これから、群馬高等専門学校 a-choon 必須アミノ酸カードについて発表させていただきます。 # 開発の背景 ### 導入 今日の現代社会、我々の生活には化学物質が必要不可欠です。 身近な例では メタンガスやプロパンガスなどの都市ガス 風邪をひいた時に飲む抗生物質などが挙げられます。 これからの時代、我々の生活には化学物質が必要不可欠で、ますます化学は めざましい進歩を遂げることが予想されます。 ### 問題提起 しかし、これから社会を担っていく子どもたちの 科学に対する興味分野に対してのアンケート結果の割合を見てみると、 動物に対して51%、魚や海の生き物に対して43%の人が興味関心を持っているのに対して、 化学の実験や原子・分子などには5%ほどの人しか興味関心をもっている人がおらず、 化学に興味を持ってくれる子供が少ないことがわかります。 ### 提案 そこで私たちは、どのようにしたら子供が化学に興味を持ち、 学ぶことができるか考えました。 子供が興味を示すものとして漫画やアニメ、ゲームなどがあげられます。 実際の例では「細胞について覚えたい」という思いからつくられた、 体内で働く、赤血球、白血球、血小板、等の体内細胞を擬人化し、 体内に入ってきた細菌などと戦う人気漫画では 多くの子供達が読み楽しく学ぶことができ、 実際に授業の教材として使用されたり、厚労省が感染症対策に起用されたりしました。 また、世界的に大ヒットした、プレイヤーが「元素スキル」などを持つアクションRPGでは、 化学反応を使って攻撃や防御をする要素があり、そこから化学に興味を持った人も多くいました。 そこで私達は、楽しく遊べて化学に興味関心を持ってもらえる わかりやすいカードゲームを制作することにしました。 しかし、星の数ほど存在する化学物質を全て関連づけるのは極めて困難です。 なので、構造が似ていて、かつ複雑すぎない必須アミノ酸に焦点を当てました。 # 必須アミノ酸に焦点をあてた理由 私たちが必須アミノ酸に焦点を当てた理由を、他の化学物質と比較して詳しく説明します。 アルケンなどの有機化合物がありますが、実在する可能性がある物質が多すぎるためゲームにするのは難しいと考えました。 また、同じ置換基(ちかんき)や同じ元素がついていても構造が異なっている物も存在し、化合物の構造を正しく示すことが困難であると考えました。 私たちが焦点を当てた必須アミノ酸は、構造の一部が似ており、子供にでも聞き覚えのある物質なので興味をもちやすいと考えました。 # ゲームルール a-schoonのゲームルールについて説明します。 基本的な流れとしては、お手本を見ながら順番にカードを出し 早くカードがなくなった人が勝利になるカードゲームの「7ならべ」を元にしたゲームになっています。 まず初めに順番の人からカードを一枚出します。 そしたら、次の順番の人が出せるカードを出していきます。 他の構造の一部を出したい時は左上の黄色の矢印がさしているところを押し、違う構造を表示することができます。 ### 切り替え 完成するとこのような表示になり、作成したアミノ酸についての詳しいことを知れます。 # このようなルールになった理由 本ゲームが、このようなゲームルールになった理由は、 一般的なカードゲームはルールがわかりにくかったり、特殊的な用語があるなど誰でも簡単に楽しむことは難しいと考えたからです。 本ゲームはトランプゲームの「7ならべ」のように7から順番にカードを並べていくゲームに似ており、実際に多くの人が知っていて、知らない人でも理解するものが簡単です。 # デザイン 本デザインで特にこだわった点は3つあります。 1つ目は必須アミノ酸を構成する各元素が手をつないでるように見えて結合を意識できるように工夫した点です。 2つ目はどんな人が見ても、受け入れられるようなデザインにした点です。 3つ目は手や足を「結合の手」と例えるデザインにすることで立体的な位置関係もわかるようなデザインにした点です。 そして、化学についての理解をさらに高めるために2つの要素を加えました。 ### ペプチド結合 一つ目の要素としてペプチド結合です。 原理としてアミノ基の窒素原子Nにカルボキシ基の炭素が結合するこの結合をペプチド結合といい、 複数の主鎖(しゅさ)がいくつもこのような形で結合しポリペプチド鎖(さ)を作ります。 これをゲーム内で取り入れ、カルボキシ基の炭素カードの隣に窒素カードを並べることによってペプチド結合したとみなします。 ### 加水分解 2つ目の要素として加水分解です。 先程のように作ったペプチド鎖に水を加えることによってそれぞれのアミノ酸の形に戻ることができます。 これをゲーム内で水素カードとOHカードを同時に出すことで加水分解したとみなします。 # システム構成 本システムの構成はこのようになっています。 Unityゲームエンジンで制作し、マルチプラットフォームビルドをおこないWindowsやandroid,iPadOSでプレイできるようにし、ICT教育で導入されているほとんどの端末でプレイすることができます。 今回、特殊的なカードの並びのため、要件に合うカードゲームのアセット、パッケージは見つからなかったので独自で作りました。 # 本作品の独創的な点 以上のように、a-schoonは ただ原子をデザインしたトランプではなくアミノ酸の結合などの化学的事象(じしょう)に元づいたゲーム内容になっているため化学的忠実さも高く学習にも最適な点 7並べという比較的多くの人が知ってる単純なゲームを元に作成し、内容が少し難しいものだとしても理解することが簡単なゲームルールである点 トランプのマークに見立てて作られてた、わかりやすいデザインにしており、各部分のパーツを組み合わせることを目標とするので、遊ぶ人の興味をひきやすい、簡単なルールで誰も楽しめる点 以上のことから 興味がわきやすいデザインで、化学的原理が詳しく無くても楽しめる気軽さが特徴です。 # 最後に 本作品で楽しく化学を学びましょう!お聞きくださり、ありがとうございました。