シェイクスピアは言った。
人生は選択の連続である
そして私は言いたい。
アブラ學会は選択の連続である
アブラ學会への真の理解を深めることが困難を極める決定的な理由は、入店から退店までの過程で幾度となく直面する選択にある。入店から退店までの間で、私が何を考えているのか、を以下に記す。これによって読者のみなさんがアブラ學会への独自な理解を深めることの一助となることを、そして私自身がより理解を深めることを願ってやまない。
まず初めに考えるべきことはいつアブラ學会に行くかということである。アブラ學会早稲田総本店の営業時間は10:30-2:30だ。もちろん、腹が空いたときに行けばよいのだが、行く時間帯によって學会での体験は全くこと異なるもになるということを留意しなければならない。
とりあえず、昼飯どき、晩飯どきに行くならば行列に並ぶ必要がある。また、入れても店内は寿司詰め状態である。その密な状態もまた一つの魅力ではあるが、一応、把握はしておくべき事実である。
次に気を付けるべき時間帯は、深夜である。普通、大抵の人は夜になれば寝る。しかし、大学生という生き物はその摂理に抗う生き物である。深夜帯といえど大学生の団体がテーブルを埋め尽くし、カウンターも埋まり、外に列ができるということも珍しくない。昼飯どき、夕飯どきの列に比べれば短くなる傾向にあるが、この季節に深夜、外で待つというのは決して楽なことではない。しかし、深夜に並んでやっと思いでありつく油そばの温かさもまた魅力的であることも記しておこう。
逆に、訪れれば確実にアドバンテージがある時間帯が、15:00-18:00である。この時間帯はタイムサービスが行われており、半ライスまたはウーロン茶をいただくことができる。私からすると、ライスが半で足りるわけがないので、実質的にはウーロン茶を貰える時間帯という認識だ。
學会に行くときに注意すべきこととして、服装がある。人はアブラを前にすると理性を失う。タレが飛び散ってお気に入りの服につくのが嫌だったら、服には気を付けた方が良い。また、テイクアウトをする場合、完成までの間外で待つ必要があるため、冬ならば防寒対策をしていた方がよい。
食券機の前で何を食うかチンタラ考えるのはやめるべきだ。 食券機の前に立つときにはすでに何を買うかは決めておかなければならない。食券機の前でチンタラすると、出入り口が塞がるし、特に、団体でチンタラされると、出入り口の扉が開けっ放しで外の冷気が入りっぱなしでとても寒い。普通、學会に行くことが決まればその瞬間から、何をどうやって食うかのイメージトレーニングをするのだから、食券機の前で悩む意味が私にはわからないというのが正直なところである。
學会で提供している油そばは武蔵野油そば(640円)、特濃油そば(750円)の2種類に期間限定油そばを加えた3種類である。 期間限定油そばはやっていない期間もある。味玉油そば、生玉油そばといったのもあるが、トッピングで追加するのとなんら変わりはない。また、特濃ダブダブダブ油そばというのもあるが、私は完食できる気がしないので頼んだことがないが、これもベースは特濃油そばだと思うので、結局、ベースは冒頭に述べた3種類である。
アブラ学会のスタンダード。まずはこれから。アブラ学会の油そばは他の油そばとは一線を画している。 タレはとても濃厚でジャンキーだが、油に不快感がない。この極上のタレに食べ応えのある独自の極太麺が絡み付き、唯一無二のハーモニーを奏でる。具はスタンダードなメンマ、なると、のり、チャーシューに加えて、カイワレが乗っていて、充実している。このカイワレが、良い。中学の文化祭の準備で、サボって遊んでいる男子に喝を入れるしっかり者の女子くらいは重要な具だ。
名前の通り、特濃である。上には背脂がのっていて、なかなかヘビーであるが、もやしとキャベツがついていて、優しい。ニンニクを乗せるのが基本であるが、店員さんは毎回ニンニクを入れるかどうかを聞いてくれて、優しい。じつは優しい特濃油そば。
前述の2種類に比べ、はじめから色々のっていて、手間もかかるため少々お値段は高くなるが、新作が出るたび毎回食べてしまうし、今日(2020/12/16)からは麻婆油そばだ。うーん、食べたい。
さて、次は何のトッピングを乗せるかを考えなければならない。もちろん、何も乗せなくてもよいが、トッピングを購入することでアブラの道はさらに広がる。ちなみに、トッピングは別皿にしてもらうことができる。また、複数のトッピングを組み合わせることも可能だ。これが學会を難しくしている。無限の可能性を秘めたトッピングたちにどう挑むか。
生卵、味玉、温玉の3種類があり、たまご愛好家にも優しい。大体何と合わせても馴染む万能トッピングだ。トッピング初心者はとりあえず頼んでみてもいいかもしれない。
ジャンキートッピングの代表格。油そばをより凶暴にするパワー系トッピングだ。いつもよりコッテリしたいときには頼んでみよう。結構重くなるので注意。何も言わないと結構ガッツリかけられるので、少なめがよかったらそう言おう。
