Takaoki Owaki
    • Create new note
    • Create a note from template
      • Sharing URL Link copied
      • /edit
      • View mode
        • Edit mode
        • View mode
        • Book mode
        • Slide mode
        Edit mode View mode Book mode Slide mode
      • Customize slides
      • Note Permission
      • Read
        • Only me
        • Signed-in users
        • Everyone
        Only me Signed-in users Everyone
      • Write
        • Only me
        • Signed-in users
        • Everyone
        Only me Signed-in users Everyone
      • Engagement control Commenting, Suggest edit, Emoji Reply
    • Invite by email
      Invitee

      This note has no invitees

    • Publish Note

      Share your work with the world Congratulations! 🎉 Your note is out in the world Publish Note

      Your note will be visible on your profile and discoverable by anyone.
      Your note is now live.
      This note is visible on your profile and discoverable online.
      Everyone on the web can find and read all notes of this public team.
      See published notes
      Unpublish note
      Please check the box to agree to the Community Guidelines.
      View profile
    • Commenting
      Permission
      Disabled Forbidden Owners Signed-in users Everyone
    • Enable
    • Permission
      • Forbidden
      • Owners
      • Signed-in users
      • Everyone
    • Suggest edit
      Permission
      Disabled Forbidden Owners Signed-in users Everyone
    • Enable
    • Permission
      • Forbidden
      • Owners
      • Signed-in users
    • Emoji Reply
    • Enable
    • Versions and GitHub Sync
    • Note settings
    • Note Insights New
    • Engagement control
    • Make a copy
    • Transfer ownership
    • Delete this note
    • Save as template
    • Insert from template
    • Import from
      • Dropbox
      • Google Drive
      • Gist
      • Clipboard
    • Export to
      • Dropbox
      • Google Drive
      • Gist
    • Download
      • Markdown
      • HTML
      • Raw HTML
Menu Note settings Note Insights Versions and GitHub Sync Sharing URL Create Help
Create Create new note Create a note from template
Menu
Options
Engagement control Make a copy Transfer ownership Delete this note
Import from
Dropbox Google Drive Gist Clipboard
Export to
Dropbox Google Drive Gist
Download
Markdown HTML Raw HTML
Back
Sharing URL Link copied
/edit
View mode
  • Edit mode
  • View mode
  • Book mode
  • Slide mode
Edit mode View mode Book mode Slide mode
Customize slides
Note Permission
Read
Only me
  • Only me
  • Signed-in users
  • Everyone
Only me Signed-in users Everyone
Write
Only me
  • Only me
  • Signed-in users
  • Everyone
Only me Signed-in users Everyone
Engagement control Commenting, Suggest edit, Emoji Reply
  • Invite by email
    Invitee

    This note has no invitees

  • Publish Note

    Share your work with the world Congratulations! 🎉 Your note is out in the world Publish Note

    Your note will be visible on your profile and discoverable by anyone.
    Your note is now live.
    This note is visible on your profile and discoverable online.
    Everyone on the web can find and read all notes of this public team.
    See published notes
    Unpublish note
    Please check the box to agree to the Community Guidelines.
    View profile
    Engagement control
    Commenting
    Permission
    Disabled Forbidden Owners Signed-in users Everyone
    Enable
    Permission
    • Forbidden
    • Owners
