Masaki Hayashi
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    ### 会を積極的に設けるとともに,地域や産業界等の人々の協力を積極的に得るよう配慮するものとする。 職業学科では,従来から各教科における「課題研究」等や各科目の実習の一部として,産業現場等における実習(現場実習)が行われてきている。現場実習は,実際的な知識や技術・技能に触れることが可能となるとともに,生徒が自己の職業適性や将来設計について考える機会となり,主体的な職業選択の能力や職業意識の育成が図られるなど,高い教育効果を有するものである。  これらの実践等を踏まえ,平成 20 年1月の中央教育審議会答申において,社会人・職業人として自立していくためには,生徒一人一人の勤労観,職業観を育てるキャリア教育を充実することが重要であり,その一環として小学校での職場見学,中学校での職場体験活動,高等学校での就業体験活動等を通じた体系的な指導を推進することが提言されている。また,職業に関する各教科の改善に当たっては,就業体験活動等,実社会や職業との関わりを通じて,高い職業意識・職業観と規範意識,コミュニケーション能力等に根ざした実践力を高めることを一層重視し,例えば,職業の現場における長期間の実習を取り入れるなどにより,教育活動を充実すべきであると提言されている。  これを踏まえ,第1章総則第1款4において,引き続き就業に関わる体験的な学習の指導を適切に行うように示すとともに,普通科を含めてどの学科においても,キャリア教育を推進する観点から,産業現場等における長期間の実習を取り入れるなどの就業体験活動の機会を積極的に設けるとともに,地域や産業界等の人々の協力を積極的に得るよう配慮すべきことを示したものである。  就業体験活動の実施形態は,大きく分けて①学校が主体となって行うものと,②企業等があらかじめ用意したプログラムへの生徒の参加を単位認定するものとが考えら れる。  学校が主体となって行う場合は,各教科における「課題研究」等や各科目の実習,あるいは総合的な探究の時間や特別活動の一環として取り組むことが考えられる。また,地域の実態等に応じて,学校の判断により独自の学校設定教科・科目を設けることも考えられる。  また,企業等があらかじめ用意したプログラムに生徒が参加した場合について,このような学校外における就業体験活動等を単位認定(学校教育法施行規則第 98 条)する場合には,必要に応じてオリエンテーションの実施,計画書の提出,学校による事前・事後の適切な指導が望まれる。  なお,就業体験活動の実施に当たっては,事前に企業等と意見交換等を行い,その趣旨やねらいなどについて理解を求めるとともに,就業体験活動は教育活動の一環として行われるものであり,いわゆるアルバイトとは区別される必要があること,就職・採用活動と直接結び付けられるべきものではないこと,安全の確保や事故の防止等に十分留意する必要がある。 就業体験活動については,特別活動においても勤労観,職業観の形成や進路の選択決定などに資する体験として一定期間行うことが望まれているところであるが,キャリア教育の一層の推進の観点からは,受け入れ先の状況を考慮しつつ,学校の実態,課程や学科の特色,生徒の特性や進路等に応じ,関係する各教科・科目等の指導計画に位置付けて,より長期間の実習を取り入れることも期待される。  各学校においては,体系的なキャリア教育を推進するとともに,以上のことを踏まえつつ,地域や産業界等と十分な連携・協力を図り,就業体験活動を適切に実施できるように十分配慮する必要がある。 ## イ 普通科における職業科目の履修(第1章総則第2款3(7)イ) ### イ 普通科においては,生徒の特性や進路,学校や地域の実態等を考慮し,必要に応じて,適切な職業に関する各教科・科目の履修の機会の確保について配慮するものとする。  職業生活に必要な基礎的な知識や技術・技能の習得や望ましい勤労観,職業観の育成は全ての生徒に必要なものである。また,急速な社会の変化に伴い,学校教育を終えた後も生涯にわたり職業生活に必要な知識や技術・技能の向上に努める必要性が高まってきている一方で,最近の若者は働くことに対する意識が希薄であるとの指摘もなされている。したがって,普通科においても,生徒の実態に応じ,働くことの意義,喜び,楽しさや厳しさを学び,職業生活を送るための基礎的な知識や技術・技能に関する学習の機会の充実に努める必要がある。  普通科における職業科目の履修については,職業学科における専門教育と異なり,自己の進路や職業についての理解を深め,将来の進路を主体的に選択決定できる能力の育成に主眼を置くことが大切である。  この点に関しては,学校において,生徒や学校,地域の実態,学科の特色等に応じ,特色ある教育課程の編成に資するよう,学校設定教科・科目を設けることができるようにしており,学校設定教科に関する科目として「産業社会と人間」を設けることができることを明示している。「産業社会と人間」は,産業社会における自己の在り方生き方について考えさせ,社会に積極的に寄与し,生涯にわたって学習に取り組む意欲や態度等を養うことをねらいとして,就業体験活動等の体験的な学習等を通じ,社会生活や職業生活に必要な基本的な能力や態度及び望ましい勤労観,職業観の育成等について指導するものである。このような,自己の在り方生き方や進路について考察する学習は,今後,高等学校のどの学科においても取り組む必要があり,普通科においても,積極的に取り組むことが望まれる。  普通科においてどのような各教科・科目を履修させるのがよいかは,生徒の特性,進路等により,また,各学校の教師の構成,施設・設備等の人的・物的条件等により,一律には決められないが,普通科で履修させることが考えられる各教科・科目としては,例えば,次のようなものがある。 * 農業 「農業と環境」,「栽培と環境」,「食品流通」,「生物活用」,「地域資源活用」 * 工業 「工業技術基礎」,「製図」,「工業情報数理」,「工業環境技術」 * 商業 「ビジネス基礎」,「ビジネス・コミュニケーション」,「簿記」,「情報処理」 * 水産 「水産海洋基礎」,「水産海洋科学」,「海洋環境」 * 家庭 「消費生活」,「保育基礎」,「生活と福祉」,「住生活デザイン」,「ファッ ション造形基礎」,「フードデザイン」 * 看護 「基礎看護」 * 情報 「情報産業と社会」,「情報の表現と管理」,「情報テクノロジー」,「情報セ キュリティ」 * 福祉 「社会福祉基礎」,「介護福祉基礎」 なお,特に,職業準備として履修させる場合には,入学年次やその次の年次から,ある程度まとまった単位数を配当し,各教科・科目を系統的に履修させるほか必要に応じて類型を設けるなどして,職業準備にふさわしい学習ができるような配慮が必要である。  更に,第1章総則第1款4には,就業に関わる体験的な学習の指導を適切に行うことが掲げられており,また,第1章総則第2款3(7)には,学校においてはキャリア教育及び職業教育を推進するために,地域や産業界等との連携を図り,産業現場等における長期間の実習を取り入れるなどの就業体験活動の機会を積極的に設けることが示されている。また,特別活動の学校行事の勤労生産・奉仕的行事の中で就業体験活動が例示として明示されている。一般に,専門学科では,生徒の進路に関連の深い教育が行われており,特に職業学科では,現場実習等の就業体験の機会も多い。これに対して,普通科ではそのような機会が少ないため,特に普通科における体験的な学習の必要性が指摘されている。就業に関わる体験的な学習は,各学校が地域や生徒の実態等に応じて創意工夫をこらすことによって行われるものであり,学習指導要領では科目を特定していないので,学校において,関係の各教科・科目,総合的な探究の時間及び特別活動において,適切に配慮する必要がある。また,平成 28 年 12 月の中央教育審議会答申においては,これまで主に高等学校卒業後に就職を希望する生徒が多い普通科や専門学科での実習を中心に就業体験活動が行われてきたが,今後は,大学進学希望者が多い普通科の高等学校においても,例えば,大学・大学院での学習や研究経験を必要とする職業に焦点をあて,大学等の専門機関において実施する就業体験活動(いわゆる「アカデミック・インターンシップ」)を充実するなど,それぞれの高等学校や生徒の特性を踏まえた多様な展開について提言されており,こうした視点からの就業体験活動の充実を図ることも大切である。また,生徒一人一人が現代の社会の変化や自己の特性等についての理解を深め,将来の生き方をより深く考え行動する態度や能力を育成することができるようガイダンス機能の充実を図ることが重要である。  普通科における職業科目の実施に当たっては,特に,生徒の自発的,積極的な活動が行われるよう指導方法に工夫を加えるなどして,働くことや創造することの喜び,成就感,達成感を体得させ,望ましい勤労観,職業観を育成することが必要である。  更に,専門的な知識と技術の習得を図るなど類型を設けて履修させる場合と,各教科・科目を選択して履修させる場合があるが,いずれの場合も系統的,発展的に学習できるように配慮することが望まれる。  なお,学習の評価に関しては,設定した活動に積極的に参加したかどうか,その際の学習態度はどうかなどの実施状況に関する観点のみにとどまらず,意図した成果が得られたかどうか,勤労観,職業観の育成に役立ったかどうかなど,「何が身に付いたか」という観点から評価を行い,それをもとに教育活動の質の向上を図っていくことが求められる。 ## ウ 職業学科における配慮事項(第1章総則第2款3(7)ウ) ### ウ 職業教育を主とする専門学科においては,次の事項に配慮するものとする。 #### (ア)職業に関する各教科・科目については,実験・実習に配当する授業時数を十分確保するようにすること。 #### (イ)生徒の実態を考慮し,職業に関する各教科・科目の履修を容易にするため特別な配慮が必要な場合には,各分野における基礎的又は中核的な科目を重点的に選択し,その内容については基礎的・基本的な事項が確実に身に付くように取り扱い,また,主として実験・実習によって指導するなどの工夫をこらすようにすること。 ##### ① 実験・実習に配当する授業時数の確保(第1章総則第2款3(7)ウ(ア))  (ア)は,職業科目における実験・実習の重視について示したものである。また,商業を除く職業学科においては,各教科の各科目にわたる指導計画の作成について,原則として総授業時数の 10 分の5以上を実験・実習に配当することが明記されていることにも配慮すべきである。  職業教育は,各教科・科目の履修を通して一般的教養を身に付けることにとどまらず,実験・実習という実際的・体験的な学習を一層重視し,実践力を体得することに特色があると言える。  実験・実習には,体験を通して知識の習得に役立て,技能を習熟させるという側面がある。これまでの実験・実習では,基礎的・基本的事項の習得という立場から,このねらいを一貫して重視してきた。  しかしながら,産業の各分野における急速な技術革新の進展や産業構造・就業構造の変化等に適切に対応するためには,基礎的・基本的事項を確実に習得することに加えて,実際に問題を解決する体験の機会をできる限り拡充していくことにより,よりよい社会の構築を目指して自ら学び,産業の振興や社会貢献に主体的かつ協働的に取り組む態度を養うことが必要である。このため,実験・実習のもう一つの側面である生徒の自発的・創造的な学習態度の育成を一層重視していく必要がある。特に,主体的に取り組む学習活動を通して,専門的な知識,技術などの深化・総合化を図ることは重要であり,実際的・体験的な学習である実験・実習の一層の充実が求められる。  実験・実習の授業時数の確保に当たっては,いわゆる座学と実験・実習との調和と関連性,基礎的・基本的事項と発展的・応用的事項との関連,特に新技術等新たな内容の習得について配慮する必要がある。 ##### ② 生徒の実態に応じた配慮(第1章総則第2款3(7)ウ(イ))  (イ)に示されている,生徒の各教科・科目の履修を容易にするための配慮事項は,従前と同じであり,①各分野における基礎的又は中核的な科目を重点的に選択すること,②その内容については基礎的・基本的な事項が確実に身に付くように取り扱うこと,③主として実験・実習によって指導するなどの工夫をこらすことが示されている。①は職業科目の選択,②は職業科目の内容の取扱い,③は指導方法の工についての配慮事項である。  今回の改訂では,職業に関する教科においては科目構成の見直しを図っているが,これらの科目を網羅的に履修させるのではなく,生徒の実態等に応じて適切に選択して履修させることが大切である。そのため,特に1〜2単位程度の科目を多く履修させることは避けなければならない。また,内容や教材については一層精選し,十分時間をかけて理解させるようにしなければならない。更に,生徒の理解,習得を容易にするため,いわゆる座学による説明にとどめず,できるだけ実験・実習を通して体験的に学ばせる機会を多くすることに努める必要がある。 ## エ 職業科目についての配慮事項(第1章総則第2款3(7)エ) ### エ 職業に関する各教科・科目については,次の事項に配慮するものとする。 #### (ア)職業に関する各教科・科目については,就業体験活動をもって実習に替えることができること。この場合,就業体験活動は,その各教科・科目の内容に直接関係があり,かつ,その一部としてあらかじめ計画し,評価されるものであることを要すること。 #### (イ)農業,水産及び家庭に関する各教科・科目の指導に当たっては,ホームプロジェクト並びに学校家庭クラブ及び学校農業クラブなどの活動を活用して,学習の効果を上げるよう留意すること。この場合,ホームプロジェクトについては,その各教科・科目の授業時数の 10 分の2以内をこれに充てることができること。 #### (ウ)定時制及び通信制の課程において,職業に関する各教科・科目を履修する生徒が,現にその各教科・科目と密接な関係を有する職業(家事を含む。)に従事している場合で,その職業における実務等が,その各教科・科目の一部を履修した場合と同様の成果があると認められるときは,その実務等をもってその各教科・科目の履修の一部に替えることができること。 ##### ① 就業体験活動による実習の代替(第1章総則第2款3(7)エ(ア))  就業体験活動を推進する観点から,特に,職業科目については,現場実習を含め就業体験活動を積極的に取り入れることとし,就業体験活動をもって実習に替えることができることを示したものである。なお,この場合の就業体験活動は,関係する科目の指導計画に適切に位置付けて行う必要がある。 ##### ② ホームプロジェクト,学校家庭クラブ,学校農業クラブ等(第1章総則第2款3(7)エ(イ))  ホームプロジェクトは,教科の内容に関係する課題を農業や水産業,家庭生活の中から発見させ,家族の協力と教師の指導の下に自発的,積極的に実施させるもので教育効果の大きい学習法である。したがって,専門教科の農業科,水産科及び家庭科の各教科・科目の指導に当たっては,ホームプロジェクトを活用して学習の効果を上げることが望ましい。  ホームプロジェクトについては,その各教科・科目の授業時数の 10 分の2以内をこれに充てることができる。この規定は,各教科・科目の授業時数のうちホームプロジェクトとして生徒に家庭等において実習させてもよい許容の範囲を示すもので,例えば4単位の科目においては,28 単位時間(140 ×2/ 10 = 28)までホームプロジェクトに充てることができることを示している。  学校家庭クラブ活動は,専門教科家庭科の「課題研究」等に位置付けられた教育活動であり,学校農業クラブ活動は専門教科農業科の「農業と環境」,「課題研究」,「総合実習」に位置付けられた教育活動である。これらの活動は,プロジェクト学習を推進,援助するのに最も適しているので,家庭科,農業科に属する各科目の指導に当たっては,積極的に活用して学習の効果を上げるようにすることが望ましい。このことにより,各教科・科目の内容の理解を深化させるとともに,地域社会の各産業について関心を高め,生活の質の改善向上を図る能力や態度を育てることができるのである。 ##### ③ 定時制及び通信制の課程における実務等による職業科目の履修の一部代替(第1章総則第2款3(7)エ(ウ))  この規定は,定時制及び通信制の課程において,職に就き現にその各教科・科目と密接な関係を有する生徒の実務等の体験を評価し,職業科目の履修の一部に代替できることを定めたものである。  生徒の校外における実務等を職業に関する各教科・科目の履修の一部として評価するためには,次のような要件が満たされる必要がある。 * ① 職業科目が教育課程に位置付けられていること * ② 職業科目を履修する生徒が,現にその各教科・科目と密接な関係を有する職業に従事していること * ③ 生徒の職業等における実務等が,その各教科・科目の一部を履修したと同様の成果があると認められること * 代替の方法としては,生徒一人一人の職場における実務等の体験に応ずるよう, 職業科目を網羅した教育課程を編成した上で,校外における実務等をそれらの各教科・科目の増加単位として評価すること,あるいは学校における履修の一部を免除することなどが考えられるが,全ての生徒の職業に対応した職業科目を網羅することは実際上困難な場合が多い。したがって,各学校において学校や生徒の実態に応じて教育課程の編成等が工夫されなければならないが,一般的には,生徒の職業に対応した共通的な職業科目をできるだけ設けて,実務等の評価を行う方法が考えられる。  生徒の職場における実務等と密接な関係を有する職業科目を履修している場合や,特定の企業等から比較的多数の生徒が通学し,職場における職種が一,二に限定され,実務等の経験が共通である場合などについては,生徒の職場における実務等を履修の一部に替えることが比較的容易である。  なお,実務の内容,執務の状況等の把握については,生徒からのレポート,その各教科・科目の担任による職場訪問,雇用主からの報告等によることになると考えられる。 # 4 学校段階等間の接続 ### (1) 中学校教育との接続及び中等教育学校等の教育課程(第1章総則第2款4(1)) #### (1)現行の中学校学習指導要領を踏まえ,中学校教育までの学習の成果が高等学校教育に円滑に接続され,高等学校教育段階の終わりまでに育成することを目指す資質・能力を,生徒が確実に身に付けることができるよう工夫すること。