Masashige
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    &emsp;ここでは,デザインの働きが人と社会をつなげ,私たちの生活を心豊かにしていることについて深く考察することが求められる。具体的には,生活や社会を美しく飾る装飾のデザイン,社会へメッセージを発する伝達のデザイン,生活の中で使うもののデザインや環境のデザイン等が考えられるが,学習活動を通して,デザインが今日の社会でどのようなことを担っているのか,これからの社会に対してどのように働きかけていくことができるのかといった自分たちの生活や社会を創造していく観点から一人一人が独自性を発揮できるようにすることが大切である。その際,〔共通事項〕との関連を図り,造形的な視点を豊かにして人と社会をつなぐデザインの働きや社会におけるデザインの機能や効果などを深く見つめられるようにすることも重要である。 &emsp;指導に当たっては,生徒が自身の興味や関心を基にして発想をしたことを尊重し,主体的に発想し構想を練ることができるように,「美術Ⅰ」で扱った題材を更に発展させて内容を深めたり,創造的に表す技能を発展的に生かせるよう題材の設定に留意したりする必要がある。ここでは,独善的にならないように,社会との調和や共生を考えて,主題を生成し,構想が深められるように配慮することが大切である。そのため,題材の設定や導入の方法を工夫するとともに,生徒自身による主体的な問題の発見と課題の設定,既成の概念にとらわれない柔軟なものの見方を培い,新しい気付きや感動が生徒の中に生じるような指導が求められる。 &emsp;また,生徒一人一人が主題を深めて取り組めるように,「B鑑賞」との関連を図ることも大切である。例えば,表現の意図と創造的な工夫について考えることなどを発想や構想と鑑賞の学習の双方に働く中心となる考えとして位置付け,発想や構想の独自性と表現の工夫などを多様な視点から生徒に読み取らせ,作品に込められた様々な思いを深く考えさせることは,生徒が自己の主題を深めるきっかけとなったり,自分の表したいものを見付けたりすることにつながる。このように,双方に働く中心となる考えを軸にして,鑑賞の学習で学んだことが表現に生かされ,表現の学習で学んだことが鑑賞で生かされるようにすることが大切である。 ア 目的や機能などを考えた発想や構想| |- &emsp;アは,目的や機能などを考えた発想や構想に関する指導内容を示している。 &emsp;ここでは,生徒が人と社会をつなぐデザインの働きについて考えて主題を生成し,それらを基に社会におけるデザインの機能や効果,表現形式の特性などについて考えて個性豊かで創造的な表現の構想を練ることができるよう指導することが大切である。 (ア)目的や条件などを基に,人と社会をつなぐデザインの働きについて考え,主題を生成すること。| |- &emsp;(ア)は,デザインの目的や条件などを基に,人と社会をつなぐデザインの働きについて考え,主題を生成することに関する指導事項である。 &emsp;**目的や条件などを基に,人と社会をつなぐデザインの働きについて考え**とは,装飾や伝達,使用等における対象や場の目的や条件等を基に,造形的な視点で社会を見つめ,デザインの社会における有用性や人と社会を豊かにつなぐ役割などについて考えることである。目的や条件などとは,デザインを検討するための目的や条件などのことである。条件には,共通の視野に立って考えなければならないものと視覚伝達や使用などのそれぞれのデザインの対象や場面などに応じて考えなければならないものがある。例えば,幼い子どもが使うスプーンをデザインする場合,スプーンの機能という共通性と,幼い子どもが使うという対象や場面を想定し,それらを基にデザインの働きについて考えることになる。 &emsp;**主題を生成すること**とは,目的や条件などを基に,人々が心豊かに生きていくことにつながるデザインの働きなどについて考え,生徒自らが強く表したいことを心の中に思い描くことであり,発想や構想の学習を進める上で基盤となるものである。 &emsp;指導に当たっては,デザインが単に作品づくりという狭い目的ではなく,自分たちの身の回りの様々な課題を発見し,デザインが社会の課題にいかに関わり,それらの質的な向上のためにどのように貢献ができるかといった生活や社会全体を視野に入れた活動であることを踏まえて,主題を生成できるようにすることが大切である。また,デザインすることが身近な生活や社会にどのようなメッセージを発信できるか,多様な視点から物事を捉え直し,豊かで柔軟な考えでデザインの主題を生成できるような指導の工夫が求められる。 (イ)社会におけるデザインの機能や効果,表現形式の特性などについて考え,個性豊かで創造的な表現の構想を練ること。| |- &emsp;(イ)は,主題を基に社会におけるデザインの機能や効果,表現形式の特性などについて考え,個性豊かで創造的な表現の構想を練ることに関する指導事項である。 &emsp;**社会におけるデザインの機能や効果,表現形式の特性などについて考え**とは,デザインのもつ,目的や条件などを基にした構成や装飾,伝達,使いやすさなどの機能や効果と,平面,立体などによるデザインの表現形式の特性などについて考えることである。ここでは,造形的な視点で社会を見つめ,デザインの形や色彩などによるコミュニケーションを通して発せられるメッセージなど,デザインと社会との関わりを意識し,使いやすさ,心地よさなど使用する者の立場からより多くの相手を対象とした人工物などにみられる機能や効果,平面や立体などによるデザインの表現形式の特性などについて考えられるようにすることが大切である。 &emsp;**個性豊かで創造的な表現の構想を練ること**とは,客観的な視点に立って独自性や自分らしさを発揮しながら既存の価値観にとらわれることなく表現するための構想を練ることである。ここでは,造形を豊かに捉える多様な視点を育て,今まで気付かなかったデザインのよさや美しさ,生活や社会に中のデザインの働きの面白さなどに気付いたり,新たな意味や価値を発見したりすることにつながることを実感させることが大切である。 &emsp;指導に当たっては,「B鑑賞」との関連を図り,目的や機能との調和の取れた洗練された美しさなどを感じ取るなどして,生徒が人と社会の関わりから必要となる用途や機能, 伝える人や使う人の気持ちなどを考え,自らの視点を明確にしながら,創造的で美しく心豊かな表現を構想することができるようにすることが大切である。その際,作品を発表したり使用したりする場を想定したり,アイデアスケッチなどを基に各自の構想について批評し合ったりするなどして,生徒がそれぞれの構想の独自性や創意工夫について考え,意欲をもって構想を深められるような指導の工夫が求められる。 イ 発想や構想をしたことを基に,創造的に表す技能| |- &emsp;イは,発想や構想をしたことを基に,創造的に表す技能に関する指導内容を示している。ここでは,生徒一人一人が発想や構想をしたことを基に,自己の表したいことを具現化するために,主題に合った効果的な表現方法を創意工夫し,個性豊かで創造的に表すことができるよう指導することが大切である。 (ア)主題に合った表現方法を創意工夫し,個性豊かで創造的に表すこと。| |- &emsp;(ア)は,目的や機能などを考えた表現の意図に基づいて,自己の主題に合った効果的な表現方法を創意工夫し,個性豊かで創造的に表す技能に関する指導事項である。 &emsp;**主題に合った表現方法を創意工夫し**とは,主題を効果的に表現するために,自己の見方や感じ方を生かし,主題に合った表現方法を創意工夫することである。 &emsp;**個性豊かで創造的に表すこと**とは,材料や用具,技法等を生かし,独自性や自分らしさを発揮しながら創造的に表すことである。 &emsp;指導に当たっては,生徒が社会におけるデザインの機能や効果,表現形式の特性などについて考えたことをより効果的に表すために〔共通事項〕との関連を図るなどして,平面や立体における表現の特質,配色の効果,様々な材質による効果の違い等を理解し,作品のイメージを確かめながら創意工夫できるようにすることが大切である。また,デザインの表現は新しい技術や素材の開発に伴い革新されていく一方で,日本の伝統的な意匠やものづくりの中に新しさを見付け出すなどして,材料や技法を学び,制作に生かすことも重要である。 |(3)映像メディア表現 |-   映像メディア表現に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。  ア 映像メディアの特性を踏まえた発想や構想  (ア)自然や自己,人と社会とのつながりなどを深く見つめ,映像メディアの特性を生かして主題を生成すること。   (イ)映像表現の視覚的な要素などの効果的な生かし方について考え,個性豊かで創造的な表現の構想を練ること。  イ 発想や構想をしたことを基に,創造的に表す技能   (ア)主題に合った表現方法を創意工夫し,個性豊かで創造的に表すこと。 &emsp;「美術Ⅱ」における「(3)映像メディア表現」では,「美術Ⅰ」での学習を基礎にして,造形的な見方・考え方を働かせ,自然や自己,人と社会とのつながりなどを深く見つめ,映像メディアの特性を生かして主題を生成し,独自性や自分らしさを発揮しながら表現することを重視して,映像表現の視覚的な要素などの効果的な生かし方について考え,創造的な表現の構想を練り,表現方法を創意工夫して創造的に表すなどして,発想や構想に関する資質・能力と技能に関する資質・能力を育成することをねらいとしている。 &emsp;ここでは,自然や自己,人と社会とのつながりなどを自己の内面や在り方などに照らして対象を捉え,創造的に表現していくことが求められる。そのためには,生徒が意図に応じて表現方法を選択するような主体的な学習活動を重視することが必要である。また,映像メデイア表現が,心豊かな社会の形成に役立っていることに気付くとともに,自己の価値意識をもって,映像メディア表現の役割や働きなどを理解することが大切である。その際,〔共通事項〕との関連を図り,造形的な視点を豊かにして自然や自己,人と社会とのつながりなどを深く見つめられるようにすることも重要である。 &emsp;指導に当たっては,生徒が生活や社会の中の課題,映像メディア表現の役割や働きなどに目を向け,主体的に発想し構想を練ることができるように,「美術Ⅰ」で扱った題材を更に発展させて内容を深めたり,創造的に表す技能を発展的に生かせるよう題材の設定に留意したりする必要がある。ここでは,自己の表現と他者への心遣いとの調和などを考えて心豊かに主題を生成し,創意工夫して表現する意欲を高めることが大切である。そのため,題材の設定や導入の方法を工夫するとともに,生徒一人一人が美的感覚を働かせ,発想や構想を基に構成したり編集したりするなどして主題を深め,個性豊かで創造的に表現することができるような指導が求められる。 &emsp;また,生徒一人一人が主題を深めて取り組めるように,「B鑑賞」との関連を図ることも大切である。例えば,表現の意図と創造的な工夫などを発想や構想と鑑賞の学習の双方に働く中心となる考えとして位置付け,発想や構想の独自性と表現の工夫などを多様な視点から生徒に読み取らせ,作品に込められた様々な思いを深く考えさせることは,生徒が自己の主題を深めるきっかけとなったり,自分の表したいものを見付けたりすることにつながる。このように,双方に働く中心となる考えを軸にして,鑑賞の学習で学んだことが表現に生かされ,表現の学習で学んだことが鑑賞で生かされるようにすることが大切である。 ア 映像メディアの特性を踏まえた発想や構想| |- &emsp;アは,映像メディアの特性を踏まえた発想や構想に関する指導内容を示している。 &emsp;ここでは,生徒が自然や自己,人と社会とのつながりなどを深く見つめ,映像メディアの特性を生かして主題を生成し,それらを基に映像表現の視覚的な要素などの効果的な生かし方について考え,個性豊かで創造的な表現の構想を練ることができるよう指導することが大切である。 (ア)自然や自己,人と社会とのつながりなどを深く見つめ,映像メディアの特性を生かして主題を生成すること。| |- &emsp;(ア)は,自然や自己,人と社会とのつながりなどを深く見つめ,感じ取ったことや課題などを考えて,映像メディアの特性を生かして主題を生成することに関する指導事項である。 &emsp;**自然や自己,人と社会とのつながりなどを深く見つめ**とは,自然の美しさや偉大さ,神秘性などに感動したり畏敬の念を感じたり,自己の内面を問い直し願いや夢などを思い描いたり,時代を越えて愛され伝えられてきたものや新しく生み出されたものなどに価値を見いだしたりして,自然や自己の生活,人と社会とのつながりなどを自己の価値観で捉え直すことである。 &emsp;**映像メディアの特性を生かして**とは,写真や映像などがもつ写実性や記録性,コンピュータ等がもつ画像や映像の加工・編集機能,インターネットがもつ情報の発信・交流機能等の映像メディアの特性を生かすことである。 &emsp;**主題を生成すること**とは,感じ取ったことや考えたこと,目的や機能などを基に,映像メディアの特性を生かして生徒自らが強く表したいことを心の中に思い描くことであり,発想や構想の学習を進める上で基盤となるものである。 &emsp;指導に当たっては,映像メディアの特性を理解できるようにするとともに,より個性豊かに創造的で主体的な表現の主題を生成できるように配慮することが大切である。また,行事や慣習など地域の人々の生活の中に日本人の美意識を見いだすなど,自然や自己,他者や社会との関わりの中で共に生きることの意味などを考え,自己の内面に問いかけながら主題を生成できるような指導の工夫が求められる。 (イ)映像表現の視覚的な要素などの効果的な生かし方について考え,個性豊かで創造的な表現の構想を練ること。| |- &emsp;(イ)は,主題を基に映像表現がもつ多様な視覚的な要素などの効果的な生かし方について考え,個性豊かで創造的な表現の構想を練ることに関する指導事項である。 &emsp;**映像表現の視覚的な要素などの効果的な生かし方について考え**とは,自由な発想で主題のイメージを広げ,表現の意図に合わせて色光や視点,構図,動きなどの視覚的な要素等がもつ様々な効果の生かし方を考えることである。ここでは,主題を基に映像メディアの特性を生かし,表現の意図に合わせて色光や視点,構図,動きなどの視覚的な要素とその働きについて理解を深め,様々な表現効果や伝達効果の工夫を考えられるようにすることが大切である。 &emsp;**個性豊かで創造的な表現の構想を練ること**とは,独自性や自分らしさを発揮しながら映像メディア表現の構想を練ることである。ここでは,例えば,映像作品をつくる場合,独自の視点から撮影におけるライティングやカメラアングル,パンニング,ズーミング,フォーカスの移動などの表現効果,シーンのカットやつなぎ合わせなどの編集による時間表 現や物語性などを考えて構想を練ることなどが考えられる。 &emsp;指導に当たっては,「B鑑賞」との関連も図り,造形的なよさや美しさ,目的や機能との調和の取れた洗練された美しさなどを感じ取るなどして,自己の考えや主張,他者への思いやりや社会への問いかけなど,自らの視点を明確にしながら,主題に合った表現方法を考え,表現の意図に応じて機器を選択し,それらの効果を生かして生徒一人一人の個性やよさを大切にして,美しく創造的な表現を構想できるようにすることが大切である。その際,作品を発表したり使用したりする場を想定したり,絵コンテやアイデアスケッチなどを基に各自の構想について批評し合ったりするなどして,生徒がそれぞれの構想の独自性や創意工夫について考え,意欲をもって構想を深められるような指導の工夫が求められる。 イ 発想や構想をしたことを基に,創造的に表す技能| |- &emsp;イは,発想や構想をしたことを基に,創造的に表す技能に関する指導内容を示している。 &emsp;ここでは,生徒一人一人が発想や構想をしたことを基に,自分の表現を具体化するために,主題に合った効果的な表現方法を創意工夫し,個性豊かで創造的に表すことができるよう指導することが大切である。 (ア)主題に合った表現方法を創意工夫し,個性豊かで創造的に表すこと。