    • Signed-in users
    • Everyone
    Suggest edit
    Permission
    Disabled Forbidden Owners Signed-in users Everyone
    Enable
    Permission
    • Forbidden
    • Owners
    • Signed-in users
    Emoji Reply
    Enable
    Import from Dropbox Google Drive Gist Clipboard
       Owned this note    Owned this note      
    Published Linked with GitHub
    • Any changes
      Be notified of any changes
    • Mention me
      Be notified of mention me
    • Unsubscribe
    # 高等学校学習指導要領(平成 30 年告示)解説 ## 総則編 平成30年7月 文部科学省 ### まえがき 文部科学省では平成30年3月30日に学校教育法施行規則の一部改正と高等学校学習指導要領の改訂を行った新高等学校学習指導要領等は平成34年度から年次進行で実施することとし平成31年度から一部を移行措置として先行して実施することとしている。今回の改訂は平成28年12月の中央教育審議会答申を踏まえ,①教育基本法,学校教育法などを踏まえこれまでの我が国の学校教育の実践や蓄積を生かし,生徒が未来社会を切り拓ひらくための資質・能力を一層確実に育成することを目指す。その際,求められる資質・能力とは何かを社会と共有し,連携する「社会に開かれた教育課程」を重視すること。②知識及び技能の習得と思考力,判断力,表現力等の育成とのバランスを重視する平成21年改訂の学習指導要領の枠組みや教育内容を維持した上で,知識の理解の質を 更に高め,確かな学力を育成すること。③道徳教育の充実や体験活動の重視,体育・健康に関する指導の充実により,豊かな心や健やかな体を育成すること。を基本的なねらいとして行った。本書は,大綱的な基準である学習指導要領の記述の意味や解釈などの詳細について説明するために,文部科学省が作成するものであり,学校教育法施行規則の関係規定及び高等学校学習指導要領第1章「総則」について,その改善の趣旨や内容を解説している。 各学校においては,本書を御活用いただき,学習指導要領等についての理解を深め,創意工夫を生かした特色ある教育課程を編成・実施されるようお願いしたい。むすびに,本書「高等学校学習指導要領解説総則編」の作成に御協力くださった各位に 対し,心から感謝の意を表する次第である。 平成30年7月 文部科学省初等中等教育局長        髙橋道和 ## 目次 ### 第1章 総説 1 #### 第1節 改訂の経緯及び基本方針 1 1 改訂の経緯 1 2 改訂の基本方針 2 #### 第2節 改訂の要点 6 1 学校教育法施行規則改正の要点 6 2 前文の趣旨及び要点 6 3 総則改正の要点 7 #### 第3節 道徳教育の充実 12 1 高等学校における道徳教育に係る改訂の基本方針と要点 12 ### 第2章 教育課程の基準 14 #### 第1節 教育課程の意義 14 #### 第2節 教育課程に関する法制 16 1 教育課程とその基準 16 2 教育課程に関する法令 17 ### 第3章 教育課程の編成 20 #### 第1節 高等学校教育の基本と教育課程の役割 20 1 教育課程編成の原則(第1章総則第1款1) 20 2 生きる力を育む各学校の特色ある教育活動の展開(第1章総則第1款2) 25 3 育成を目指す資質・能力(第1章総則第1款3)                        38 4 就業やボランティアに関わる体験的な学習の指導(第1章総則第1款4) 42 5 カリキュラム・マネジメントの充実(第1章総則第1款5) 45 #### 第2節 教育課程の編成  51 1 各学校の教育目標と教育課程の編成(第1章総則第2款1)51 2 教科等横断的な視点に立った資質・能力 52 3 教育課程の編成における共通的事項 57 4 学校段階等間の接続 106 5 通信制の課程における教育課程の特例       (第1章総則第2款5)  110 ### 第4章 教育課程の実施と学習評価  117 #### 第1節 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善  117 1 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善(第1章総則第3款1(1))   117 2 言語環境の整備と言語活動の充実(第1章総則第3款1(2))   121 3 コンピュータ等や教材・教具の活用(第1章総則第3款1(3))   124 4 見通しを立てたり,振り返ったりする学習活動(第1章総則第3款1(4))   126 5 体験活動(第1章総則第3款1(5))   127 6 学校図書館,地域の公共施設の利活用 (第1章総則第3款1(6))   128 #### 第2節 学習評価の充実  130 1 指導の評価と改善(第1章総則第3款2(1))                          130 2 学習評価に関する工夫第1章総則第3款2(2))  131 ### 第5章 単位の修得及び卒業の認定  133 1 各教科・科目及び総合的な探究の時間の単位の修得の認定(第1章総則第4款1)   133 2 卒業までに修得させる単位数(第1章総則第4款2)   135 3 各学年の課程の修了の認定(第1章総則第4款3)   137 4 学校外における学修等の単位認定   138 ### 第6章 生徒の発達の支援  144 #### 第1節 生徒の発達を支える指導の充実  144 1 ホームルーム経営,生徒の発達の支援(第1章総則第5款1(1))   144 2 生徒指導の充実(第1章総則第5款1(2))  147 3 キャリア教育の充実(第1章総則第5款1(3))   148 4 生徒の特性等の伸長と学校やホームルームでの生活への適応,現在及び将来の生き方を考え行動する態度や能力の育成(第1章総則第5款1(4))  151 5 指導方法や指導体制の工夫改善など個に応じた指導の充実(第1章総則第5款1(5))   152 6 学習の遅れがちな生徒の指導における配慮事項(第1章総則第5款1(6))   156 #### 第2節 特別な配慮を必要とする生徒への指導  157 1 障害のある生徒などへの指導   157 2 海外から帰国した生徒や外国人の生徒の指導 164 3 不登校生徒への配慮   166 ### 第7章 学校運営上の留意事項  168 第1節 教育課程の改善と学校評価,教育課程外の活動との連携等  168 1 カリキュラム・マネジメントの実施と学校評価との関連付け(第1章総則第6款1ア)   168 2 各分野における学校の全体計画等との関連付け(第1章総則第6款1イ)   171 3 教育課程外の学校教育活動と教育課程との関連(第1章総則第6款1ウ)   172 #### 第2節 家庭や地域社会との連携及び協働と学校間の連携  174 1 家庭や地域社会との連携及び協働と世代を越えた交流の機会(第1章総則第6款2ア)   174 2 学校相互間の連携や交流(第1章総則第6款2イ)  175 ### 第8章 道徳教育推進上の配慮事項  177 #### 第1節 道徳教育の指導体制と全体計画  177 1 道徳教育の指導体制(第1章総則第7款1前段)  177 2 道徳教育の全体計画(第1章総則第7款1後段)  178 #### 第2節 道徳教育推進上の留意事項(第1章総則第7款2)  188 #### 第3節 