特に,中等教育学校,連携型高等学校及び併設型高等学校においては,中等教育6年間を見通した計画的かつ継続的な教育課程を編成すること。  中学校においては,義務教育を行う最後の教育機関として,教育基本法第5条第2項が規定する「各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎」及び「国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質」を卒業までに育むことができるよう,小学校教育の基礎の上に,中学校教育を通して身に付けるべき資質・能力を明確化し,その育成を高等学校教育等のその後の学びに円滑に接続させていくことが求められている。  このため,今回の改訂では,平成 28 年 12 月の中央教育審議会答申を踏まえて平成29 年に改訂された中学校学習指導要領との接続を含め,小・中・高等学校を見通した改善・充実の中で,高等学校教育の充実を図っていくことが重要となる。  また,高等学校においては,生徒の多様な進路の希望に応えるため,幅広い教科・科目の中から生徒が履修する科目の選択を行うなど,選択履修の趣旨を生かした教育課程編成を行うこととしている。このことは,生徒に自身の在り方や生き方を考えさせて適切に選択・判断する力を求めるものである。中学校までの教育課程においては,選択教科を置かない場合には生徒が履修する教科を選択するということはないため,高等学校への接続に関連して,生徒が適切な教科・科目を選択できるよう指導の充実を図ることが重要である。  なお,生徒の適切な教科・科目選択に関しては,第1章総則第5款1(4)の規定にも留意する必要がある(本解説第6章第1節4)。  中学校と高等学校との円滑な接続の観点からは,中等教育の多様化を一層推進し,生徒の個性をより重視した教育を実現するため,中高一貫教育制度が設けられているところである。生徒の現状や地域の実情に応じ,こうした制度を活用して特色ある取組を展開していくことも考えられる。 ① 中等教育学校及び併設型中高一貫教育校における教育課程の基準については,中等教育学校前期課程及び併設型中学校は中学校の,中等教育学校後期課程及び併設型高等学校は高等学校の教育課程の基準を準用しつつ,中高一貫教育の利点を生かして6年間を通じた特色あるカリキュラムを編成することができるよう,以下のような特例措置を設けている。 * ア 中等教育学校前期課程及び併設型中学校については,各学年において各教科の授業時数を 70 単位時間の範囲内で減じ,当該教科の内容を代替できる内容の選択教科の授業時数に充てることができること。ただし,各学年において,各教科の授業時数から減ずる授業時数は,一教科当たり 35 単位時間までが限度となっていること。 * イ 中等教育学校後期課程及び併設型高等学校については,普通科における学校設定教科・科目について,卒業に必要な修得単位数に含めることができる単位数の上限20 単位から 36 単位に拡大することができること。 * ウ 中等教育学校前期課程及び併設型中学校と中等教育学校後期課程及び併設型高等学校における指導の内容については,各教科や各教科に属する科目の内容のうち相互に関連するものの一部を入れ替えて指導することができること。 * エ 中等教育学校前期課程及び併設型中学校における指導の内容の一部については,中等教育学校後期課程及び併設型高等学校における指導の内容に移行して指導することができること。 * オ 中等教育学校後期課程及び併設型高等学校における指導内容の一部については,中等教育学校前期課程及び併設型中学校における指導の内容に移行して指導することができること。この場合においては,中等教育学校後期課程及び併設型高等学校において,当該移行した指導の内容について再度指導しないことができること。 * カ 中等教育学校前期課程及び併設型中学校における各教科の内容のうち特定の学年において指導することとされているものの一部を他の学年における指導の内容に移行することができること。この場合においては,当該特定の学年において移行した指導の内容について再度指導しないことができること。 * なお,これらの特例を活用した教育課程を編成・実施する際には,以下の点に配慮 する必要がある。 * (ア)学習内容の系統性に留意し,学年ごとの各教科等の目標が概ね達成されるとともに,学習指導要領の内容のうち,6年間で指導しない内容が生じることのないよう留意し,各学校段階の教育目標が6年間の教育課程全体の中で確実に達成されるようにすること。 * (イ)生徒の転校や進路変更等に際しては,転校先や進学先の学校における教育課程の実施に支障が生じることのないよう,必要に応じ,当該生徒に対する個別の補充指導を行うなど十分な配慮を行うこと。 * (ウ)本特例は,中高一貫教育校としての特長を最大限生かし,6年間の見通しを立てた教育課程を編成・実施することを目的とするものであり,この趣旨を踏まえ,各学校における教育課程の編成・実施に当たっては,生徒に過重な負担をかけるものとならないよう十分に配慮するなど,適切に教育課程を編成・実施すること。 ② 連携型中高一貫教育校においても,中高一貫教育の特質を生かした特色ある教育課程の編成・実施が可能となるよう,次の事項について教育課程の基準の特例が設けられている。 * ア 連携型中学校において,必修教科の授業時数を減じ,当該必修教科の内容を代替できる内容の選択教科の授業時数の増加に充てることができること。 * イ 連携型高等学校普通科における学校設定教科・科目について,卒業に必要な修得単位数に含めることができる単位数の上限を 20 単位から 36 単位に拡大すること。 ### (2) 義務教育段階での学習内容の確実な定着を図る工夫(第1章総則第2款4(2)) #### (2)生徒や学校の実態等に応じ,必要がある場合には,例えば次のような工夫を行い,義務教育段階での学習内容の確実な定着を図るようにすること。 * ア 各教科・科目の指導に当たり,義務教育段階での学習内容の確実な定着を図るための学習機会を設けること。 * イ 義務教育段階での学習内容の確実な定着を図りながら,必履修教科・科目の内容を十分に習得させることができるよう,その単位数を標準単位数の標準の限度を超えて増加して配当すること。 * ウ 義務教育段階での学習内容の確実な定着を図ることを目標とした学校設定科目等を履修させた後に,必履修教科・科目を履修させるようにすること。  本項では,従来に引き続き,生徒や学校の実態等に応じて義務教育段階の学習内容の確実な定着を図るための指導を行うことを指導計画の作成に当たって配慮すべき事項として示し,生徒が高等学校段階の学習に円滑に移行できるようにすることを重視している。  義務教育段階の学習内容の確実な定着を図る指導を行うことが求められるのは,「生徒や学校の実態等に応じ,必要がある場合」であり,全ての生徒に対して必ず実施しなければならないものではないが,前述の必要がある場合には,こうした指導を行うことで,高等学校段階の学習に円滑に接続できるようにすることが求められている。  これは,高等学校を卒業するまでに全ての生徒が必履修教科・科目の内容を学習する必要があるが,その内容を十分に理解するためには,義務教育段階の学習内容が定着していることが前提として必要となるものであることから,それが不十分であることにより必履修教科・科目の内容が理解できないということのないよう,必履修教科・科目を履修する際又は履修する前などにそうした学習内容の確実な定着を図れるようにする配慮を求めたものである。  こうした指導を行うために指導計画を作成する上で考えられる具体的な工夫をアからウに例示している。  アでは,高等学校における各教科・科目の指導にあたり,義務教育段階の学習内容の定着を図るための学習機会を適宜設けるという方策を示している。  イでは,必履修教科・科目について単位を増加させることで十分な指導時間を確保し,義務教育段階の学習内容の確実な定着を図りながら,必履修教科・科目の内容の確実な習得を図ることができるよう丁寧な指導を行うという対応策を示している。  ウでは,必履修教科・科目を履修させる前に,義務教育段階の学習内容の定着を図ることを目標とした学校設定科目等を履修させるという方策を示している。学校設定科目等となっているのは,学校設定科目以外にも,学校設定教科などを活用することが考えられるためである。  なお,学校設定科目の目標や内容については「その科目の属する教科の目標に基づき」定めることとされており(第1章総則第2款3(1)エ),学校設定教科及び当該教科に関する科目の目標や内容については「高等学校教育の目標及びその水準の維持等に十分配慮」しなければならないとされているが(第1章総則第2款3(1)オ),高等学校教育の目標は義務教育の成果を発展・拡充させることであることから,生徒の実態に応じ義務教育段階の学習内容について確実な定着を図り,その成果を発展・拡充させるために,義務教育段階の学習内容の確実な定着を図ることを目標とした学校設定教科・科目を高等学校の教科・科目として開設し,その単位数を卒業までに修得すべき単位数に加えることは,このような高等学校教育の目標や第1章総則第2款3(1)エ及びオの規定に適合するものである。 ### (3) 高等学校卒業以降の教育や職業との円滑な接続を図る工夫(第1章総則第2款4(3)) #### (3)大学や専門学校等における教育や社会的・職業的自立,生涯にわたる学習のために,高等学校卒業以降の教育や職業との円滑な接続が図られるよう,関連する教育機関や企業等との連携により,卒業後の進路に求められる資質・能力を着実に育成することができるよう工夫すること。 高等学校卒業後,大学や専門学校等に進学する者や就職する者など,生徒の進路は様々である。しかしながら,どのような進路に進むにしても,高等学校教育に求められるのは,社会的・職業的自立に向けて必要となる資質・能力を育成するとともに,生涯にわたって,必要となる知識・技能などを自ら身に付けていくことができるようにすることである。  こうした観点から,高等学校教育には,生徒が進もうとしている進路を見据えながら,必要な資質・能力を育成することができるよう,教育課程の改善・充実を図っていくことが求められるのであり,そのための手段として,例えば,企業等と連携して実践的な教育活動を導入していくことなども考えられる。 # 5 通信制の課程における教育課程の特例(第1章総則第2款5) #### 通信制の課程における教育課程については,1から4まで(3の(3),(4)並びに(7)のエの(ア)及び(イ)を除く。)並びに第1款及び第3款から第7款までに定めるところによるほか,次に定めるところによる。 通信制の課程の教育課程も,高等学校教育として原則として第1章総則の第1款から第7款までの適用を受けるものであるが,通信制の課程の教育方法が全日制・定時制の課程と異なるため,以下のような事項については適用を受けないこととされている。 * ① 授業時数  通信制の課程の教育方法は添削指導,面接指導,放送その他の多様なメディアを利用した指導,試験によることになっているため(高等学校通信教育規程第2条),全日制・定時制の課程におけるような授業は原則として行われない。このため授業時数等に関する第1章総則第2款3(3)の適用は受けない。 * ② 類型  通信制の課程では類型に関する第1章総則第2款3(4)の規定の適用を受けない。これは,通信制の課程においては生徒が定まった類型を選ぶよりは,必要に応じ個々の科目を選択して履修することが多いからであり,それが自学自習による添削指導と,個別指導を重視した面接指導とを中心とする通信制の課程の教育課程の一つの特色でもあるからである。  このように通信制の課程については,学習指導要領の類型に関する規定は適用されていないが,教育課程の編成に当たって,生徒の特性,進路等に応じた適切な各教科・科目の履修ができるようにし,このため,多様な各教科・科目を設け生徒が自由に選択履修することのできるよう配慮しなければならないことは当然に通信制の課程にも共通するものである。  また,生徒の実態等を考慮し,学校の判断により,各教科・科目の履修登録の例を示す場合においては,生徒が希望するときは,その履修登録の例に示されている各教科・科目以外の各教科・科目を履修させる等の配慮が必要である。 * ③ 就業体験活動,ホームプロジェクトな  通信制の課程では職業科目の履修について,就業体験活動やホームプロジェクト等により授業時数の一部の代替を認めている第1章総則第2款3(7)エ(ア)及び(イ)の適用は受けない。これは,通信制の課程では全日制・定時制の課程におけるような授業が行われないからである。  他方,定時制及び通信制の課程においては,第1章総則第2款3(7)エ(ウ)の規定により職業(家事を含む。)に従事している生徒に対して,その実務等をもって職業科目の履修の一部に代替できることを定めている。 ### (1) 添削指導の回数及び面接指導の単位時間数の標準(第1章総則第2款5(1)及び(2)) #### (1)各教科・科目の添削指導の回数及び面接指導の単位時間(1単位時間は,50 分として計算するものとする。以下同じ。)数の標準は,1単位につき次の表のとおりとする。 #### 各教科・科目 添削指導(回) 面接指導(単位時間) #### 国語,地理歴史,公民及び数学に属する科目 3 1 #### 理科に属する科目 3 4 #### 保健体育に属する科目のうち「体育」1 5 #### 保健体育に属する科目のうち「保健」3 1 #### 芸術及び外国語に属する科目 3 4 #### 家庭及び情報に属する科目並びに専門教科・科目 各教科・科目の必要に応じて 2〜3 各教科・科目の必要に応じて2〜8 #### (2)学校設定教科に関する科目のうち専門教科・科目以外のものの添削指導の回数及び面接指導の単位時間数については,1単位につき,それぞれ1回以上及び1単位時間以上を確保した上で,各学校が適切に定めるものとする。 ##### ① 添削指導の回数及び面接指導の単位時間数  添削指導,面接指導は通信制の課程における教育(以下「通信教育」という。)の基幹的な部分であり,全日制・定時制の課程における授業に相当するものでもある。  また,通信制の課程の学習の量と質は全日制・定時制の課程の学習の量と質と同等であることはいうまでもなく,通信制の課程の学習量は全日制・定時制の課程の学習量に相当するように添削指導の回数及び面接指導の単位時間数が定められている。  各教科・科目の1単位当たりの添削指導の回数,面接指導の単位時間数は,標準を示すものであるため,ある程度柔軟に具体的な回数,単位時間数を決めることができるが,添削指導,面接指導は通信教育の中心であり,また,全日制や定時制の課程とは異なり,教師が直接指導する機会も少ないことから,それぞれの回数,単位時間数は十分確保する必要がある。  面接指導の授業の1単位時間については,第1章総則第2款5(4)に規定しているように,各学校において適切に定めることとし,ここでは,計算の基礎として 50 分とすることを定める規定としている。 ##### ② 専門教科・科目の添削指導の回数及び面接指導の単位時間数  専門教科・科目の添削指導の回数及び面接指導の単位時間数の設定に当たっては,専門教科・科目の標準単位数の設定が学科の特色,学校や地域の実態等によりその学校の設置者の定めるところとなっていること(第1章総則第2款3(1)ウ)や,生徒の従事する職業における実務等をもって,職業科目の履修の一部に代替できることとされていること(第1章総則第2款3(7)エ(ウ))などを十分配慮することが望ましい。 ##### ③ 学校設定教科に関する科目のうち専門教科・科目以外のものの添削指導の回数及び面接指導の単位時間数  学校設定教科に関する科目のうち専門教科・科目以外のものの添削指導の回数及び面接指導の単位時間数は,1単位につき各教科・科目の必要に応じて1回以上及び1単位時間以上を確保した上で各学校が定めることとなる。これは,学校設定教科及び当該教科に関する科目の名称,目標,内容,単位数等については,各学校において定める(第1章総則第2款3(1)オ)こととされていることを受けての取扱いである。  なお,その際には,当然ながら,当該学校設定教科及びそれに関する科目の目標等を踏まえて必要な回数及び単位時間数を設定する必要がある。 ##### ④ 添削指導及びその評価  添削指導は高等学校通信教育の基幹的な部分である。添削指導は生徒の学習の状況を把握し,何が理解でき,何が理解できないか,生徒の基礎学力は十分かどうか,生徒の思考の方向性とつまずきを的確に捉え指導していくことが必要である。このような観点から,添削指導に当たっては,正誤のみの指摘はもちろん,解答に対する正答のみの記載や一律の解説の記載だけでは不十分,不適切であり,各生徒の誤答容等 を踏まえた解説を記載するなど,生徒一人一人の到達度に応じた解説や,自学自習を進めていく上でのアドバイス等を記載することが求められ,マークシート形式のように機械的に採点ができるような課題や,択一式の問題のみで構成される課題は添削指導としては不適切である。  また,学期当初や年度末,試験前に添削課題をまとめて提出することを可能とするような運用を行ったり,添削指導や面接指導が完了する前に,当該学期の全ての学習内容を対象とした学期末の試験を実施したりすることがないよう,年間指導計画に基づき,計画的に実施することが必要である。更に,指導の際には,生徒から添削指導等についての質問を受け付け,速やかに回答できる仕組みを整えておくべきである。  なお,不登校や中途退学経験を有する生徒や,高齢者を含む社会人の学習機会として通信教育の果たす役割は大きく,学習ブランクを添削指導で補っていくためには課題についての周到な研究と配慮が必要である。 ##### ⑤ 面接指導及びその評価  面接指導は,添削指導と同様,高等学校通信教育の基幹的な部分であり,各学校はその重要性に鑑み,絶えず改善に努めることが必要である。