| |- &emsp;(ア)は,映像メディアの特性を生かした表現の意図に基づいて,自己の主題に合った効果的な表現方法を創意工夫し,個性豊かで創造的に表す技能に関する指導事項である。 &emsp;**主題に合った表現方法を創意工夫し**とは,主題を効果的に表現するために,自己の見方や感じ方を生かし,カメラやコンピュータ等の映像メディア機器等を柔軟に活用し,主題に合ったよりよい表現方法を工夫することである。例えば,カメラで撮影した素材をコンピュータに取り込み,表現の意図に合わせて色調補正や速度調整などを行ったり,シーンのつなぎ目にフェードインやフェードアウト,ワイプ,オーバーラップなどの効果的なトランジションを入れたり,画像処理のソフトウエアを用いて作品を象徴するタイトルなどを作成し映像に挿入したりするなど,多様な工夫をこらしながら表現を追求することなどが考えられる。  &emsp;**個性豊かで創造的に表すこと**とは,映像メディア機器等を生かし,独自性や自分らしさを発揮しながら創造的に表すことである。 &emsp;指導に当たっては,生徒が映像表現の視覚的な要素などの生かし方について考えたことを効果的に表すために〔共通事項〕との関連を図るなどして,撮影した画像をコンピュータで明暗や色調などを調整したり,複数の写真を組み合わせて組写真にしたりして表現の意図を明確にする写真表現,プロジェクターや照明機材などを使って室内や屋外の空間にイメージを映し出すプロジェクション・マッピングなどの表現など,映像メディア表現の多様性と柔軟性を効果的に生かして個性豊かで創造的な表現を追求させることなどが考え られる。また,共同して行うアニメーションや短編映画づくりなどの場合,単なる分担作 業ではなく,一人一人の学習が深まるように,題材や指導計画を創意工夫することが求め られる。 <br> ### B 鑑 賞 鑑賞に関する資質・能力を次のとおり育成する。| |- 「B鑑賞」は,主体的に美術作品や文化遺産などの造形的なよさや美しさ,表現の独自性などを感じ取り,発想や構想の独自性と表現の工夫や,心豊かな生き方の創造に関わる美術の働き,美術文化について考え,見方や感じ方を深めるなどの鑑賞に関する資質・能力を育成する領域である。ここでは,生徒一人一人が自分の見方や感じ方を大切にして,鑑賞の視点を豊かにし,自己の価値観を高めて美術作品や美術の働き,美術文化についての見方や感じ方を深めることができるようにすることが大切である。 |(1)鑑賞 |-   鑑賞に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。  ア 美術作品などの見方や感じ方を深める鑑賞   (ア)造形的なよさや美しさを感じ取り,発想や構想の独自性と表現の工夫などについて多様な視点から考え,見方や感じ方を深めること。   (イ)目的や機能との調和の取れた洗練された美しさなどを感じ取り,発想や構想の独自性と表現の工夫などについて多様な視点から考え,見方や感じ方を深めること。  イ 生活や社会の中の美術の働きや美術文化についての見方や感じ方を深める鑑賞   (ア)環境の中に見られる造形的なよさや美しさを感じ取り,心豊かな生き方の創造に関わる美術の働きについて考え,見方や感じ方を深めること。   (イ)日本及び諸外国の美術作品や文化遺産などから表現の独自性などを感じ取り,時代,民族,風土,宗教などによる表現の相違点や共通点などから美術文化について考え,見方や感じ方を深めること。 &emsp;「美術Ⅱ」における「(1)鑑賞」では,「美術Ⅰ」での学習を基礎にして,造形的な見方・考え方を働かせ,主体的に美術作品や文化遺産などのよさや美しさ,表現の独自性などを感じ取り,発想や構想の独自性と表現の工夫,心豊かな生き方の創造に関わる美術の働きや,時代や民族などによる表現の相違点や共通点,美術文化などについて考え,自己の価値観を高めて,美術作品や美術の働き,美術文化についての見方や感じ方を深めるなどして,鑑賞に関する資質・能力を育成することをねらいとしている。 &emsp;ここでは,美術作品や文化遺産などが,作者やそれぞれの時代の独自性や様々な工夫により表現されていることを深く感じ取ることが求められる。また,自己の美意識や価値観を高め,美術作品などの発想や構想の独自性と表現の工夫,生活環境を一層心豊かに築いている美術の働き,人々が美術に託した願いやあこがれ,その時代の人々の生き方と美術との関わりなどについて考え,見方や感じ方を深めることが重要である。 &emsp;指導に当たっては,生徒が興味・関心に基づいて作者や作品の調査,研究などを行い鑑 賞レポートを作成したり,部分的な模写などの表現行為を伴う学習を取り入れるなどして発想や構想,表現の工夫を学び,作者の創造の原点に迫るような鑑賞ができるよう配慮することが必要である。また,「A表現」との関連を図り,アの「美術作品など」を対象にした鑑賞については,「思考力,判断力,表現力等」の育成の観点から,発想や構想と鑑賞の学習の双方に働く中心となる考えを軸としながら,生徒が主体的な鑑賞を通して,作者の表現の意図に触れ,より深く作品のよさや美しさを感じ取ったり,発想や構想の独自性などについて考えたりできるようにする。その際,美術作品に対する多様な見方や感じ方があることを理解し,他者の考えを尊重するとともに自分の考えをもち,討論や批評をするなどして見方や感じ方を深めることが大切である。 ア 美術作品などの見方や感じ方を深める鑑賞| |- &emsp;アは,美術作品などの見方や感じ方を深める鑑賞に関する指導内容を示している。 &emsp;ここでは,生徒が自己の価値観を高めて,美術作品などの造形的なよさや美しさ,目的や機能との調和の取れた洗練された美しさなどを感じ取り,作品に見られる発想や構想の独自性と表現の工夫などについて多様な視点から考えるなどして鑑賞の視点を豊かにし,美術作品やデザイン,映像メディア表現などの見方や感じ方を深めることができるよう指導することが大切である。 (ア)造形的なよさや美しさを感じ取り,発想や構想の独自性と表現の工夫などについて多様な視点から考え,見方や感じ方を深めること。| |- &emsp;(ア)は,絵画や彫刻,映像メディア表現などにおける,感じ取ったことや考えたことなどを基に表現された作品から,造形的なよさや美しさなどを感じ取り,作者の個性や美術を通して人生や芸術をどのように追求しているのかなどの観点に立って作品を見つめ,発想や構想の独自性,表現の工夫などを多様な視点から考えるなどして,作品に対する見方や感じ方を深める鑑賞に関する指導事項である。 &emsp;**造形的なよさや美しさを感じ取り**とは,形や色彩,材料,映像メディアの特質や視覚的効果を生かした表現などから感じ取れる造形的なよさや美しさなどを,自分の見方や感じ方を大切にしながら主体的に感じ取ることである。ここでは,「美術Ⅰ」で学習した内容を踏まえ,作品などからよさや美しさを豊かに感じ取ることができるようにすることが大切である。 &emsp;**発想や構想の独自性と表現の工夫などについて多様な視点から考え**とは,作者の独自の発想や構想,表現方法などの工夫について多様な視点から考えることである。ここでは,作品の特徴を捉え,作者の意図,表現テーマやコンセプト,素材や材料の使い方,技法や技術,表現の工夫などを読み取り,それらがどのように生かされているかを捉えたり,一人の作者の年代の異なる作品,時代や国,地域などを同じくする他の作者の作品,主題や表現形式を同じくする作品などと比較したりすることで多様な視点から考えられるように することが大切である。 &emsp;**見方や感じ方を深める**とは,作品のよさや美しさ,発想や構想の独自性と表現の工夫などについて,幅広く様々な視点から考えるなどして鑑賞の視点を豊かにし,自己の価値観を高めて見方や感じ方を深めることである。 &emsp;指導に当たっては,単に定まった価値観のみによって鑑賞するのではなく,自己の見方や感じ方を大切にしながら作品を捉え,主題の生成の基となった事象や影響を与えた事柄などから作者の発想や構想の原点を探り,作者が主題を表現するために工夫した方法などについて多角的に分析したり,考察を深めさせたりすることが大切である。その際,〔共通事項〕との関連を図り,造形的な視点から発想や構想の独自性について考え,自己の価値観を高めて作品についての見方や感じ方を深めさせることや,「A表現」との関連を図り,発想や構想と鑑賞の学習の双方に働く中心となる考えを軸としながら,作者の表現の意図に触れ,より深く作品のよさや美しさを感じ取ったり,発想や構想の独自性などについて考えたりできるようにするなどの指導の工夫が求められる。また,自己の制作経験に照らさせて鑑賞を深めることや,感じ取ったことや考えたことを言葉などで整理したり鑑賞レポートにまとめたりすることも効果的である。 (イ)目的や機能との調和の取れた洗練された美しさなどを感じ取り,発想や構想の独自性と表現の工夫などについて多様な視点から考え,見方や感じ方を深めること。| |- &emsp;(イ)は,デザインや映像メディア表現などにおける,目的や機能などを考えて表現された作品や製品などから,目的や機能との調和の取れた洗練された美しさなどを感じ取り,デザインや映像メディア表現が今日の社会でどのようなことを担っているのか,これからの社会に対してどのように働きかけていくことができるのかといった自分たちの生活や社会を創造していく観点から作品を見つめ,発想や構想の独自性,表現の工夫などを多様な視点から考えるなどして,作品に対する見方や感じ方を深める鑑賞に関する指導事項である。 &emsp;**目的や機能との調和の取れた洗練された美しさなどを感じ取り**とは,デザインの作品や製品,映像メディア表現の特徴や印象などから,装飾性や伝達性,機能性などの目的や機能と造形的な特徴,構成の要素,全体の調和やその場にもたらす雰囲気のよさなどとの調和の取れた洗練された美しさなどを,自分の見方や感じ方を大切にしながら主体的に感じ取ることである。ここでは,「美術Ⅰ」で学習した内容を踏まえ,作品などからよさや美しさを豊かに感じ取ることができるようにすることが大切である。 &emsp;**発想や構想の独自性と表現の工夫などについて多様な視点から考え**とは,目的や条件,機能などを基にした独自の発想や構想,表現方法などの工夫について多様な視点から考えることである。ここでは,社会的な視点に立って作品の特徴を捉え,作者の意図,表現テーマやコンセプト,素材や材料の使い方,技法や技術,表現の工夫などを読み取り,それらがどのように生かされているかを捉えたり,一人の作者の目的や条件の異なる作品,時代や国,地域などを同じくする他の作者の作品,装飾性や伝達性,機能性などを同じくする作品などと比較したりすることで多様な視点から考えられるようにすることが大切であ る。 &emsp;**見方や感じ方を深める**とは,目的や機能との調和の取れた洗練された美しさ,表現の独自性や工夫などについて,幅広く様々な視点から考えるなどして鑑賞の視点を豊かにし,自己の価値観を高めて見方や感じ方を深めることである。 &emsp;指導に当たっては,単に定まった価値観のみによって鑑賞するのではなく,自己の見方や感じ方を大切にしながら客観的に作品などを捉え,目的や条件などの基となった事象や影響を与えた事柄などから作者の発想や構想の原点を探り,他者の意見にも耳を傾けながら作者が飾ったり,伝えたり使ったりするために工夫した方法などについて多角的に分析したり,考察を深めさせたりすることが大切である。その際,〔共通事項〕との関連を図り,造形的な視点から発想や構想の独自性について考え,自己の価値観を高めて作品などについての見方や感じ方を深めさせることや,「A表現」との関連を図り,発想や構想と鑑賞の学習の双方に働く中心となる考えを軸としながら,作者の表現の意図に触作品のよさや美しさを感じ取ったり,発想や構想の独自性などについて考えたりできるようにするなどの指導の工夫が求められる。また,自己の制作経験に照らさせて鑑賞を深めることや,感じ取ったことや考えたことを言葉などで整理したり鑑賞レポートにまとめたりすることも効果的である。 イ 生活や社会の中の美術の働きや美術文化についての見方や感じ方を深める鑑賞| |- &emsp;イは,生活や社会の中の美術の働きや美術文化についての見方や感じ方を深める鑑賞に関する指導内容を示している。 &emsp;ここでは,生徒が自己の価値観を高めて,より深く生活や社会に目を向け,生活や社会の中の造形や美術作品などから,造形的なよさや美しさを感じ取り,人々の生き方と美術の働きについて考察して見方や感じ方を深めたり,日本及び諸外国の文化遺産などから表現の独自性などを感じ取り,時代や民族,宗教などによる表現の共通点や相違点について考え,それぞれのよさに気付き,美術文化についての見方や感じ方を深めたりできるようにすることが大切である。 (ア)環境の中に見られる造形的なよさや美しさを感じ取り,心豊かな生き方の創造に関わる美術の働きについて考え,見方や感じ方を深めること。| |- &emsp;(ア)は,自然や生活,社会の中にある造形的なよさや美しさなどを主体的に感じ取り,人々の創造性を育む上で美術がもつ意義や働きについて考えるなどして,見方や感じ方を深める鑑賞に関する指導事項である。 &emsp;**環境の中に見られる造形的なよさや美しさを感じ取り**とは,様々な環境に目を向け,自分の見方や感じ方を大切にしながら,動植物や風景などの自然や身の回りのもの,街並みなどの環境の中に見られる造形的な美しさを感じ取ることである。心豊かな生き方の創造に関わる美術の働きについて考えとは,人々の創造性を育み,よ りよいものや豊かな表現を追求するとともに,多様性を受け入れて相互に理解し尊重し合い,人々の心のつながりを生み出すなどの心豊かな生き方や社会を形成するなどの美術がもつ働きについて考えることである。その際,〔共通事項〕との関連を図り,身の回りをはじめとする様々な環境を造形的な視点で見つめ,生活や社会における美術の働きについて実感をもって捉えられるようにすることも大切である。 &emsp;**見方や感じ方を深める**とは,自分の在り方や生き方と関連させながら環境の中に見られる造形や美術を見つめたり,それらに実際に触れてみたり,使ったりするなど,実感を伴いながら美術の働きについて考えるなどして鑑賞の視点を豊かにし,自己の価値観を高めて見方や感じ方を深めることである。ここでは,生徒一人一人が,自然や生活,社会に目を向け,よりよいもの,より美しいものを求め,それらを生み出す機能や国や民族の違いを超えてよさや美しさに対して共感を与える作用などについて考察し,伝統を継承し新たな価値を生み出し,心豊かな生き方の創造に関わる美術の働きについての見方や感じ方を深めることができるようにすることが重要である。 &emsp;指導に当たっては,心豊かな生活を創造する美術の本質的な働きについて捉えられるようにすることが求められる。美術は単に物質的な豊かさだけではなく,人々に情緒の涵養や精神的な満足感をもたらしている。それは,日常生活の中で美術の表現や鑑賞の活動に取り組み,生きがいとしている人々との関わりだけでなく,全ての人の生き方に関わる,生活や社会を心豊かにしたり,人間関係や国際間の理解を深めたりする働きがあることにも気付けるようにすることが大切である。また,美術の働きについての鑑賞の活動を通して,多様な美術の在り方や社会との関わり,美術文化や伝統の形成について生徒一人一人が豊かに捉え,生活や社会の中の美術や美術文化と深く関われるようにすることが大切である。 (イ)日本及び諸外国の美術作品や文化遺産などから表現の独自性などを感じ取り,時代,民族,風土、宗教などによる表現の相違点や共通点などから美術文化について考え,見方や感じ方を深めること。| |- &emsp;(イ)は,日本及び諸外国の美術作品や文化遺産などから表現の独自性などを感じ取り,時代,民族,風土,宗教などによる表現の相違点や共通点などから美術文化について考えるなどして,見方や感じ方を深める鑑賞に関する指導事項である。 &emsp;**日本及び諸外国の美術作品や文化遺産などから表現の独自性などを感じ取り**とは,日本及び諸外国や様々な地域における美術作品や文化遺産などから,それぞれの国に見られる表現の独自性などを感じ取ることである。これからの国際社会においては,様々な文化をもつ諸外国や民族との交流がこれまで以上に頻繁になり,自国の文化のよさを外に向かって発信する機会が多くなると考えられる。