豊かな体験活動の充実といじめの防止(第1章総則第7款3)  190 #### 第4節 家庭や地域社会との連携(第1章総則第7款4) 194 #### 付録   195 付録1:参考法令   196 教育基本法   196 学校教育法(抄)   200 学校教育法施行令(抄)   202 学校教育法施行規則(抄)   203 地方教育行政の組織及び運営に関する法律(抄)  211 付録2:高等学校設置基準   214 付録3:高等学校学習指導要領 第1章 総則   218 付録4:中学校学習指導要領 第1章 総則   236 付録5:学校教育法施行規則第 98 条各号の規定により別に定めることとされた学修について定める件   245 付録6:中等教育学校等関係法令   246 付録7:中等教育学校等における教育課程の基準   254 付録8:移行措置関係規定   266 付録9:中学校学習指導要領 第3章 特別の教科 道徳  270 付録10:小・中学校における「道徳の内容」の学年段階・学校段階の一覧表   274 ## 第1章 ### 総説 ### 第1節 改訂の経緯及び基本方針 #### 1 改訂の経緯 今の子供たちやこれから誕生する子供たちが,成人して社会で活躍する頃には,我が国は厳しい挑戦の時代を迎えていると予想される。生産年齢人口の減少,グローバル化の進展や絶え間ない技術革新等により,社会構造や雇用環境は大きく,また急速に変化しており,予測が困難な時代となっている。また,急激な少子高齢化が進む中で成熟社会を迎えた我が国にあっては,一人一人が持続可能な社会の担い手として,その多様性を原動力とし,質的な豊かさを伴った個人と社会の成長につながる新たな価値を生み出していくことが期待される。こうした変化の一つとして,進化した人工知能(AI)が様々な判断を行ったり,身近な物の働きがインターネット経由で最適化される IoT が広がったりするなど,Society5.0とも呼ばれる新たな時代の到来が,社会や生活を大きく変えていくとの予測もなされている。また,情報化やグローバル化が進展する社会においては,多様な事象が複雑さを増 し,変化の先行きを見通すことが一層難しくなってきている。そうした予測困難な時代を迎える中で,選挙権年齢が引き下げられ,更に平成 34(2022)年度からは成年年齢が 18歳へと引き下げられることに伴い,高校生にとって政治や社会は一層身近なものとなるとともに,自ら考え,積極的に国家や社会の形成に参画する環境が整いつつある。このような時代にあって,学校教育には,子供たちが様々な変化に積極的に向き合い,他者と協働して課題を解決していくことや,様々な情報を見極め,知識の概念的な理解を実現し,情報を再構成するなどして新たな価値につなげていくこと,複雑な状況変化の中で目的を再構築することができるようにすることが求められている。このことは,本来我が国の学校教育が大切にしてきたことであるものの,教師の世代交代が進むと同時に,学校内における教師の世代間のバランスが変化し,教育に関わる様々な経験や知見をどのように継承していくかが課題となり,子供たちを取り巻く環境の変化により学校が抱える課題も複雑化・困難化する中で,これまでどおり学校の工夫だけにその実現を委ねることは困難になってきている。こうした状況の下で,平成26年11月には,文部科学大臣から,新しい時代にふさわしい学習指導要領等の在り方について中央教育審議会に諮問を行った。中央教育審議会においては,2年1か月にわたる審議の末,平成28年12月21日に「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」(以下「平成28年12月の中央教育審議会答申」という。)を示した。平成28年12月の中央教育審議会答申においては,“よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創る”という目標を学校と社会が共有し,連携・協働しながら,新しい時代に求められる資質・能力を子供たちに育む「社会に開かれた教育課程」の実現を目指し,学習 1 改訂の経緯 2指導要領等が,学校,家庭,地域の関係者が幅広く共有し活用できる「学びの地図」としての役割を果たすことができるよう,次の6点にわたってその枠組みを改善するとともに,各学校において教育課程を軸に学校教育の改善・充実の好循環を生み出す「カリキュラム・マネジメント」の実現を目指すことなどが求められた。①「何ができるようになるか」(育成を目指す資質・能力)②「何を学ぶか」(教科等を学ぶ意義と,教科等間・学校段階間のつながりを踏まえた教育課程の編成)③「どのように学ぶか」(各教科等の指導計画の作成と実施,学習・指導の改善・充 実)④「子供一人一人の発達をどのように支援するか」(子供の発達を踏まえた指導)⑤「何が身に付いたか」(学習評価の充実)⑥「実施するために何が必要か」(学習指導要領等の理念を実現するために必要な方策)これを踏まえ,文部科学省においては,平成29年3月31日に幼稚園教育要領,小学校学習指導要領及び中学校学習指導要領を,また,同年4月28日に特別支援学校幼稚部教育要領及び小学部・中学部学習指導要領を公示した。高等学校については,平成30年3月30日に,高等学校学習指導要領を公示するとともに,学校教育法施行規則の関係規定について改正を行ったところであり,今後,平成34(2022)年4月1日以降に高等学校の第1学年に入学した生徒(単位制による課程にあっては,同日以降入学した生徒(学校教育法施行規則第 91 条の規定により入学した生徒で同日前に入学した生徒に係る教育課程により履修するものを除く。))から年次進行により段階的に適用することとしている。また,それに先立って,新学習指導要領に円滑に移行するための措置(移行措置)を実施することとしている。 #### 2 改訂の基本方針 今回の改訂は平成28年12月の中央教育審議会答申を踏まえ,次の基本方針に基づき行った。 ##### (1)今回の改訂の基本的な考え方①教育基本法,学校教育法などを踏まえ,これまでの我が国の学校教育の実践や蓄積を生かし,生徒が未来社会を切り拓ひら くための資質・能力を一層確実に育成することを目指す。その際,求められる資質・能力とは何かを社会と共有し,連携する「社会に開かれた教育課程」を重視すること。②知識及び技能の習得と思考力,判断力,表現力等の育成とのバランスを重視する平成21年改訂の学習指導要領の枠組みや教育内容を維持した上で,知識の理解の質を更に高め,確かな学力を育成すること。 ③道徳教育の充実や体験活動の重視,体育・健康に関する指導の充実により,豊かな心や健やかな体を育成すること。 ##### (2) 育成を目指す資質・能力の明確化 平成28年12月の中央教育審議会答申においては,予測困難な社会の変化に主体的に関わり,感性を豊かに働かせながら,どのような未来を創っていくのか,どのように社会や人生をよりよいものにしていくのかという目的を自ら考え,自らの可能性を発揮 し,よりよい社会と幸福な人生の創り手となる力を身に付けられるようにすることが重要であること,こうした力は全く新しい力ということではなく学校教育が長年その育成を目指してきた「生きる力」であることを改めて捉え直し,学校教育がしっかりとその強みを発揮できるようにしていくことが必要とされた。また,汎用的な能力の育成を重視する世界的な潮流を踏まえつつ,知識及び技能と思考力,判断力,表現力等とをバランスよく育成してきた我が国の学校教育の蓄積を生かしていくことが重要とされた。このため「生きる力」をより具体化し,教育課程全体を通して育成を目指す資質・能力を,ア「何を理解しているか,何ができるか(生きて働く「知識・技能」の習得)」,イ「理解していること・できることをどう使うか(未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等」の育成)」,ウ「どのように社会・世界と関わり,よりよい人生を送るか(学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性等」の涵かん養)」の三つの柱に整理するとともに,各教科等の目標や内容についても,この三つの柱に基づく再整理を図るよう提言がなされた。 