLを貼っています。
日本語の「なんか」「あのー」「ええと」みたいなノリで使われます。
クロニーが日本に来たときの雑談配信で、日本のトイレについて話している場面:
and they have, like, different options, like, for, like, pulling the lever, like, I guess if it's, like … there's, like, a kanji for, like, big and small
ゲーム中のキャラに対するIRySの発言:
Louis looks like he's, like, still, like, I don't know, like, in his early, like, I don't know, 60?
ちなみに IRyS は 60s ではなく 60 と言っていますが、文法的には 60s が正しいです。最初は "in his early ~s" と言おうとしたものの、数字に自信がなかったので "60?" となったのではないか、とDiscordで海外ニキが教えてくれました。(スープさんありがとうございます。)
"I was like ~" で、「私は〜と言った」や「私は〜と思った」「私は〜みたいな感じだった」というような意味になります。
ファウナがグラとオフで合った時の話:
I was like "oh my gosh your socks are so cute" and then she was like "thanks!"
正直 your socks are の部分は速すぎて私には聞き取れませんw
飛行機内でイナに喋りかけてきた人がグラのファンだったことが飛行機から降りるときにわかった話:
I'm just like … "Surely they only watch Gura right? …"
クロニーが日本に来たときの雑談配信で、日本のトイレについて話している場面(さっきの所の直後):
there's like a kanji for like big and small, so I was like "Whoa! that is different".
0.25倍速くらいで聞いてみると "so z like" みたいにしか言ってないので音落ちすぎだろと思うかもしれませんが、"I was like" は本当によく使われるので色んな所で何度も聞いていると "so z like" が "so I was like" に聞こえるようになります。
have gotはhaveとほぼ同じ意味で使われます。haveとどう違うのかはまだあまり良くわかっていません。
サンクスギビングデー(アメリカの祝日)について話すネリッサ:
We've got Thanksgiving coming up
意味は "We have Thanksgiving coming up" と同じです。
人を探すファウナ:
He's got a ponytail for sure
意味は "He has a ponytail for sure" と同じです。ここでの He's は He is ではなく He has の短縮形です。
got も have と同じ意味で使われることがあります。have got の have が省略された形らしいです。
毛深い人に対するネリッサの意見
you got hair on your body?
意味は "you have hair on your body?" と同じです。
客を急かすファウナ
hurry up. I got people to serve.
"I have people to serve" と同じです。
have got や got が have と同じ意味で使われるように、have got to や got to も have to と同じ意味で使われます。特に got to は gotta という短縮形があり、よく使われます。
ホラーゲームをするクロニー:
I gotta, I gotta help Calli. I gotta help Calli.
母音に挟まれたtは早口だと日本語のラ行のような音に変わるため、gottaは「ガラ」のような発音になっています。
意味は "I have to help Calli" と同じです。
クイズをするPromise:
司会: Name something every good couch potato needs?
Kronii: Buzz?
Baelz: buzz buzz buzz buzz
IRyS: Ok!
司会: What's your answer?
IRyS: Couch Potato.
Baelz: Couch Potato.
IRyS: Chips?
Kronii: Chips!
Mumei: Yeah.
Kronii: Yeah chips yeah!
Mumei: Snack!
Fauna: That's gotta be it right?
IRyS: It's gotta be it. What else do you do? Why do they call them a couch potato if they don't eat chips?
長いので最後の2行だけ
Fauna: そのはずだよね?
IRyS: そのはずだよ。他に何があるの?ポテチ食べなかったらなんでカウチポテトって呼ばれてるのって話じゃん。
That's gotta be、It's gotta be の that's や it's は that has、it has の短縮形です。
さっきは got to でしたが、今度は get to です。get to にはいろいろな意味がありますが、後ろに動詞が来た場合には「〜できる」という意味になります(get to know などの例外はあります)。
誕生日を迎えたネリッサ:
Are you happy that we get to spend the next year of my life together?
get to は can よりも若干意味が狭くて、何か機会を得たり、許可をもらったり、運が良かったりしたおかげで〜できる、というような意味を持っています。
日本に旅行中のイナ:
That was my uh hatsumode. I finally got to eat some takoyaki and yakisoba from the stands that was very very delicious.
もうお気づきでしょうか。そう、get to の過去形は got to なので、さっきの have to の got to と同じになってしまうんです。でも got to の 95% くらいは have to の意味で使われていて、〜できるの意味で使われているときは文脈からそれが明らかな場合がほとんどなので、どっちの意味で使われているか分からないというようなことはあまりないと思います。
最後にホロライブENの中だけで使われているスラングを一つ紹介します。
idol meeting で、トイレという意味になります。
ファウナ:
Okay I'm going to go to an idol meeting first. I will leave you with Fauna Sweep and I will be right back.
IRyS:
I'm feeling an idol meeting coming guys. I'll be right back.
この用語を最初に使ったのはアメリアだそうです:
YouTubeで英語を勉強する際に誰もが直面する問題があります。おすすめに出てきた面白そうな日本語の動画をついつい見てしまう問題です。CSSでおすすめを消すなどの対処方法もありますが、私がやっているのは英語を見るためだけのアカウントを作るという方法です。英語の動画だけ見ていると、おすすめには英語の動画しか上がってこなくなります。すると面白そうな動画をついつい見てしまったとしてもそれは英語なので、英語の勉強になるというわけです。
間違って日本語の動画を見てしまった場合は、履歴から消してください。一度再生してしまっても、履歴から消せばおすすめには影響しないようです。参考: https://support.google.com/youtube/answer/6342839?hl=ja
ホロライブENを見ているとたまにホロライブJPの動画がおすすめに来ることがありますが、これはどうしようもないので諦めましょう。
またおすすめが英語に変わっても、広告は完全には英語にはなりません(若干はなりますが)。おそらくIPアドレスの位置情報などから広告を選んでいるためです。VPNを使うと広告も英語になります。
ホロライブENで英語を勉強するときに役に立つサイトがあるので紹介します。
このサイトでは YouTube の字幕に対して検索を行って、その言葉が使われている場面を一覧で出すことができます。
例えばファウナが snail(ファウナの飼い猫の名前)と言っている場面はこのように検索できます: https://filmot.com/search/snail/1?channelID=UCO_aKKYxn4tvrqPjcTzZ6EQ&sortField=uploaddate&sortOrder=desc&gridView=1&
熟語を検索するときはダブルクォート(""
)が必要です: https://filmot.com/search/"got to"/1?channelID=UCO_aKKYxn4tvrqPjcTzZ6EQ&sortField=uploaddate&sortOrder=desc&gridView=1&
この記事に貼った大量の動画も、このサイトで単語や熟語を検索して見つけてきました。
このサイトは本当に便利で、例えば次のような使い方ができます:
https://note.com/yammy603/m/me6b84935e4d4
同じシーンの字幕なし、英語字幕、日本語字幕を順番に流す切り抜きと共に、単語の解説をしているnoteの連載です。めっちゃ良いのになぜか動画の再生数が少ない。
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Discordで間違いの指摘やアドバイスなどをしてくださったTeepaさん、がーとさん、スープさん、オクタクルさん、ありがとうございました。