自国の文化を十分に理解しないで他国の文化を理解することは一面的であり,自国の文化に愛情や誇りを感じることなくしては他国の文化を尊重する心も芽生えにくい。美術は,文字や言葉では表し得ない優れた表現手段であり,深いコミュニケーションの手段であることを認識することが大切である。そして,日 本及び諸外国のそれぞれの国に見られる表現の独自性を感じ取ることを通して,自国の文化のよさを実感的に捉えるとともに,他国の文化を共感的に理解し捉えることができるようになることが重要である。 &emsp;**時代,民族,風土,宗教などによる表現の相違点や共通点などから美術文化について考え**とは,日本及び諸外国の美術作品や文化遺産などに見られる,時代の特徴,民族や風土の特質,地理的条件,宗教や信仰,社会や生活の在り方などによる美意識や創造の精神,表現形式や技法,材料などの相違点や共通点などから美術文化について考えることである。例えば,自然に恵まれ豊かな四季が見られる我が国では,生活の中で自然に親しむ習慣や自然に対する豊かな美意識が育まれ,「花鳥風月」,「雪月花」などを主題にした襖絵や屏風絵,掛け軸,欄間彫刻などがつくられ,生活の中で用いられてきた。また,自然への畏敬の念や作物の収穫への感謝の気持ち,安らぎを得ようとする人々の願いなどから,様々な民間信仰や宗教が発展し,神や仏,これらに関連した人物・伝説などを題材に絵や彫刻などが制作されてきた。それぞれの国や民族が長い歴史の中で,築き上げ継承してきた様々な美術的,造形的成果や有形・無形の文化財について,時代や社会と美術との関連に着目して鑑賞を重ね,国や民族,時代を越えても変わらないよさや美しさがあることに気付くとともに,主題の背景や捉え方,表現の独自性を感じ取り,美術文化について考え,見方や感じ方を深めることが重要である。 &emsp;**見方や感じ方を深める**とは,日本及び諸外国の美術作品や文化遺産などのそれぞれの表現のよさや美しさを味わい,人々が美術に託した思いや願い,作品が制作された背景にある様々な要因と表現の関係などを考察するとともに,その時代の人々の生き方と美術との関わりについて考えるなどして鑑賞の視点を豊かにし,自己の価値観を高めて見方や感じ方を深めることである。 &emsp;指導に当たっては,時代を超えて受け継がれてきた技術や表現があることに実例を通して気付き,我が国の美術文化の特質とそれに影響を与えたアジアの美術などについても見方や感じ方が深められるように配慮することが大切である。また,〔共通事項〕との関連を図り,対象や事象を作風や様式などの文化的な視点で見つめ,それぞれの国や時代の相違点や共通点について討論したり,根拠をもって批評したりするなどして鑑賞を深め,他者の意見も取り入れながら多角的に分析したりすることも効果的である。美術文化についての学習においては,過去の文化遺産としての美術作品などを鑑賞する際,特定の時代や地域のみに限定された独立したものとして捉えるのではなく,過去から現在に続く大きな歴史の中に位置付け,相互に関連していることを意識させる必要がある。また,美術文化について考えを深めていく上で必要となる歴史的背景,史実や伝承されてきた技術等については,単に調べることだけに終始するのではなく,それらの知識も活用しながら生徒が自己の価値観を高めて見方や感じ方を深めることが大切である。加えて,生活や社会の中で美術文化がどのように生かされ継承されているかなどについて,自他の生き方と関連付けて認識を深めるとともに,伝統の中に未来に通じる価値を新たな価値や文化を積極的に創造しようとする心情や態度を養うことも大切である。 <br> ### 〔共通事項〕 〔共通事項〕(1)は,今回の改訂で新しく設けた事項である。ア及びイの各指導事項は,「A表現」及び「B鑑賞」の学習において共通に必要となる資質・能力であり,造形的な視点を豊かにするために必要な知識として位置付けている。 表現及び鑑賞の学習において共通に必要となる資質・能力を次のとおり育成する。| |- 〔共通事項〕は,「A表現」及び「B鑑賞」の学習においてそれぞれに必要となる資質・能力として位置付けている。 &emsp;今回の改訂では,造形を豊かに捉える多様な視点がもてるようにすることを重視しており,「A表現」,「B鑑賞」及び〔共通事項〕の指導を通して,生徒一人一人が,造形的な見方・考え方を働かせ,表現及び鑑賞に関する資質・能力を高め,生活や社会の中の美術や美術文化と深く関わることができるようにすることを目指している。 &emsp;指導計画の作成では,発想や構想,技能,鑑賞に関する資質・能力に共通して働くよう,「美術Ⅰ」の学習を基礎として適切に位置付けることが重要である。 |(1)「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。 |-  ア 造形の要素の働きを理解すること。  イ 造形的な特徴などを基に,全体のイメージや作風,様式などで捉えることを理解すること。 &emsp;〔共通事項〕(1)は,「A表現」及び「B鑑賞」の学習において共通に必要となる造形的な視点を豊かにするために,造形の要素の働きや,造形的な特徴などを基に,全体のイメージや作風,様式などで捉えることを理解する項目である。 &emsp;〔共通事項〕は,それのみを取り上げて題材にするものではなく,「『A表現』及び『B鑑賞』の指導を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。」とあるように,「A表現」及び「B鑑賞」のそれぞれの指導を通して身に付けることができるよう指導するものである。 &emsp;アは,形や色彩,材料や光など,それぞれの造形の要素に視点を当て,それらの働きを理解する指導事項である。それに対して,イは,部分ではなく全体に視点を当て,造形的な特徴などから全体のイメージや作風,様式などで捉えることについて理解する指導事項である。ここでの学習は,〔共通事項〕に示されている内容を,単に新たな事柄として知ることや言葉を暗記することに終始するのではなく,〔共通事項〕の指導を通して,造形を豊かに捉える多様な視点を育て,今まで気付かなかった作品などのよさや美しさ,身の回りの美術の働きの面白さなどに気付いたり,新たな意味や価値を発見したりすることにつながることを実感させることが重要である。その際,例えば,形や色彩,材料などの性 質やそれらが感情にもたらす効果などの造形の要素の働きに関する言葉を意図的に用いて,それらを根拠として批評し合ったりすることにより,それらの枠組みで様々な造形を捉えられるようにすることも大切である。 &emsp;特に「美術Ⅱ」では,感性や美意識を高め,個性豊かに表現したり,自己の価値観を高めて鑑賞したりするなどの観点から,「美術Ⅰ」で身に付けた知識を柔軟に幅広く活用できるようにすることが求められる。その上で造形の要素の働きの理解を更に深めたり,見立てたり心情などと関連付けたりするなど全体のイメージで捉えることや,作風や様式などの文化的な視点で捉えるということについての理解を深めたりし,造形的な視点を一層豊かにして表現及び鑑賞に関する資質・能力を育成することができるようにすることが大切である。 <br> ## 4 内容の取扱い (1)内容の「A表現」及び「B鑑賞」の指導については,相互の関連を図り,特に発想や構想に関する資質・能力と鑑賞に関する資質・能力とを総合的に働かせて学習が深められるようにする。| |- &emsp;「美術Ⅱ」の指導に当たっては,「A表現」と「B鑑賞」との関連を考慮し,選択した内容や学習のねらいに応じて,それぞれを関連させて扱ったり,独立した鑑賞の時間を設けたりするなど指導の効果を高める工夫が必要である。そのためには,各内容における指導のねらいを十分に検討し,それを実現することのできる適切な題材を設定するなど,「美術Ⅱ」において育成する資質・能力が身に付くよう指導計画に位置付ける必要がある。 (2)生徒の特性,学校や地域の実態を考慮し,内容の「A表現」については(1),(2)又は(3)のうち一つ以上を選択して扱うことができる。また,内容の「A表現」の(1)については,絵画と彫刻のいずれかを選択したり一体的に扱ったりすることができる。| |- &emsp;「美術Ⅱ」の指導に当たっては,生徒の特性,学校や地域の実態などを考慮し,発展的で個性豊かな学習が進められるようにするため,「A表現」では,「(1)絵画・彫刻」,「(2)デザイン」又は「(3)映像メディア表現」のうちから,いずれか一つ以上を選択して扱うことができる。その際,生徒個人又はグループごとに選択したり,特定の学期又は期間において選択を取り入れたりするなどの工夫をすることも考えられる。 (3)内容の取扱いに当たっては,「美術Ⅰ」の3の(3)から(10)までと同様に取り扱うものとする。| |- &emsp;ここでは,「美術Ⅰ」の内容の取扱いのうち,(3)から(10)までに示した事項と同様に取り扱うことを記している。 &emsp;「美術Ⅰ」の3の(4)においては,「美術Ⅰ」の学習を基礎として〔共通事項〕が造形的な視点を豊かにするために必要な知識として表現及び鑑賞の各活動に適切に位置付ける必要がある。〔共通事項〕を造形的な視点と関連させながら「A表現」及び「B鑑賞」の学習の中で十分に指導をするためには,〔共通事項〕アの「造形の要素の働きを理解すること」や,イの「造形的な特徴などを基に,全体のイメージや作風,様式などで捉えることを理解すること」が,表現及び鑑賞の活動の中で造形的な視点として豊かに働くようにどの場面でどのように指導するのかを明確に位置付け,指導計画の作成を行う必要がある。 &emsp;「美術Ⅰ」の3の(8)においては,発想や構想に関する資質・能力や鑑賞に関する資質・能力を育成する観点から,アイデアスケッチや言葉などで考えを整理したり,自分の感じ たことや表現についての思いや願いなどの自分の考えを〔共通事項〕に示す事項を視点に根拠を明らかにして述べたり批評し合い討論したりすることは,表現及び鑑賞に関する資質・能力を高める上で重要な学習活動である。美術作品などに対する自己の価値観を高めて批評し合うなどの言語活動では,生徒一人一人が感じ取った美術作品のよさや美しさなどの価値を生徒同士で発表し批評し合い,自分の気付かなかったよさや表現の意図と創造的な工夫などを発見するなどして,直感的に感じたことを整理し,自己の見方や感じ方として身に付け,一層広く深く感じ取ったり考えたりすることにつなげていくことが大切である。 &emsp;また,「美術Ⅱ」では,単に高度な技法や分析・批評の指導にとどまることなく,生徒の興味・関心を考え,主体的な表現や鑑賞の活動を促し,積極的で創造的な取組を進めていくことが必要である。 <br> # 第 6 節 美 術 Ⅲ ## 1 性 格 &emsp;「美術Ⅲ」は,「美術Ⅱ」を履修した生徒が,更に次の段階として履修するために設けている科目である。 &emsp;「美術Ⅲ」は,「美術Ⅰ」及び「美術Ⅱ」の学習を基礎にして,更に生徒の資質・能力,適性,興味・関心等に応じた活動を展開し,生活や社会の中の多様な美術や美術文化と深く関わる資質・能力を育成することをねらいとしている。 &emsp;今回の改訂では,美術の創造的な諸活動を通して,造形的な見方・考え方を働かせ,美的体験を豊かにし,より実感をもって表現及び鑑賞に関する資質・能力を育成することを重視している。そのため,科目の目標を「美術Ⅰ」及び「美術Ⅱ」と同様に,(1)「知識及び技能」,(2)「思考力,判断力,表現力等」,(3)「学びに向かう力,人間性等」の三つの柱に位置付けて示した。また,「美術Ⅲ」は,従前,表現領域の各分野及び鑑賞領域から一つ以上を選択して学習できることとしていたが,今回の改訂では,表現領域の(1),(2)又は(3)のうちいずれか一つ以上の分野と鑑賞領域のア又はイのうち一つ以上の事項を選択して学習できるように改め,内容についても目標に対応して,資質・能力を相互に関連させながら育成できるよう整理した。 <br> ## 2 目 標 &emsp;「美術Ⅲ」の目標は,芸術科の目標を受けるとともに,「美術Ⅰ」及び「美術Ⅱ」の目標との関連を考慮して,次のように示している。  |美術の創造的な諸活動を通して,造形的な見方・考え方を働かせ,美的体験を豊かにし,生活や社会の中の多様な美術や美術文化と深く関わる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 |- (1)対象や事象を捉える造形的な視点について理解を深めるとともに,意図に応じて表現方法を追求し,個性を生かして創造的に表すことができるようにする。 (2)造形的なよさや美しさ,独創的な表現の意図と創造的な工夫,美術の働きなどについて考え,主題を生成し個性を生かして発想し構想を練ったり,自己の価値観を働かせて美術や美術文化に対する見方や感じ方を深めたりすることができるようにする。 (3)主体的に美術の創造的な諸活動に取り組み,生涯にわたり美術を愛好する心情を育むとともに,感性と美意識を磨き,美術文化を尊重し,心豊かな生活や社会を創造していく態度を養う。 &emsp;目標は,次のような視点を重視して改善を図っている。 &emsp;「美術Ⅲ」では,科目の目標を「美術Ⅰ」及び「美術Ⅱ」の学習を基礎にして,「美術Ⅲ」 は何を学ぶ科目なのかということを明示し,(1)「知識及び技能」,(2)「思考力,判断力,表現力等」,(3)「学びに向かう力,人間性等」の三つの柱を相互に関連させながら育成できるように位置付けて示している。ここでは,感性や美意識,想像力を働かせ,対象や事象を造形的な視点で捉え,自分としての意味や価値をつくりだすなどの造形的な見方・考え方を働かせ,美的感受性,創造性,人間理解,研究心などを育む美的体験を豊かにし,生活や社会の中の多様な美術や美術文化と深く関わる資質・能力を育成することを一層重視している。特に,生徒の特性や美意識,知識及び技能を発揮した主体的で創造的な諸活動を通して,創造の喜びを一層深く味わい,美術を生活に生かすなど,生涯にわたって美術を愛好する心情と美術文化を尊重する態度を養うとともに,独創的で個性的な表現と鑑賞に関する資質・能力を高める中で,生活や社会の中の多様な美術や美術文化と深く関わる資質・能力を育成することが大切である。 &emsp;**造形的な見方・考え方**とは,美術の特質に応じた物事を捉える視点や考え方として,表現及び鑑賞の活動を通して,感性や美意識,想像力を働かせ,対象や事象を造形的な視点で捉え,自分としての意味や価値をつくりだすことが考えられる。「美術Ⅲ」では,造形的な視点を一層豊かにし,創造的に考えを深める資質・能力の育成を重視している。 &emsp;**美的体験を豊かにし**とは,表現や鑑賞の活動を通して自然や自己,社会をより深く見つめ,生活の中の美術の働きや美術と社会との関係などを多様な視点に立ってそのよさや美しさを発見し,それを表現に生かしたり,美術作品などとの出会いの中で感動したり,愛情をもったりしながら,美術のよさと美しさなどを感じ取り,作者の主張や社会との関わり,伝統と文化の価値や国際理解に果たす美術の役割などについて考えたりするなどして,美的体験を豊かにすることを意味している。 &emsp;**生活や社会の中の多様な美術や美術文化と深く関わる資質・能力**とは,「美術Ⅰ」及び「美術Ⅱ」の学習を基礎にして,生活や社会の中の多様な美術や美術文化と深く関わることができる生徒の姿を念頭に置いて,育成を目指す資質・能力を具体的に示している。生徒一人一人が多様な関わりをもてるようにするためには,更に生徒の資質・能力や適性,興味や関心などに応じた学習を展開し,表現及び鑑賞に関する資質・能力を高めていくことが求められる。 ##### 科目の目標(㆒) (1)対象や事象を捉える造形的な視点について理解を深めるとともに,意図に応じて表現方法を追求し,個性を生かして創造的に表すことができるようにする。| |- &emsp;ここでは,育成することを目指す「知識及び技能」について示している。 &emsp;前半部分は,造形的な視点を豊かにするために必要な知識に関するもの,後半部分は,創造的に表す技能に関するものであり,科目の目標(1)は,この二つから構成されている。 &emsp;**対象や事象を捉える造形的な視点について理解を深める**とは,造形的な視点を豊かにするために必要な知識について理解を深めることを示している。