今回の改訂では,知・徳・体にわたる「生きる力」を生徒に育むために「何のために学ぶのか」という各教科等を学ぶ意義を共有しながら,授業の創意工夫や教科書等の教材の改善を引き出していくことができるようにするため,全ての教科等の目標や内容を「知識及び技能」,「思考力,判断力,表現力等」,「学びに向かう力,人間性等」の三つの柱で再整理した。(3)「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善の推進子供たちが,学習内容を人生や社会の在り方と結び付けて深く理解し,これからの時代に求められる資質・能力を身に付け,生涯にわたって能動的に学び続けることができるようにするためには,これまでの学校教育の蓄積も生かしながら,学習の質を一層高める授業改善の取組を活性化していくことが必要である。特に,高等学校教育については,大学入学者選抜や資格の在り方等の外部要因によっ て,その教育の在り方が規定されてしまい,目指すべき教育改革が進めにくいと指摘されてきたところであるが,今回の改訂は,高大接続改革という,高等学校教育を含む初等中等教育改革と,大学教育の改革,そして両者をつなぐ大学入学者選抜改革という一体的な改革や,更に,キャリア教育の視点で学校と社会の接続を目指す中で実施されるものである。改めて,高等学校学習指導要領の定めるところに従い,各高等学校において生徒が卒業までに身に付けるべきものとされる資質・能力を育成していくために,どのようにしてこれまでの授業の在り方を改善していくべきかを,各学校や教師が考える必要がある。  また,選挙権年齢及び成年年齢が 18 歳に引き下げられ,生徒にとって政治や社会が一層身近なものとなる中,高等学校においては,生徒一人一人に社会で求められる資質・能力を育み,生涯にわたって探究を深める未来の創り手として送り出していくことが,これまで以上に重要となっている。「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善(アクティブ・ラーニングの視点に立った授業改善)とは,我が国の優れた教育実践に見られる普遍的な視点を学習指導要領に明確な形で規定したものである。  今回の改訂では,主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を進める際の指導上の配慮事項を総則に記載するとともに,各教科等の「第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い」等において,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通して,その中で育む資質・能力の育成に向けて,主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を進めることを示した。  その際,以下の点に留意して取り組むことが重要である。①授業の方法や技術の改善のみを意図するものではなく,生徒に目指す資質・能力を育むために「主体的な学び」,「対話的な学び」,「深い学び」の視点で,授業改善を進めるものであること。②各教科等において通常行われている学習活動(言語活動,観察・実験,問題解決的な学習など)の質を向上させることを主眼とするものであること。③1回1回の授業で全ての学びが実現されるものではなく,単元や題材など内容や時間のまとまりの中で,学習を見通し振り返る場面をどこに設定するか,グループなどで対話する場面をどこに設定するか,生徒が考える場面と教師が教える場面とをどのように組み立てるかを考え,実現を図っていくものであること。④深い学びの鍵として「見方・考え方」を働かせることが重要になること。各教科等の「見方・考え方」は,「どのような視点で物事を捉え,どのような考え方で思考し ていくのか」というその教科等ならではの物事を捉える視点や考え方である。各教科等を学ぶ本質的な意義の中核をなすものであり,教科等の学習と社会をつなぐものであることから,生徒が学習や人生において「見方・考え方」を自在に働かせることができるようにすることにこそ,教師の専門性が発揮されることが求められること。⑤基礎的・基本的な知識及び技能の習得に課題がある場合には,それを身に付けさせるために,生徒の学びを深めたり主体性を引き出したりといった工夫を重ねながら,確実な習得を図ることを重視すること。 ##### (4) 各学校におけるカリキュラム・マネジメントの推進  各学校においては,教科等の目標や内容を見通し,特に学習の基盤となる資質・能力(言語能力,情報活用能力(情報モラルを含む。以下同じ。),問題発見・解決能力等)や現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力の育成のために教科等横断的な学習を充実することや,主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を単元や題材など内容や時間のまとまりを見通して行うことが求められる。これらの取組の実現のためには,学校全体として,生徒や学校,地域の実態を適切に把握し,教育内容や時間の配分,必要な人的・物的体制の確保,教育課程の実施状況に基づく改善などを通して,教育活動の質を向上させ,学習の効果の最大化を図るカリキュラム・マネジメントに努めることが求められる。  このため,総則において,「生徒や学校,地域の実態を適切に把握し,教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科等横断的な視点で組み立てていくこと,教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと,教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくことなどを通して,教育課程に基づき組織的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向上を図っていくこと(以下「カリキュラム・マネジメント」という。)に努める」ことについて新たに示した。 ##### (5) 教育内容の主な改善事項  このほか,言語能力の確実な育成,理数教育の充実,伝統や文化に関する教育の充実,道徳教育の充実,外国語教育の充実,職業教育の充実などについて,総則や各教科・科目等(各教科・科目,総合的な探究の時間及び特別活動をいう。以下同じ。)において,その特質に応じて内容やその取扱いの充実を図った。 ### 第2節 改訂の要点 #### 1 学校教育法施行規則改正の要点 高等学校の教育課程を構成する領域等,各教科・科目の編成,卒業までに修得すべき単位数等については,学校教育法施行規則第6章に規定している。今回の改訂では,各学科に共通する教科として「理数」を新設したほか,別表第3に掲げられている各教科に属する科目の見直しを行った。また,総合的な学習の時間について,より探究的な活動を重視する視点から位置付けを明確にするため,総合的な学習の時間を「総合的な探究の時間」に改めた(学校教育法施行規則の一部を改正する省令(平成30年文部科学省令第13号))。 #### 2 前文の趣旨及び要点 学習指導要領等については,時代の変化や子供たちの状況,社会の要請等を踏まえ,これまでおおよそ10年ごとに改訂を行ってきた。今回の改訂は,本解説第1章第1節2で述べた基本方針の下に行っているが,その理念を明確にし,社会で広く共有されるよう新たに前文を設け,次の事項を示した。 ##### (1) 教育基本法に規定する教育の目的や目標とこれからの学校に求められること  学習指導要領は,教育基本法に定める教育の目的や目標の達成のため,学校教育法に基づき国が定める教育課程の基準であり,いわば学校教育の「不易」として,平成18年の教育基本法の改正により明確になった教育の目的及び目標を明記した。  