フライされたオニオンが乗る。見た目ほどはインパクトがないが、うまい。マヨとかと合わせるとシナジーがある。
こいつは見た目以上に強烈なトッピングである。 油そばを味を全く別物にする。魚粉をトッピングすると、油は瞬く間に海へと変貌し、我々を航海へと導く。いつもと一味違う油体験をしたい人はぜひ頼むべきトッピングだ。
これ、非常においしいのだが、人が頼んでいるのを見たことがない。パスタにチーズが合うのだから、油そばにもチーズが合うにきまっている。
はっきり言ってイマイチである。卓上に辛味の調味料はあるし、正直、いいかな、という感じである。
メンマ愛好家はどうぞ、という感じだ。メンマが増えるだけなのでこれと言ってコメントすることはない。
もやしとキャベツがドーンとのる健康的なトッピング。結構ガッツリ盛ってくれるのでインパクトあり。しっかり食べたいあなたにおススメ。マヨとのシナジーがある。
ネギが増える。ネギ愛好家のあなたに。野菜と合わせるととっても健康的な油そばにすることができる。ネギましにして後半まである程度ネギをとっておいて、最後に余ったタレとライスと一緒に食うとうまい。やはりマヨとのシナジーがある。マヨは強い。
海苔が3種類のる。マヨとの(以下略)
人気トッピングのひとつ。私は明太子があまり好きではないが、學会の明太マヨはアリだと思っている。女性でもトッピングで頼んでいる人を度々見かける。マヨが含まれているので、実は重いということに注意だ。
貴族限定トッピングだ。チャーシュー大好き肉食セレブの方はぜひ。
実は武蔵野油そばにも無料でにんにくをつけることができる。食券を渡すときににんにく!と言おう。
こちらも食券を渡すときに刻みのりで!というと、板海苔を刻みのりに変えてくれる。刻みのりのほうが麺によくなじむのでおススメだ。
入店時に気を付けなければならないのが引き戸である。 學会の引き戸は大変簡単に外れる。この引き戸が外れるたび店員さんは外に出て扉をガタガタやって直さなければならない。チン正男はいずれ直したい言っていたが、いつ直るのかは永遠の謎である。
引き戸を慎重に開いたら次は入って右の食券機で食券を購入する。この食券機は1000円札しかお金が入らない。5000円札、10000円札しか持ち合わせていない場合は店員さんにお願いすることで両替をしてもらえる が、まあまあなタイムロスになるため、事前に崩しておくのが無難だろう。
食券を渡したら着席だ。店員さんから指示があったらその席に座ろう。なければいい感じの席に着席。
麺が来るまではボーっとしていれば良いのか?そんなことはない。あるはずがない。麺が来るまでも気を緩めてはならない。 無料のスープを貰って、それを飲みながら、どうやって食うかをイメージする。他にお客さんがいない場合、店員さんに食券を渡してから7分程度で麺は到着する。この7分が勝敗を決するといっても過言ではない。
さて、麺が来てからどう食べるかも相当意見が分かれるところだろう。まずは卓上調味料について整理しておこう。
とりあえずふっておいていい。
これ、あまり好きではない。
これ、好き。後半にぶち込むと加速できる。ごはんとのシナジーあり。よい。好きだ。
スタンダードな辣油。とりあえずかけておけばうまい。
山椒の香りがよい、ときはこちらもよい。
これは大変な調味料。かけるのとかけないのとでは味が全く違う。
さて、これらの卓上調味料があることを踏まえて、みなさんはどうするか。私も日によって食べ方を変えているが、結局、そのままでも十分うまいのだ。學会の油そばは初めから混ざった状態で出してくれる。一秒でも早くアブラにありつきたい私は、待ちきれず、何もかけずに食べてしまうのだ。そして、一度エンジンがかかり始めると止まらず、のめりこんでしまって、味変することを忘れてしまうのだ。しかし、最近ではこの方針に疑問を感じていて、やはり、いろいろ試してみるべきなのではないこという思想に戻ってきて、いろいろと試している。
私はライスを頼まなかったことはほとんどない。油そばはライスのおまけとすら思っている。 思っていないが。
ライスは、まあ普通に油そばと一緒に食べればいいのだが、techniqueがある。
・熱移動technique
しばらく時間が経つと麺が冷める。そこで、ライスをおかわりする。おかわりして出てきたライスはアチアチである。そこで、ライスの上に麺をのせることで、麺を温め、ライスを冷まし、タレの味をライスにつける。一石三丁である
・ライス液体化technique
麺が終わりかけてきたら、ライスをぶち込む。あるいはライスに
ぶち込む。これにより、ライスは液体となり、簡単に流し込むことができる。
・ライス液体化technique2
実は、無料のさっぱりスープをライスにぶっこんでもうまい。これはやっている人がなかなかいないが、〆によい。
完食したら、大きくごちそうさまでしたと発声し、さっさと退店しよう。