ここでは,「美術Ⅰ」及び「美術Ⅱ」の学習を基礎にして,生徒一人一人が,表現及び鑑賞の活動の学習過程を通して, 個別の感じ方や考え方等に応じながら〔共通事項〕に示された内容について活用し身に付けたり,実感を伴いながら理解を一層深めたりするとともに,これまでに学んだ知識が,新たな学習経験の過程を通して再構築されていくことも大切である。 &emsp;**意図に応じて表現方法を追求し,個性を生かして創造的に表す**とは,発想や構想をしたことを基に,制作過程全体を見通して表現方法を追求し,個性を生かして創造的に表すことである。ここでは,表現の意図に応じてこれまで学習した様々な能力を応用したり,材料や用具の特性を生かしたりして,創意工夫を積み重ね表現方法を追求し,生徒一人一人が独自性を生かして自分らしさをよりよく発揮しながら創造的に表すことができるようにすることが大切である。 ##### 科目の目標(㆓) (2)造形的なよさや美しさ,独創的な表現の意図と創造的な工夫,美術の働きなどについて考え,主題を生成し個性を生かして発想し構想を練ったり,自己の価値観を働かせて美術や美術文化に対する見方や感じ方を深めたりすることができるようにする。| |- &emsp;ここでは,育成することを目指す「思考力,判断力,表現力等」について示している。 &emsp;前半部分は,発想や構想と鑑賞の双方に重なる資質・能力に関するもの,中間部分は,発想や構想に関する資質・能力であり,個性を生かして発想し表現の構想を練るなどの資質・能力を示している。後半部分は,鑑賞に関する資質・能力であり,自己の価値観を働かせて美術作品などの造形的なよさや美しさなどを感じ取ったり,美術文化の継承,発展,創造することの意義について考えたりするなどの見方や感じ方に関する資質・能力を示している。 &emsp;**主題を生成し個性を生かして発想し構想を練る**とは,生徒一人一人が独自性を生かして自分らしさをよりよく発揮しながら発想や構想を練ることである。主題を生成するとは,感じ取ったことや考えたこと,目的や条件,映像メディアの特性などを基に,生徒自らが強く表したいことを心の中に思い描くことであり,個性を生かした発想や構想の学習を進める上で基盤となるものである。ここでは,それぞれの生徒が生成した主題を基に,自身のよさを生かして表したいことを実現するための柔軟で創造的な思考力,判断力等を身に付けることが重要である。 &emsp;**自己の価値観を働かせて美術や美術文化に対する見方や感じ方を深める**とは,自分の価値観を働かせて,造形的なよさや美しさ,伝統と文化の価値を感じ取ったり,美術作品などにおける作者の主張や国際理解を果たす美術の役割について考えたりするなどして,見方や感じ方を深める鑑賞に関する資質・能力について示している。 &emsp;**見方や感じ方を深める**とは,鑑賞の視点を豊かにし,対象や事象の見方や感じ方を深めることである。見方や感じ方をより深めていくためには,「美術Ⅱ」の学習において,自己の価値観を高めて美術作品などの造形的なよさや美しさを感じ取ったり,美術文化などについて考えたりして身に付けた資質・能力を柔軟に活用し,生徒一人一人がこれまでの 学習において育んできた自己の価値観を働かせて鑑賞の学習を一層深めることが大切である。 ##### 科目の目標(3) (3)主体的に美術の創造的な諸活動に取り組み,生涯にわたり美術を愛好する心情を育むとともに,感性と美意識を磨き,美術文化を尊重し,心豊かな生活や社会を創造していく態度を養う。| |- &emsp;ここでは,育成することを目指す「学びに向かう力,人間性等」について示している。 &emsp;**感性と美意識を磨き**とは,美と創造を求める心を通して自己の価値観を問い直し,様々な対象や事象から新しい発見などを引き出すより豊かな感性と,生徒一人一人の美に対する鋭敏な感覚を働かせるなどの美意識を磨くことである。美術の創造的な諸活動においては,造形的な視点をより豊かにして,造形的なよさや美しさ,目的や機能と洗練された美しさとの調和などを感じ取る力を一層主体的に働かせることを通して感性と美意識を磨くことが大切である。 &emsp;**美術文化を尊重し**とは,日本の美術をはじめとして,時代や民族,国などの違いを越えて価値を共有する美術文化を尊重し継承,創造していく態度を意味し,我が国の伝統と文化に自信と誇りをもって,国際社会の一員として生きていく豊かな判断力や行動力の育成を目指すものである。このような資質・能力の実現には,美術を学ぶ楽しさとともに,美や創造を探求する姿勢を身に付け,美術の社会的な価値を認識することを通して,自己の生き方を追求し,創造的に心豊かに生きる力を培うことが大切である。 <br> ## 3 内 容 ### A 表 現] 表現に関する資質・能力を次のとおり育成する。| |- &emsp;「A表現」は,主体的に描いたりつくったりする表現の活動を通して,発想や構想に関する資質・能力と技能に関する資質・能力を育成する領域であり,「(1) 絵画・彫刻」、「(2)デザイン」,「(3) 映像メディア表現」の三つの分野で構成している。ここでは,「美術Ⅰ」及び「美術Ⅱ」の学習を基礎にして,発想や構想に関する資質・能力と技能に関する資質・能力との調和を図って育成することが求められる。また,「美術Ⅲ」においては「美術Ⅱ」と同様に,生徒の特性,学校や地域の実態を考慮する中で,(1),(2)又は(3)のうち一つ以上を選択して扱えるようにしていることから,より発展的で質の高い学習内容についても配慮しながら指導をすることが大切である。 |(1) 絵画・彫刻 |-   絵画・彫刻に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。  ア 感じ取ったことや考えたことなどを基にした発想や構想   (ア)自然や自己,社会などを深く見つめ感じ取ったことや考えたことなどから独創的な主題を生成し,主題に応じた表現の可能性について考え,個性を生かして創造的な表現の構想を練ること。  イ 発想や構想をしたことを基に,創造的に表す技能 &emsp;(ア)主題に合った表現方法を追求し,個性を生かして創造的に表すこと。 &emsp;「美術Ⅲ」における「(1) 絵画・彫刻」では,「美術Ⅰ」及び「美術Ⅱ」での学習を基礎にして,造形的な見方・考え方を働かせ,自然や自己,社会などを深く見つめ感じ取ったことや考えたことなどから独創的な主題を生成し,独自性を生かして自分らしさをよりよく発揮することを重視して,表現の可能性について考え,創造的な表現の構想を練り,主題に合った表現方法を追求して創造的に表すなどして,発想や構想に関する資質・能力と技能に関する資質・能力を育成することをねらいとしている。 &emsp;ここでは,単に表現の技術を高めるのではなく,作者の制作や主張,社会の中での表現の意義や価値などにも関心を向け,美術文化との関連の中で絵画や彫刻について考え,表現を深められるようにすることが大切である。その際,斬新で独創的な表現方法を工夫することなどを通して個性を生かして伸ばすことや,〔共通事項〕との関連を図り,造形的な視点を豊かにするとともに,自然や自己と社会などとの関わりを見つめ課題を見いだしたり,表現することの意味や普遍的な真理,価値などに関心を向けたりするなどして,人間が心豊かに生きることと美術との関係などを考えながら,課題意識を基にして主体的に 表現に取り組むことが大切である。 &emsp;指導に当たっては,生徒が対象を深く見つめ思いを巡らせる中で,主体的に独創的な主題を生成していくことが大切である。そのためには,豊かな発想を基に主題を生成し,構想を練る過程において繰り返し問い直し,独自性を生かして自分らしさをよりよく発揮しながら主題を追求するような指導が求められる。また,「B鑑賞」との関連を図るなどして,美術作品などの造形的なよさや美しさなどを感じ取り,作者の主張,作品と時代や社会との関わりなどについて考え,時代や民族,国の違いを越えて感動をもたらす美術文化に広く関心をもち,伝統的な表現のよさを取り入れたり,新たな表現の可能性を模索したりできるようにすることも大切である。ここでは,自然や自己,社会などを深く見つめ感じ取ったことや考えたことなどから生成した主題を基に,個性を生かした表現を追求することを重視し,その中で発想や構想に関する資質・能力や技能に関する資質・能力を高めることが大切である。さらに,生徒一人一人の特性を生かし,長期間にわたる題材などを取り上げることも必要である。 ア 感じ取ったことや考えたことなどを基にした発想や構想| |- &emsp;アは,感じ取ったことや考えたことなどを基にした発想や構想に関する指導内容を示している。 &emsp;ここでは,生徒が自然や自己,社会などを深く見つめ感じ取ったことや考えたことなどから独創的な主題を生成し,主題に応じた表現の可能性について考え,個性を生かして創造的な表現の構想を練ることができるよう指導することが大切である。 (ア)自然や自己,社会などを深く見つめ感じ取ったことや考えたことなどから独創的な主題を生成し,主題に応じた表現の可能性について考え,個性を生かして創造的な表現の構想を練ること。| |- &emsp;(ア)は,自然や自己,社会などを深く見つめ感じ取ったことや考えたことなどから自由な発想で,独創的な主題を生成し,主題に応じた表現の可能性について考え,個性を生かして創造的な表現の構想を練ることに関する指導事項である。 &emsp;**自然や自己,社会などを深く見つめ感じ取ったことや考えたことなどから独創的な主題を生成し**とは,自然物や自然の造形,自己の考え方や在り方,社会との関わりなど幅広い視野をもち,対象や事象を追求する態度で見つめ,独創的な主題を生成することである。 &emsp;ここでは,思想,あこがれ,願いなど自己の内面や自由な発想から生徒自らが強く表したいことを心の中に思い描くことができるようにすることが大切である。 &emsp;**主題に応じた表現の可能性について考え,個性を生かして創造的な表現の構想を練ること**とは,主題に応じた表現の可能性について考え,独自性を生かして自分らしさをよりよく発揮しながら創造的な表現の構想を練ることである。 &emsp;指導に当たっては,生徒が対象を深く見つめ思いを巡らせる中で独創的な主題を生成で きるようにしていくことが大切である。例えば,自分の経験に基づきながら,美術の意義について自然や自己,社会などとの関わりから考えさせることで,より独創的な主題を生成することなどが考えられる。また,〔共通事項〕や「B鑑賞」との関連を図りながら,造形の要素の働きやイメージを捉えたり,絵画や彫刻作品の見方や感じ方を深めたりするなどして表現の可能性について考えたり,主題に基づいて,資料の収集やスケッチやデッサンなどによる習作を重ねたりするなどして,造形的な美しさと個性的な表現を追求し,表現効果を一層高めて構想を練るように指導することが重要である。その際,自己の考えや主張などを強調し,独自性をより生かした表現を構想できるような指導の工夫も必要である。 イ 発想や構想をしたことを基に,創造的に表す技能| |- &emsp;イは,発想や構想をしたことを基に,創造的に表す技能に関する指導内容を示している。 &emsp;ここでは,生徒一人一人が発想や構想をしたことを基に,自分の表現を具体化するために,主題に合った表現方法を追求し,個性を生かして創造的に表すことができるよう指導することが大切である。 (ア)主題に合った表現方法を追求し,個性を生かして創造的に表すこと。| |- &emsp;(ア)は,感じ取ったことや考えたことなどを基にした表現の意図に基づいて,自己の主題に合った効果的な表現方法を追求し,個性を生かして創造的に表す技能に関する指導事項である。 &emsp;**主題に合った表現方法を追求し,個性を生かして創造的に表すこと**とは,主題の意味や表現の意図に応じて,これまでに身に付けた技能を活用し表現形式の特性を生かしたり,表現方法や技法を更に工夫・発展させたりして,独自性を生かして自分らしさをよりよく発揮しながら創造的に表すことである。 &emsp;指導に当たっては,自己の得意な表現を追求したり,伝統的な表現と新しい表現を組み合わせたり,鑑賞の学習で学んだ作者の表現を参考に独自性を生かしながらイメージに合う表現を試行錯誤したりするなど,自己の表現のねらいに応じて主題に合った表現方法を追求し,個性を生かして創造的に表すことができるようにすることが重要である。 |(2)デザイン |-   デザインに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。  ア 目的や機能などを考えた発想や構想  (ア)目的や条件などを基に,デザインの社会的な役割について考察して独創的な主題を生成し,主題に応じた表現効果を考え,個性を生かして創造的な表現の構想を練ること。  イ 発想や構想をしたことを基に,創造的に表す技能 (ア)主題に合った表現方法を追求し,個性を生かして創造的に表すこと。 &emsp;「美術Ⅲ」における「(2)デザイン」では,「美術Ⅰ」及び「美術Ⅱ」での学習を基礎にして,造形的な見方・考え方を働かせ,心豊かな生活や社会を創造するため,目的や条件などを基に,デザインの社会的な役割について考察して独創的な主題を生成し,独自性を生かして自分らしさをよりよく発揮することを重視して,主題に応じた表現効果を考え,創造的な表現の構想を練り,主題に合った表現方法を追求して創造的に表すなどして,発想や構想に関する資質・能力と技能に関する資質・能力を育成することをねらいとしている。 &emsp;ここでは,社会的な視点に立ち,様々な情報を視覚化して表現するための資質・能力を積極的に伸ばすとともに,デザインの社会的な役割や文化的意義などの本質について捉えられるようにすることが大切である。デザインの対象は,生活や社会全般にわたり,形や色彩などを活用し生活の中で生きるデザインを重視する必要がある。その際,〔共通事項〕との関連を図り,造形的な視点を豊かにするとともに,生活や社会を見つめ,環境に配慮したデザイン,人々が交流する場のデザインなど,人や社会が心豊かで夢のある生活を実現するためのデザインの働きを理解し,生活や社会の中に見られる課題の解決や質的な向上を図る観点から,生徒一人一人が個性を生かして独創的なデザインの制作をしたり,実生活の場面での活用や課題改善したりすることにつながるような学習活動を展開することが大切である。 &emsp;指導に当たっては,生徒が社会的な視点に立って表現の目的や条件を考える中で,主体的に独創的な主題を生成していくことが大切である。そのためには,表現する内容や対象などについて調査,研究を行うなどして表現の条件を整理することも効果的である。その際,構想を練る過程において繰り返し客観的な立場から問い直し,独自性を生かして自分らしさをよりよく発揮しながら主題を追求するような指導が求められる。また,「B鑑賞」との関連を図るなどして,時代や民族,国の違いを越えて感動をもたらす美術文化に広く関心をもち,伝統的なデザインのよさを取り入れたり,新たな表現の可能性を模索したりできるようにすることも大切である。ここでは,目的や条件などを基に,デザインの社会的な役割について考察して生成した主題を基に,個性を生かした表現を追求することを重視し,その中で発想や構想に関する資質・能力や技能に関する資質・能力を高めることが大切である。さらに,生徒一人一人の特性を生かし,長期間にわたる題材などを取り上げることも必要である。 ア 目的や機能などを考えた発想や構想| |- &emsp;アは,目的や機能などを考えた発想や構想に関する指導内容を示している。 &emsp;ここでは,生徒が目的や条件などを基に,デザインの社会的な役割について考察して独創的な主題を生成し,主題に応じた表現効果を考え,個性を生かして創造的な表現の構想を練ることができるよう指導することが大切である。 (ア)目的や条件などを基に,デザインの社会的な役割について考察して独創的な主題を生成し,主題に応じた表現効果を考え,個性を生かして創造的な表現の構想を練ること。| |- &emsp;(ア)は,デザインの目的や条件,機能や構造,材料,技法等表現に関する諸条件などを基に,デザインが果たす社会的な役割について考察して独創的な主題を生成し,主題に応じた表現効果を考え,個性を生かして創造的な表現の構想を練ることに関する指導事項である。 &emsp;**目的や条件などを基に,デザインの社会的な役割について考察して独創的な主題を生成し**とは,デザインのもつ役割や機能,生活や社会の中に心情や場をつくりだすという観点からデザインを捉え,目的や条件などを基に,デザインが果たす社会的な役割について総合的に考察して,独創的な主題を生成することである。ここでは,人々と社会や環境との関わりにおいて,デザインがどのような役割を果たしているのかを考察し,社会や環境をより豊かに変えるという客観的な視点を基に,生徒自らが強く表したいことを心の中に思い描くことができるようにすることが大切である。 &emsp;**主題に応じた表現効果を考え,個性を生かして創造的な表現の構想を練ること**とは,様々な表現効果について研究し,表現の意図が効果的に伝わるようデザインの機能や効果を考え,独自性を生かして自分らしさをよりよく発揮しながら創造的な表現の構想を練ることである。 &emsp;指導に当たっては,生徒が主体的に地域や社会に働きかけるような学習活動を展開することが求められる。その際,〔共通事項〕や「B鑑賞」との関連を図りながら,形や色彩,材料などの効果を吟味しながら使用する場や環境などを考え合わせて,多様な視点から総合的に構想を深めることができるようにすることが大切である。また,表現する内容や対象などについて調査,研究を行うなどして表現の条件を整理し,客観的な分析と独創的な視点から主題を生成するとともに,独自性をより生かした表現の構想を追求し,表現効果を一層高めて創造的な構想を練るように指導することが重要である。 イ 発想や構想をしたことを基に,創造的に表す技能| |- &emsp;イは,発想や構想をしたことを基に,創造的に表す技能に関する指導内容を示している。 &emsp;ここでは,生徒一人一人が発想や構想をしたことを基に,自分の表現を具体化するために,主題に合った表現方法を追求し,個性を生かして創造的に表すことができるよう指導することが大切である。 (ア)主題に合った表現方法を追求し,個性を生かして創造的に表すこと。| |- &emsp;(ア)は,目的や機能などを考えた表現の意図に基づいて,自己の主題に合った効果的な 表現方法を追求し,個性を生かして創造的に表す技能に関する指導事項である。 &emsp;**主題に合った表現方法を追求し,個性を生かして創造的に表すこと**とは,主題の意味や表現の意図に応じて,これまでに身に付けた技能を活用し表現形式の特性を生かしたり,表現方法や技法を更に工夫・発展させたりして,独自性を生かして自分らしさをよりよく発揮しながら創造的に表すことである。 &emsp;指導に当たっては,発想や構想をしたことをよりよく具現化していく観点から表現方法や技法を分析・吟味し,自己の表現のねらいに応じて具体的な改善点を明確にしながら主題に合った表現方法を追求し,個性を生かして創造的に表すことができるようにすることが重要である。 |(3)映像メディア表現 |-   映像メディア表現に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。  ア 映像メディアの特性を踏まえた発想や構想  (ア)映像メディアの特性を生かして独創的な主題を生成し,主題に応じた表現の可能性や効果について考え,個性を生かして創造的な表現の構想を練ること。  イ 発想や構想をしたことを基に,創造的に表す技能   (ア)主題に合った表現方法を追求し,個性を生かして創造的に表すこと。 &emsp;「美術Ⅲ」における「(3)映像メディア表現」では,「美術Ⅰ」及び「美術Ⅱ」での学習を基礎にして,造形的な見方・考え方を働かせ,映像メディアの特性を生かして独創的な主題を生成し,独自性を生かして自分らしさをよりよく発揮することを重視して,主題に応じた表現の可能性や効果について考え,創造的な表現の構想を練り,主題に合った表現方法を追求して創造的に表すなどして,発想や構想に関する資質・能力と技能に関する資質・能力を育成することをねらいとしている。 &emsp;ここでは,映像メディアを用いて自己を表現したり,情報を伝達したりすることの意味をよく考え,明確な目的意識をもって主体的に表現しようとする態度を養うことが重要である。また,映像メディアがもつ特性を十分に理解し,それを生かす技能を身に付けるとともに,斬新で独創的な表現方法を工夫するなどして個性を生かして表現できるようにすることが大切である。その際,〔共通事項〕との関連を図り,造形的な視点を豊かにするとともに,自然や自己,社会との関わりを見つめて課題を見いだしたり,心豊かな生活や社会を実現するための映像メディアの役割などの理解を深めたりしながら表現に取り組むことが大切である。 &emsp;指導に当たっては,生徒が映像メディア表現の特質を考えながら対象を深く見つめ,主体的に独創的な主題を生成していくことが大切である。そのためには,身の回りの対象や事象,社会の出来事などについて課題意識をもって捉えられるようにすることも必要である。その際,構想を練る過程において主題に応じた表現の可能性や効果について繰り返し問い直し,独自性を生かして自分らしさをよりよく発揮しながら主題を追求するような指導が求められる。また,「B鑑賞」との関連を図るなどして,映像メディアの社会的な役 割や文化的な意義を捉え,様々な表現のよさを取り入れたり,新たな表現の可能性を模索したりできるようにすることも大切である。ここでは,感じ取ったことや考えたこと,目的や条件などを基に,映像メディアの特性を生かして生成した主題を基に,個性を生かした表現を追求することを重視し,その中で発想や構想に関する資質・能力や技能に関する資質・能力を高めることが大切である。さらに,生徒一人一人の特性を生かし,長期間にわたる題材や共同して行う創造活動などを取り上げることも必要である。 ア 映像メディアの特性を踏まえた発想や構想| |- &emsp;アは,映像メディアの特性を踏まえた発想や構想に関する指導内容を示している。 &emsp;ここでは,生徒が感じ取ったことや考えたこと,目的や条件などを基に,映像メディアの特性を生かして独創的な主題を生成し,主題に応じた表現の可能性や効果について考え,個性を生かして創造的な表現の構想を練ることができるよう指導することが大切である。 (ア)映像メディアの特性を生かして独創的な主題を生成し,主題に応じた表現の可能性や効果について考え,個性を生かして創造的な表現の構想を練ること。| |- &emsp;(ア)は,自然や自己,社会などを深く見つめ,感じ取ったことや考えたこと,目的や表現に関する諸条件などを基に,映像メディアの特性を生かして独創的な主題を生成し,主題に応じた表現の可能性や効果について考え,個性を生かして創造的な表現の構想を練ることに関する指導事項である。 &emsp;**映像メディアの特性を生かして独創的な主題を生成し**とは,映像メディアの特性を生かし,既成の概念にとらわれずに独創的な主題を生成することである。ここでは,生徒が感じ取ったことや考えたこと,目的や条件などを基に,画像の加工や合成の工夫,時間の経過や動きを基にした表現,色光の効果や視点等の工夫などの映像メディアの特性を生かして,生徒自らが強く表したいことを心の中に思い描くことができるようにすることが大切である。 &emsp;**主題に応じた表現の可能性や効果について考え,個性を生かして創造的な表現の構想を練ること**とは,様々な映像メディア表現について研究し,表現の意図が効果的に表せるよう,映像メディアの可能性や効果について考え,独自性を生かして自分らしさをよりよく発揮しながら創造的な表現の構想を練ることである。 &emsp;指導に当たっては,自然や生命,社会,文化などを独自の視点から捉え,独創的な主題を生成できるようにしていくことが大切である。また,〔共通事項〕や「B鑑賞」との関連を図りながら,映像や音,光,文字などの映像メディア表現の要素を複合的に用い,総合的な表現効果を考えさせたりすることも効果的である。さらに,物語やドキュメンタリー,幻想の世界,抽象の世界を構想したり,複数の映像を組み合わせて構成したりするなど,映像メディアならではの表現効果を一層高めて構想を練るよう指導することが重要である。 イ 発想や構想をしたことを基に,創造的に表す技能| |- &emsp;イは,発想や構想をしたことを基に,創造的に表す技能に関する指導内容を示している。 &emsp;ここでは,生徒一人一人が発想や構想をしたことを基に,自分の表現を具体化するために,主題に合った表現方法を追求し,個性を生かして創造的に表すことができるよう指導することが大切である。 (ア)  主題に合った表現方法を追求し,個性を生かして創造的に表すこと。| |- &emsp;(ア)は,映像メディアの特性を生かした表現の意図に基づいて,自己の主題に合った効果的な表現方法を追求し,個性を生かして創造的に表す技能に関する指導事項である。 &emsp;**主題に合った表現方法を追求し,個性を生かして創造的に表すこと**とは,主題の意味や表現の意図に応じて,これまでに身に付けた技能を活用し表現形式の特性を生かしたり,表現方法や技法を更に工夫・発展させたりして,独自性を生かして自分らしさをよりよく発揮しながら創造的に表すことである。 &emsp;指導に当たっては,これまでの経験を生かして,主題の表現の意図に合った写真・ビデオ・コンピュータ等の映像メディアを選択したり,その特性を生かして画像や映像などを加工・編集したりするなどして表現方法を追求し,既成の概念にとらわれることなく,映像メディア機器等を効果的に活用し,個性を生かして創造的に表すことができるようにすることが重要である。 <br> ### B 鑑 賞 鑑賞に関する資質・能力を次のとおり育成する。| |- &emsp;「B鑑賞」は,主体的に美術作品や文化遺産などの造形的なよさや目的や機能との調和の取れた洗練された美しさ,伝統や文化の価値などを感じ取り,作者の主張,作品と時代や社会との関わりや国際理解に果たす美術の役割,美術文化の意義などについて考え,見方や感じ方を深めるなどの鑑賞に関する資質・能力を育成する領域である。ここでは,生徒一人一人が自分の見方や感じ方を大切にして,鑑賞の視点を豊かにし,自己の価値観を働かせて美術作品や美術の働き,美術文化に対する見方や感じ方を深めることができるようにすることが大切である。また,従前は,内容の「A表現」(1),(2),(3)又は「B鑑賞」のうち一つ以上を選択して扱うことができるとしていたが,今回の改訂では,内容の「B鑑賞」の(1)については,ア又はイのうち一つ以上を選択して扱うことができるとしていることから,各事項を関連して扱ったり,ア又はイのうちの一つの事項について時間をかけたりして「A表現」との関連も図りながら柔軟な指導計画を作成することが求められる。 |(1) 鑑賞 |-   鑑賞に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。  ア 美術作品などの見方や感じ方を深める鑑賞   (ア)造形的なよさや美しさ,目的や機能との調和の取れた洗練された美しさなどを感じ取り,作者の主張,作品と時代や社会との関わりなどについて考え,見方や感じ方を深めること。  イ 生活や社会の中の美術の働きや美術文化についての見方や感じ方を深める鑑賞   (ア)日本及び諸外国の美術作品や文化遺産などから伝統や文化の価値を感じ取り,国際理解に果たす美術の役割や美術文化の継承,発展,創造することの意義について考え,見方や感じ方を深めること。 &emsp;「美術Ⅲ」における「(1) 鑑賞」では,「美術Ⅰ」及び「美術Ⅱ」での学習を基礎にして,造形的な見方・考え方を働かせ,作者の主張,作品と時代や社会との関わり,国際理解に果たす美術の役割や美術文化の意義について考え,これまでの学習において育んできた自己の価値観を働かせて,美術作品や美術の働き,美術文化についての見方や感じ方を深めるなどして,鑑賞に関する資質・能力を育成することをねらいとしている。 &emsp;ここでは,様々な美術作品や文化遺産などが,国や民族などの違いを越えて,共通の言語としての役割をもち,世界の人々に理解や愛好,共感され,国際間の文化理解に寄与していることについて考えるとともに,このような美術の意義を実感し,自己の価値観を働かせて一層高めることができるよう配慮する必要がある。また,自立した社会人となるこの時期における鑑賞の学習では,美術作品や美術の働き,美術文化についての見方や感じ 方を深めるとともに,新鮮な感動や発見を基にした積極的な姿勢や豊かな人間性を養い,人間尊重の精神と美術を尊重する態度を養うことが重要である。 &emsp;指導に当たっては,「美術Ⅱ」までの内容をより高め,ア又はイのうち一つの事項を選択して鑑賞の内容を焦点化し,例えば,作者の主張,作品と時代や社会との関わりなどについて追求して考えたり,国際理解に果たす美術の役割や意義,表現の各分野における環境や社会生活との関連,美術文化の歴史的観点から分析したりして,美術作品や美術の働き,美術文化についての見方や感じ方を深められるようにするなどの指導の工夫が考えられる。その際,考えを深めていく上で必要となる時代背景,史実,技法上の特長等について調査,研究することも考えられるが,単に文献や資料による学習に偏ることなく,作品から感じ取ったことや考えたことを言葉に表現して他者に伝えたり,意見交換や発表活動などを通して他者の考えを聞いたりして,自分の考えや見方や感じ方を深められるようにすることが大切である。また,美術作品などを直接見て味わったり,「A表現」との関連を図り,表現技法を実際に試してみたりするなどの体験的な鑑賞の活動を取り入れるとともに,作品のもつ文脈を読み取り,深く考察して言葉に表したり,批評や討論したりするなど学習活動の工夫も効果的である。 ア 美術作品などの見方や感じ方を深める鑑賞| |- &emsp;アは,美術作品などの見方や感じ方を深める鑑賞に関する指導内容を示している。 &emsp;ここでは,生徒が自己の価値観を働かせて,美術作品などの造形的なよさや美しさ,目的や機能との調和の取れた洗練された美しさなどを感じ取り,作者の主張,作品と時代や社会との関わりなどについて幅広く考えるなどして鑑賞の視点を豊かにし,美術作品やデザイン,映像メディア表現などの見方や感じ方を深めることができるよう指導することが大切である。 (ア)造形的なよさや美しさ,目的や機能との調和の取れた洗練された美しさなどを感じ取り,作者の主張,作品と時代や社会との関わりなどについて考え,見方や感じ方を深めること。| |- &emsp;(ア)は,絵画や彫刻,デザイン,映像メディア表現などにおける,作品のよさや美しさなどを感じ取り,作者の主張,作品と時代や社会との関わりなどについて考えるなどして,作品に対する見方や感じ方を深める鑑賞に関する指導事項である。 &emsp;**造形的なよさや美しさ,目的や機能との調和の取れた洗練された美しさなどを感じ取り**とは,形や色彩,材料,映像メディアの特質や視覚的効果を生かした表現などから感じ取れる造形的なよさや美しさ,目的や機能との調和の取れた洗練された美しさなどを,自分の見方や感じ方を大切にしながら主体的に感じ取ることである。ここでは,「美術Ⅱ」で学習した内容を踏まえ,作品などからよさや美しさをより豊かに感じ取ることができるようにすることが大切である。 &emsp;**作者の主張,作品と時代や社会との関わりなどについて考え**とは,表現に見られる作者の主張や,美術が時代や社会に与えた影響力や,時代や社会が美術に与える影響力など,作品と時代や社会との関わりなどについて考えることである。ここでは,新たな文化をつくりだしてきた美術の役割についても考え,社会及び人間の生き方と美術との関連や作者が追求する表現の主題,社会に対して主張しているメッセージなどを読み取り,美術作品が人々の考え方や生き方に与える影響などについても考察を深めていくことが重要である。また,生活をより豊かにするデザインの働きや映像メディアによるコミュニケーションの有用性などに着目するなどして美術と社会の関わりについても考察し,それぞれの時代や地域における人々の生活や考え方が美術作品などにどのように反映されたかなど,美術の変遷について捉えることも大切である。 &emsp;**見方や感じ方を深める**とは,作品のよさや美しさを感じ取り,作者の主張,作品と時代や社会との関わりなどについて幅広く様々な視点から考えるなどして鑑賞の視点を豊かにし,生徒がこれまでの学習において育んできた自己の価値観を働かせて見方や感じ方を深めることである。 &emsp;指導に当たっては,自分が何を美しいと感じたり,よいと思ったりするのかを自らに問いかけながら,自己の価値観を働かせて鑑賞を深めていくことが求められる。そのため,時代を越えて人間が美術を通して求めてきた普遍的な価値観や美意識についても考えをまとめて発表したり,討論したりして自己の考えを深めさせることも大切である。例えば,絵画や彫刻作品などを鑑賞する場合,〔共通事項〕との関連を図り,造形的な視点から作者の主張,作品と時代や社会との関わりなどについて考えて見方や感じ方を深めることが考えられる。デザインされたものを鑑賞する場合,実際に使用して体験的に鑑賞したり,他のものと比較検討したりして鑑賞がより一層深まるよう工夫することなどが考えられる。映像作品や写真などの鑑賞では,作品の意図や企画などを,色光や,視点,動き,編集などの工夫から読み取り,見方や感じ方を深められるようにすることなどが考えられる。また,「A表現」との関連を図り,作者の主張,表現の仕方や内容などと自分の表現とを重ね合わせて自己の在り方生き方について考えを深め,自分にとっての作品に対する意味や価値をつくりだすことも大切である。 イ 生活や社会の中の美術の働きや美術文化についての見方や感じ方を深める鑑賞| |- &emsp;イは,生活や社会の中の美術の働きや美術文化についての見方や感じ方を深める鑑賞に関する指導内容を示している。 &emsp;ここでは,より一層深く生活や社会に目を向け,生徒が自己の価値観を働かせて,日本及び諸外国の美術作品や文化遺産などから伝統や文化の価値を感じ取り,国際理解に果たす美術の役割について考え,生活や社会の中の美術の働きについての見方や感じ方を深めたり,美術文化の継承,発展,創造することの意義について考え,美術文化についての見方や感じ方を深めたりできるようにすることが大切である。 (ア)日本及び諸外国の美術作品や文化遺産などから伝統や文化の価値を感じ取り,国際理解に果たす美術の役割や美術文化の継承,発展,創造することの意義について考え,見方や感じ方を深めること。| |- &emsp;(ア)は,日本及び諸外国の様々な美術作品や文化遺産などから,それらがもつ伝統や文化に見られる伝統的かつ創造的な価値を感じ取り,国際間の交流や相互理解と協調に果たす美術の役割について考えたり,美術文化について自分のこととして捉え,継承,発展,創造することの意義について考えたりするなどして,見方や感じ方を深める鑑賞に関する指導事項である。 &emsp;**日本及び諸外国の美術作品や文化遺産などから伝統や文化の価値を感じ取り**とは,文化遺産としての美術の特色や,大切に保存してきた人々の英知や努力,あこがれなどを感じ取ることである。ここでは,美術文化の伝統的かつ創造的な側面とその背景にある歴史や文化との関連や,文化遺産などに見られる美に対する人類普遍のあこがれや平和や幸福への願いを感じ取ることができるようにすることが重要である。 &emsp;**国際理解に果たす美術の役割**とは,互いの文化や生き方を理解し合う上での美術が果たす役割や働きのことである。美術の作品は,言語や習慣などの違いを越え,そのよさや美しさを通してつくった人の考えや心情,感性などを伝えることができるとともに,国や民族などの違いを越えて,美の心や価値を共有することができる。ここでは,そのように美術が共通の言語として,国際間の文化理解に果たす役割について考え,交流ができるようにすることをねらいとしている。 &emsp;**美術文化の継承,発展,創造することの意義について考え**とは,文化遺産の保存や継承を行うことの意義と,人々が自らの生活や人生をより豊かで充実したものにするために,理想を追求し,発展,創造していこうとする意義について考えることである。文化の継承と美術作品や文化遺産等の保存の必要性や生活や社会の状況,それぞれの人の人生観など,人々の精神的背景によって,表現の様式や内容は大きく変化する。美術文化もそれらの影響のもとに様々な変容を見せながら,今日に継承されている。ここでは,人間の生活や文化について考察するとともに,美術文化を継承,発展,創造していく意義についての考えを深めていくことが重要である。 &emsp;**見方や感じ方を深める**とは,日本の美術作品や文化遺産などに見られる独自の美意識や,諸外国を含めた美術文化のそれぞれの価値を感じ取り,美術を通した国際理解と美術文化の継承,発展,創造していく意義について考えるなどして鑑賞の視点を豊かにし,これまでの学習において育んできた自己の価値観を働かせて見方や感じ方を深めることである。 &emsp;指導に当たっては,日本の美術作品や文化遺産などの特質を十分に捉えられるようにするとともに,諸外国にも目を向け,それらの鑑賞を通して国際理解に美術が果たす役割について考えさせることが大切である。また,〔共通事項〕との関連を図り,造形的な視点を豊かにして生活や社会の中の美術や美術文化を見つめ,社会の変化に伴う美術の変遷と,時代を越えて人間が美術を通して求めてきた平和や幸福への願いなど,人々が創造し てきたことへの意義について考え,美術の働きや美術文化についての見方や感じ方を深めることが大切である。ここでは,人類共有の財産である文化遺産等を継承し,保存することは次世代に向けての責任であるということや主体的に美術文化の継承,発展,創造していく意義について,生徒一人一人が知識や体験を通して自分のこととしての考えを深めることが必要である。そのため,文化遺産の保存や修復の方法や技術,携わっている人や団体の活動に目を向けたり,美術館や博物館との連携や地域の文化財や遣跡等を活用し,実地の体験的な鑑賞をしたりすることが考えられる。また,美術文化の学習においては,伝統の上に新たな価値や文化を自ら創造していくことや,鑑賞する行為そのものの喜びを味わわせることが大切である。 <br> ### 〔共通事項〕 &emsp;〔共通事項〕(1)は,今回の改訂で新しく設けた事項である。ア及びイの各指導事項は,「A表現」及び「B鑑賞」の学習において共通に必要となる資質・能力であり,造形的な視点を豊かにするために必要な知識として位置付けている。 表現及び鑑賞の学習において共通に必要となる資質・能力を次のとおり育成する。| |- &emsp;〔共通事項〕は,「A表現」及び「B鑑賞」の学習においてそれぞれに必要となる資質・能力として位置付けている。 &emsp;今回の改訂では,造形を豊かに捉える多様な視点がもてるようにすることを重視しており,「A表現」,「B鑑賞」及び〔共通事項〕の指導を通して,生徒一人一人が,造形的な見方・考え方を働かせ,表現及び鑑賞に関する資質・能力を高め,生活や社会の中の美術や美術文化と深く関わることができるようにすることを目指している。 &emsp;指導計画の作成では,発想や構想,技能,鑑賞に関する資質・能力に共通して働くよう,「美術Ⅰ」及び「美術Ⅱ」の学習を基礎として適切に位置付けることが重要である。 |(1)「A表現」及び「B鑑賞」の指導を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。 |-  ア 造形の要素の働きを理解すること。  イ 造形的な特徴などを基に,全体のイメージや作風,様式などで捉えることを理解すること。 &emsp;〔共通事項〕(1)は,「A表現」及び「B鑑賞」の学習において共通に必要となる造形的な視点を豊かにするために,造形の要素の働きや,造形的な特徴などを基に,全体のイメージや作風,様式などで捉えることについて理解する項目である。 &emsp;〔共通事項〕は,それのみを取り上げて題材にするものではなく,「『A表現』及び『B鑑賞』の指導を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。」とあるように,「A表現」及び「B鑑賞」のそれぞれの指導を通して身に付けることができるよう指導するものである。 &emsp;ここでの学習は,「美術Ⅰ」及び「美術Ⅱ」と同様に〔共通事項〕に示されている内容を,単に新たな事柄として知ることや言葉を暗記することに終始するのではなく,〔共通事項〕の指導を通して,造形を豊かに捉える多様な視点を育て,今まで気付かなかった作品などのよさや美しさ,国際理解に果たす美術の役割などに気付いたり,新たな意味や価値を発見したりすることにつながることを実感させることが重要である。その際,造形的な見方・考え方を働かせながら,新たな知識を相互に関連付けてより深く理解したりできるようにすることが大切である。 &emsp;特に「美術Ⅲ」では,感性や美意識を磨き,個性を生かして表現したり,自己の価値観 を働かせて鑑賞したりするなどの観点から,「美術Ⅰ」及び「美術Ⅱ」で身に付けた知識を柔軟に幅広く活用し,造形の要素の働きの理解をより深めることや,全体のイメージで捉えたり,作風や様式などの文化的な視点で捉えたりすることについての理解をより深め,造形的な視点を一層豊かにして表現及び鑑賞に関する資質・能力を育成することができるようにすることが大切である。 <br> ## 4 内容の取扱い (1) 生徒の特性,学校や地域の実態を考慮し,内容の「A表現」については(1),(2)又は(3)のうち一つ以上を,「B鑑賞」の(1)については,ア又はイのうち一つ以上を選択して扱うことができる。また,内容の「A表現」の(1)については絵画と彫刻のいずれかを選択したり一体的に扱ったりすることができる。| |- &emsp;「美術Ⅲ」の指導に当たっては,生徒の特性,学校や地域の実態などを考慮し,発展的で個性を生かした学習が進められるようにするため,「A表現」では,「(1) 絵画・彫刻」,「(2)デザイン」又は「(3) 映像メディア表現」のうち一つ以上を,「B鑑賞」ではア又はイのうち一つ以上を選択して扱うことができる。その際,各事項を関連させて扱ったり,一つの事項について十分に時間をかけたりして,学習課題について生徒が主体的,研究的に学習していくことができるよう柔軟な指導計画を作成していくことが大切である。 (2) 内容の取扱いに当たっては,「美術Ⅰ」の3の(3)から(10)まで,「美術Ⅱ」の3の(1)と同様に取り扱うものとする。| |- &emsp;ここでは,「美術Ⅰ」の内容の取扱いのうち,3の(3)から(10)までの事項及び「美術Ⅱ」の内容の取扱い(1)に示した事項と同様に取り扱うことを記している。 &emsp;「美術Ⅰ」の3の(4)においては,「美術Ⅰ」及び「美術Ⅱ」の学習を基礎として〔共通事項〕を造形的な視点を豊かにするために必要な知識に して表現及び鑑賞の各活動に適切に位置付けている。ここでは,表現及び鑑賞の活動の中で〔共通事項〕に示されている各事項が造形的な視点として豊かに働くようにどの場面でどのように指導するのかを明確に位置付け,指導計画の作成を行う必要がある。 &emsp;「美術Ⅰ」の3の(7)においては,「美術Ⅰ」及び「美術Ⅱ」と同様に,日本の美術も重視して扱うとともに,アジアの美術などについても扱い,「B鑑賞」(1)アを選択した場合においても,日本の美術との相違や共通性,文化の伝播などの多様な視点から,作品や美術文化の理解を深めることも大切である。また,「美術Ⅲ」では,美術の創造活動によりよく取り組もうとする態度を養うため,生徒が主体的に課題を設定して学習する機会を設けるよう配慮することが必要である。 &emsp;「美術Ⅱ」の3の(1)においては,「A表現」と「B鑑賞」との関連を考慮し,選択した内容や学習のねらいに応じて,それぞれを関連させて扱ったり,独立した鑑賞の時間を設けたりするなど指導の効果を高める工夫が必要である。そのためには,各内容における指導のねらいを十分に検討し,それを実現することのできる適切な題材を設定し,「美術Ⅲ」において育成する資質・能力が身に付くよう指導計画に位置付ける必要がある。 <br> # 第 7 節 工 芸 Ⅰ ## 1 性 格 &emsp;「工芸Ⅰ」は,高等学校において工芸を履修する生徒のために設けている最初の科目である。 &emsp;「工芸Ⅰ」は,中学校美術科における学習を基礎にして,「A表現」及び「B鑑賞」についての幅広い活動を展開し,造形的な見方・考え方を働かせ,美的体験を重ね,生活や社会の中の工芸や工芸の伝統と文化と幅広く関わる資質・能力を育成することを目指しており,「工芸Ⅱ」,「工芸Ⅲ」における発展的な学習の基礎を養う科目という性格を有している。 &emsp;今回の改訂では,科目の目標を(1)「知識及び技能」,(2)「思考力,判断力,表現力等」,(3)「学びに向かう力,人間性等」の三つの柱に位置付けて示すとともに,内容についてもこれに対応して,資質・能力を相互に関連させながら育成できるよう整理した。具体的には,「知識」については,今回新設となる〔共通事項〕,「技能」は,「A表現」(1)及び(2)のイの指導事項に位置付けられている。「思考力,判断力,表現力等」は,「A表現」(1)及び(2)のアの指導事項及び「B鑑賞」(1)の指導事項に位置付けられている。「学びに向かう力,人間性等」は,「A表現」,「B鑑賞」及び〔共通事項〕を指導する中で,一体的,総合的に育てていくものである。 &emsp;「A表現」の項目は,「(1) 身近な生活と工芸」と「(2)社会と工芸」の二つの分野から成り,基本的な構成は,従前と同様である。今回の改訂では,「A表現」の内容を育成する資質・能力を一層明確にする観点から,各項目を発想や構想に関する資質・能力と技能に関する資質・能力の二つの観点から整理している。 &emsp;「(1) 身近な生活と工芸」は,身近な生活の視点に立って,自己の思いなどから発想し構想を練り,用途と美しさとの調和を考えて創意工夫するなどの表現に関する資質・能力を育成することをねらいとしている。 &emsp;「(2) 社会と工芸」は,社会的な視点に立って,使う人の願いや心情,場などから発想し構想を練り,使用する人などに求められる機能と美しさとの調和を考えて創意工夫するなどの表現に関する資質・能力を育成することをねらいとしている。 &emsp;「B鑑賞」の項目は,「(1) 鑑賞」で構成されている。ここでは,作品などからよさや美しさを主体的に感じ取り,批評し合うなどして,作者の心情や意図と制作過程における工夫や素材の生かし方,技法,工芸の働きや工芸の伝統と文化について考え,見方や感じ方を深めることを重視し,鑑賞に関する資質・能力を育成することをねらいとしている。今回の改訂では,「B鑑賞」の内容を,アの「工芸作品など」に関する事項と,イの「工芸の働きや工芸の伝統と文化」に関する事項に分けて示した。アの「工芸作品など」に関する事項では,「A表現」の身近な生活の視点に立った表現と社会的な視点に立った表現との関連を図り,これら二つの視点から分けて示した。特に発想や構想に関する資質・能力と鑑賞に関する資質・能力とを総合的に働かせて「思考力,判断力,表現力等」を育成することを重視した。イの「工芸の働きや工芸の伝統と文化」に関する事項では,生活や社会と文化は密接に関わっていることや,社会に開かれた教育課程を推進する観点などか ら,従前の生活や社会を心豊かにする工芸の働きに関する鑑賞と工芸の伝統と文化に関する鑑賞を大きく一つにまとめている。今回の改訂で新設した〔共通事項〕は,表現及び鑑賞の学習において共通に必要となる資質・能力として,造形的な視点を豊かにするための知識を示している。ここでは,表現及び鑑賞の活動を通して,造形的な視点について実感を伴いながら理解し,造形を豊かに捉える多様な視点をもてるようにすることを重視している。 ## 2 目 標 &emsp;「工芸Ⅰ」の目標は,芸術科の目標を受けて,次のように示している。  |工芸の幅広い創造活動を通して,造形的な見方・考え方を働かせ,美的体験を重ね,生活や社会の中の工芸や工芸の伝統と文化と幅広く関わる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 |- (1)対象や事象を捉える造形的な視点について理解を深めるとともに,意図に応じて制作方法を創意工夫し,創造的に表すことができるようにする。 (2)造形的なよさや美しさ,表現の意図と創意工夫,工芸の働きなどについて考え,思いや願いなどから心豊かに発想し構想を練ったり,価値意識をもって工芸や工芸の伝統と文化に対する見方や感じ方を深めたりすることができるようにする。 (3)主体的に工芸の幅広い創造活動に取り組み,生涯にわたり工芸を愛好する心情を育むとともに,感性を高め,工芸の伝統と文化に親しみ,生活や社会を心豊かにするために工夫する態度を養う。 &emsp;目標は,次のような視点を重視して改善を図っている。 &emsp;「工芸Ⅰ」の目標では,中学校美術科における学習を基礎にして,「工芸Ⅰ」は何を学ぶ科目なのかということを明示し,感性や美意識,想像力を働かせ,対象や事象を造形的な視点で捉え,自分としての意味や価値をつくりだすなどの造形的な見方・考え方を働かせ,美的体験を重ね,生活や社会の中の工芸や工芸の伝統と文化と幅広く関わる資質・能力を育成することを一層重視している。そのため,育成を目指す資質・能力を明確にし,生徒の発達の段階や特性を踏まえつつ,(1)「知識及び技能」,(2)「思考力,判断力,表現力等」,(3)「学びに向かう力,人間性等」の三つの柱で整理し,これらが実現できるよう以下のように目標を示した。 &emsp;(1)「知識及び技能」については,造形的な視点を豊かにするために必要な知識と,表現における創造的に表す技能に関するもの。 &emsp;(2)「思考力,判断力,表現力等」については,表現における発想や構想と,鑑賞における見方や感じ方などに関するもの。 &emsp;(3)「学びに向かう力,人間性等」については,学習に主体的に取り組む態度や生涯にわたって工芸を愛好する心情,豊かな感性などに関するもの。 &emsp;科目の目標では,これら(1),(2),(3)を相互に関連させながら育成できるように整理 した。 &emsp;**工芸の幅広い創造活動を通して**とは,表現の各分野と鑑賞の活動を幅広く扱い,単に様々なことを数多く体験するだけではなく,様々な視点から豊かな創造活動ができるようにするとともに,創造活動を通して三つの柱で示された資質・能力を育成することを意味している。自己の生活や,社会を造形的な視点から見つめられるような活動を展開するとともに,学校を取り巻く生活環境,美術館や博物館,制作の現場など,活動の場を幅広く求めることが考えられる。 &emsp;**造形的な見方・考え方**とは,工芸の特質に応じた物事を捉える視点や考え方として,表現及び鑑賞の活動を通して,感性や美意識,想像力を働かせ,対象や事象を造形的な視点で捉え,自分としての意味や価値をつくりだすことが考えられる。今回の改訂では,造形的な視点を豊かにもって対象や事象を捉え,創造的に考えを巡らせる資質・能力の育成を重視している。造形的な見方・考え方を働かせるためには,表現及び鑑賞のそれぞれの活動において,造形的な視点を基に,どのような考え方で思考するかということを生徒一人一人に常に意識させることが必要である。 &emsp;造形的な視点とは,造形を豊かに捉える多様な視点であり,形や色彩,素材や光などの造形の要素に着目してそれらの働きを捉えたり,全体に着目して造形的な特徴などからイメージを捉えたりする視点のことである。 &emsp;私たちは日々,様々な形や色彩,素材や光などに出合いながら生活している。身の回りには造形の要素が働き,それらが複雑に組み合わさり様々なイメージをつくりだしている。同じものを見てもよさや美しさを感じる人もいれば,そうではない人もいるように,どれだけ多くのよさや美しさが自分の身近な生活の中にあったとしても,造形的な視点がなければ気付かずに通り過ぎてしまう。そして,よさや美しさなどの価値や心情などを感じ取る力も十分に育っていかないものである。 &emsp;生徒一人一人の表現や鑑賞に関する資質・能力を豊かに育成していくためには,形や色彩,素材や光などの造形の要素に着目して,それらの働きを捉えるいわば「木を見る視点」と,全体に着目して造形的な特徴などからイメージを捉えたりするなどのいわば「森を見る視点」の両面から造形的な視点を豊かにすることが重要である。そして,発想や構想をする場面,創造的に表す技能を働かせる場面,感じ取ったり考えたりする鑑賞の場面のそれぞれにおいて,造形の要素の働きについて意識を向けて考えたり,大きな視点に立って対象のイメージを捉えたりできるようにし,表現及び鑑賞の学習を深めることができるようにすることが大切である。造形的な視点とは,工芸の特質に応じた物事を捉える視点であり,科目で育てる資質・能力を支える本質的な役割を果たすものである。 &emsp;**美的体験を重ね**とは,表現や鑑賞の活動を通して自己や社会を見つめ,自然や生活など対象との関わりからよさや美しさを発見し,それを表現に生かしたり,工芸作品を用いたりする中で感動したり,作品と作者やその背景にある生活や歴史や風土などに興味・関心をもち探求したりするなどして,美的感覚を働かせて対象や事象から様々なことを感じ取る力や創造性などを育む体験を積み重ねることを意味している。 &emsp;**生活や社会の中の工芸や工芸の伝統と文化と幅広く関わる資質・能力**とは,生徒一人一 人が感性や美意識,想像力を働かせ,造形的な視点を豊かにもち,自分との関わりの中で工芸や工芸の伝統と文化を捉え,生活や社会と幅広く関わることができるようにするための資質・能力のことである。今回の改訂では,生活や社会の中の工芸や工芸の伝統と文化と幅広く関わることができる生徒の姿を念頭に置いて育成を目指す資質・能力を具体的に示すようにした。 &emsp;「工芸Ⅰ」においては,これまで,美的体験を豊かにし,生涯にわたり工芸を愛好する心情と生活や社会を心豊かにするために工夫する態度を育てるとともに,感性や工芸の創造的な表現と鑑賞に関する資質・能力を伸ばすこと,工芸の伝統と文化の理解を深めることなどから目標を示してきた。しかし,どのような資質・能力が身に付き,何ができるようになるのかが具体的な姿としてわかりにくい側面もあった。工芸や工芸の伝統と文化とは,単に工芸作品や過去の工芸のことだけを指すものではなく,身近な生活の場にも,社会としての広がりの中にも存在する。また,工芸や工芸の伝統と文化によって育まれる豊かな創造性は,共生やコミュニケーションをキーワードとするこれからの社会の基盤の一つとなるものである。このような考えに立って,全ての生徒に工芸の学習を通して共通に身に付けさせる資質・能力を一層明確にした。 &emsp;芸術科工芸で目指す資質・能力の育成は,目標に示されている(1),(2),(3)が相互に関連し合い,一体となって働くことが重要である。よって,必ずしも,別々に分けて育成したり,「知識及び技能」を習得してから「思考力,判断力,表現力等」を身に付けるといった順序性をもって育成したりするものではないことに留意する必要がある。 #### 科目の目標(㆒) (1) 対象や事象を捉える造形的な視点について理解を深めるとともに,意図に応じて制作方法を創意工夫し,創造的に表すことができるようにする。| |- &emsp;ここでは,育成することを目指す「知識及び技能」について示している。 &emsp;前半部分は,造形的な視点を豊かにするために必要な知識に関するもの,後半部分は,創造的に表す技能に関するものであり,科目の目標(1)は,この二つから構成されている。 &emsp;**対象や事象を捉える造形的な視点について理解を深める**とは,造形的な視点を豊かにするために必要な知識について理解を深めることを示している。今回の改訂では,芸術科工芸において身に付けさせる知識として,具体的には〔共通事項〕の内容を示している。ここでの知識とは,単に新たな事柄として知ることや言葉を暗記することに終始するものではなく,生徒一人一人が表現及び鑑賞の活動の学習過程を通して,個別の感じ方や考え方等に応じながら活用し身に付けたり,実感を伴いながら理解を深めたりし,新たな学習過程を経験することを通して再構築されていくものである。 &emsp;**対象や事象を捉える**とは,工芸作品や造形物,自然物などや,生命感や心情,精神的・創造的価値などを認識することである。  &emsp;**造形的な視点について理解を深める**とは,形や色彩,素材や光などの造形の要素の働きや,造形的な特徴などを基にして心に思い浮かべる像や情景,ある物事について抱く全体 の感じといったイメージなどを捉えるために必要となる視点について理解を深めることである。ここでは,生徒が自分の感じ方で形や色彩などの造形の要素の働きやイメージ,作品の傾向や特徴である作風や類型的な表現形式である様式などを捉えられるよう,表現及び鑑賞の活動を通して造形的な視点を豊かにするために必要な知識として,実感を伴いながら理解を深めることができるようにすることが大切である。 &emsp;対象や事象を捉える造形的な視点について理解し,造形を豊かに捉えるような多様な視点をもてるようにするためには,生徒の実態や発達の特性などを考慮して,〔共通事項〕に示されている内容について「A表現」及び「B鑑賞」の指導と併せて十分な指導が行われるようにする必要がある。 &emsp;**意図に応じて制作方法を創意工夫し,創造的に表す**とは,表現の意図に応じて材料や技法,用具などを総合的に考え,吟味して創意工夫するなどして創造的に表す技能について示している。ここでは,発想や構想したことを基に,表現の意図に応じて様々な技能を応用したり,工夫を繰り返して自分の制作方法を見付け出したりして創造的に表せるようにすることが大切である。 &emsp;**創造的に表すことができるようにする**とは,よりよいものや美しいものを求め,生み出す技能を伸ばすことであり,表現の学習では,発想や構想に関する資質・能力と創造的に表す技能とが相互に関連しながら育成されていくものであり,両者が関連しあって初めて,創造的な表現が可能になるのである。 #### 科目の目標(㆓) (2) 造形的なよさや美しさ,表現の意図と創意工夫,工芸の働きなどについて考え,思いや願いなどから心豊かに発想し構想を練ったり,価値意識をもって工芸や工芸の伝統と文化に対する見方や感じ方を深めたりすることができるようにする| |- &emsp;ここでは,育成することを目指す「思考力,判断力,表現力等」について示している。 &emsp;芸術科工芸において育成する「思考力,判断力,表現力等」とは,表現の活動を通して育成する発想や構想に関する資質・能力と,鑑賞の活動を通して育成する鑑賞に関する資質・能力であり,科目の目標の(2)は,大きくはこの二つから構成されている。 &emsp;詳細に見ていくと,前半部分は,発想や構想と鑑賞の双方に重なる資質・能力を示している。中間部分は,発想や構想に関する資質・能力であり,心豊かに発想し制作の構想を練るなどの資質・能力を示している。後半部分は,鑑賞に関する資質・能力であり,価値意識をもって工芸作品などの造形的なよさや美しさなどを感じ取ったり,作者の心情や意図と制作過程の工夫,自然と工芸の関わりや日本の工芸の特質などについて考えたりするなどの見方や感じ方に関する資質・能力を示している。 &emsp;**造形的なよさや美しさ,表現の意図と創意工夫,工芸の働きなどについて考え**とは,発想や構想と鑑賞の双方に重なる資質・能力を示している。造形的なよさや美しさとは,形や色彩などから感じるよさや美しさとともに素材や光の生かし方,技法,造形の要素と用途や機能との関係など,触れることによって感じられる多面的なよさや美しさなどのこと である。表現の意図と創意工夫とは,作品に込められた作者の心情や表現の意図と創意工夫などのことである。また,工芸の働きなどとは,身の回りにある自然物や人工物の形や色彩,素材などの造形の要素の働きが,見る人や使う人の気持ちを心豊かにすることである。これらは,発想や構想をする際にも,鑑賞をする際にも働く中心となる考えを示している。 &emsp;「思考力,判断力,表現力等」をより豊かに育成するためには,発想や構想と鑑賞に関する資質・能力を総合的に働かせて学習が進められるようにすることが大切である。例えば,「(2) 社会と工芸」において器を制作する題材について考えると,器をつくること自体が学習の中心ではない。ここでの学習の中心となるものは,使う人の側から生活や社会を見つめるなど社会的な視点に立った発想や構想や,使う人が求めるものと機能性と合理性,生活や社会を心豊かにする工芸の働きなどについて考えることである。これらは器の制作において発想や構想をするときも,鑑賞するときにも働く中心となる考えといえる。発想や構想に関する資質・能力や鑑賞に関する資質・能力を育成する観点から,学習の中心になる考えを明確にすることにより,鑑賞したことが発想し構想を練るときに生かされ,また,発想や構想をしたことが鑑賞において見方や感じ方に関する学習に生かされるようになる。学習を終えたとき,器を制作したことだけが生徒の中に学びとして残るのではなく,形や色彩,素材や光などの造形の要素の働きによって使う人の願いを叶えることができ,状況や心情などに応じて,どのような創意工夫をすることが大切かという考え方を学びとして身に付けられるようにすることが重要である。このように,それぞれの資質・能力が相互に関連して働くようにすることを積み重ねることが,より豊かで創造的な「思考力,判断力,表現力等」の育成につながると考えられる。 &emsp;**思いや願いなどから心豊かに発想し構想を練る**とは,自己の思いや使う人の願いを基に,心豊かに発想や構想を練ることである。 &emsp;**思いや願いなど**とは,自然や素材から感じ取ったことや身近な生活との関わりかなどから思い描いた自己の思いや,使う人の願い心情などのことである。 &emsp;**心豊かに発想する**とは,自己の思い,使う人の願いや心情,生活環境などから,「自分は何を表したいのか,何をつくりたいのか,どういう思いで表現しようとしているのか」など,強く表したいことを心の中に思い描くことであり,心豊かな発想や構想の学習を進める上で基盤となるものである。今回の改訂では,学ぶことに興味や関心をもち,見通しをもって粘り強く取り組み,自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」の実現が求められており,「A表現」の活動において自己の思いや使う人の願いを大切にしながら心豊かに発想することは重要な役割をもっている。 &emsp;**構想を練る**とは,思いや願いなどから生徒が自ら生み出した発想を基に,対象を再度深く見つめたり内面や本質を捉え直したりして,自己の思いや使う人の願い,使いやすさや素材感,あこがれや遊び心,よさや美しさなどを考えながら構想を練ることである。そのため題材では,画一的な表現をするのではなく,生徒の多様な個性やよさが伸ばせるように工夫することが求められる。それぞれの生徒が造形の要素の働きやイメージなどを豊かに捉えながら思いや願いなどから心豊かに発想し構想を練る学習活動を展開することが, より深い「思考力,判断力,表現力等」を育成することにつながるのである。 &emsp;**価値意識をもって工芸や工芸の伝統と文化に対する見方や感じ方を深め**るとは,生徒一人一人が価値意識をもって造形的なよさや美しさを感じ取ったり,表現の意図と工夫,工芸の働きや工芸の伝統と文化などについて考えたりして,見方や感じ方を深めることである。ここでいう工芸とは,単に伝統的な工芸品や現代の工芸作品だけを指しているのではなく,材料として用いられている木や竹,土などの自然の素材や日用品や工業製品などをはじめ,身の回りの環境,事物なども含めた幅広い内容を示している。工芸の伝統と文化とは,長い歴史の中で引き継がれてきた材料,技術,方法,様式などによって美を追求し表現しようとする工芸の活動や所産など,人間の精神と身体感覚の働きによってつくりだされた有形・無形の成果の総体である。また,文化は想像力を育み豊かな創造性をもたらすとともに,共感する心を通じて人間関係を豊かにし,共生する社会の基盤となるものである。 &emsp;**見方や感じ方を深め**るとは,鑑賞の視点を豊かにし,工芸作品や工芸の伝統と文化に対する見方や感じ方を深めることである。見方や感じ方を深めるためには,生徒一人一人の見方や感じ方を大切にした指導が求められる。また,造形的なよさや美しさを感覚的に感じるだけに終わるのではなく,感じ取ったことを基に,作者の心情や表現の意図と工夫,生活や社会の中の工芸の働きや工芸の伝統と文化などについて考えたり批評したりすることで,見方や感じ方はより深められる。