また,これからの学校には,急速な社会の変化の中で,一人一人の生徒が自分のよさや可能性を認識できる自己肯定感を育むなど,持続可能な社会の創り手となることができるようにすることが求められることを明記した。 ##### (2) 「社会に開かれた教育課程」の実現を目指すこと  教育課程を通して,これからの時代に求められる教育を実現していくためには,よりよい学校教育を通してよりよい社会を創るという理念を学校と社会とが共有することが求められる。  そのため,それぞれの学校において,必要な学習内容をどのように学び,どのような資質・能力を身に付けられるようにするのかを教育課程において明確にしながら,社会との連携及び協働によりその実現を図っていく,「社会に開かれた教育課程」の実現が重要となることを示した。 ##### (3) 学習指導要領を踏まえた創意工夫に基づく教育活動の充実  学習指導要領は,公の性質を有する学校における教育水準を全国的に確保することを目的に,教育課程の基準を大綱的に定めるものであり,それぞれの学校は,学習指導要領を踏まえ,各学校の特色を生かして創意工夫を重ね,長年にわたり積み重ねられてきた教育実践や学術研究の蓄積を生かしながら,生徒や地域の現状や課題を捉え,家庭や地域社会と協力して,教育活動の更なる充実を図っていくことが重要であることを示した。 #### 3 総則改正の要点 総則については,今回の改訂の趣旨が教育課程の編成や実施に生かされるようにする観点から構成及び内容の改善を図っている。 ##### (1) 総則改正の基本的な考え方  今回の改訂における総則の改善は,①資質・能力の育成を目指す主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を進める,②カリキュラム・マネジメントの充実を図る,③生徒の発達の支援,家庭や地域との連携・協働等を重視するといった基本的な考 え方に基づき行った。これらの考え方は今回の学習指導要領全体に通底するものであり,改訂の趣旨が教育課程の編成及び実施に生かされるようにする観点から,総則において特に重視しているものである。①資質・能力の育成を目指す主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善・学校教育を通して育成を目指す資質・能力を「知識及び技能」,「思考力,判断力,表現力等」,「学びに向かう力,人間性等」に再整理し,それらがバランスよく育まれるよう改善した。・言語能力,情報活用能力,問題発見・解決能力等の学習の基盤となる資質・能力や,現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力が教科等横断的な視点に基づ き育成されるよう改善した。・資質・能力の育成を目指し,主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善が推進されるよう改善した。・言語活動や体験活動,ICT 等を活用した学習活動等を充実するよう改善した。②カリキュラム・マネジメントの充実・カリキュラム・マネジメントの実践により,校内研修の充実等が図られるよう,章立てを改善した。 ・ 生徒の実態等を踏まえて教育の内容や時間を配分し,授業改善や必要な人的・物的資源の確保などの創意工夫を行い,組織的・計画的な教育の質的向上を図るカリキュラム・マネジメントを推進するよう改善した。③生徒の発達の支援,家庭や地域との連携・協働・生徒一人一人の発達を支える視点から,ホームルーム経営や生徒指導,キャリア教育の充実について示した。 ・障害のある生徒や海外から帰国した生徒,日本語の習得に困難のある生徒,不登校の生徒など,特別な配慮を必要とする生徒への指導と教育課程の関係について示した。 ・教育課程外の学校教育活動である部活動について,教育課程との関連が図られるようにするとともに,持続可能な運営体制が整えられるようにすることを示した。 ・教育課程の実施に当たり,家庭や地域と連携・協働していくことを示した。 ##### (2) 構成の大幅な見直しと内容の主な改善事項  今回の改訂においては,カリキュラム・マネジメントの実現に資するよう,総則の構成を大幅に見直した。すなわち,各学校における教育課程の編成や実施等に関する流れを踏まえて総則の項目立てを改善することで,校内研修等を通じて各学校がカリキュラム・マネジメントを円滑に進めていくことができるようにしている。 上記の観点から,総則は以下のとおりの構成としている。 第1款 高等学校教育の基本と教育課程の役割 第2款 教育課程の編成 第3款 教育課程の実施と学習評価 第4款 単位の修得及び卒業の認定 第5款 生徒の発達の支援 第6款 学校運営上の留意事項 第7款 道徳教育に関する配慮事項 それぞれの款の内容及び主な改善事項を以下に示す。 ①高等学校教育の基本と教育課程の役割(第1章総則第1款)  従前,「教育課程編成の一般方針」として規定していた内容を再整理し,教育課程編成の原則(第1章総則第1款1)を示すとともに,生徒に生きる力(確かな学力, 豊かな心,健やかな体)を育む各学校の特色ある教育活動の展開(第1章総則第1款2),育成を目指す資質・能力(第1章総則第1款3),就業やボランティアに関わる体験的な学習の指導(第1章総則第1款4),カリキュラム・マネジメントの充実 (第1章総則第1款5)について示している。  今回の改訂における主な改善事項としては,育成を目指す資質・能力を,①知識及び技能,②思考力,判断力,表現力等,③学びに向かう力,人間性等の三つの柱で整理したこと,各学校が教育課程に基づき組織的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向上を図るカリキュラム・マネジメントの充実について明記したことが挙げられる。これは,今回の改訂全体の理念とも深く関わるものである。  なお,就業やボランティアに関わる体験的な学習の指導については,従前同様適切に行うこととし,それらを通じて,「勤労の尊さ」,「創造することの喜び」の体得,「望ましい勤労観,職業観」の育成,「社会奉仕の精神」の涵かん養を図ることとしている。 ②教育課程の編成(第1章総則第2款)  各学校の教育目標と教育課程の編成(第1章総則第2款1),教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成(第1章総則第2款2),教育課程の編成における共通的事項(第1章総則第2款3),学校段階等間の接続(第1章総則第2款4),通信制の課程における教育課程の特例(第1章総則第2款5)について示している。  主な改善事項を以下に示す。 ア 各学校の教育目標と教育課程の編成(第1章総則第2款1)  本項は,今回新たに加えたものである。各学校における教育課程の編成に当たって重要となる各学校の教育目標を明確に設定すること,教育課程の編成についての基本的な方針を家庭や地域と共有すべきこと,各学校の教育目標を設定する際に総 合的な探究の時間について各学校の定める目標との関連を図ることについて規定している。 イ 教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成(第1章総則第2款2)  本項も,今回新たに加えたものである。生徒に「生きる力」を育むことを目指して教育活動の充実を図るに当たっては,言語能力,情報活用能力,問題発見・解決能力等の学習の基盤となる資質・能力や,現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力を教科等横断的に育成することが重要であることを示している。 ウ 教育課程の編成における共通的事項(第1章総則第2款3)  各教科・科目及び単位数等,各教科・科目の履修等,各教科・科目等の授業時数等など,教育課程の編成において共通して留意すべき既存の規定を再整理してまとめて示すなどの構成の改善を図っている。  