面接指導においては,個別指導を重視して一人一人の生徒の実態を十分把握し,年間指導計画に基づき,自宅学習に必要な基礎的・基本的な学習知識について指導したり,それまでの添削指導を通して明らかとなった個々の生徒のもつ学習上の課題について十分考慮し,その後の自宅学習への示唆を与えたりするなど,計画的,体系的に指導することが必要である。  通信制の課程を置く高等学校(以下「実施校」という。)以外の協力校(通信規程第3条第1項に定める高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)をいう。技能教育施設(学校教育法第 55 条に定める技能教育のための施設をいう。),サト施設(学校教育法その他の関係法令に基づくものではない,生徒を学習面や生等で支援する民間施設),その他の施設(以下「連携施設」という。)において面導を実施する場合には,実施校において生徒の履修状況を十分に把握するとともに, 例えば,実験・実習等を伴う各教科・科目の面接指導に当たっては,指導の効果を分に高めることができるよう,施設・設備等も含め,面接指導を行う上で適切な教環境を整えるよう,十分に配慮することが必要である。  また,生徒が日常的に自校の校舎や提携する技能教育施設・サポート施設等に通学して学ぶ,いわゆる通学コースにおいて,実施校や連携施設で実施されている教育活動と面接指導とは明確に区別されるものであることに留意する必要がある。 ### (2) 理数に属する科目及び総合的な探究の時間の添削指導の回数等(第1章総則第2款5(3)) #### (3)理数に属する科目及び総合的な探究の時間の添削指導の回数及び面接指導の単位時間数については,1単位につき,それぞれ1回以上及び1単位時間以上を確保した上で,各学校において,学習活動に応じ適切に定めるものとする。 総合的な探究の時間については,通信制の課程においても教育課程上必置であり,全ての生徒がその学習活動を行わなければならない。この総合的な探究の時間の標準単位数は,第1章総則第2款3(1)イの表において3〜6単位とされている。  理数に属する科目及び総合的な探究の時間の添削指導の回数及び面接指導の単位時間数については,各学校において,1単位につき1回以上及び1単位時間以上を確保した上で,学習活動に応じ適切に定めることとしている。なお,その際には,当然ながら,理数に属する科目及び総合的な探究の時間の目標等を踏まえて必要な回数及び単位時間数を設定する必要がある。  理数に属する科目及び総合的な探究の時間における目標や内容の取扱い等については,通信制の課程においても,全日制・定時制の課程と同様,第2章第 11 節理数及び第4章総合的な探究の時間の規定が適用される。したがって,課題を発見し解決していくための資質・能力の育成をねらいとして,観察・実験・実習,調査・研究,発表や討論などを取り入れながら,各学校の創意工夫を生かして特色ある教育活動を行うこととなる。  通信制の課程においては,これらの学習活動を添削指導及び面接指導により行うこととなる。観察・実験・実習,発表や討論などを積極的に取り入れるためには,面接指導が重要となることを踏まえ,学習活動に応じ,添削指導の回数及び面接指導の単位時間数を適切に定めることが重要である。 ### (3) 面接指導の授業の1単位時間(第1章総則第2款5(4)) #### (4)各学校における面接指導の1回あたりの時間は,各学校において,(1)から(3)までの標準を踏まえ,各教科・科目及び総合的な探究の時間の面接指導の単位時間数を確保しつつ,生徒の実態並びに各教科・科目及び総合的な探究の時間の特質を考慮して適切に定めるものとする。 全日制・定時制の課程における授業の1単位時間については,各教科・科目等の授業時数を確保しつつ,各学校において適切に定めることとされている(第1章総則第2款3(3)キ)。  ここでは,通信制の課程における面接指導の1単位時間についても,同様に,各学校において適切に定めることを規定している。  特に,通信制の課程の面接指導は,生徒の自学自習の過程での面接による指導であり,そのため指導の長短を画一的な時間で固定化することは指導の趣旨からしてもなじまないことに配慮し,各学校で生徒の実態や各教科・科目及び総合的な探究の時間の特質を考慮して適切に定められるようにしたものである。  ただし,この場合も,各教科・科目の面接指導の単位時間数を確保することが前提となることに留意する必要がある。各教科・科目の1単位当たりの面接指導の単位時間数の標準が,第1章総則第2款5(1)において定められており,その場合の1単位時間は50 分として計算するものとされている。したがって,それによって計算された単位数に見合う面接指導の時間数については,面接指導の授業の1単位時間を弾力化する場合でも,前提として確保されていなければならない。 ### (4) ラジオ・テレビ放送その他の多様なメディアを利用して行う学習による面接指導時間数の免除(第1章総則第2款5(5)) #### (5)学校が,その指導計画に,各教科・科目又は特別活動について体系的に行われるラジオ放送,テレビ放送その他の多様なメディアを利用して行う学習を計画的かつ継続的に取り入れた場合で,生徒がこれらの方法により学習し,報告課題の作成等により,その成果が満足できると認められるときは,その生徒について,その各教科・科目の面接指導の時間数又は特別活動の時間数(以下「面接指導等時間数」という。)のうち,10 分の6以内の時間数を免除することができる。また,生徒の実態等を考慮して特に必要がある場合は,面接指導等時間数のうち,複数のメディアを利用することにより,各メディアごとにそれぞれ 10 分の6以内の時間数を免除することができる。ただし,免除する時間数は,合わせて 10 分の8を超えることができない。 #### なお,生徒の面接指導等時間数を免除しようとする場合には,本来行われるべき学習の量と質を低下させることがないよう十分配慮しなければならない。 この規定は,放送やインターネット等による通信教育の生徒を対象とした番組等が,日常の学習上の障害点を解決し,教科書,学習書による学習の効果を高める上で大きな役割を果たすことに鑑み,ラジオ・テレビ放送その他の多様なメディアを利用して行う学習を,学校が各教科・科目,特別活動に計画的,継続的に取り入れ,生徒が視聴し,報告課題の作成等により,その成果が満足できると認められる場合に,面接指導の一部免除を認めるものである。「その他の多様なメディア」とは,インターネット,通信衛星等を用いることにより,文字,音声,静止画,動画等の多様な情報を一体的に扱うものである。  今回の改訂では,高等学校通信教育における面接指導の重要性を踏まえ,多様なメディアを利用して行う学習により面接指導時間数を免除することができるのは 10 分の6以内の時間数までとした上で,生徒の実態等を考慮し,特に必要がある場合であって,複数のメディアを利用する場合には,各メディアごとにそれぞれ 10 分の6以内の時間数を免除し,合わせて 10 分の8まで免除することができることとした。また,多様なメディアを利用して行う学習により面接指導等時間数を免除する場合にあっては,本来行われるべき学習の量と質を低下させることがないよう十分に配慮しなければならないことを明記したものである。  「生徒の実態等を考慮して特に必要がある場合」とは,例えば,病気や事故のため,入院又は自宅療養を必要とする場合,いじめ,人間関係など心因的な事情により登校が困難である場合,仕事に従事していたり,海外での生活時間が長かったりして,時間の調整が付かない場合,実施校自らが生徒の実態等を踏まえ,複数のメディア教材を作成する等により教育効果が確保される場合等が想定され,各学校において,「特に必要がある場合」の基準をあらかじめ定め,生徒や保護者に明示しておくことが望ましい。  また,生徒の面接指導等時間数を免除する場合にあっては,本来行われるべき学習の量と質を低下させることがないよう,十分配慮する必要があり,生徒が多様なメディアを利用して行った学習の時間数と,同程度又はそれ以上の時間数を免除するという運用は不適切であることに留意が必要である。  なお,多様なメディアを利用して行う学習を取り入れる場合は,ラジオ・テレビ放送その他の多様なメディアの内容が高等学校教育としてふさわしいものを選択し,学校が,その指導計画に計画的かつ継続的に取り入れ,高等学校教育の目標及びその水準の維持に十分配慮することが必要である。このほか,生徒が利用する場合の留意点等について十分指導するとともに,教職員や生徒等のプライバシー,教材等の著作権,情報のセキュリティ等に十分配慮することも必要である。 ### (5) 特別活動の指導時間数(第1章総則第2款5(6)) #### 6)特別活動については,ホームルーム活動を含めて,各々の生徒の卒業までに 30単位時間以上指導するものとする。なお,特別の事情がある場合には,ホームルーム活動及び生徒会活動の内容の一部を行わないものとすることができる。 通信制の課程では登校日数におのずと制限があるが,ホームルーム活動は集団教育の場として欠かすことのできないものである。特に通信制の課程における生徒は,年齢が多様であり,様々な職業に従事している。このような生徒が集まり交流を図ることは,人間形成の面からみて全日制の課程では味わうことのできない教育効果の高いものである。全日制・定時制の課程と同じような授業時数を確保することは難しいとはいえ,このような特別活動の重要性に鑑み,年間指導計画に基づき,卒業までに 30 単位時間以上指導するものとしている。  なお,通信制において,ホームルーム活動及び生徒会活動について,第5章特別活動で明示されている内容の活動の全てを行うことが難しい特別の事情がある場合には,その内容の一部を行わないものとすることができることとしている。 # 第4章 教育課程の実施と学習評価 # 第 1 節 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善 ## 1 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善(第1章総則第3款1(1)) ### (1) 第1款の3の(1)から(3)までに示すことが偏りなく実現されるよう,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を行うこと。 ### 特に,各教科・科目等において身に付けた知識及び技能を活用したり,思考力,判断力,表現力等や学びに向かう力,人間性等を発揮させたりして,学習の対象となる物事を捉え思考することにより,各教科・科目等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方(以下「見方・考え方」という。)が鍛えられていくことに留意し,生徒が各教科・科目等の特質に応じた見方・考え方を働かせながら,知識を相互に関連付けてより深く理解したり,情報を精査して考えを形成したり,問題を見いだして解決策を考えたり,思いや考えを基に創造したりすることに向かう過程を重視した学習の充実を図ること。 本項は,各教科・科目等の指導に当たって,(1)知識及び技能が習得されるようにすること,(2)思考力,判断力,表現力等を育成すること,(3)学びに向かう力,人間性等を涵かん 養することが偏りなく実現されるよう,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を行うこと,その際,各教科等の「見方・考え方」を働かせ,各教科・科目等の学習の過程を重視して充実を図ることを示している。 平成 26 年 11 月 20 日の中央教育審議会への諮問「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について」において,具体的な審議事項として,育成すべき資質・能力を確実に育むための学習・指導方法はどうあるべきか,特に今後の「アクティブ・ラーニング」の具体的な在り方についてどのように考えるかを示した。これを受けて,中央教育審議会では,我が国の学校教育の様々な実践や各種の調査結果,学術的な研究成果等を踏まえて検討が行われ,生徒に必要な資質・能力を育むための学びの質に着目し,授業改善の取組を活性化していく視点として「主体的・対話的で深い学び」を位置付けた。「主体的な学び」,「対話的な学び」,「深い学び」の視点は,各教科等における優れた授業改善等の取組に共通し,かつ普遍的な要素である。  特に高等学校段階においては,選挙権年齢及び成年年齢の引き下げなど,高校生にとって政治や社会が一層身近なものとなる中,学習内容を人生や社会の在り方と結び付けて深く理解し,これからの時代に求められる資質・能力を身に付け,生涯にわたって能動的(アクティブ)に学び続けることができるようにするためには,これまでの優れた教育実 践の蓄積も生かしながら,学習の質を一層高める授業改善の取組を推進していくことが求められている。  主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善の具体的な内容については,平成28 年 12 月の中央教育審議会答申において,以下の三つの視点に立った授業改善を行うことが示されている。教科等の特質を踏まえ,具体的な学習内容や生徒の状況等に応じて,これらの視点の具体的な内容を手掛かりに,質の高い学びを実現し,学習内容を深く理解し,資質・能力を身に付け,生涯にわたって能動的(アクティブ)に学び続けるようにすることが求められている。 * ① 学ぶことに興味や関心を持ち,自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら,見通しをもって粘り強く取り組み,自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」が実現できているかという視点。 * ② 子供同士の協働,教職員や地域の人との対話,先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通じ,自己の考えを広げ深める「対話的な学び」が実現できているかという視点。 * ③ 習得・活用・探究という学びの過程の中で,各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら,知識を相互に関連付けてより深く理解したり,情報を精査して考えを形成したり,問題を見いだして解決策を考えたり,思いや考えを基に創造したりすることに向かう「深い学び」が実現できているかという視点。 また,主体的・対話的で深い学びは,必ずしも1単位時間の授業の中で全てが実現されるものではなく,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通して,例えば,主体的に学習に取り組めるよう学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりして自身の学びや変容を自覚できる場面をどこに設定するか,対話によって自分の考えなどを広げたり深めたりする場面をどこに設定するか,学びの深まりをつくりだすために,生徒が考える場面と教師が教える場面をどのように組み立てるか,といった観点で授業改善を進めることが重要となる。すなわち,主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を考えることは単元や題材など内容や時間のまとまりをどのように構成するかというデザインを考えることに他ならない。 主体的・対話的で深い学びの実現を目指して授業改善を進めるに当たり,特に「深い学び」の視点に関して,各教科等の学びの深まりの鍵となるのが「見方・考え方」である。各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方である「見方・考え方」は,新しい知識及び技能を既にもっている知識及び技能と結び付けながら社会の中で生きて働くものとして習得したり,思考力,判断力,表現力等を豊かなものとしたり,社会や世界にどのように関わるかの視座を形成したりするために重要なものであり,習得・活用・探究という学びの過程の中で働かせることを通じて,より質の高い深い学びにつなげることが重要である。 なお,各教科等の解説において示している各教科等の特質に応じた「見方・考え方」は,当該教科等における主要なものであり,「深い学び」の観点からは,それらの「見方・考え方」を踏まえながら,学習内容等に応じて柔軟に考えることが重要である。 また,思考・判断・表現の過程には, *  物事の中から問題を見いだし,その問題を定義し解決の方向性を決定し,解決方法を探して計画を立て,結果を予測しながら実行し,振り返って次の問題発見・解決につなげていく過程 *  精査した情報を基に自分の考えを形成し表現したり,目的や状況等に応じて互いの考えを伝え合い,多様な考えを理解したり,集団としての考えを形成したりしていく過程 *  思いや考えを基に構想し,意味や価値を創造していく過程 の大きく三つがあると考えられる。  各教科等の特質に応じて,こうした学習の過程を重視して,具体的な学習内容,単元や題材の構成や学習の場面等に応じた方法について研究を重ね,ふさわしい方法を選択しながら,工夫して実践できるようにすることが重要である。 このため,今回の改訂においては,各教科等の指導計画の作成上の配慮事項として,当該教科等の特質に応じた主体的・対話的で深い学びを実現するための授業改善について示している。具体的には,各教科等の「第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い」等の指導計画の作成に当たっての配慮事項として,共通に「単元(題材)など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図るようにすること。」とした上で,当該教科等の特質に応じてどのような学習活動等の充実を図るよう配慮することが求められるかを示している。例えば,共通教科及び総合的な探究の時間,特別活動については,次のように示している。 *  「言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,言葉の特徴や使い方などを理解し自分の思いや考えを深める学習の充実を図ること」(国語科) *  「科目の特質に応じた見方・考え方を働かせ,社会的事象の意味や意義などを考察し,概念などに関する知識を獲得したり,社会との関わりを意識した課題を追究したり解決したりする活動の充実を図ること」(地理歴史科) *  「科目の特質に応じた見方・考え方を働かせ,社会的事象等の意味や意義などを考察し,概念などに関する知識を獲得したり,社会との関わりを意識した課題を追究したり解決したりする活動の充実を図ること」(公民科) *  「数学的な見方・考え方を働かせながら,日常の事象や社会の事象を数理的に捉え,数学の問題を見いだし,問題を自立的,協働的に解決し,学習の過程を振り返り,概念を形成するなどの学習の充実を図ること」(数学科) *  「理科の学習過程の特質を踏まえ,理科の見方・考え方を働かせ,見通しをもって観察,実験を行うことなどの科学的に探究する学習活動の充実を図ること」(理科) *  「体育や保健の見方・考え方を働かせながら,運動や健康についての自他や社会の課題を発見し,その合理的,計画的な解決のための活動の充実を図ること。また,運動の楽しさや喜びを味わったり,健康の大切さを実感したりすることができるよう留意すること」(保健体育科) *  「各科目における見方・考え方を働かせ,各科目の特質に応じた学習の充実を図ること」(芸術科) ※ 解説において,芸術科の特質に応じた学習の充実について以下のとおり具体的に記述している。  「各科目における見方・考え方を働かせ,表現及び鑑賞の活動の関連を図るなどして,芸術に関する各科目の特質について理解するとともに,創造的な表現を工夫したり,芸術のよさや美しさを深く味わったりする過程を大切にした学習の充実を図ること」(芸術科 解説) *  「具体的な課題等を設定し,生徒が外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせながら,コミュニケーションの目的や場面,状況などを意識して活動を行い,英語の音声や語彙,表現などの知識を,五つの領域における実際のコミュニケーションにおいて活用する学習の充実を図ること」(外国語科) *  「生活の営みに係る見方・考え方を働かせ,知識を相互に関連付けてより深く理解するとともに,家庭や地域及び社会における生活の中から問題を見いだして解決策を構想し,実践を評価・改善して,新たな課題の解決に向かう過程を重視した学習の充実を図ること」(家庭科) *  「情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,情報と情報技術を活用して問題を発見し主体的,協働的に制作や討論等を行うことを通して解決策を考えるなどの探究的な学習活動の充実を図ること」(情報科) *  「生徒や学校,地域の実態等に応じて,生徒が数学的な見方・考え方や理科の見方・考え方を組み合わせるなどして働かせ,様々な事象や課題に向き合い,主体的に探究することができるよう創意工夫を生かした教育活動の充実を図ること」(理数科) *  「生徒や学校,地域の実態等に応じて,生徒が探究の見方・考え方を働かせ,教科・科目等の枠を超えた横断的・総合的な学習や生徒の興味・関心等に基づく学習を行うなど創意工夫を生かした教育活動の充実を図ること」(総合的な探究の時間) *  「よりよい人間関係の形成,よりよい集団生活の構築や社会への参画及び自己実現に資するよう,生徒が集団や社会の形成者としての見方・考え方を働かせ,様々な集団活動に自主的,実践的に取り組む中で,互いのよさや個性,多様な考えを認め合い,等しく合意形成に関わり役割を担うようにすることを重視すること」(特別活動) こうした学習は,これまでも学習指導要領において重視してきたものであり,今回の改訂においては各教科等において行われる学習活動の質を更に改善・充実させていくための視点として主体的・対話的で深い学びの視点を示している。 前述のように,このような学びの質を高めるための授業改善の取組については,既に多くの実践が積み重ねられてきており,具体的な授業の在り方は,生徒の発達の段階や学習課題等により様々である。単元や題材など内容や時間のまとまりを見通した学習を行うに当たり基礎となるような,基礎的・基本的な知識及び技能の習得に課題が見られる場合には,それを身に付けさせるために,生徒の学びを深めたり主体性を引き出したりといった工夫を重ねながら,確実な習得を図ることが求められる。生徒の実際の状況を踏まえながら,資質・能力を育成するために多様な学習活動を組み合わせて授業を組み立てていくことが重要であり,例えば高度な社会課題の解決だけを目指したり,そのための討論や対話といった学習活動を行ったりすることのみが主体的・対話的で深い学びではない点に留意が必要である。 ## 2 言語環境の整備と言語活動の充実(第1章総則第3款1(2)) ### (2)  第2款の2の(1)に示す言語能力の育成を図るため,各学校において必要な言語環語活動を充実すること。あわせて,(6)に示すとおり読書活動を充実すること。 本項は,第1章総則第2款2(1)において学習の基盤となる資質・能力として言語能力 を育成することを示していることを受けて,教育課程の編成に当たり,各学校において学校生活全体における言語環境を整えるとともに,言語能力を育成する中核的な教科である国語科を要として,各教科・科目等の特質に応じた言語活動を充実すること,あわせて,言語能力を向上させる重要な活動である読書活動を充実させることを示している。 平成 21 年の改訂においては,知識及び技能と思考力,判断力,表現力等をバランスよく育むため,基礎的・基本的な知識及び技能の習得とそれらを活用する学習活動やその成果を踏まえた探究活動を充実させることとし,これらの学習が全て言語により行われるものであることから,言語に関する能力の育成を重視して各教科等における言語活動を充実させることとした。 今回の改訂においても,言語は生徒の学習活動を支える重要な役割を果たすものであり,言語能力は全ての教科等における資質・能力の育成や学習の基盤となるものであると位置付けている。 その上で,言語能力の育成を図るために,各学校において取組が求められる事項を示している。 具体的には,言語環境を整えることである。生徒の言語活動は,生徒を取り巻く言語環境によって影響を受けることが大きいため,学校生活全体における言語環境を望ましい状態に整えておくことが大切である。学校生活全体における言語環境の整備としては,例えば,教師との関わりに関係することとして,①教師は正しい言葉で話し,黒板などに正確で丁寧な文字を書くこと,②校内の掲示板やポスター,生徒に配布する印刷物において用語や文字を適正に使用すること,③校内放送において,適切な言葉を使って簡潔にわかりやすく話すこと,④より適切な話し言葉や文字が用いられている教材を使用すること,⑤教師と生徒,生徒相互の話し言葉が適切に用いられているような状況をつくること,⑥生徒が集団の中で安心して話ができるような教師と生徒,生徒相互の好ましい人間関係を築くことなどに留意する必要がある。なお,言語環境をはじめ学校教育活動を通じ,色のみによる識別に頼った表示方法をしないなどの配慮も必要である。 次に,言語能力を育成する中核的な教科である国語科を要として各教科等において言語活動の充実を図ることである。国語科では,「知識及び技能」や「思考力,判断力,表現力等」の資質・能力をどのような言語活動を通して育成するかを言語活動例として示している。また,各学科に共通する各教科においても, ・ 「社会的な見方・考え方を働かせることをより一層重視する観点に立って,社会的事象の意味や意義,事象の特色や事象間の関連,社会に見られる課題などについて,考察したことや構想したことを論理的に説明したり,立場や根拠を明確にして議論したりするなどの言語活動に関わる学習を一層重視すること」(地理歴史科) ・ 「社会的な見方・考え方を働かせることをより一層重視する観点に立って,社会的事象等の意味や意義,事象の特色や事象間の関連,現実社会に見られる課題などについて,考察したことや構想したことを論理的に説明したり,立場や根拠を明確にして議論したりするなどの言語活動に関わる学習を一層重視すること」(公民科) ・ 「思考力,判断力,表現力等を育成するため,数学的な表現を用いて簡潔・明瞭・的確に表現したり,数学的な表現を解釈したり,互いに自分の考えを表現し伝え合ったりするなどの機会を設けること」(数学科) ・ 「問題を見いだし観察,実験などを計画する学習活動,観察,実験などの結果を析し解釈する学習活動,科学的な概念を使用して考えたり説明したりする学習活などが充実するようにすること」(理科) ・ 「言語能力を育成する言語活動を重視し,筋道を立てて練習や作戦について話し合ったり身振りや身体を使って動きの修正を図る活動や,個人及び社会生活における健康の保持増進や回復について話し合う活動などを通して,コミュニケーション能力や論理的な思考力の育成を促し,自主的な学習活動の充実を図ること」(保健体育科) ・ 「内容の「A表現」及び「B鑑賞」の指導に当たっては,思考力,判断力,表現力等の育成を図るため,音や音楽及び言葉によるコミュニケーションを図り,芸術科音楽の特質に応じた言語活動を適切に位置付けられるよう指導を工夫する。なお,内容の「B鑑賞」の指導に当たっては,曲や演奏について根拠をもって批評する活動などを取り入れるようにする。」(芸術科 音楽) ・ 「内容の「A表現」及び「B鑑賞」の指導に当たっては,芸術科美術の特質に応じて,発想や構想に関する資質・能力や鑑賞に関する資質・能力を育成する観点から,〔共通事項〕に示す事項を視点に,アイデアスケッチなどで構想を練ったり,言葉などで考えを整理したりすることや,作品について批評し合う活動などを取り入れるようにする。」(芸術科 美術) ・ 「内容の「A表現」及び「B鑑賞」の指導に当たっては,芸術科工芸の特質に応じて,発想や構想に関する資質・能力や鑑賞に関する資質・能力を育成する観点から,〔共通事項〕に示す事項を視点に,アイデアスケッチなどで構想を練ったり,言葉などで考えを整理したりすることや,作品について批評し合う活動などを取り入れるようにする。」(芸術科 工芸) ・ 「内容の「A表現」及び「B鑑賞」の指導に当たっては,思考力,判断力,表現力等の育成を図るため,芸術科書道の特質に応じた言語活動を適切に位置付けられるよう指導を工夫する。なお,内容の「B鑑賞」の指導に当たっては,作品について根拠をもって批評する活動などを取り入れるようにする。」(芸術科 書道) ・ 「衣食住などの生活における様々な事象を言葉や概念などを用いて考察する活動,判断が必要な場面を設けて理由や根拠を論述したり適切な解決方法を探究したりする活動などを充実すること。」(家庭科) ・ 「情報と情報技術を活用した問題の発見・解決を行う過程において,自らの考察や解釈,概念等を論理的に説明したり記述したりするなどの言語活動の充実を図ること。」(情報科) ・ 「理数に関する学科においては,「理数探究基礎」及び「理数探究」の指導に当たり,観察,実験などの結果を分析し解釈して自らの考えを導き出し,それらを表現するなどの学習活動を充実すること。」(理数科)  など,それぞれの教科の特質に応じた言語活動の充実について記述されている。また,外国語科においては,外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語による聞くこと,読むこと,話すこと,書くことの言語活動及びこれらを結び付けた統合的な言語活動を通して,情報や考えなどを的確に理解したり適切に表現したり伝え合ったりするコミュニケーションを図る資質・能力を育成することを目指す。 更に,総合的な探究の時間では「探究の過程においては,他者と協働して課題を解決しようとする学習活動や,言語により分析し,まとめたり表現したりするなどの学習活動が行われるようにすること」を,特別活動では「体験活動を通して気付いたことなどを振り返り,まとめたり,発表し合ったりするなどの事後の活動を充実すること」をそれぞれ重視している。  このように言語活動は,言語能力を育成するとともに,各教科等の指導を通して育成を目指す資質・能力を身に付けるために充実を図るべき学習活動である。前述のとおり,主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を進めるに当たっては,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通して,各教科等の特質に応じた言語活動をどのような場面で,またどのような工夫を行い取り入れるかを考え,計画的・継続的に改善・充実を図ることが期待される。  また,読書は,多くの語彙や多様な表現を通して様々な世界に触れ,これを疑似的に体験したり知識を獲得したりして,新たな考え方に出合うことを可能にするものであり,言語能力を向上させる重要な活動の一つである。そのため,本項において,読書活動の充実について規定し,具体的な充実の在り方については,学校図書館等の活用と関連付けて第1章総則第3款1(6)に規定している。 こうした,読書活動の充実や,前述の生徒の言語環境の整備のためにも,学校図書館の充実を図ることが重要である。 ## 言語環境の整備と言語活動の充実(第1章総則第3款1(2)) ### (2)  第2款の2の(1)に示す言語能力の育成を図るため,各学校において必要な言語環境を整えるとともに,国語科を要としつつ各教科・科目等の特質に応じて,生徒の言語活動を充実すること。あわせて,(6)に示すとおり読書活動を充実すること。 本項は,第1章総則第2款2(1)において学習の基盤となる資質・能力として言語能力を育成することを示していることを受けて,教育課程の編成に当たり,各学校において学校生活全体における言語環境を整えるとともに,言語能力を育成する中核的な教科である国語科を要として,各教科・科目等の特質に応じた言語活動を充実すること,あわせて,言語能力を向上させる重要な活動である読書活動を充実させることを示している。 平成 21 年の改訂においては,知識及び技能と思考力,判断力,表現力等をバランスよく育むため,基礎的・基本的な知識及び技能の習得とそれらを活用する学習活動やその成果を踏まえた探究活動を充実させることとし,これらの学習が全て言語により行われるものであることから,言語に関する能力の育成を重視して各教科等における言語活動を充実させることとした。 今回の改訂においても,言語は生徒の学習活動を支える重要な役割を果たすものであり,言語能力は全ての教科等における資質・能力の育成や学習の基盤となるものであると位置付けている。 その上で,言語能力の育成を図るために,各学校において取組が求められる事項を示している。 具体的には,言語環境を整えることである。生徒の言語活動は,生徒を取り巻く言語環境によって影響を受けることが大きいため,学校生活全体における言語環境を望ましい状態に整えておくことが大切である。学校生活全体における言語環境の整備としては,例えば,教師との関わりに関係することとして,①教師は正しい言葉で話し,黒板などに正確で丁寧な文字を書くこと,②校内の掲示板やポスター,生徒に配布する印刷物において用語や文字を適正に使用すること,③校内放送において,適切な言葉を使って簡潔にわかりやすく話すこと,④より適切な話し言葉や文字が用いられている教材を使用すること,⑤教師と生徒,生徒相互の話し言葉が適切に用いられているような状況をつくること,⑥生徒が集団の中で安心して話ができるような教師と生徒,生徒相互の好ましい人間関係を築くことなどに留意する必要がある。なお,言語環境をはじめ学校教育活動を通じ,色のみによる識別に頼った表示方法をしないなどの配慮も必要である。 次に,言語能力を育成する中核的な教科である国語科を要として各教科等において言語活動の充実を図ることである。国語科では,「知識及び技能」や「思考力,判断力,表現力等」の資質・能力をどのような言語活動を通して育成するかを言語活動例として示している。また,各学科に共通する各教科においても, ・ 「社会的な見方・考え方を働かせることをより一層重視する観点に立って,社会的事象の意味や意義,事象の特色や事象間の関連,社会に見られる課題などについて,考察したことや構想したことを論理的に説明したり,立場や根拠を明確にして議論したりするなどの言語活動に関わる学習を一層重視すること」(地理歴史科) ・ 「社会的な見方・考え方を働かせることをより一層重視する観点に立って,社会的事象等の意味や意義,事象の特色や事象間の関連,現実社会に見られる課題などについて,考察したことや構想したことを論理的に説明したり,立場や根拠を明確にして議論したりするなどの言語活動に関わる学習を一層重視すること」(公民科) ・ 「思考力,判断力,表現力等を育成するため,数学的な表現を用いて簡潔・明瞭・的確に表現したり,数学的な表現を解釈したり,互いに自分の考えを表現し伝え合ったりするなどの機会を設けること」(数学科) ・ 「問題を見いだし観察,実験などを計画する学習活動,観察,実験などの結果を分析し解釈する学習活動,科学的な概念を使用して考えたり説明したりする学習活動などが充実するようにすること」(理科) ・ 「言語能力を育成する言語活動を重視し,筋道を立てて練習や作戦について話し合ったり身振りや身体を使って動きの修正を図る活動や,個人及び社会生活における健康の保持増進や回復について話し合う活動などを通して,コミュニケーション能力や論理的な思考力の育成を促し,自主的な学習活動の充実を図ること」(保健体育科) ・ 「内容の「A表現」及び「B鑑賞」の指導に当たっては,思考力,判断力,表現力等の育成を図るため,音や音楽及び言葉によるコミュニケーションを図り,芸術科音楽の特質に応じた言語活動を適切に位置付けられるよう指導を工夫する。なお,内容の「B鑑賞」の指導に当たっては,曲や演奏について根拠をもって批評する活動などを取り入れるようにする。」(芸術科 音楽) ・ 「内容の「A表現」及び「B鑑賞」の指導に当たっては,芸術科美術の特質に応じて,発想や構想に関する資質・能力や鑑賞に関する資質・能力を育成する観点から,〔共通事項〕に示す事項を視点に,アイデアスケッチなどで構想を練ったり,言葉などで考えを整理したりすることや,作品について批評し合う活動などを取り入れるようにする。」