# TRPGシナリオ錬成講座 注意書き:以下の記事からは何一つ学術的な知見は得られません。質問もポスター資料の要求も受け付けません。たまには狂わせろ おはようございます、Tommiでございます。今日はTRPGのシナリオについてお話しようかなと思ってます。 結論から言うと、**みんなTRPGシナリオ作ろうぜ、そしてたまには俺にGM(TRPGの司会進行を務める側。ゲームで言うコンピュータ側)じゃなくてプレイヤーをさせてくれ**という内容になりますが、TRPGだけでなく、ストーリーが含まれるもの全般に対して使える知見ではあると思うのでもしよかったら読んでみてください。 ## ときは遡り4年前。 アドカレでTRPGについて迷文を錬成した覚えがあるくらいにはTRPGにハマっておりました。今こそそんなにやってはいませんが、後輩同輩先輩に布教したりする中で、少しずつTRPGをするだけでなく、企画(?)する側になり始めてきました。 すると何が起きるかと言うと、圧倒的に手元に**シナリオ(どのような世界観でプレイヤーたちが何をやるのか記した文書。普通のゲームで言うゲームソフトのようなもの)不足**になるわけです。もちろんTRPG即売会やオンラインで買ってくることもできるわけですが、自分で作ることにも楽しみがあります。 主に… ・性癖をぶっこんだキャラクターや演出、音楽などが細部までカスタマイズ可 ・世界観の深め ・創作自体がシンプルに楽しい 良いシナリオを作れれば、企画する方も、遊ぶ方もきっと楽しいひとときを過ごせるでしょう。 今回の記事では、私が思うシナリオの作り方を実際に一つ骨組みレベルのものを作りながら伝えられたら良いなと思ってます。 ## ざっと必要な材料 ### やりたいこと・テーマ だいたいこれが無いとスッカスカのシナリオになりがちです。やりたいシーンや演出したい世界観、TRPGシステムの中でやってほしい事(1d100のSANチェックとかもここに入ります)とかから考えると良いですね。 特にここで持っておくと強いのは、あらかた決まった世界観や登場キャラクターのセットです。そういうのをベースにするだけでうんと作業量が減り、GMをする際も気にする負担が減ります。例えば… **・好きなアニメ・漫画・ゲーム・ソシャゲイベント** 好きなキャラ、セリフが使いたい放題。キャラの性格もプロフェッショナルが作っているものなのでスベることはまずない。世界観も同様。同じ作品を知っているプレイヤーを前提にするならなおさら伝える量が減って楽です(○○をイメージしてください!で伝わるのがとても良い)。メディアそのまま使う場合は著作権に気をつけてね。 もちろん、複数のメディアのアイデアをあわせてキメラのような世界観を作るのもありです。そうしていくうちに結局は「どこかで見たことのあるような」設定の寄せ集めだけど、オリジナルさがある、という世界観が出来上がるところが良いです。美味しい。 **・夢** 意外と馬鹿にならない。あれってたまに起承転結のうちの起承転くらいまで再現してくれるので、それをベースに物語を書くとなると、オチを考えるだけでほぼ完成に近づきます。とても強い。 **・公式ルールブック** TRPGを本格的にやるなら必需品。公式ルールブックには意外とたくさん世界観について語られていることが多いです。「クトゥルフの呼び声TRPG」では、ラブクラフト本人が著した小説が数万字書かれていますし、そうじゃなくても「魔導書対戦マギカロギア」「DX3rd」などの日本製のシステム(戦闘や探索、世界観などのセット。ゲームでいうエンジンとかシリーズIPとか)でもよく見かけます(何ならそっちのほうがたくさん書かれてる。作っているひとも狂ったオタクなので)。今でも3,4年かけて読みこんだシステムから面白そうな世界観や設定が発掘されることもありますし、それがシナリオフック(シナリオのアイデア。種のようなもの)になります。 今回は「マギカロギア」の公式ルールブックから「学院」を舞台に、最近嗜んでいるゲーム「Library of Ruina」の図書館の感じを融合させる感じで作ろうと思っています。 ![](https://i.gyazo.com/457fe97d5c835cae9a823649de24cdab.png) ### システムのルールへの理解 当然ながら、TRPGシナリオを錬成するとなると、ある程度のそのシステムの理解が必要です。3~4回も遊べばなんとなく遊び方は理解すると思っているので、個人的にはそれくらいの経験値からやりたいことがあったらそのフックを育て始めるのが良いかなって思ってます。 ### 狂気 シナリオを一つ作り上げる(もちろん創作全般に対して言えることですが)ことは並ならない熱意が必要だと思ってます。実現させたいと思うほどの狂気があるとないとでは大きく変わります。 ## 錬成、いってみよー! 基本的に順序とかはありません。上述の「やりたいこと」から足りない部分を埋めていく感じです。以下は私が確認している順番で書き綴っていきます。 ### 起承転結の徹底 大体これが大事。「何が起点で」「どのようにストーリーが解かれて」「どうやってクライマックスまで走って」「どういうふうにハピエン(もしくはバドエン)になるか」を詰めていくのがコアとなります。システムに依存する面(例:「マギカロギア」で起きる3度の戦闘(断章戦)、「DX3rd」におけるミドル戦闘など)は他のシナリオを完コピしたり、真似るだけでどうにかなりますが、ストーリーの起承転結は自分で考えないといけません。ベースとなるメディアがあるとここが楽。 ![](https://i.gyazo.com/66cc7cfd4b53075b3e3cd55b0c10686a.png) ### 目的 これも大事。意外とプレイヤーは自分の思い通りに動いてくれません。特にクトゥルフやD&Dなどの海外製TRPGは自由度が高すぎるがために「なにも無いところをずっと嗅ぎ回るプレイヤー」が錬成されることが結構あります。各タイミングでプレイヤーたちが変なところに行かないように明確な目的をもたせ続けることは大事です。あるいは、その目的を思い出させるために、何かイベントを突発的に起こせるように用意するのもシナリオがポシャらないために必要なフェイルセーフです。 例えば、最初は廃屋を調査させる依頼だけど、最終的には廃屋の地下にいる何らかの邪神の狂信者との対話を果たして欲しい場合。その狂信者との対話をさせたくなるようなトリガーが無いとスッとプレイヤーたちに帰られてしまう…なんてこともありえます。ノリがわかっている面々であればあるほどそんなことは起きないですが、基本的に動機は与え続けないと行けないってわけです。 ![](https://i.gyazo.com/a527123c10a18c1d5f301dc783a55ca3.png) ### やりたいことの肉付け やりたいことを押し出すことは決して悪くないです。「ここが一番の花火だぜ!!ヒャッハー!」と言わんばかりに押し出しちゃうのはとても良いことだと思ってます。 例えば、ヒロインの裏切りみたいなベッタベタの少年漫画展開がそのシナリオの一番の持ち味だと判断した場合は、セリフ例などを書き込んでおくと良いでしょう。GMをしている間に「あー、どんな感じだったっけ」てなってテンポが落ちるのは嫌でしょう? プレイヤーにしっかり華をもたせたいなら、そのプレイヤーが対峙する問題(敵、謎など)を思いっきりそれっぽくさせましょう。敵はクソ野郎に見せたり、逆に「実は理念があったんだ」と気づかせるような一面を見せたり。謎は一見難しく見せても、するすると蝶結びを解くかの如くとけるように。そういうところが「やりたいこと」を一層輝かせます。 ![](https://i.gyazo.com/82a9f668ca91a47d8adb014328301b1d.png) ## 大体これで骨組みは完了 あとは本当にシステムに依存するところが多いのでやっていく上でなんとなく「こういうノリが良いんだな」っていうところを埋めていきましょう。マギカロギアでは、人や場所に「ハンドアウト」という形で情報が潜んでいます。これを大体4人用のシナリオだと6-7つ用意しながらどうやって秘密が開くのかルートを想定していきます。 ![](https://i.gyazo.com/6fc851aacf7ab3f0ab4f66db316042bb.png) **ね、簡単でしょう?** # おまけ:汚言症 最近は世界的に有名な料理人が完璧なイギリス英語でブチギレてる動画を見て生を実感してます。 <iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/fb9Jivr8cvs" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe> ちなみにこの人のレシピ動画クッソ良いので自炊or英語学びたい勢はぜひ。 明日はタカアンドトシではなく、しらすの記事です。最近食卓に並ばない。