# 【画像あり】冬コミ画集に寄稿した絵のメイキング
※この記事は、みす51代 Advent Calendar 2017の18日目の記事です。※
※この記事は画像が38枚あります※
実はアドカレ書くのは今回が初めての51代CG研あすなろです。基本的に私は背景メインのイラストばかり描いているのですが、今回の冬コミの画集に寄稿させていただいた絵も背景メインの絵となっております。そこで今回は~~みすに入ってから培ってきた~~背景絵のノウハウを今回の絵の制作過程と交えてご紹介したいと思います!!背景絵師の端くれですが温かい目で見守ってやってください!!完成品はこちら↓

[HORIZON/pixiv](https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=66193592)
## 1.下準備編
### 1.1 コンセプトを明確にする
背景絵にせよキャラクター絵にせよ何かしら自分の作品を作る上で最初にやらなければならない事はその作品の**コンセプトを明確にする事**でしょう。今回の画集のテーマは「**終末**」という事でそれに沿いつつもアイデアを広げていき今回のコンセプトを以下のように決めておきます。
・廃墟と化した都会のビル群
・朝焼けor夕焼け
・少女or女性が一人
このように最初にコンセプトをしっかりと決めておくことで描く必要のあるもの、描く必要のないものが明確になり作品にまとまりが出るのと、描いている最中に作品の軸がぶれるという事が無くなります。
### 1.2 構図を考える
コンセプトを明確にした次は構図を考える必要があります。
実は**構図を考えるのが背景絵を描く上で一番難しい**作業かもしれません(少なくとも私はそうでした)。よい構図だと描いていくうちに作品のビジョンが見えてくるようになりますし、作業も捗るのは事実です。逆にイマイチな構図だといつまで描き進めてもコレジャナイ感が邪魔して作業も滞りがちになってしまいます。
#### topic:よい構図を思いつくには?----------------------------------
これに関しては私もまだまだ研究中ですが、(すくなくとも私が)構図を考える上で役に立った事は以下の事が挙げられます。
・遠近法を理解する(一点透視、二点透視、三点透視、空気遠近法など)
・様々なジャンルの背景絵を見る(pixiv,deviant artなど)
・写真の構図を理解する(日の丸構図、三角構図など)
・実際に自分で風景の写真を撮ってみる
ここでは写真の構図や遠近法についてこれ以上述べると**クソ長く**なってしまうので各自で調べて理解するのがおすすめです。
#### ----------------------------------------------------------------------
と、まぁ構図を考えられるようになるのは多少時間がかかる事なのでこれ以上は書きませんが、各自努力するのが一番です。
話を戻して今回のコンセプトに合いそうな構図をいくつかスケッチしました。

そして今回は左上の構図を使用することにしました。
構図が決まれば早速ラフを描いてみます。
コンクリートのビルの窓枠から崩壊した都市と朝日を一望する構図です。

ラフが描けたらそれに合うようにパース定規を引いていきます。
今回はベーシックな一点透視図法です。

### 1.3 空と地面の描写
グラデーションツールで空と地面を描画していきます。
空は黄と水色のグラデーション

地面もグラデーションをかけます。

下準備はこれでおしまいです。
イメージがつかめたらここで一回ラフのレイヤーは**非表示**にしましょう。
## 2. 近景編
今回の構図は手前(近景)に一部崩壊したコンクリートのビルの枠があり、奥(中景~遠景)にビル群がある事が分かります。まずは近景のコンクリートの枠から描いていくわけですが、廃墟の絵を描く時は私の場合は基本的には崩壊していない建物を一回描いてから崩壊している風に描き加えていく事が多いです。
ということで早速手前の枠の線画を描いていきます。パース定規に沿って描いていきますが、この時レイヤーは**ベクターレイヤー**を使うと楽でおすすめです。

次に光源(太陽)の位置を考慮してざっくりと塗りつぶしていきます。今回は逆光の位置関係になっているので太陽光の当たる部分は明るく、当たらない部分はかなり暗くしていきます。またこの時先ほど描いたベクターの線画はコピーして一枚は非表示にしておいた方がいいです。

次に廃墟絵を描く上で**一番大事**(?)な手順です。コンクリートが劣化や攻撃などで砕けて崩壊している様子を描くためにこのように新規レイヤーで折れ線選択ツールでザクザクと選択して黒で塗りつぶします。

次に下のコンクリートのレイヤーの一部をこのように消去します。

次に黒く塗ったレイヤーの上に新規レイヤーで「下のレイヤーにクリッピング」をonにします。そのうえで再び光源の位置を考慮して油彩平筆などでこのように塗っていきます。

次に新規レイヤーで建物の傷や汚れをこのように描いていきます。
あとこの段階でコンクリートの天井と床部分が明かる過ぎたので80%の焼きこみリニアで黒から透明へのグラデーションをかけました。

そして最後にコンクリートのテクスチャを合成モードを変えて重ねます。今回はオーバーレイで80%と乗算で40%で重ねてみました。正直**テクスチャーの合成方法**は必ずこれといった合成モードがあるわけではなく、意図している仕上がりやテクスチャーの色やパターンなどによってちょうどいいものを**適宜選ぶのが良い**と思います。
ちなみに普段私はテクスチャ素材を探す時は[Pixabay](https://pixabay.com/ja/)というサイトを利用しています。