(芸術科 美術) ・ 「内容の「A表現」及び「B鑑賞」の指導に当たっては,芸術科工芸の特質に応じて,発想や構想に関する資質・能力や鑑賞に関する資質・能力を育成する観点から,〔共通事項〕に示す事項を視点に,アイデアスケッチなどで構想を練ったり,言葉などで考えを整理したりすることや,作品について批評し合う活動などを取り入れるようにする。」(芸術科 工芸) ・ 「内容の「A表現」及び「B鑑賞」の指導に当たっては,思考力,判断力,表現力等の育成を図るため,芸術科書道の特質に応じた言語活動を適切に位置付けられるよう指導を工夫する。なお,内容の「B鑑賞」の指導に当たっては,作品について根拠をもって批評する活動などを取り入れるようにする。」(芸術科 書道) ・ 「衣食住などの生活における様々な事象を言葉や概念などを用いて考察する活動,判断が必要な場面を設けて理由や根拠を論述したり適切な解決方法を探究したりする活動などを充実すること。」(家庭科) ・ 「情報と情報技術を活用した問題の発見・解決を行う過程において,自らの考察や解釈,概念等を論理的に説明したり記述したりするなどの言語活動の充実を図ること。」(情報科) ・ 「理数に関する学科においては,「理数探究基礎」及び「理数探究」の指導に当たり,観察,実験などの結果を分析し解釈して自らの考えを導き出し,それらを表現するなどの学習活動を充実すること。」(理数科)  など,それぞれの教科の特質に応じた言語活動の充実について記述されている。 また,外国語科においては,外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語による聞くこと,読むこと,話すこと,書くことの言語活動及びこれらを結び付けた統合的な言語活動を通して,情報や考えなどを的確に理解したり適切に表現したり伝え合ったりするコミュニケーションを図る資質・能力を育成することを目指す。  更に,総合的な探究の時間では「探究の過程においては,他者と協働して課題を解決しようとする学習活動や,言語により分析し,まとめたり表現したりするなどの学習活動が行われるようにすること」を,特別活動では「体験活動を通して気付いたことなどを振り返り,まとめたり,発表し合ったりするなどの事後の活動を充実すること」をそれぞれ重視している。 このように言語活動は,言語能力を育成するとともに,各教科等の指導を通して育成を目指す資質・能力を身に付けるために充実を図るべき学習活動である。前述のとおり,主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を進めるに当たっては,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通して,各教科等の特質に応じた言語活動をどのような場面で,またどのような工夫を行い取り入れるかを考え,計画的・継続的に改善・充実を図ることが期待される。  また,読書は,多くの語彙や多様な表現を通して様々な世界に触れ,これを疑似的に体験したり知識を獲得したりして,新たな考え方に出合うことを可能にするものであり,言語能力を向上させる重要な活動の一つである。そのため,本項において,読書活動の充実について規定し,具体的な充実の在り方については,学校図書館等の活用と関連付けて第1章総則第3款1(6)に規定している。  こうした,読書活動の充実や,前述の生徒の言語環境の整備のためにも,学校図書館の充実を図ることが重要である。 ## 3 コンピュータ等や教材・教具の活用(第1章総則第3款1(3)) ### (3) 第2款の2の(1)に示す情報活用能力の育成を図るため,各学校において,コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え,これらを適切に活用した学習活動の充実を図ること。また,各種の統計資料や新聞,視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図ること。 生徒に第1章第2款2(1)に示す情報活用能力の育成を図るためには,各学校において,コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段及びこれらを日常的・効果的に活用するために必要な環境を整えるとともに,各教科等においてこれらを適切に活用した学習活動の充実を図ることが重要である。また,教師がこれらの情報手段に加えて,各種の統計資料や新聞,視聴覚教材や教育機器などの教材・教具を適切に活用することが重要である。 今日,コンピュータ等の情報技術は急激な進展を遂げ,人々の社会生活や日常生活に浸透し,スマートフォンやタブレット PC 等に見られるように情報機器の使いやすさの向上も相まって,生徒が情報を活用したり発信したりする機会も増大している。情報技術は今後も飛躍的に進展し,常に新たな機器やサービスが生まれ社会に浸透していくこと,人々のあらゆる活動によって極めて膨大な情報(データ)が生み出され蓄積されていくことが予想される。このことにより,職業生活ばかりでなく,学校での学習や生涯学習,家庭生活,余暇生活など人々のあらゆる活動において,更には自然災害等の非常時においても,そうした機器やサービス,情報を適切に選択・活用していくことが不可欠な社会が到来しつつある。 そうした社会において,生徒が情報を主体的に捉えながら,何が重要かを主体的に考え,見いだした情報を活用しながら他者と協働し,新たな価値の創造に挑んでいけるようにするため,情報活用能力の育成が極めて重要となっている。第1章総則第2款2(1)に示すとおり,情報活用能力は「学習の基盤となる資質・能力」であり,確実に身に付けさせる必要があるとともに,身に付けた情報活用能力を発揮することにより,各教科等における主体的・対話的で深い学びへとつながっていくことが期待されるものである。今回の改訂においては,コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段の活用について,こうした情報活用能力の育成もそのねらいとするとともに,人々のあらゆる活動に今後一層浸透していく情報技術を,生徒が手段として学習や日常生活に活用できるようにするため,各教科等においてこれらを適切に活用した学習活動の充実を図ることとしている。 各教科等の指導に当たっては,教師がこれらの情報手段のほか,各種の統計資料や新聞,デジタル教科書やデジタル教材,視聴覚教材や教育機器などの教材・教具の適切な活用を図ることも重要である。各教科等における指導が,生徒の主体的・対話的で深い学びへとつながっていくようにするためには,必要な資料の選択が重要であり,とりわけ信頼性が高い情報や整理されている情報,正確な読み取りが必要な情報などを授業に活用していくことが必要であることから,今回の改訂において,各種の統計資料と新聞を特に例示 している。これらの教材・教具を有効,適切に活用するためには,教師は機器の操作等に習熟するだけではなく,それぞれの教材・教具の特性を理解し,指導の効果を高める方法について絶えず研究することが求められる。なお,コンピュータや大型提示装置等で用いるデジタル教材は教師間での共有が容易であり,教材作成の効率化を図ることができるとともに,教師一人一人の得意分野を生かして教材を作成し共有して,更にその教材を用いた指導についても教師間で話し合い共有することにより,学校全体の指導の充実を図ることもできることから,こうした取組を積極的に進めることが期待される。 第1章総則第2款2(1)においては,「情報活用能力(情報モラルを含む。)」として,情報活用能力に情報モラルが含まれることを特に示している。携帯電話・スマートフォンやSNS が子供たちにも急速に普及するなかで,インターネット上での誹謗中傷やいじめ,インターネット上の犯罪や違法・有害情報の問題の深刻化,インターネット利用の長時間化等を踏まえ,情報モラルについて指導することが一層重要となっている。 情報モラルとは,「情報社会で適正な活動を行うための基になる考え方と態度であり, 具体的には,他者への影響を考え,人権,知的財産権など自他の権利を尊重し情報社会の行動に責任をもつことや,犯罪被害を含む危険の回避など情報を正しく安全に利用でること,コンピュータなどの情報機器の使用による健康との関わりを理解することなどある。このため,情報発信による他人や社会への影響について考えさせる学習活動,ネットワーク上のルールやマナーを守ることの意味について考えさせる学習活動,情報には自他の権利があることを考えさせる学習活動,情報には誤ったものや危険なものがあることを考えさせる学習活動,情報セキュリティの重要性とその具体的対策について考えさせる学習活動,健康を害するような行動について考えさせる学習活動などを通じて,生徒に情報モラルを確実に身に付けさせるようにすることが必要である。その際,情報の収集,判断,処理,発信など情報を活用する各場面での情報モラルについて学習させることが重要である。また,情報技術やサービスの変化,生徒のインターネットの使い方の変化に伴い,学校や教師はその実態や影響に係る最新の情報の入手に努め,それに基づいた適切な指導に配慮することが必要である。併せて,例えば,インターネット上に発信された情報は基本的には広く公開される可能性がある,どこかに記録が残り完全に消し去ることはできないといった,情報や情報技術の特性についての理解に基づく情報モラルを身に付けさせ,将来の新たな機器やサービス,あるいは危険の出現にも適切に対応できるようにすることが重要である。更に,情報モラルに関する指導は,情報科や公民科,特別活動のみで実施するものではなく,各教科等との連携や,更に生徒指導との連携も図りながら実施することが重要である。 情報手段を活用した学習活動を充実するためには,国において示す整備指針等を踏まえつつ,校内の ICT 環境の整備に努め,生徒も教師もいつでも使えるようにしておくことが重要である。すなわち,学習者用コンピュータのみならず,例えば大型提示装置を各普通教室と特別教室に常設する,安定的に稼働するネットワーク環境を確保するなど,学校と設置者とが連携して,情報機器を適切に活用した学習活動の充実に向けた整備を進めるとともに,教室内での配置等も工夫して,生徒や教師が情報機器の操作に手間取ったり時間がかかったりすることなく活用できるよう工夫することにより,日常的に活用できるようにする必要がある。 更に,生徒が安心して情報手段を活用できるよう,情報機器にフィルタリング機能の措置を講じたり,個人情報の漏えい等の情報セキュリティ事故が生じることのないよう,学校において取り得る対策を十全に講じたりすることなどが必要である。 加えて,情報活用能力の育成や情報手段の活用を進める上では,地域の人々や民間企業等と連携し協力を得ることが特に有効であり,学校外の人的・物的資源の適切かつ効果的な活用に配慮することも必要である。 ## 4 見通しを立てたり,振り返ったりする学習活動(第1章総則第3款(4)) ### (4) 生徒が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする活動を,計画的に取り入れるように工夫すること。 本項は,生徒が自主的に学ぶ態度を育み,学習意欲の向上に資する観点から,各教科等の指導に当たり,生徒が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする活動を計画的に取り入れるように工夫することが重要であることを示している。 本項は,教育基本法第6条第2項(「教育を受ける者が,学校生活を営む上で必要な規律を重んずるとともに,自ら進んで学習に取り組む意欲を高めることを重視して行われなければならない」)及び学校教育法第 30 条第2項(「主体的に学習に取り組む態度を養うことに,特に意を用いなければならない」)を踏まえ,生徒の学習意欲の向上を重視する観点から設けられたものである。 今回の改訂においても,引き続き生徒の学習意欲の向上を重視しており,主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を進めるに当たっては,特に主体的な学びとの関係からは,生徒が学ぶことに興味や関心をもち,自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら,見通しをもって粘り強く取り組み,自己の学習活動を振り返って次につなげることが重要になることから,各教科・科目等の指導に当たり,本項の規定を踏まえる必要がある。 具体的には,例えば,各教科・科目等の指導に当たっては,生徒が学習の見通しを立てたり,生徒が当該授業で学習した内容を振り返る機会を設けたりといった取組の充実や,生徒が家庭において学習の見通しを立てて予習をしたり学習した内容を振り返って復習したりする習慣の確立などを図ることが重要である。これらの指導を通じ,生徒の学習意欲が向上するとともに,生徒が学習している事項について,事前に見通しを立てたり,事後に振り返ったりすることで学習内容の確実な定着が図られ,各教科等で目指す資質・能力の育成にも資するものと考えられる。 社会構造等の急速な変化による予測困難な時代にあって,また,少子高齢化等が進み成熟社会を迎えている我が国において,これからの学校教育には,生徒に知・徳・体のバランスのとれた資質・能力を育成することが一層重要となっている。 資質・能力を偏りなく育成していくに当たり,「学びに向かう力,人間性等」を育む観点からは,体験活動の充実が重要である。「学びに向かう力,人間性等」は「知識及び技能」,「思考力,判断力,表現力等」をどのような方向性で働かせていくのかを決定付ける重要な要素であることから,本項において,各教科・科目等の特質に応じた体験活動を重視し,家庭や地域社会と連携しつつ体系的・継続的に実施できるよう工夫することを示している。 生徒を取り巻く地域や家庭の環境,情報環境等が劇的に変化し,生徒が自然の中で豊かな体験をしたり,文化芸術を体験して感性を高めたりする機会が限られているとの指摘がされている。それにより,例えば生命の有限性を実感することや異年齢の幼児児童生徒が協働する経験が少なくなり,現実的には学校教育は生徒がそうした経験をすることができる数少ない場となっている。 平成 21 年の改訂において,体験活動は言語活動とともに重要なものとして位置付けられたが,今回の改訂においては,前述の生徒を取り巻く環境等を踏まえ,生徒が生命の有限性や自然の大切さ,主体的に挑戦してみることや多様な他者と協働することの重要性などを実感しながら理解することができるようにすることを重視し,集団の中で体系的・継続的な活動を行うことのできる学校の場を生かして,地域・家庭と連携・協働して,体験活動の機会を確保していくことを示している。 学校において体系的・継続的に体験活動を実施していくためには,各教科・科目等の特質に応じて教育課程を編成していくことが必要である。 また,体験活動を継続的に実施していくためには,その時間の確保も課題となる。この点では,各教科・科目等の指導に当たり,各教科・科目等の特質に応じた体験を伴う学習の時間を確保するだけでなく,生徒が生命の有限性や自然の大切さ,主体的に挑戦してみることや多様な他者と協働することの重要性などを実感しながら理解することができるよう,各教科・科目等の特質に応じた体験活動を重視しなければならない。例えば,就業体験活動や他の人々や社会のために役立ち自分自身を高めることができるボランティア活動,自然のすばらしさを味わい自然や動植物を愛護する心を育てることができる自然体験活動,地域の一員として社会参画の意欲を高めることができる地域の行事への参加などにおいて,各教科・科目等の内容に関わる体験を伴う学習や探究的な活動が効果的に展開で きると期待される場合,各教科・科目等の学習を含む計画を立て,授業時数に含めて扱う柔軟な年間指導計画を作成するなど,学校の教育活動の全体を通して体験活動の機会の充実を図る工夫をすることも考えられる。このように,各教科・科目等の特質やその関連を踏まえ,生徒の様々な学習機会がより効果的なものとなるようにしていくことが,カリキュラム・マネジメントの重要な視点である。 なお,このような体験活動を効果的に実施していくためには,その意義や効果について家庭や地域と共有し,連携・協働することが重要である。また,これらの学習を展開するに当たっては,学習の内容と生徒の発達の段階に応じて安全への配慮を十分に行わなければならない。 ## 6 学校図書館,地域の公共施設の利活用(第1章総則第3款1(6)) ### (6)  学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に生かすとともに,生徒の自主的,自発的な学習活動や読書活動を充実すること。また,地域の図書館や博物館,美術館,劇場,音楽堂等の施設の活用を積極的に図り,資料を活用した情報の収集や鑑賞等の学習活動を充実すること。 学校図書館については,学校教育において欠くことのできない基礎的な設備であり,①生徒の想像力を培い,学習に対する興味・関心等を呼び起こし,豊かな心や人間性,教養,創造力等を育む自由な読書活動や読書指導の場である「読書センター」としての機能,②生徒の自主的・自発的かつ協働的な学習活動を支援したり,授業の内容を豊かにしてその理解を深めたりする「学習センター」としての機能,③生徒や教職員の情報ニーズに対応したり,生徒の情報の収集・選択・活用能力を育成したりする「情報センター」としての機能を有している。 また,これからの学校図書館には,読書活動の推進のために利活用されることに加え,調べ学習や新聞を活用した学習など,各教科等の様々な授業で活用されることにより,学校における言語活動や探究活動の場となり,主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に資する役割が一層期待されている。 学校においては,このような学校図書館に期待されている役割が最大限に発揮できるようにすることが重要であり,学校図書館が,生徒が落ち着いて読書を行うことができる,安らぎのある環境や知的好奇心を醸成する開かれた学びの場としての環境として整えられるよう努めることが大切である。また,各教科等において,学校図書館の機能を計画的に利活用し,生徒の自主的・自発的な学習活動や読書活動を充実するよう努めることが大切である。