工芸や工芸の伝統と文化に対する見方や感じ方を深めることは,工芸が社会をより楽しく快適で心豊かなものにする力をもっていることを認識するとともに,工芸の伝統と文化を尊重する態度を養うことにつながるものである。 #### 科目の目標(3) (3) 主体的に工芸の幅広い創造活動に取り組み,生涯にわたり工芸を愛好する心情を育むとともに,感性を高め,工芸の伝統と文化に親しみ,生活や社会を心豊かにするために工夫する態度を養う。| |- &emsp;ここでは,育成することを目指す「学びに向かう力,人間性等」について示している。 &emsp;ここでの目標は,科目の目標(1)及び(2)に関する資質・能力を,どのような方向性で働かせていくかを決定付ける重要な要素である。主体的に工芸の学習に取り組む態度も含めた学びに向かう力や工芸の創造活動の喜び,自己の生活や社会を多様な視点から見つめる活動を通して生活や社会と主体的に関わること,工芸の伝統や文化の継承と創造に向かう態度,豊かな感性など,情意や態度等に関するものが含まれる。このような芸術科工芸における学びに向かう力や人間性等を育んでいくためには,生徒一人一人が自己の在り方や生き方との関わりの中で,表現及び鑑賞に関する資質・能力を身に付け,学んだことの意義を実感できるような学習活動を充実させていくことが重要となる。 &emsp;**主体的に工芸の幅広い創造活動に取り組み**とは,「A表現」,「B鑑賞」及び〔共通事項〕の各指導事項に関して,そこに示されている資質・能力を主体的に発揮しようとしたり,身に付けようとしたりすることである。同時に,自らの目指す夢や目標の実現に向かって 課題を克服しながら創意工夫して実現しようと,造形的な見方・考え方を働かせて創造的な表現や鑑賞に積極的に取り組み,創意工夫や作品などとの対話を重ねる中で高められるものでもある。そして,これらの態度を養うことは,生涯にわたって工芸を愛好していく心情や,豊かな感性,生活や社会を心豊かにするために工夫する態度などの育成につながっていくことになる。 &emsp;**生涯にわたり工芸を愛好する心情を育む**とは,表現と鑑賞の学習を通して工芸の楽しさや創造の喜びを味わうとともに,工芸の創造活動に関わる様々な資質・能力を身に付け,美的感覚や価値観を育み,主体的に制作したり鑑賞したり,日常生活の中で使うことを楽しんだり,生活空間を演出したりするなど生涯学習社会の一層の進展も視野に入れ,生涯を通じて工芸を愛好していく心情を育成することである。 &emsp;**感性を高め**とは,様々な対象や事象からよさや美しさなどの価値や心情などを感じ取る力を高めることである。芸術科工芸において育てる感性は,工芸の創造活動を通して,自然や生活,工芸作品,人との触れ合いなどの中からよさや美しさ,心地よさ,快適さ,使う人の気持ちなどを感じ取る力であり,能動的に働かせることが大切である。また,感性は,知性と一体化して人間性や創造性の根幹をなすものであり,表現や鑑賞の活動を通して,価値を感受し,想像力を働かせ豊かなイメージを創出する際に働くものである。 &emsp;**工芸の伝統と文化に親しみ**とは,生活や社会の中の工芸の働きに関心をもち,日本の伝統的な工芸の特質や美意識,表現方法などに触れる中で,工芸の伝統と文化に親しむことである。ここでは,人類が長い歴史の中でつくりだしてきた工芸の伝統と文化と,時代や民族,国や地域の相違を超えて美や心の豊かさを求めるという人類普遍の精神などを実感できるような指導の工夫が求められる。 &emsp;**生活や社会を心豊かにするために工夫する態度**とは,自己の思いや使う人々の心情,社会や生活環境との調和を考えて制作したり,鑑賞したり,工芸作品を飾ったりするなどして生活をより心豊かなものにすることや,自他の存在を認め合って,共に心豊かな人間として社会生活を営むなど,生活や社会を心豊かにするために工夫する態度を示している。 &emsp;芸術科工芸の学習は,表現や鑑賞の活動を通して,造形的な見方・考え方を働かせ,自身の価値観を形成するとともに,人々の生活や社会と密接に関係する学習である。表現や鑑賞の活動を身近な生活や社会との関わりの中で考え,つなげ,生かしていくことで,工芸の働きについて実感的に捉えられるようにし,主体的に生活や社会の中で工芸を生かしたり,探求したりし,心豊かにするために工夫する態度を養うことが求められる。 <img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/e/eisel/20211108/20211108015326.png " width="700"> <br> ## 3 内 容 ### A 表 現 表現に関する資質・能力を次のとおり育成する。| |- &emsp;「A表現」は,主体的に制作する表現の活動を通して,発想や構想に関する資質・能力と技能に関する資質・能力を育成する領域であり,「(1)身近な生活と工芸」,「(2)社会と工芸」の二つの分野で構成している。ここでは,自己の思いや使う人の願いなどから心豊かに発想し制作の構想を練るなどの発想や構想に関する資質・能力と,発想や構想を基に,意図に応じて材料や用具を生かし,手順や技法などを吟味するなどして創造的に表す技能が組み合わさって働くことが重要であり,学習としてこれらの資質・能力を明確にし,調和を図りながら育成することが大切である。 |(1) 身近な生活と工芸 |-   身近な生活と工芸に関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。  ア 身近な生活の視点に立った発想や構想   (ア)自然や素材,自己の思いなどから心豊かな発想をすること。   (イ)用途と美しさとの調和を考え,日本の伝統的な表現のよさなどを生かした制作の構想を練ること。  イ 発想や構想をしたことを基に,創造的に表す技能   (ア)制作方法を踏まえ,意図に応じて材料や用具を生かすこと。   (イ)手順や技法などを吟味し,創造的に表すこと。 &emsp;「工芸Ⅰ」における「(1) 身近な生活と工芸」では,中学校美術科での学習を基礎にして,造形的な見方・考え方を働かせ,身の回りの自然や身近な生活に目を向け,使いたいものやつくりたいものなど自己の思いを重視して発想し,用途と美しさの調和を考え,日本の伝統的な表現のよさなどを生かして制作の構想を練り,材料や用具を生かし,創造的に表すなどして,発想や構想に関する資質・能力と技能に関する資質・能力を育成することをねらいとしている。 &emsp;ここでは,自己の思いなどから発想し,制作する人の視点に立った工芸の制作に取り組む学習活動を目指している。そのため,身の回りの自然を深く観察し,自然がつくりだす造形の美しさ,そこから得られる素材のよさ,身近な生活体験の中で感じ取ったことや考えたこと,自己の思いなどを基にして使いたいものやつくりたいものなどを発想し構想を練り,創造性豊かな制作ができるようにすることが大切である。 &emsp;指導に当たっては,発想,構想から制作に至るまでの一連の学習過程で,よりよいものを目指して真摯に制作に取り組ませることで,工芸の制作に対する理解を深め,自らつく りだすことの楽しさや喜び,達成感を味わわせ,作品に愛着をもち大切にする心を養うとともに,生徒が互いのよさを認め合えるようにすることが重要である。そのためには,題材を通して,何を学ぶのかを明確にするとともに,題材名や導入の方法を工夫したり,動機付けや制作の過程における新しい気付きにつながる助言をしたりするなど,自己の思いを基に制作をより深めることができるような指導が求められる。 &emsp;また,生徒一人一人が自己の思いを膨らませて取り組めるように,〔共通事項〕との関連を図り,造形の要素の働きや全体のイメージで捉えることなどについての理解を実感的に深め,造形的な視点を豊かにすることや,「B鑑賞」との関連を図ることも大切である。例えば,鑑賞の学習との関連では,身近な生活の視点に立った表現の意図と創意工夫などを,発想や構想と鑑賞の学習の双方に働く中心となる考えとして位置付け,作者の心情や意図,表現の工夫などを生徒に読み取らせ,作品に込められた様々な思いを深く考えさせることは,生徒が自己の思いを見つめ直すきっかけとなったり,自分の表したいものを見付けたりすることにつながる。表現の学習で考えることと共通する視点で工芸作品などを鑑賞することで,今まで漠然としていた作者の制作の意図と制作方法との関わりなどが鮮明に見えてきて自分の制作に生かされるなど,鑑賞することで表現が,表現することで鑑賞がよりよいものになっていくことも多くあることから,双方に働く中心となる考えを軸にして鑑賞との関連を図り指導することが大切である。 ア 身近な生活の視点に立った発想や構想| |- &emsp;アは,身近な生活の視点に立った発想や構想に関する指導内容を示している。 &emsp;ここでは,生徒が身の回りの自然や素材,自己の思いなどから心豊かな発想をし,それらを基に用途と美しさとの調和を考え,日本の伝統的な表現のよさなどを生かした制作の構想を練ることができるよう指導することが大切である。 (ア)自然や素材,自己の思いなどから心豊かな発想をすること。| |- &emsp;(ア)は,自然や素材から感じ取ったことや,身近な生活との関わりなどから自己の思いを大切にし,心豊かな発想をすることに関する指導事項である。 &emsp;**自然や素材,自己の思いなど**とは,自然や素材から感じ取ったことや,自然に感謝する気持ち,身近な生活との関わりなどから思い描いたことなどである。例えば,自然については動物や植物,風景や自然界にある形や色彩など,素材については木,金属,土,繊維等の材質感などが発想のきっかけになると考えられる。実際に自然をよく観察し,また,素材を見たり触れたりすることでその特性を感じ取る活動を通して,作品づくりのイメージを高めるとともに,自分を取り巻く生活を見つめ,夢や願いなどから使いたいものやつくりたいものの思いを膨らませることが大切である。 &emsp;**心豊かな発想をすること**とは,自然や素材,自己の思いなどから,生徒自らが強く表したいことを心の中に思い描くことであり,発想や構想の学習を進める上で基盤となるもの である。ここでは,自らの経験の中で心に残る感動や興味をひかれたことやもの,情景,日常の中で使用したときの感触や心に残る形や色彩,素材や光など,記憶や体験から生じる思いや考えなどから発想をすることが重要である。 &emsp;指導に当たっては,魅力ある題材を設定し,生徒が主体的に課題に取り組み,自らの視点をもって発想をすることができるよう指導を工夫することが大切である。その際,〔共通事項〕との関連を図り,形や色彩,素材や光などの造形の要素の働きやイメージを捉えることができるように造形的な視点を豊かにすることも重要である。心豊かに発想をするためには,自然との共存の観点から私たちの生活を見つめ直し,工芸と人,自然との関連からつくるものを考えさせることが必要である。また,工芸で用いる様々な素材を生徒が身体の感覚を働かせて,ぬくもりや硬さなど,その材質感や抵抗感をじかに感じ取ることも大切である。 (イ)用途と美しさとの調和を考え,日本の伝統的な表現のよさなどを生かした制作の構想を練ること。| |- &emsp;(イ)は,使用の目的にあった機能と,形などとの美しさを考え,日本の伝統的な表現のよさなどを生かして制作の構想を練ることに関する指導事項である。 &emsp;**用途と美しさとの調和を考え**とは,自己の思いを重視して用途に即した形や色彩,素材などを考えることである。例えば,陶芸で食器を制作する場合,自己の好みや趣味に合わせて模様や色を選択したり,自己のこだわりのある形をイメージしながら意匠を凝らしたり,自分の生活に合わせて使いやすさを追求したりすることなどが考えられる。 &emsp;**日本の伝統的な表現のよさなどを生かした制作の構想を練ること**とは,伝統的な工芸作品などに見られる表現のよさなどを生かして制作の構想を練ることである。自分のこれまでの制作体験等を生かして構想を練ることが基本となるが,一方で様々な表現を知り,そのよさを取り入れることも必要である。長い歴史の中で人が素材と関わりながら継承と創造を繰り返して生み出された日本の伝統的な工芸などから,素材の生かし方,主題や表現の対象として自然の美しさを取り入れた発想や構想のよさなどを学び,自己の作品に生かすことが大切である。 &emsp;指導に当たっては,生徒が自己の思いを重視してよさや美しさを考え,身近な生活の視点に立って検討し構想を練ることが大切である。また,アイデアスケッチや言葉などにより考えを整理したり,扱いの容易な材料を用いて試行錯誤したり,お互いの構想を批評し合ったりするなどの言語活動の充実を図るなどして,構想を深めることも効果的である。また,生活の中の身近な工芸作品などから日本の伝統的な作品等を例にあげ,実際に見たり触れたり,映像等を通して鑑賞したりすることも必要である。それらを通して,自然から得た意匠と造形美,用途と美しさとの調和,制作した人の機知やユーモアに富んだ遊び心,粋などを学び,生徒の知識の幅を広げ,構想に生かすことが大切である。その際,〔共通事項〕の指導を通して造形的な視点を豊かにして身近な生活を見つめさせたり,「B鑑賞」との関連を図り,時代や地域の生活様式に着目させ,木工,金工,陶芸,染織等に見 られる日本の伝統的な表現や日本の伝統色などについての理解とともに見方や感じ方を深めさせたりして,制作の構想を練ることができるようにすることも大切である。 イ 発想や構想をしたことを基に,創造的に表す技能| |- &emsp;イは,発想や構想をしたことを基に,創造的に表す技能に関する指導内容を示している。 &emsp;ここでは,生徒一人一人が身近な生活の視点に立って発想や構想をしたことを基に,自分の制作を具体化するために,制作方法を踏まえ,意図に応じて材料や用具の特性を生かし,手順や用具を吟味するなどして創造的に表すことができるよう指導することが大切である。 (ア)制作方法を踏まえ,意図に応じて材料や用具を生かすこと。| |- (ア)は,制作するものの構造,材料の特性,用具の使用法などを把握し,意図に応じてそれらの効果を生かすなどの技能に関する指導事項である。 &emsp;**制作方法を踏まえ**とは,それぞれの材料の特性や加工方法,それに必要な用具の扱い方や技法などを把握することである。特に構想をしたことを的確に形にするために,制作するものの構造と関連付けながら材料の特性を把握し,その上で,制作の手順を確認することが大切である。 &emsp;**意図に応じて材料や用具を生かすこと**とは,制作意図を確かめながら,構想に基づいた作品を確実に制作するために,材料や用具を目的に合わせて工夫し,生かすことである。創造的な構想があっても,それを形にするための技能が備わっていなければ作品をつくることはできない。一方で,構想に無理があると,技能はあっても作品にすることはできない。材料や用具の使い方についての理解を深め,自己の構想を確かめながら材料や用具を工夫して表現する活動を重ねることにより,発想や構想に関する資質・能力と創造的に表す技能とを調和よく育成することが大切である。 &emsp;指導に当たっては,〔共通事項〕との関連も図り,知識と体験を深めながら目的に応じて材料や用具を生かす技能を育成することが大切である。特に身近な生活と工芸に関する事項では,素材のもつ材質感や抵抗感を感じ取りながら表現を深めていくことを重視しているため,単に材料や用具の扱いに慣れるだけでなく,身体の感覚を十分に働かせて材料や用具の特性を理解し,それを表現に生かせるようにすることが重要である。その際,用具は身体の延長であることを実感させることが大切である。例えば,用具を使って材料を削る場合,削っている面に注意を払うだけでなく,用具を扱う自らの感覚も意識させることが必要である。工芸では古くから様々な素材が用いられ,そのよさを生かすための多様な用具や技法が工夫されてきた。技能を高めるためには,我が国における工芸の長い伝統に培われてきた知恵を学び,制作に生かすことができるように理解を深めるとともに,用具の使い勝手を試してみたり,扱い方を練習してみたりすることや,制作の中で繰り返し使うことが大切である。なお,用具の取扱いや手入れ,後片付けにいたるまでの管理や整

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