とりあえずこれで近景のコンクリートの枠部分は完成です。
ちなみに現段階でのレイヤー構成はこのような感じです。

## 3. 中景~遠景編
続いては窓枠奥のビル群を描くパートに入っていきたいと思います。
ここで改めて絵全体のイメージをつかむために、ビル群のラフを大雑把に描きます。

イメージが掴めたら地面にグリッドをかいていきます。
パース定規にそって地面に(ほぼ)正方形のグリッドを描くのですが、ある程度奥まで描けば十分です。

次は先ほど描いたグリッドに基づいて建物の地図を描いていきます。現実の建物は必ずしも単なる直方体とも限らないので、適宜長方形を組み合わせた複雑な形を意識して描きます。遠近法だと横幅よりも奥行きの方が遠くになるとより小さくなるので、それに注意して極端に奥行きの長い建物にならないようにしてください。

そして描いた地図に基づいてビルを描き進めていきます。今回の構図は逆光の位置関係なので、**建物の太陽光の当たっていない面は一番暗く、屋上は明るく、他の側面はその中間色**で描いていきます。この際適宜レイヤーを分割しておいたほうが後で廃墟風に加工する際に楽かもしれません。

この後もひたすらゴリゴリ描きすすめていきます。(ここが背景絵では一番大変です)
作業用BGMでも聞きながら描き進めましょう。

とりあえず上の段階まで描き進めました。ここで一旦作業を止めてラフを思い出してください。

このように画面左手前にキャラクターを描く予定でした。キャラクターがそこに入るということはそのキャラクターの下に重なる建物はもちろん**描く必要がありません**。そこで次は建物ではなくキャラクターを先に描くので、次のようにより詳細なラフを描きます。

そして次のようにキャラクターを描いていきます。(正直キャラクターを描くのはあまり得意ではないので多めに見てね)
後ほどキャラクターはより書き込みますが、現段階ではシルエットは分かればいいのでここまでにしておきます。

シルエットが決まったのでキャラクターの背後の建物もこのように描き進めていきます。

同様に真ん中の列と右の列の建物も描きます。
このあたりの建物は手前の建物ほど緻密に描く必要はありませんので、いい感じに手を抜いて書き込んでいきます。

建物の描写はあと一息です。
遠方のビル群を描いていくのですが、遠方~無限遠の建物はほぼ形状はわからないほど細かいので油彩平筆などで適当に描いた後に、ガウスぼかしを使うといい感じに見えると思います。

そして遠景の超高層ビルを書き込みます。

その後道路や電柱、後で廃墟風加工にするための黒塗り部分を描き加えます。

ちなみにこの段階でのレイヤー構成はこのような感じです。そろそろファイルの読み込みが重くなってきます…

続いては最初に手前のコンクリートの窓枠の廃墟風の加工でもやったように、黒塗りした箇所にクリッピングして新規レイヤーを作成した後に建物の**構造を意識して**壊れている部分を描写していきます。

次に地面に草木のテクスチャを45%の乗算で、建物に適当にザラついた感じのテクスチャを20%のソフトライトと30%の比較(暗)で重ねます。
これにより建物の廃墟感が一気に増しました。

次に建物にも草木のテクスチャを貼り付けていきます。
建物にクリッピングして草木のテクスチャを引き延ばしてもいいのですが、念のため面ごとに方向をそろえて貼り付けていきます。そのために分かりやすい色で建物の三種類の面を塗り分けていきます。

そして面ごとに草木のテクスチャを自由変形で引き伸ばして貼り付けます。

それぞれの面に二種類ずつ合計6レイヤーの草木のテクスチャが貼ってあります。
レイヤー構成はこのようになっています。

ここから少し作業が飛んで以下のようになりました。具体的にはこれらの作業を進めました。
・中景~遠景の建物の明るさとコントラスト調整
・遠方の高層ビルの変形と消しゴムで廃墟風加工
・キャラクターの細かい書き込み

ちなみにキャラクターの太陽に当たって明るくなっている部分と、太陽が当たっていない箇所(シェード)と鎖骨のシェードと目口はそれぞれ別レイヤーになっていて以下のような構成になっています。

いよいよ作業も大詰めです。
逆光によるハレーションとレンズフレアを描き加えていきます。
まずはclipstudio paintでハレーションを合成します。放射状のハレーションは集中線ツールで描写したものをガウスぼかしを適用して合成方法を変えるといい感じです。

ハレーションのレイヤー構成はこのような感じで発光系の合成方法を中心に複数枚のレイヤーを使用しています。

そして!最後にPhotoshopの逆光ツールでレンズフレアを付加します。
あとは色調補正やコントラストを微調整してから翌檜重工業のロゴを入れて完成です!!!長かった!!!

(ちなみにillustratorにもフレアツールはありますがphotoshopの逆光ツールの方が断然いいのでそちらの使用をお勧めします)
## あとがき
いかがでしたでしょうか?ざっくりとですが背景絵がどのようなプロセスを経て出来上がるかが分かったと思います。この記事を見て少しでも背景を描いてくれる人が増えてくれると幸いです。
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追記
アドカレの次の記事はHowaitonattouによる「某ソシャゲとその界隈のお話」だそうです…!