その際,各教科等を横断的に捉え,学校図書館の利活用を基にした情報活用能力を学校全体として計画的かつ体系的に指導するよう努めることが望まれる。更に,教育課程との関連を踏まえた学校図書館の利用指導・読書指導・情報活用に関する各種指導計画等に基づき,計画的・継続的に学校図書館の利活用が図られるよう努めることが大切である。 こういった学校図書館の利活用を進めるに当たって,学校図書館における図書館資料の充実と,学校図書館の運営等に当たる司書教諭及び学校司書の配置の充実やその資質・能力の向上の双方を図ることが大切である。図書館資料については,図書資料のほか,雑誌,新聞,視聴覚資料,電子資料(各種記録媒体に記録・保存された資料,ネットワーク情報資源(ネットワークを介して得られる情報コンテンツ)等)等の図書以外の資料が含まれており,これらの資料について,生徒の発達の段階等を踏まえ,教育課程の展開に寄与するとともに,生徒の健全な教養の育成に資する資料構成と十分な資料規模を備えるよう努めることが大切である。また,司書教諭及び学校司書については,学校図書館がその機能を十分に発揮できるよう,学校図書館の館長としての役割も担う校長のリーダーシップの下,各者がそれぞれの立場で求められている役割を果たした上で,互いに連携・協力し,組織的に取り組むよう努めることが大切である。 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を進めるに当たっては,学校図書館の活用に加えて,資料調査や本物の芸術に触れる鑑賞の活動等を充実させるため,地域の図書館,博物館,美術館,劇場,音楽堂等の施設を積極的に活用することも重要である。なお,本項においては「劇場,音楽堂等の活性化に関する法律」(平成 24 年法律第 49 号)を踏まえ「劇場,音楽堂等」としているが,こうした公共の施設の名称や施設が有する機能は地域によって多様であるため,ここに規定する施設に限らず生徒の学習の充実に資する観点から幅広く活用を図ることが期待される。 # 第 2 節 学習評価の充実 ## 1 指導の評価と改善(第1章総則第3款2(1)) ### (1)  生徒のよい点や進歩の状況などを積極的に評価し,学習したことの意義や価値を実感できるようにすること。また,各教科・科目等の目標の実現に向けた学習状況を把握する観点から,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら評価の場面や方法を工夫して,学習の過程や成果を評価し,指導の改善や学習意欲の向上を図り,資質・能力の育成に生かすようにすること。 本項と次項は,学習評価の実施に当たっての配慮事項を示している。 学習評価は,学校における教育活動に関し,生徒の学習状況を評価するものである。「生徒にどういった力が身に付いたか」という学習の成果を的確に捉え,教師が指導の改善を図るとともに,生徒自身が自らの学習を振り返って次の学習に向かうことができるようにするためにも,学習評価の在り方は重要であり,教育課程や学習・指導方法の改善と一貫性のある取組を進めることが求められる。 評価に当たっては,いわゆる評価のための評価に終わることなく,教師が生徒のよい点や進歩の状況などを積極的に評価し,生徒が学習したことの意義や価値を実感できるようにすることで,自分自身の目標や課題をもって学習を進めていけるように,評価を行うことが大切である。 実際の評価においては,各教科等の目標の実現に向けた学習の状況を把握するために,指導内容や生徒の特性に応じて,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら評価の場面や方法を工夫し,学習の過程の適切な場面で評価を行う必要がある。その際には,学習の成果だけでなく,学習の過程を一層重視することが大切である。特に,他者との比較ではなく生徒一人一人のもつよい点や可能性などの多様な側面,進歩の様子などを把握し,学年や学期にわたって生徒がどれだけ成長したかという視点を大切にすることも重要である。 また,教師による評価とともに,生徒による学習活動としての相互評価や自己評価などを工夫することも大切である。相互評価や自己評価は,生徒自身の学習意欲の向上にもつながることから重視する必要がある。 今回の改訂では,各教科等の目標を資質・能力の三つの柱で再整理しており,平成 28年 12 月の中央教育審議会答申において,目標に準拠した評価を推進するため,観点別評価について,「知識・技能」,「思考・判断・表現」,「主体的に学習に取り組む態度」の3観点に整理することが提言されている。 その際,ここでいう「知識」には,個別の事実的な知識のみではなく,それらが相互に関連付けられ,更に社会の中で生きて働く知識となるものが含まれている点に留意が必要である。 ## 2 学習評価に関する工夫(第1章総則第3款2(2))(2)  ### 創意工夫の中で学習評価の妥当性や信頼性が高められるよう,組織的かつ計画的な取組を推進するとともに,学年や学校段階を越えて生徒の学習の成果が円滑に接続されるように工夫すること。 学習評価の実施に当たっては,評価結果が評価の対象である生徒の資質・能力を適切に反映しているものであるという学習評価の妥当性や信頼性が確保されていることが重要である。また,学習評価は生徒の学習状況の把握を通して,指導の改善に生かしていくことが重要であり,学習評価を授業改善や組織運営の改善に向けた学校教育全体の取組に位置付けて組織的かつ計画的に取り組むことが必要である。 このため,学習評価の妥当性や信頼性が高められるよう,例えば,評価規準や評価方等を明確にすること,評価結果について教師同士で検討すること,実践事例を蓄積し共していくこと,授業研究等を通じ評価に係る教師の力量の向上を図ることなどに,学校して組織的かつ計画的に取り組むことが大切である。更に,学校が保護者に,評価に関る仕組みについて事前に説明したり,評価結果についてより丁寧に説明したりするなどて,評価に関する情報をより積極的に提供し保護者の理解を図ることも信頼性の向上の点から重要である。 また,学年や学校段階を越えて生徒の学習の成果が円滑に接続されるようにすることは,学習評価の結果をその後の指導に生かすことに加えて,生徒自身が成長や今後の課題を実感できるようにする観点からも重要なことである。 このため,学年間で生徒の学習の成果が共有され円滑な接続につながるよう,指導要録への適切な記載や学校全体で一貫した方針の下で学習評価に取り組むことが大切である。 更に,今回の改訂は学校間の接続も重視しており,進学時に生徒の学習評価がより適切に引き継がれるよう努めていくことが重要である。例えば,法令の定めに基づく指導要録の写し等の適切な送付に加えて,今回の改訂では,特別活動の指導に当たり,学校,家庭及び地域における学習や生活の見通しを立て,学んだことを振り返りながら,新たな学習や生活への意欲につなげたり,将来の在り方生き方を考えたりする活動を行うこととし,その際,生徒が活動を記録し蓄積する教材等を活用することとしており(第5章特別活動第2〔ホームルーム活動〕3(2)),そうした教材を学校段階を越えて活用することで生徒の学習の成果を円滑に接続させることが考えられる。 # 第5章 単位の修得及び卒業の認定 ## 1 各教科・科目及び総合的な探究の時間の単位の修得の認定(第1章総則第4款1) ### 1 各教科・科目及び総合的な探究の時間の単位の修得の認定 ### (1)  学校においては,生徒が学校の定める指導計画に従って各教科・科目を履修し,その成果が教科及び科目の目標からみて満足できると認められる場合には,その各教科・科目について履修した単位を修得したことを認定しなければならない。 ### (2)  学校においては,生徒が学校の定める指導計画に従って総合的な探究の時間を履修し,その成果が第4章の第2の1に基づき定められる目標からみて満足できると認められる場合には,総合的な探究の時間について履修した単位を修得したことを認定しなければならない。 ### (3)  学校においては,生徒が1科目又は総合的な探究の時間を2以上の年次にわたって履修したときは,各年次ごとにその各教科・科目又は総合的な探究の時間について履修した単位を修得したことを認定することを原則とする。また,単位の修得の認定を学期の区分ごとに行うことができる。 #### (1) 単位の修得の認定  学校においては,学習指導要領の定めるところに従い,履修させるべき各教科・科目とその単位数を定め,その単位数に相応して指導計画を立てるなどして授業を行う。生徒はこれによって各教科・科目を履修し,その成果が各教科・科目の目標に照らして満足できると認められた場合は,通常年度末においてその各教科・科目について所定の単位を修得したことが認定される(第1章総則第4款1(1))。  単位の修得の認定は,学校が行うことになっている。これは教師が行う平素の成績の評価に基づいて,最終的に校長が行うということである。したがって,評価の在り方について,教師間の共通理解を図ることが必要であり,また,校長は,教師に対し平素から評価の仕方などについて十分指導し,全体として適切な評価が行われるようにしなければならない。 #### (2) 総合的な探究の時間の単位の修得の認定  総合的な探究の時間の単位の修得の認定の要件についても,各教科・科目と基本的に同様である(第1章総則第4款1(2))。すなわち,第一に,生徒が学校の定める指導計画に従って学習活動を行うこと,第二に,その学習活動の成果が総合的な探究の時間の目標に照らして満足できると認められることが,単位の修得の認定の要件となる。単位の修得の認定に当たっては,各教科・科目と同様,総合的な探究の時間における学習活動を2以上の年次にわたって行ったときには各年次ごとに単位の修得を認定することが原則である。また,学期の区分ごとに単位の修得を認定することもできる。 #### (3) 各教科・科目の単位数の配当  各教科・科目の単位数を配当する場合,ある年次で各教科・科目に配当した単位数全部の履修を完結する場合もあるし,2以上の年次にわたって分割して履修する場合もある。2以上の年次にわたって分割履修する場合には,原則として,年次ごとにその各教科・科目について履修した単位を修得したことを認定することとなる(第1章総則第4款1(3))。この場合,それぞれの年次では,当該各教科・科目の一部の単位数を修得できるにすぎず,当該各教科・科目に配当された全部の単位数を修得することによってはじめて当該各教科・科目を修得したこととなる。また,あらかじめ計画して,各教科・科目の内容を学期の区分に応じて単位ごとに分割して指導することもできる(第1章総則第2款3(5)ウ)が,この場合の単位の修得の認定は,年度終了時に行うことも,第1章総則第4款1(3)後段により,学期の区分ごとに行うことも可能である。  2以上の年次にわたって各教科・科目等を履修する場合の基本的な扱いは,従前と同様であるが,例えば,特定の年度における授業時数は1単位(35 単位時間)に満たないが,次年度に連続して同一の科目を設定するような場合などにおいて,2以上の年次にわたる授業時数を合算して単位の認定を行うことも可能とするため,単位認定は年次ごとに行うことを「原則とする」とされている。  なお,修得を卒業の要件と学校が定めている各教科・科目については,たとえその一部分の単位を分割履修し,修得してもそれをもってその各教科・科目の修得とすることはできず,したがって,卒業の要件を満たすことはできない。しかし,当該各教科・科目の修得が卒業の要件とされていない場合は,認定された一部分の単位はそれ自体,修得した単位数としてそれぞれの学校で定める卒業に必要な単位数の中に含めて取り扱うことが可能である。  また,学校においては,学習指導要領で標準単位数が定められている各教科・科目について,標準の幅の範囲内で,標準単位数を下回って単位数を配当することもあり得る。この場合,学校は各教科・科目の目標や教育的な配慮に基づく適切な単位数を配当する必要があるが,学校が定めた単位数を修得すればその各教科・科目を修得したと認めることができる。  第1章総則第4款1(3)が適用されるのは,既に述べたように,特定の教科・科目の内容を学期の区分に応じて単位ごとに分割して指導する場合のほか,特定の教科・科目の授業を特定の学期に行う場合や,特定の教科・科目の授業を特定の期間に集中的に行う場合(第1章総則第2款3(3)ア),学校間連携や学校外活動の単位認定などにより,特定の教科・科目の一部又は全部を特定の学期に履修する場合などが考えられる。このような場合に,各教科・科目の単位の修得の認定を当該学期末に行うことを可能としたものであるが,これらの場合であってもその単位の修得認定を年度末に行うことも可能である。 (4) 修得を認定された単位の取扱い  高等学校在学中に単位の修得を認定された各教科・科目については,原則としてそれを再び履修し修得する必要はなく,修得した単位は,全日制,定時制及び通信制の各課程の相互間に共通して有効であり,転学や転籍の際には,それまでに修得した単位に応じて,相当学年に転入させることができる(学校教育法施行規則第 92 条第2項)。また,学年による教育課程の区分を設けない単位制による課程においては,過去に在学した高等学校において単位を修得している生徒について,その修得した単位数を,全課程の修了を認めるに必要な単位数のうちに加えることができるとされている(単位制高等学校教育規程第7条)。  なお,高等学校卒業程度認定試験を受験する場合においては,高等学校において,各試験科目に相当する科目を修得した生徒については,その願い出により,当該試験科目について受験が免除される(高等学校卒業程度認定試験規則第5条)。 #### (5) 単位の修得の認定と卒業の認定  いわゆる学年制をとる場合,ある学年においてある各教科・科目の単位の修得が認められなかった生徒について,当該生徒を一応進級させた上で次の学年で十分指導し,例えば次の学年の1学期末に追試験を行い当該学期末に単位の修得を認定することなども考えられる。  しかし,この規定は,いわゆる学年制をとっている場合に,例えば最終学年で修得できなかった各教科・科目の単位認定を翌年度の1学期末に行い,その時点で卒業を認めるということを許容するものではない。学年は4月1日に始まり翌年の3月 31 日に終わることが原則である(学校教育法施行規則第 104 条で高等学校に準用する第 59 条)ことから,校長が全課程の修了を認定する時期も3月末が適当であり,上述のような学年途中における卒業は許されない。ただし,留学に係る場合(同施行規則第 93 条第3項)や帰国生徒・外国人留学生が学期の区分に従い入学・卒業する場合(同施行規則第104 条第3項)は,それぞれの学校教育法施行規則の定めによるものであり,学年の途中又は学期の区分に従い卒業が認められるが,この項の定める学期の区分による単位修得の認定の規定によるものではない。 ## 2 卒業までに修得させる単位数(第1章総則第4款2) ### 2 卒業までに修得させる単位数 ### 学校においては,卒業までに修得させる単位数を定め,校長は,当該単位数を修得した者で,特別活動の成果がその目標からみて満足できると認められるものについて,高等学校の全課程の修了を認定するものとする。この場合,卒業までに修得させる単位数は,74 単位以上とする。なお,普通科においては,卒業までに修得させる単位数に含めることができる学校設定科目及び学校設定教科に関する科目に係る修得単位数は,合わせて 20 単位を超えることができない。 #### (1) 卒業までに修得させる単位数  ここでは,卒業までに修得させる単位数を学校において定めるべきことを示している。学校においては,卒業までに修得すべき単位数を定めなければならないが,卒業までに修得すべき各教科・科目について定めることまでは求められていない。  第1章総則第2款3(1)アは,「卒業までに履修させる」単位数等についての規定であるが,本項は「卒業までに修得させる」単位数についての規定である。「修得」とは,各教科・科目又は総合的な探究の時間を履修することにより,それらの目標からみて満足できる成果をあげることである。  ところで,第1章総則第2款3(2)アに掲げる必履修教科・科目及び総合的な探究の時間(以下「必履修教科・科目等」という。)の単位数については,卒業までに履修させる各教科・科目等の単位数に含めることが求められている(第1章総則第2款3(1)ア)が,ここではそのような定めはなく,国の基準上は,卒業までに修得させる単位数の中に,必履修教科・科目等の単位数を含めるべきこととはされていない。すなわち,生徒は必ず必履修教科・科目等を履修しなければならないが,学校がそれらの単位を修得すべきものと定めていない場合には,それらの履修の成果が単位修得に至らなくても,再度修得を目指して履修することは求められない。  次に,卒業までに修得させる単位数については,従前と同様,74 単位以上としている。これは,各学校で卒業に必要な修得単位数を具体的に規定するに当たって,74 単位を下ってはならないという最低必要要件を定めたものである。したがって,学校が74 単位を上回る単位数を定めることは可能である。  なお,卒業までに修得させる各教科・科目については,転学など特別の事情のある場合を考慮し,その履修や修得について弾力的な取扱いができるような配慮をしておくことが大切である。  また,普通科においては,学校設定科目及び学校設定教科に関する科目を履修し,修得した場合,その単位数を合わせて 20 単位まで卒業に必要な単位数に含めることができることとしているが,専門学科及び総合学科についてはこのような制限は設けられていない(第1章総則第4款2)。 #### (2) 卒業の認定  校長は,学校があらかじめ定めた卒業までに修得すべき単位数を修得した者で,特別活動を履修しその成果がその目標からみて満足できると認められる生徒について,全課程の修了を認定する(第1章総則第4款2)。学校があらかじめ卒業までに修得すべき各教科・科目についても定めている場合には,その定められた各教科・科目及びその単位数を修得する必要がある。同様に総合的な探究の時間についても,学校が修得すべきことを定めている場合には,その単位数を修得しなければならない。  