# <center>共ロボ2020<br>「宝縄輪ゲットうぇい」 <br> のうらがわ </center>
## 共ロボ2020におけるフロー
「ロボコンのルール」には「不正解」があります。
ですが、そもそも「ロボコンのルールの作り方」は、
「ロボコンのロボットの作り方」と同じくらい(もしくはそれ以上)の
多岐にわたる方法が考えられ、「正解」はありません。
そんな「正解」を追い求めるみなさまの参考になるかは分かりませんが、
**「共ロボ2020のルールができるまで」** の概要を示します。
しかし、ひとつの同じルールを作るにあたっても、
競技委員会のひとりひとりが様々なことを考えながらひとつのルールを作ったため、
「共ロボ2020競技委員会が今回取った方法」として紹介することは難しいです。
以下は、あくまでむらつば1人の目線で書いています。
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**1. まずは「裏テーマ」を決める**
不安定要素「ひも」
**2. それを使ってできる機能を出す**
基本的な特性:引っ張る,輪を作る
綱引き,なわとび,カウボーイ,レッカー,釣り,わなげ,竿に引っ掛ける,穴に入れる……
**3. 本家ロボコンや前回と被らないルールで競技にできそうなものを選ぶ**
カウボーイ!
**4. 実際に試してみつつ、競技テーマとして成立しそうな課題まで落とし込む**
ひもだけだったらやたら難易度が高い
ひもの先を丸ができるように結んでも制御があまりにも難しい
ひもに輪っかをつけて、アイテムを引っ張るくらいがちょうど良さそう?
**5. 勝敗形式を決める**
アイテムの得点によるレース形式
予選リーグと決勝トーナメントでルールの変化を付けたい
**6. ゲームバランスを考えつつ,フィールドをつくる**
飛距離を変える必要があるアイテムの配置で難易度調整
最短のアイテムはわりと近めの位置に
Vは判定しやすいように中央に台を設置
得点がいい感じになるようにフィールドにおくアイテムの個数や配置を設定
**7. このへんでテーマ名を考え始める**
**8. とりあえず一度ルールとして完成させてルールブックを書く**
試合にはつり革3個まで使用可
つり革のサイズ・重量制限
**9. ありがたいお言葉を依頼する**
はなもり!よろしく!
**10. 自問自答FAQを出して、ルールの穴を詰める**
地引き網は禁止
宝箱同士のアイテムの移動も禁止
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## 今回のテーマについて
### 教育的価値:ひも
共ロボのテーマとして、最近の高専ロボコンではどうやら
**不安定なモノを扱う** という大きな流れがあることからも、
何かしら不安定なモノを扱いたいという想いがありました。
その応用の広さから今回のテーマとして「ひも」を提案しました。
この意見がどこまで反映された結果かは分かりませんが、
今回はそれに輪を括り付けた **つり革** が採用されたルールとなりました。
## フィールドについて
ロボコンのフィールドのほとんどは、
* **点対称タイプ**
* **線対称タイプ**
の2つに分類できます(例外として **攻守交代非対称タイプ** などもありますが)。
本家「高専ロボコン」のフィールドは **線対称タイプ** が多い傾向にあります。
それは恐らく、会場に明確な方向が存在し、
その美しさから線対称が選ばれやすいのは非常に納得できます。
ですが、私むらつばがルールを担当したミドルロボコンや共同ロボコンでは、
できるだけ **点対称タイプ** のフィールドを選ぶようにしています。
それは **ロボットがある一定の複雑さを持ちながら、
様々な事情からロボットを小さく作らなければならない** という中で、
左右反転したフィールドどちらもに対応することは
難易度をいたずらに上げることに繋がると考えているからです。
今回の共ロボのフィールドも点対称になっています。
## タイトル「宝縄輪ゲットうぇい」について
新しく作ったガジェットでも、実験用のどうでも良いプログラムでも、
あとで振り返ってみれば一番時間をかけていたのはその名前だったりします。
本家が **「輪花繚乱」** のときのミドルロボコンは **「輪花斉放」** としていたように、
個人的には今回の共ロボも何かしらそれに引っ掛けたタイトルがいいなあと
なんとなく思っていました。
なので、今年の高専ロボコンのテーマ **「らん♪ RUN Laundry」** に対して
**「うおっ♪ 魚 Waterfront」** くらいが妥当だと考えていました。
そんな中Twitterを眺めていたら、
高輪ゲートウェイ駅が報道陣に公開されたニュースが目に入ってきました。
それを見て、なんとなく **「高輪投ゲットウェイ」** と[1号]さんに
LINEで呟いてから競技委員会の悪ノリが始まりました。
赤ゾーンと青ゾーンにイエローゾーンがあるという
訳のわからない状態を作ってしまったのは申し訳ないと思っています。
## めんどくさいルールと想定アイデアについて
ルールに抜け穴があったら、一気にその競技が面白くないものになってしまいます。
軽微なものであればFAQで修正すればなんとかなる話かもしれませんが、
ルールの根本に関わることだととても悲しいことになるので、
できる限りルール発表前に潰しておきます。
その結果生まれた細かいルールの意図を紹介します。
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### 「地引網」の禁止
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**Ⅳ-1 ④ 宝物の取得**
c) 輪の一部が宝物ゾーン(上空を含む)になければ、宝物ゾーンの宝物を動かすことはできない。
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つり革の縄の部分を使って **地引網** のように宝物を
根こそぎ持っていくのを禁止するルールです。
地引網を禁止するため、このルールに加えて縄の長さの制限を設けました。
それでも輪を宝物ゾーンに投げ込むだけ投げ込んで
縄の部分で地引網をするチームが現れるなら、
それはもう認めていいのではという意見に落ちつきました。
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**Ⅲ ② つり革**
複数本・種類のつり革を用意してもよいが、ロボットに複数本のつり革を同時に搭載することはできない。
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2つ以上のつり革を絡ませることで1つの大きな縄を作り
**地引網** するアイデアを制限するためのルールです。
最初はロボットが搭載するつり革の本数の制限はなかったのですが、
このタイプの地引網を禁止することがルール上非常に難しいため、
ロボットは一度に一本しか持てないルールになりました。
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### 輪の輪郭の制限
:::info
**Ⅲ ② b) 輪**
円柱の底面から見た時に外側の輪郭が常に凸図形であること。
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「輪」を**フックのような形状**にして、アイテムより遠くに投げて引っ張ったら
フックに勝手に引っかかるというアイデアを禁止するルールです。
このアイデアを認めるかどうかは意見が分かれましたが、
難易度があまりにも下がりすぎるのではないかという意見から
禁止する方向でルールが組まれることとなりました。
結果、輪の高さが最大100[mm]まで認められていることで、
高さ88[mm]の宝石に関しては同じようなアイデアも実現可能となっていました。
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### 宝箱間の宝物の移動の禁止
:::info
**Ⅳ-1 ⑦ <得点に関する注意点>**
試合中、どちらかの宝箱で得点として認められた宝物は、もう一方の宝箱に載せても得点として認められない。
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このルールの目的は、自動モードで手動宝箱に載せた宝物を
自動宝箱に移動させることで得点を得ることの禁止です。
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