ところで,学校教育法施行規則第 96 条において,「校長は,生徒の高等学校の全課程の修了を認めるに当たつては,高等学校学習指導要領の定めるところにより,74 単位以上を修得した者について行わなければならない。」という定めがあるが,修得した単位数が 74 単位に達したからといって,生徒が卒業認定を要求し得る根拠とはならない。 学校において,卒業に必要な単位を 74 単位を超えたある単位数以上と定めた場合,生徒はそれを満たさなければならないし,また,特別活動についてその成果が目標に照らして満足できるという要件も満たしていなければならないのである。  なお,以上のことについては,学校において卒業を認めるに当たっては,生徒の平素の成績を評価して,これを定めなければならないこととされている(学校教育法施行規則第 104 条で高等学校に準用される第 57 条)。  また,校長は,全課程を修了したと認めた者に卒業証書を授与することとされている(同施行規則第 104 条で高等学校に準用される第 58 条)。 ## 3 各学年の課程の修了の認定(第1章総則第4款3) ### 3 各学年の課程の修了の認定  ### 学校においては,各学年の課程の修了の認定については,単位制が併用されていることを踏まえ,弾力的に行うよう配慮するものとする。 学年による教育課程の区分を設けるいわゆる学年制をとる場合においては,各学年の課程の修了の認定を行うこととされている(学校教育法施行規則第 104 条で高等学校に準用される第 57 条)が,この規定は,いわゆる学年制をとる場合においても,高等学校においては単位制が採用され,修得した各教科・科目及び総合的な探究の時間の単位数の合計が卒業までに必要な単位数を上回った場合に全課程の修了を認定することとしていることも考慮し,各学年の課程の修了の認定を弾力的に行うよう配慮することを求めているものである。 学年制を厳格に運用すると,当該学年で修得すべきとされる科目が未修得の場合には,たとえそれが1科目でも上級学年への進級が認められず,原級留置とされてしまう。しかし,中途退学の要因の一つが原級留置に関わるものであるとの指摘もあり,あまりに厳格すぎる学年制の運用は,多様化している生徒の実態を踏まえ,生徒一人一人の個人差に応じ,しかもその個性の伸長を図るという観点からみて,必ずしも適当とはいえない。 そのような観点から,各学年における課程の修了の認定については,特定の学年において一部の単位の修得が不認定となった生徒について,一律に原級留置とするのではなく,弾力的に運用することとし,学校が定めた卒業までに修得すべき単位数を,修業年限内に修得すれば卒業が可能になるよう配慮することを求めたものである。 具体的には,例えば,特定の学年における未修得単位が一定範囲内であれば,後日,補充指導や追試験によって未修得の各教科・科目を修得することを条件として,次の学年に進級させるという形で学年の課程の修了の認定について弾力化を図ったり,学校が定めた卒業までに修得すべき単位数を修業年限内に修得する見込みがある場合には,条件を付することなく進級を認めたりすることなどが考えられる。また,未修得の各教科・科目が,学校が卒業までに修得すべき各教科・科目として定めたものである場合も考えられるので,次の学年に進級した後に前学年の未修得の各教科・科目を履修することも可能となるような教育課程を編成することなどの配慮も考えられる。  ## 4 学校外における学修等の単位認定 学校教育法施行規則等において,次のような,学校外の学修等について単位認定を可能とする制度が設けられている(【別表】参照)。 #### (1) 海外留学に係る単位認定 外国の高等学校(正規の後期中等教育機関)へ留学した場合に,36 単位を限度として我が国の高等学校の単位として認めることができる。単位認定に当たっては,外国における学習を当該高等学校の特定の教科・科目の履修とみなして単位認定することも,逐一各教科・科目と対比せずに,まとめて「留学」として単位認定を行うことも可能である。なお,当然ながら,単位認定に当たっては,外国における学習の状況を把握し,それに応じた認定を行うことが必要であり,留学した場合に一律に 36 単位が自動的に認められるわけではない。  留学をした場合でも必履修教科・科目の履修は必要であることから,例えば,外国における学習の一部を必履修教科・科目の履修とみなして単位を認定し,残りを「留学」としてまとめて単位認定を行うことなども考えられる。海外におけるどのような学習が,国内のどのような教科・科目の履修に相当すると見なすかについては,各学校において適切かつ柔軟に判断することが求められる。その際,外国における学習のみで不足していると考えられる内容については,添削指導や補充指導等も活用しながら,適切に補うことが必要である。  また,学年をまたがって留学した生徒については,留学が終了した時点において,学年の途中においても進級又は卒業を認めることができる。  これらの制度を活用することで,長期の留学の際,原級留置や休学する必要がなくなるため,当該制度の積極的な活用が期待される。  なお,外国の高等学校への留学とは,いったん高等学校に入学し在学関係が生じた生徒が校長の許可を受けて一定期間外国の高等学校で学習することである。これに対して,外国の高等学校等に在学していた生徒が,これまで在学関係の存在しなかった日本の高等学校との間で新たに在学関係が生じる場合は,編入として,留学とは異なるものであることに留意が必要である。 #### (2) 学校間連携による単位認定  生徒の履修したい科目が自校には設けられていないが他校では開設されている場合,学校間の協議により,自校の生徒が他校において一部科目を履修することを可能とし,他校で修得した科目の単位数を,生徒の在学する高等学校が定めた卒業に必要な単位数のうちに加えることができることとするものである。自校には設けられていない専門教科・科目や他校の学校設定教科・科目などの履修が可能となり,生徒の選択の幅を拡大することができる。この制度は,自校の全日制の課程と定時制の課程又は通信制の課程との間において相互に併修する場合についても適用される。  この学校間連携により,自校の卒業に必要な単位数に加えることのできる単位数及び以下の(3)から(5)までにより認定できる単位数については,従来,その合計数が 20 単位を超えないものとされていたが,平成 17 年度より,これらの単位数の合計数の上限が拡大され,36 単位を超えないものとされている。  これは,高等学校の生徒の能力・適性,興味・関心等の多様化の実態を踏まえ,生徒の在学する高等学校での学習の成果に加えて,生徒の在学する高等学校以外の場における体験的な活動等の成果について,より幅広く評価できるようにすることを通じて,高等学校教育の一層の充実を図る観点から,拡大されたものである。  (3)から(5)までの場合を含め,これらの制度の活用に当たっては,「高等学校等における学校外学修の単位認定について」(平成 29 年5月9日付け初初企第4号文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課長通知)を踏まえ,以下の点に留意が必要である。 ① 学校教育法施行規則第 98 条各号の規定により,学校外学修を当該生徒の在学する高等学校等における科目の履修とみなし,当該科目の単位の修得を認めることができる科目は,同施行規則別表第三に定める各教科及び学校設定教科に関する科目であり,総合的な探究の時間及び特別活動については含まれていない。このため,学校外学修を総合的な探究の時間の履修とみなし,単位の修得を認めることはできず,また,特別活動の履修とみなすこともできないこと。  なお,就業やボランティア等に関わる体験的な学習を,同施行規則別表第三に定める各教科及び学校設定教科に関する科目,総合的な探究の時間又は特別活動に位置付け,学校の校舎等の外で行うことはもとより可能であること。 ② 学校外学修の単位認定の制度を活用する際には,各学校において,当該学修が教育上有益と認められるか,単位認定の対象となる科目が当該高等学校等の教育課程の全体からみて適切であること等について判断する必要があること。 ③ 学校外学修は,生徒が主体的に行う学修であり,かつ,自らの在り方生き方を考えて努力した結果であることから,その単位認定に当たっては,通常の教科・科目の単位認定の方法によらず,その趣旨を活かしたものとなるよう工夫することが必要であること。また,学校外学修の種類,態様等に応じてオリエンテーションの実施,活動計画書の提出,活動レポート等による成果の報告など,事前・事後の適切な指導が望まれること。  なお,学校外学修を在学校の科目の履修とみなす場合の単位数の検討に当たっては,高等学校等では,1単位時間を 50 分とし,35 単位時間の授業を1単位として計算することを標準としていることに留意する必要があること。 ④ 学校外学修の単位認定の制度は,その学修成果を在学校の科目の履修とみなして単位の修得を認めるものである。このため,どの程度の成果が当該科目の目標からみて満足できると認められるものであるのかなどを学校外学修に対応する科目の指導計画において明確にしておく必要があること。 #### (3) 大学,高等専門学校又は専修学校等における学修の単位認定  (ア)大学や高等専門学校における学校教育法第 105 条(同法第 123 条において準用する場合を含む。)に規定する特別の課程における学修及び科目等履修生,研究生,聴講生としての学修,(イ)専修学校の高等課程における学修並びに専門課程における学校教育法第 133 条において準用する同法第 105 条に規定する特別の課程における学修及び科目等履修生又は聴講生としての学修,(ウ)専修学校の高等課程又は専門課程において高等学校の生徒を対象として行う附帯的教育事業における学修,(エ)大学の公開講座,公民館などの社会教育施設が開設する講座などにおける学修について,それを自校の科目の履修とみなし,単位の修得を認めるものである。単位認定に当たっては,各学校の判断により,その学修成果に対応する科目の一部又は全部の単位として認めることもでき,また,増加単位として認定することもできる。 #### (4) 技能審査の成果の単位認定  高等学校において設けられている各教科・科目の学習内容に対応しており,かつ一定の要件を満たす知識・技能審査において相当程度の成果を収めた場合,それを自校の科目の履修とみなし,単位として認めるものである。単位認定に当たっては,各学校の判断により,その学修成果に対応する科目の一部又は全部の単位として認めることもでき,また,増加単位として認定することもできる。  なお,従前は,実用英語能力検定や簿記検定などの知識・技能審査に合格した場合のみ,単位認定が可能であったが,平成 18 年度より,TOEFL,TOEIC などのように合格・不合格の区別のない知識・技能審査の成果に係る学修についても単位認定ができるようになった。 #### (5) ボランティア活動等の単位認定  学校外の活動として,①社会福祉施設等においてボランティア活動を行った場合,②企業,工場や農家等において就業体験活動を行った場合,③各種のスポーツ活動や文化に関する活動において顕著な成績をあげた場合,それを自校の科目の履修とみなし,単位の修得を認めるものである。単位認定に当たっては,各学校の判断により,その学修成果に対応する科目の一部又は全部の単位として認めることもでき,また,増加単位として認定することもできる。 #### (6) 高等学校卒業程度認定試験の合格科目に係る学修の単位認定  生徒が在学中又は入学する前に,高等学校卒業程度認定試験規則の定めるところにより合格点を得た試験科目(旧大学入学資格検定により合格点を得た受検科目を含む。)に係る学修について,それを自校の科目の履修とみなして,単位の修得を認めるものである。  従前,高等学校の定時制課程及び通信制課程に在学する生徒については,大学入学資格検定の受検が認められるとともに,高等学校学習指導要領の規定により,入学前又は在学中の大学入学資格検定の合格科目について,それに相当する高等学校の科目の単位として認定することができることとされていた。  平成 17 年度から従来の大学入学資格検定に代わり高等学校卒業程度認定試験が導入されるとともに,従来の大学入学資格検定と異なり,高等学校の全日制課程の生徒にもその受験が認められることとなった。  これらのことを踏まえ,平成 17 年度より,全日制課程,定時制課程及び通信制課程の別を問わず,生徒が,在学中又は入学する前の高等学校卒業程度認定試験の合格科目に係る学修について,校長の判断により,当該高等学校における科目の履修とみなし,当該科目の単位を与えることができることとしたものである。また,旧大学入学資格検定に合格した科目についても同様の取扱いとされている。  単位認定の対象とする試験科目の範囲や認定方法等は,各学校において適切に判断する必要があり,例えば,生徒が現に高等学校において履修中の科目を対象とするか,高等学校卒業程度認定試験においてどのような評点での合格を要件とするかなど,具体的な範囲や認定方法は,各学校の判断に委ねられている。  なお,この制度が学校教育法施行規則で規定されたことに伴い,高等学校学習指導要領の大学入学資格検定合格科目の単位認定についての規定は削除された。 #### (7) 別科において修得した科目に係る学修の単位認定  別科とは,高等学校に置かれ,高等学校の入学資格を有する者に対して,簡易な程度において,特別の技能教育を施すことを目的とする教育機関であり,その修業年限は1年以上とされている(学校教育法第 58 条第1項,第3項)。  生徒が在学中又は入学する前に,別科において高等学校学習指導要領の定めるところに準じて修得した科目に係る学修について,それを自校の科目の履修とみなして,単位の修得を認めるものである。「高等学校学習指導要領に定めるところに準じて」とあるのは,別科における科目の履修が内容的にも,量的にも,高等学校における科目の履修に準じていることを要することとしているものである。 #### (8) 定時制課程及び通信制課程における技能連携による単位認定  定時制又は通信制の課程に在学する生徒が,都道府県教育委員会が指定する技能教育施設(専修学校,職業能力開発校等)において教育を受けている場合に,高等学校の校長が,当該施設における学習を高等学校における教科の一部の履修とみなす措置をとることにより,単位として認めるものである。この連携措置は,高等学校と技能教育施設との間で計画を定めて実施するものであり,働きながら学ぶ青少年に対し,より効果的に高等学校教育を提供することを目的としている。単位認定の対象となるのは,職業に関する教科であり,認定単位数は卒業に必要な単位数の2分の1以内とされている。 #### (9) 定時制課程及び通信制課程の併修による単位認定  ①通信制の課程の生徒が,自校の定時制の課程又は他校の定時制若しくは通信制の課程において一部科目の単位を修得した場合,②定時制の課程の生徒が,自校の通信制又は他校の通信制の課程において一部科目の単位を修得した場合,当該校長の定めるところにより,その単位数を自校の卒業に必要な単位数に含めることができるものである。この定通併修による単位認定については,上限は設けられていない。  なお,定時制の課程の生徒が他校の定時制の課程において一部科目を履修する場合については,上記(2)の学校間連携の制度によることとなる。 【別表】 ![](https://i.imgur.com/HGOYMR8.png) ![](https://i.imgur.com/vHjBqqG.png) # 第6章 生徒の発達の支援 # 第 1 節 生徒の発達を支える指導の充実 ## 1 ホームルーム経営,生徒の発達の支援(第1章総則第5款1(1)) ### (1)  学習や生活の基盤として,教師と生徒との信頼関係及び生徒相互のよりよい人間関係を育てるため,日頃からホームルーム経営の充実を図ること。また,主に集団の場面で必要な指導や援助を行うガイダンスと,個々の生徒の多様な実態を踏まえ,一人一人が抱える課題に個別に対応した指導を行うカウンセリングの双方により,生徒の発達を支援すること。 教育は本来,個々の生徒のもつ能力を最大限まで発達させることを目指すものである。このためには,個々の生徒の特性等を的確に捉え,その伸長・発達のために,高等学校教育の全教育活動を通じて,適切な指導・援助を行う必要がある。 学校は,生徒にとって安心感がある場でなければならない。生徒一人一人は興味や関心などが異なることを前提に,生徒が自分の個性に気付き,可能性を発揮し,自己肯定感をもちながら,日々の学校生活を送ることができるようにすることが重要である。 ホームルームは,生徒にとって学習や学校生活の基盤であり,ホームルーム担任の教師の営みは重要である。ホームルーム担任の教師は,学校,学年,課程や学科などの経営を踏まえて,調和のとれたホームルーム経営の目標を設定し,指導の方向及び内容をホームルーム経営案として整えるなど,ホームルーム経営の全体的な構想を立てるようにする必要がある。 ホームルーム経営を行う上で最も重要なことはホームルームの生徒一人一人の実態を把握すること,すなわち確かな生徒理解である。ホームルーム担任の教師の,日頃のきめ細かい観察を基本に,面接など適切な方法を用いて,一人一人の生徒を客観的かつ総合的に認識することが生徒理解の第一歩である。日頃から,生徒の気持ちを理解しようとするホームルーム担任の教師の姿勢は,生徒との信頼関係を築く上で極めて重要であり,愛情をもって接していくことが大切である。 また,ホームルームを一人一人の生徒にとって存在感を実感できる場としてつくりあげることが大切である。すなわち,生徒の規範意識を育成するため,必要な場面では,ホームルーム担任の教師が毅 き然とした対応を行いつつ,相互理解と協調に努めるホームルーム,言い換えれば,生徒相互のよりよい人間関係を育てていく上で,規律ある生活及び集 団づくりが大切である。更に,集団の一員として,一人一人の生徒が安心して自分の力を発揮できるよう,日頃から,生徒に自己存在感や意思決定の場を与え,その時その場で何が正しいかを判断し,自ら責任をもって行動できる能力を培うことが大切である。 なお,教師の意識しない言動や価値観が,生徒に感化を及ぼすこともあり,この見えない部分での教師と生徒との人間関係にも十分配慮する必要がある。 ホームルーム経営に当たって,ホームルーム担任の教師は,校長や副校長,教頭の指導の下,学年・学科の教師や生徒指導の主任,更に養護教諭など他の教職員と連携しながらホームルーム経営を進めることが大切であり,開かれたホームルーム経営の実現を目指す必要がある。特に,学年や学科というまとまりを大事にする高等学校においては学年主任や学科主任の果たす役割も大きい。また,充実したホームルーム経営を進めるに当たっては,家庭や地域社会との連携を密にすることが大切である。特に保護者との間では,日頃から連絡を取り合い,生徒理解,生徒に対する指導の在り方について共通理解をしておく必要がある。 全ての生徒が学校やホームルームの生活によりよく適応し,豊かな人間関係の中で有意義な生活を築くことができるようにし,生徒一人一人の興味や関心,発達や学習の課題等を踏まえ,生徒の発達を支え,その資質・能力を高めていくことは重要なことである。 このため,生徒の発達の特性や教育活動の特性を踏まえて,あらかじめ適切な時期や機会を設定し,主に集団の場面で必要な指導や援助を行うガイダンスと,個々の生徒が抱える課題を受け止めながら,その解決に向けて,主に個別の会話・面談や言葉がけを通して指導や援助を行うカウンセリングの双方により,生徒の発達を支援することが重要である。第5章特別活動の「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」の2(3)において「学校生活への適応や人間関係の形成,教科・科目や進路の選択などについては主に集団の場面で必要な指導や援助を行うガイダンスと,個々の生徒の多様な実態を踏まえ,一人一人が抱える課題に個別に対応した指導を行うカウンセリング(教育相談を含む。)の双方の趣旨を踏まえて指導を行うこと。」とある。 高等学校の教育課程は,必履修教科・科目,生徒に選択履修させる各教科・科目,総合的な探究の時間及び特別活動から編成されている。第1章総則第2款3(4)で示しているように,選択の幅の大きい高等学校の教育課程の下では,生徒が安易な科目選択や計画性のない学習に陥ることなく,自己の特性等と将来の進路との関わりにおいて適切な各教科・科目を履修することができるようにするとともに,類型が設けられている場合には,適切な類型を選択できるように指導・援助することが重要になってくる。 更に,社会に対する認識を深め,自己の在り方生き方を考えて,将来の進路を選択したり,主体的,自律的に学んだりできるよう指導・援助することも,高等学校段階の重要な課題である。 以上のような課題に対応する上で,ガイダンスの機能の充実がとりわけ大切となっている。 また,ガイダンスの機能の充実を図ることは,全ての生徒が学校やホームルームの生活によりよく適応し,豊かな人間関係の中で有意義な生活を築くようにするとともに,選択や決定,主体的な活動に関して適切な指導・援助を与えることによって,現在及び将来の生き方を考え行動する態度や能力を育てる上で,極めて重要な意味をもつものである。具体的には,学習活動など学校生活への適応,よりよい人間関係の形成,学業や進路等における選択,自己の生き方などに関わって,生徒が適応し,主体的な選択やよりよい意思決定ができるよう,適切な情報提供や案内・説明,活動体験,各種の援助・相談活動などを 学校として進めていくものであり,単なる事前の説明や資料配布に限定されるものではない。 各学校においては,計画的・組織的な取組によってガイダンスの機能を充実させることによって,一人一人の生徒に関し,学校やホームルームの生活によりよく適応させ,これから取り組むことになる諸活動に対して主体的な活動への意欲をもたせ,自己実現に関わって必要とされる資質や能力,態度を身に付けるようにし,共に学び,活動することを通して存在感や自己実現の喜びの感じられる生活を築かせる中でよりよい発達を促すことが重要である。 特に,ガイダンスの機能の充実について配慮の求められる教育活動としては,例えば,次のようなものが考えられる。 * ア 入学時,新年度や新学期の開始時期において,教師と生徒及び生徒相互のよりよい人間関係が生まれるように配慮するとともに,生徒自身が学校やホームルームにおける諸活動や集団生活の意義,それらの内容などについて十分に理解し,現在及び将来の生き方を主体的に考え,自主的・自発的によりよい生活の実現に取り組むことができるよう指導・援助の充実を図ること。 * イ 各教科・科目等や各種の学習活動の開始時期などにおいて,学習活動のねらいや方法,よりよい選択の仕方等についての理解を図り,生徒の学習意欲を喚起して,主体的に活動に取り組むことができるよう十分に配慮すること。 * ウ 不適切な選択が学校生活への不適応の原因ともなることなどを考慮し,しっかりとした選択ができるよう,年間を通じて適切な指導を計画的に進めるとともに,個々の生徒に対する相談活動の充実に配慮すること。 * エ 生徒自身が自己の適性や将来の生き方を視野に入れた主体的な判断に基づき各教科・科目や類型の選択を適切に行うことができ,その学習に真剣に取り組む意欲をもつことができるよう配慮すること。 * オ 進路の選択に関して,生徒一人一人が自己理解を深め,自己の将来の生き方を考え,卒業後の進路を主体的に選択し,更に積極的にその後の生活において自己実現を図ろうとする態度を育てるよう配慮すること。 また,カウンセリングの機能を充実させることによって,生徒一人一人の教育上の問題等について,本人又はその保護者などにその望ましい在り方についての助言を通して,生徒のもつ悩みや困難の解決を援助し,生徒の発達に即して,よりよい人間関係を育て,生活に適応させ,人格の成長への援助を図ることは重要なことである。 カウンセリングの実施に当たっては,個々の生徒の多様な実態や一人一人が抱える課題やその背景などを把握すること,早期発見・早期対応に留意すること,スクールカウンセラー等の活用や関係機関等との連携などに配慮することが必要である。 ## 2 生徒指導の充実(第1章総則第5款1(2)) ### (2)  生徒が,自己の存在感を実感しながら,よりよい人間関係を形成し,有意義で充実した学校生活を送る中で,現在及び将来における自己実現を図っていくことができるよう,生徒理解を深め,学習指導と関連付けながら,生徒指導の充実を図ること。 生徒指導は,学校の教育目標を達成するために重要な機能の一つであり,一人一人の生徒の人格を尊重し,個性の伸長を図りながら,社会的資質や行動力を高めるように指導,援助するものである。すなわち,生徒指導は,全ての生徒のそれぞれの人格のよりよき発達を目指すとともに,学校生活が全ての生徒にとって有意義で興味深く,充実したものになるようにすることを目指すものであり,単なる生徒の問題行動への対応という消極的な面だけにとどまるものではない。 学校教育において,生徒指導は学習指導と並んで重要な意義をもつものであり,また,両者は相互に深く関わっている。各学校においては,生徒指導が,一人一人の生徒の健全な成長を促し,生徒自ら現在及び将来における自己実現を図っていくための自己指導能力の育成を目指すという生徒指導の積極的な意義を踏まえ,学校の教育活動全体を通じ,学習指導と関連付けながら,その一層の充実を図っていくことが必要である。 生徒指導を進めていく上で,その基盤となるのは生徒一人一人についての生徒理解の深化を図ることである。一人一人の生徒はそれぞれ違った能力・適性,興味・関心等をもっており,また,生徒の成育環境も将来の夢や進路希望等も異なる。それ故,生徒理解においては,生徒を多面的・総合的に理解していくことが重要であり,ホームルーム担任の教師の日頃の人間的な触れ合いに基づくきめ細かい観察や面接などに加えて,学年の教師,教科担任,部活動等の顧問教師,養護教諭などによるものを含めて,広い視野から生徒理解を行うことが大切である。また,青年期にある高校生一人一人の不安や悩みに目を向け,生徒の内面に対する共感的理解をもって生徒理解を深めることが大切である。 生徒理解の深化とともに,教師と生徒との信頼関係を築くことも生徒指導を進める基盤である。教師と生徒の信頼関係は,日頃の人間的な触れ合いと生徒と共に歩む教師の姿勢,授業等における生徒の充実感・成就感を生み出す指導,生徒の特性や状況に応じた的確な指導と不正や反社会的行動に対する毅き 然とした教師の態度などを通じて形成されていくものである。その信頼関係をもとに,生徒の自己開示も進み,教師の生徒理解も一層深まっていくのである。 また,学校教育は,集団での活動や生活を基本とするものであり,ホームルームや学校での生徒相互の人間関係の在り方は,生徒の健全な成長と深く関わっている。生徒一人一人が自己の存在感を実感しながら,共感的な人間関係を育み,自己決定の場を豊かにもち,自己実現を図っていける望ましい集団の実現は極めて重要である。すなわち,自他の個性を尊重し,互いの身になって考え,相手のよさを見付けようと努める集団,互いに協力し合い,主体的によりよい人間関係を形成していこうとする集団,言い換えれば,好ましい人間関係を基礎に豊かな集団生活が営まれるホームルームや学校の教育的環境を形成 することは,生徒指導の充実の基盤であり,かつ生徒指導の重要な目標の一つでもある。単位制による課程をはじめとして,教育課程における選択の幅の大きい高等学校にあっては,日常の授業の集団とホームルーム集団とが一致しない場合も多いだけに,このことはとりわけ重要である。 以上のことを基盤として,高等学校における生徒指導では,複雑化し,目まぐるしい変化が続く社会において,人としての調和のとれた発達を図りながら,自らの行動を選択し,決定していくことのできる主体を育成するとともに,集団や社会の一員としてよりよい生活を築こうとする自主的,実践的な態度を身に付けさせ,将来の社会生活の中で自己実現を果たすことができる能力や態度の育成を目指さなければならない。そのため,生徒指導において,ガイダンスの機能の充実が求められるのである。 なお,教育機能としての生徒指導は,教育課程の特定の領域における指導ではなく,教育課程の全領域において行わなければならないものである。特別活動におけるホームルーム活動などは,集団や社会の一員としてよりよい生活を築くための自主的,実践的な学習の場であるとともに,人間としての在り方生き方についての考えを深め,自己を生かす能力を養う場であり,生徒指導のための中核的な時間となると考えられるが,あくまでも学校の教育活動全体を通じて生徒指導の機能が発揮できるようにすることが大切であり,教育課程の編成に当たっては,この点に十分配慮する必要がある。 更に,わかる喜びや学ぶ意義を実感できない授業は生徒にとって苦痛であり,生徒の劣等感を助長し,情緒の不安定をもたらし,様々な問題行動を生じさせる原因となることも考えられる。教師は,生徒一人一人の特性を十分把握した上で,他の教師の助言や協力を得て,指導技術の向上,指導方法や指導体制などの工夫改善を図り,日頃の学習指導を一層充実させることが大切である。 生徒指導を進めるに当たっては,全教職員の共通理解を図り,学校としての協力体制・指導体制を築くとともに,家庭や地域社会及び関係機関等との連携・協力を密にし,生徒の健全育成を広い視野から考える開かれた生徒指導の推進を図ることが重要である。そのためには,保護者との間で学校だよりや学年・ホームルーム通信等,あるいは PTA の会報,保護者会などにより相互の交流を通して,生徒理解,生徒に対する指導の在り方等について共通理解をしておく必要がある。また,地域懇談会や関係機関等との懇談会などを通して交流と連携を深めるなど,日頃から生徒指導の充実に取り組むことが必要である。 ## 3 キャリア教育の充実(第1章総則第5款1(3)) ### (3)  生徒が,学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら,社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていくことができるよう,特別活動を要としつつ各教科・科目等の特質に応じて,キャリア教育の充実を図ること。その中で,生徒が自己の在り方生き方を考え主体的に進路を選択することができるよう,学校の教育活動全体を通じ,組織的かつ計画的な進路指導を行うこと。 本項は,生徒に学校で学ぶことと社会との接続を意識させ,一人一人の社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を育み,キャリア発達を促すキャリア教育の充実を図ることを示している。 学校教育においては,キャリア教育の理念が浸透してきている一方で,これまで学校の教育活動全体で行うとされてきた意図が十分に理解されず,指導場面が曖昧にされてしまい,また,狭義の意味での「進路指導」と混同され,「働くこと」の現実や必要な資質・能力の育成につなげていく指導が軽視されていたりするのではないか,といった指摘もある。こうした指摘等を踏まえて,キャリア教育を効果的に展開していくためには,特別活動のホームルーム活動を要としながら,総合的な探究の時間や学校行事,公民科に新設された科目「公共」をはじめとする各教科・科目における学習,個別指導としての教育相談等の機会を生かしつつ,学校の教育活動全体を通じて必要な資質・能力の育成を図っていく取組が重要になる。 また,自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら見通しをもったり,振り返ったりする機会を設けるなど主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を進めることがキャリア教育の視点からも求められる。 更に,今回の改訂では特別活動のホームルーム活動の内容に「(3)一人一人のキャリア形成と自己実現」を設けている。その実施に際しては次の2点に留意することが重要である。 一つ目は,第1章総則において,特別活動が学校教育全体で行うキャリア教育の要としての役割を担うことを位置付けた趣旨を踏まえることである。キャリア教育の要としての役割を担うこととは,キャリア教育が学校教育全体を通して行うものであるという前提のもと,これからの学びや人間としての在り方生き方を見通し,これまでの活動を振り返るなど,教育活動全体の取組を自己の将来や社会づくりにつなげていくための役割を果たすことである。この点に留意してホームルーム活動の指導に当たることが重要である。 二つ目は,ホームルーム活動の(3)の内容は,キャリア教育の視点からの小・中・高等学校のつながりが明確になるよう整理したということである。ここで扱う内容については,将来に向けた自己実現に関わるものであり,一人一人の主体的な意思決定を大切にする活動である。小学校から高等学校へのつながりを考慮しながら,高等学校段階として適切なものを内容として設定している。キャリア教育は,教育活動全体の中で基礎的・汎用的能力を育むものであることから職場体験活動などの固定的な活動だけに終わらないようにすることが大切である。 特に,高等学校段階の生徒は,知的能力や身体的能力の発達が著しく,また,人間としての在り方生き方を模索し,価値観を形成するという特色をもつ。このような発達の段階にある生徒が自己理解を深めるとともに,自己と社会との関わりについて深く考え,将来の在り方生き方,進路を選択決定して,将来の生活において望ましい自己実現ができるよう指導・援助を行う進路指導が必要である。ここでいう進路の選択決定や将来設計は,高等学校卒業後の就職や進学について意思決定することがゴールではない。高等学校卒業後の社会的移行においても,様々なことを学んだり,職業経験を積んだりしながら,自分自身の在り方生き方や進むべき方向性とその具体的な選択肢について探索・試行し,常に将来設計や目標を修正して,自己実現に向けて努力していくことができるようにすることが大切である。 このような高等学校におけるキャリア教育や進路指導は,高等学校教育の目標である「社会において果たさなければならない使命の自覚に基づき,個性に応じて将来の進路を決定させ」ることや,「個性の確立に努める」ことを目指して行われるものであり(学校教育法第 51 条),全校の教職員の共通理解と協力的指導体制によって,学校の教育活動全体を通じて計画的,組織的,継続的に行われなければならない。 高等学校の教育課程は,卒業までに履修すべき単位数に比べて必履修教科・科目の最低合計単位数は半分以下であり,学校設定教科・科目,総合的な探究の時間等の活用により,各学校において,生徒,学科の特色,学校及び地域の実態等に応じて,より弾力的な教育課程の編成が可能になっている。したがって,生徒が自己の特性等と将来の進路との関わりにおいて適切な各教科・科目を選択できるように指導する必要がある。 学校の教育活動全体を通じて行うキャリア教育や進路指導を効果的に進めていくためには,校長のリーダーシップの下,進路指導主事やキャリア教育担当教師を中心とした校内の組織体制を整備し,学年や学校全体の教師が共通の認識に立って指導計画の作成に当たるなど,それぞれの役割・立場において協力して指導に当たることが重要である。家庭や地域社会,公共職業安定所をはじめとする関係機関との連携についても十分配慮していく必要がある。 また,キャリア教育は,生徒に将来の生活や社会,職業などとの関連を意識させ,キャリア発達を促すものであることから,その実施に当たっては,就業体験活動や社会人講話などの機会の確保が不可欠である。「社会に開かれた教育課程」の理念の下,幅広い地域住民等(キャリア教育や学校との連携をコーディネートする専門人材,高齢者,若者,PTA・青少年団体,企業・NPO 等)と目標やビジョンを共有し,連携・協働して生徒を育てていくことが求められる。 更に,キャリア教育を進めるに当たり,家庭・保護者の役割やその影響の大きさを考慮し,家庭・保護者との共通理解を図りながら進めることが重要である。その際,各学校は,保護者が生徒の進路や職業に関する情報を必ずしも十分に得られていない状況等を踏まえて,産業構造や進路を巡る環境の変化等の現実に即した情報を提供して共通理解を図った上で,将来,生徒が社会の中での自分の役割を果たしながら,自分らしい生き方を実現していくための働きかけを行うことが必要である。

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