今回の改訂では,「共通性の確保」と「多様性への対応」を軸に,高等学校において育成を目指す資質・能力を踏まえて教科・科目等の構成の見直しを図っている。一方で,標準単位数の範囲内で合計が最も少なくなるように履修した際の必履修教科・科目の単位数の合計(35 単位)や専門学科(専門教育を主とする学科をいう。以下同じ。)において全ての生徒に履修させる専門教科・科目(第1章総則第2款3(1)ウの表に掲げる各教科・科目,同表に掲げる教科に属する学校設定科目及び専門教育に関する学校設定教科に関する科目をいう。以下同じ。)の単位数の下限(25 単位)については従前と変更しておらず,高等学校において共通に履修しておくべき内容は,引き続き担保しているところである。 エ 学校段階等間の接続(第1章総則第2款4)  本項は,今回新たに加えたものである。初等中等教育全体を見通しながら,教育課程に基づく教育活動を展開する中で,生徒に求められる資質・能力がバランスよく育まれるよう,卒業後の進路を含めた学校段階等間の接続について明記したものである。 オ 通信制の課程における教育課程の特例(第1章総則第25)  通信制の課程については,通信制の課程の教育方法が全日制・定時制の課程と異なることから,従前から特例が定められていたところである。  今回の改訂では,添削指導の充実に向けた留意事項やメディア学習によって面接指導時間を減免する際の具体的な留意事項等を明記し,通信制の課程における教育の質の向上を図っている。 ③教育課程の実施と学習評価(第1章総則第3款)  各学校におけるカリキュラム・マネジメントの充実のためには,教育課程の編成のみならず,実施,評価,改善の過程を通じて教育活動を充実していくことが重要である。  今回の改訂においては,カリキュラム・マネジメントに資する観点から,教育課程の実施及び学習評価について独立して項目立てを行い,主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善(第1章総則第3款1)及び学習評価の充実(第1章総則第3 款2)について規定している。  主な改善事項を以下に示す。 ア 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善(第1章総則第3款1)  今回の改訂では,育成を目指す資質・能力を確実に育むため,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通しながら,生徒の主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を行うことを明記した。加えて,言語環境の整備と言語活動の充実,コンピュータ等や教材・教具の活用,見通しを立てたり振り返ったりする学習活動,体験活動,学校図書館,地域の公共施設の利活用について,各教科・科目等の指導に当たっての配慮事項として整理して示している。 イ 学習評価の充実(第1章総則第3款2)  学習評価は,学校における教育活動に関し,生徒の学習状況を評価するものである。生徒の学習の成果を的確に捉え,教師が指導の改善を図るとともに,生徒自身が自らの学習を振り返って次の学習に向かうことができるためにも,学習評価の在 り方は重要であり,教育課程や学習・指導方法の改善と一貫性のある取組を進めることが求められる。今回の改訂においては,こうした点を踏まえ,学習評価に関する記載を充実している。 ④単位の修得及び卒業の認定(第1章総則第4款)  生徒に卒業までに修得させる単位数(74 単位以上)や課程の修了の認定等については,従前どおりとしている。  なお,学校教育法施行規則等においては,学校外における学修等について単位認定を可能とする制度が設けられており,それらの制度についても適切な運用がなされるよう,本解説第5章に説明を加えている。 ⑤生徒の発達の支援(第1章総則第5款)  今回の改訂においては,生徒の発達の支援の観点から,従前の規定を再整理して独立して項目立てを行うとともに,記載の充実を図っている。具体的には,生徒の発達を支える指導の充実及び特別な配慮を必要とする生徒への指導について規定しているところである。  主な改善事項を以下に示す。 ア 生徒の発達を支える指導の充実(第1章総則第5款1)  生徒一人一人の発達を支える視点から,ホームルーム経営や生徒指導,キャリア教育の充実と教育課程との関係について明記するとともに,個に応じた指導の充実に関する記載を充実した。 イ 特別な配慮を必要とする生徒への指導(第1章総則第5款2)  障害のある生徒などへの指導,海外から帰国した生徒などの学校生活への適応や,日本語の習得に困難のある生徒への指導,不登校生徒への配慮など,特別な配慮を必要とする生徒への対応について明記した。 ⑥学校運営上の留意事項(第1章総則第6款)  各学校におけるカリキュラム・マネジメントの充実に資するよう,「教育課程を実施するに当たって何が必要か」という観点から,教育課程の改善と学校評価,教育課程外の活動との連携等(第1章総則第6款1),家庭や地域社会との連携及び協働と 学校間の連携(第1章総則第6款2)について記載を充実している。  具体的には,教育課程の編成及び実施に当たっての各分野における学校の全体計画等との関連,教育課程外の学校教育活動(特に部活動)と教育課程の関連,教育課程の実施に当たっての家庭や地域との連携・協働について記載を充実している。 ⑦道徳教育に関する配慮事項(第1章総則第7款)  小・中学校学習指導要領総則と同様に,道徳教育の充実の観点から,高等学校における道徳教育推進上の配慮事項を第7款としてまとめて示すこととした。  詳細は,次節に記載している。 ### 第3節 道徳教育の充実 #### 1 高等学校における道徳教育に係る改訂の基本方針と要点 ##### (1) 改訂の基本方針  今回の改訂は,平成28年12月の中央教育審議会の答申を踏まえ,次のような方針の下で行った。  高等学校における道徳教育は人間としての在り方生き方に関する教育として,学校の教育活動全体を通じて行うというこれまでの基本的な考え方は今後も引き継ぐとともに,各学校や生徒の実態に応じて重点化した道徳教育を行うために,校長の方針の下, 高等学校において道徳教育推進を主に担当する教師(以下「道徳教育推進教師」という。)を新たに位置付けた。  また,高等学校の道徳教育の目標等については,先に行われた小学校及び中学校学習指導要領の改訂を踏まえつつ,学校の教育活動全体を通じて,答えが一つではない課題に誠実に向き合い,それらを自分のこととして捉え,他者と協働しながら自分の答えを見いだしていく思考力,判断力,表現力等や,これらの基になる主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度の育成が求められていることに対応し,公民科に新たに設けられた「公共」及び「倫理」並びに特別活動を,人間としての在り方生き方に関する教育を通して行う高等学校の道徳教育の中核的な指導の場面として関連付けるなど改善を行った。 ##### (2) 改訂の要点  今回の高等学校学習指導要領においては,総則の中で,道徳教育に関連して以下のとおり改善を図っている。 ア 高等学校教育の基本と教育課程の役割  道徳教育の目標について,「人間としての在り方生き方を考え,主体的な判断の下に行動し,自立した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる道徳性を養うこと」と簡潔に示した。また,道徳教育を進めるに当たっての留意事項として,道徳教育の目標を達成するための諸条件を示しながら「主体性のある日本人の育成に資することとなるよう特に留意すること」とした。また,第1章総則第7款を新たに設け,小・中学校と同様に,道徳教育推進上の配慮事項を示した。 イ 道徳教育に関する配慮事項  学校における道徳教育は,教育活動全体を通じて行うものであることから,その配慮事項を以下のように付け加えた。 (ア) 道徳教育は,学校の教育活動全体で行うことから,全体計画の作成においては,校長の方針の下に,道徳教育推進教師を中心に,全教師が協力して道徳教育を行うこと。その際,公民科の「公共」及び「倫理」並びに特別活動が,人間としての在り方生き方に関する中核的な指導の場面であることを示した。 (イ) 各学校において指導の重点化を図るために,高等学校において道徳教育を進めるに当たっての配慮事項を示した。 (ウ) 就業体験活動やボランティア活動,自然体験活動,地域の行事への参加などの豊かな体験の充実とともに,道徳教育がいじめの防止や安全の確保等に資するよう留意することを示した。 (エ) 学校の道徳教育の全体計画や道徳教育に関する諸活動などの情報を積極的に公表すること,家庭や地域社会との共通理解を深めることを示した。 ## 第2章 教育課程の基準 ### 第1節 教育課程の意義 教育課程は,日々の指導の中でその存在があまりにも当然のこととなっており,その意義が改めて振り返られる機会は多くはないが,各学校の教育活動の中核として最も重要な役割を担うものである。教育課程の意義については様々な捉え方があるが,学校において編成する教育課程については,学校教育の目的や目標を達成するために,教育の内容を生徒の心身の発達に応じ,授業時数との関連において総合的に組織した各学校の教育計画であると言うことができ,その際,学校の教育目標の設定,指導内容の組織及び授業時数の配当が教育課程の編成の基本的な要素になってくる。学校教育の目的や目標は教育基本法及び学校教育法に示されている。まず,教育基本法においては,教育の目的(第1条)及び目標(第2条)とともに,学校教育の基本的役割(第6条第2項)が定められている。これらの規定を踏まえ,学校教育法においては,高等学校の目的(第 50 条)及び目標(第 51 条)に関する規定がそれぞれ置かれている。これらの規定を踏まえ,学校教育法施行規則においては,各学科に共通する各教科として,国語,地理歴史,公民,数学,理科,保健体育,芸術,外国語,家庭,情報及び理数を,主として専門学科において開設される各教科として,農業,工業,商業,水産,家庭,看護,情報,福祉,理数,体育,音楽,美術及び英語を示しており,これらの教科並びに総合的な探究の時間及び特別活動によって教育課程を編成することとしている。各学校においては,こうした法令で定められている教育の目的や目標などに基づき,生徒や学校,地域の実態に即し,学校教育全体や各教科等の指導を通して育成を目指す資質・能力を明確にすること(第1章総則第1款3)や,各学校の教育目標を設定(第1章総則第2款1)することが求められ,それらを実現するために必要な各教科・科目等の教育の内容を,教科等横断的な視点をもちつつ,各教科・科目等の相互の関連を図りながら組織する必要がある。授業時数は,教育の内容との関連において定められるべきものであるが,学校教育は一定の時間内において行わなければならないので,教育の内容とどのように組み合わせて効果的に配当するかは,教育課程の編成上重要な要素になってくる。高等学校の各教科・科目は,小・中学校の各教科のように,標準授業時数を学校教育法施行規則に定めているのではなく,単位制を採用して,1単位の算定に必要な一定の単位時間数,すなわち1単位当たりの授業時数を定めている。したがって,高等学校の各教科・科目及び総合的な探究の時間における授業時数の配当に当たっては,その標準単位数等に基づいて,内容との関連を踏まえつつ,具体的な単位数を配当することが重要である。各学校においては,以上のことを踏まえ,教育基本法や学校教育法をはじめとする教育課程に関する法令に従い,学校教育全体や各教科・科目等の目標やねらいを明確にし,そ れらを実現するために必要な教育の内容を,教科等横断的な視点をもちつつ,各教科・科目等の相互の関連を図りながら,授業時数との関連において総合的に組織していくことが求められる。こうした教育課程の編成は,第1章総則第1款5に示すカリキュラム・マネジメントの一環として行われるものであり,総則の項目立てについては,各学校における教育課程の編成や実施等に関する流れを踏まえて,①高等学校教育の基本と教育課程の役割(第1章総則第1款),②教育課程の編成(第1章総則第2款),③教育課程の実施と学習評価(第1章総則第3款),④単位の修得及び卒業の認定(第1章総則第4款),⑤生徒の発達の支援(第1章総則第5款),⑥学校運営上の留意事項(第1章総則第6款),⑦道徳教育に関する配慮事項(第1章総則第7款)としているところである。 ### 第2節 教育課程に関する法制 #### 1 教育課程とその基準 学校教育が組織的,継続的に実施されるためには,学校教育の目的や目標を設定し,その達成を図るための教育課程が編成されなければならない。高等学校は義務教育ではないが,公の性質を有する(教育基本法第6条第1項)ものであるから,全国的に一定の教育水準を確保し,全国どこにおいても同水準の教育を受ける ことのできる機会を国民に保障することが要請される。このため,高等学校教育の目的や目標を達成するために各学校において編成,実施される教育課程について,国として一定の基準を設けて,ある限度において国全体としての統一性を保つことが必要となる。一方,教育は,その本質からして生徒の心身の発達の段階や特性及び学校や地域の実態に応じて効果的に行われることが大切であり,また,各学校において教育活動を効果的に展開するためには,学校や教師の創意工夫に負うところが大きい。このような観点から,学習指導要領は,法規としての性格を有するものとして,教育の内容等について必要かつ合理的な事項を大綱的に示しており,各学校における指導の具体化については,学校や教職員の裁量に基づく多様な創意工夫を前提としている。前文にお いて,「学習指導要領とは,こうした理念の実現に向けて必要となる教育課程の基準を大綱的に定めるものである。学習指導要領が果たす役割の一つは,公の性質を有する学校における教育水準を全国的に確保することである。また,各学校がその特色を生かして創意工夫を重ね,長年にわたり積み重ねられてきた教育実践や学術研究の蓄積を生かしながら,生徒や地域の実態や課題を捉え,家庭や地域社会と協力して,学習指導要領を踏まえた教育活動の更なる充実を図っていくことも重要である」としているのも,こうした観点を反映したものである。具体的には,全ての生徒に対して指導するものとして学習指導要領に示している内容を 確実に指導した上で,生徒の学習状況などその実態等に応じて必要がある場合には,各学校の判断により,学習指導要領に示していない内容を加えて指導することも可能である(学習指導要領の「基準性」)。また,これまでどおり学校設定教科・科目を設けたり,授業の1単位時間を弾力的に運用したりすることを可能としていること,総合的な探究の時間における各学校の創意工夫を重視していることなどにも変更はない。各学校においては,国として統一性を保つために必要な限度で定められた基準に従いな がら,創意工夫を加えて,生徒や学校,地域の実態に即した教育課程を責任をもって編成,実施することが必要である。また,教育委員会等の設置者は,それらの学校の主体的な取組を支援していくことに重点を置くことが大切である。 #### 2 教育課程に関する法令 我が国の学校制度は,日本国憲法の精神にのっとり,学校教育の目的や目標及び教育課程について,法令で種々の定めがなされている。 ##### (1) 教育基本法  教育の目的(第1条),教育の目標(第2条),生涯学習の理念(第3条),教育の機会均等(第4条),義務教育(第5条),学校教育(第6条),私立学校(第8条),教員(第9条),幼児期の教育(第11条),学校,家庭及び地域住民等の相互の連携協力(第13条),政治教育(第14条),宗教教育(第15条),教育行政(第16条),教育振興基本計画(第17条)などについて定められている。 ##### (2) 学校教育法,学校教育法施行規則  学校教育法では,教育基本法における教育の目的及び目標並びに義務教育の目的に関する規定を踏まえ,義務教育の目標が 10 号にわたって規定されている(第 21 条)。その上で,高等学校の目的について「中学校における教育の基礎の上に,心身の発達及び進路に応じて,高度な普通教育及び専門教育を施す」(第 50 条)とするとともに,高等学校教育の目標について次のように定められている。学校教育法第 51 条 高等学校における教育は,前条に規定する目的を実現するため,次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。 一 義務教育として行われる普通教育の成果を更に発展拡充させて,豊かな人間性,創造性及び健やかな身体を養い,国家及び社会の形成者として必要な資質を養うこと。 二 社会において果たさなければならない使命の自覚に基づき,個性に応じて将来の進路を決定させ,一般的な教養を高め,専門的な知識,技術及び技能を習得させること。 三 個性の確立に努めるとともに,社会について,広く深い理解と健全な批判力を養い,社会の発展に寄与する態度を養うこと。  また,第 62 条の規定により高等学校に準用される第 30 条第2項は,「前項の場合においては,生涯にわたり学習する基盤が培われるよう,基礎的な知識及び技能を習得させるとともに,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力その他の能力をはぐくみ,主体的に学習に取り組む態度を養うことに,特に意を用いなければならない。」と規定している。更に,これらの規定に従い,文部科学大臣が高等学校の教育課程の基準を定めることになっている(第 52 条)。  なお,教育基本法第2条(教育の目標)及び学校教育法第 51 条(高等学校教育の目2 教育課程に関する法令標)は,いずれも「目標を達成するよう行われるものとする。」と規定している。これらは,生徒が目標を達成することを義務付けるものではないが,教育を行う者は「目標を達成するよう」に教育を行う必要があることに留意する必要がある。  この学校教育法の規定に基づいて,文部科学大臣は,学校教育法施行規則において,高等学校の教育課程に関するいくつかの基準を定めている。すなわち,高等学校の教育課程は,各教科に属する科目,総合的な探究の時間及び特別活動によって編成すること(第 83 条),各教科に属する科目の種類(別表第3)及び卒業に必要な修得単位数(第96 条)を定めている。これらの定めのほか,高等学校の教育課程については,教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する高等学校学習指導要領によらなければならないこと(第 84 条)を定めている。 ##### (3) 学習指導要領  学校教育法第 52 条及び学校教育法施行規則第 84 条の規定に基づいて,文部科学大臣は高等学校学習指導要領を告示という形式で定めている。学校教育法施行規則第 84 条が「高等学校の教育課程については,この章に定めるもののほか,教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する高等学校学習指導要領によるものとする」と示しているように,学習指導要領は,高等学校教育について一定の水準を確保するために法令に基づいて国が定めた教育課程の基準であるので,各学校の教育課程の編成及び実施に当たっては,これに従わなければならないものである。  前述のとおり,学習指導要領は「基準性」を有することから,全ての生徒に対して指導するものとして学習指導要領に示している内容を確実に指導した上で,生徒の学習状況などその実態等に応じて必要がある場合には,各学校の判断により,学習指導要領に示していない内容を加えて指導することも可能である(第1章総則第2款3(5)ア)。また,各教科等の指導の順序について適切な工夫を行うこと(第1章総則第2款3(5)イ)や,授業の1単位時間の設定を弾力的に行うこと(第1章総則第2款3(3)キ),総合的な探究の時間において目標や内容を各学校で定めることなど,学校や教職員の創意工夫が重視されているところである。  今回の改訂においては,後述するとおり,各教科・科目等の目標や内容について,第1章総則第1款3(1)から(3)までに示す,資質・能力の三つの柱に沿って再整理している。この再整理は,各教科・科目等において示す目標,内容等の範囲に影響を及ぼすものではなく,それらを資質・能力の観点から改めて整理し直したものである。したがって各教科・科目等の目標,内容等が中核的な事項にとどめられていること,各学校の創意工夫を加えた指導の展開を前提とした大綱的なものとなっていることは従前と同様である。 ##### (4) 地方教育行政の組織及び運営に関する法律  公立の高等学校においては,以上のほか,地方教育行政の組織及び運営に関する法律による定めがある。すなわち,教育委員会は,学校の教育課程に関する事務を管理,執行し(第 21 条第5号),法令又は条例に違反しない限度において教育課程について必要な教育委員会規則を定めるものとする(第 33 条第1項)とされている。この規定に基づいて,教育委員会が教育課程について規則などを設けている場合には,学校はそれに従って教育課程を編成しなければならない。  私立の高等学校においては,学校教育法(第 62 条の規定により高等学校に準用される第 44 条)及び私立学校法(第4条)の規定により,都道府県知事が所轄庁であり,教育課程を改める際には都道府県知事に対して学則変更の届出を行うこととなっている (学校教育法施行令第 27 条の2)。また,地方教育行政の組織及び運営に関する法律(第27 条の5)の規定により,都道府県知事が私立学校に関する事務を管理,執行するに当たり,必要と認めるときは,当該都道府県の教育委員会に対し,学校教育に関する専 門的事項について助言又は援助を求めることができる。  各学校においては,以上の法体系の全体を理解して教育課程の編成及び実施に当たっていくことが求められる。 ## 第3章 教育課程の編成 ### 第1節 高等学校教育の基本と教育課程の役割 #### 教育課程編成の原則(第1章総則第1款1) 1 各学校においては,教育基本法及び学校教育法その他の法令並びにこの章以下に示すところに従い,生徒の人間として調和のとれた育成を目指し,生徒の心身の発達の段階や特性等,課程や学科の特色及び学校や地域の実態を十分考慮して,適切な教育課程を編成するものとし,これらに掲げる目標を達成するよう教育を行うものとする。 ##### (1) 教育課程の編成の主体  教育課程の編成主体については,第1章総則第1款1において「各学校においては,…適切な教育課程を編成するものとし」と示している。また,第1章総則第1款2では,学校の教育活動を進めるに当たっては,各学校において「創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する」ことが示されており,教育課程編成における学校の主体性を発揮する必要性が強調されている。  学校において教育課程を編成するということは,学校教育法において「校長は,校務をつかさどり,所属職員を監督する。」(第 62 条の規定により高等学校に準用される第37 条第 4 項)と規定されていることから,学校の長たる校長が責任者となって編成す るということである。これは権限と責任の所在を示したものであり,学校は組織体であるから,教育課程の編成作業は,当然ながら全教職員の協力の下に行わなければならな い。総合的な探究の時間をはじめとして,創意工夫を生かした教育課程を各学校で編成することが求められており,教科や学年等の枠を超えて教師同士が連携協力することがますます重要となっている。  各学校には,校長,副校長,教頭のほかに教務主任をはじめとして各主任等が置かれ,それらの担当者を中心として全教職員がそれぞれ校務を分担処理している。各学校の教育課程は,これらの学校の運営組織を生かし,各教職員がそれぞれの分担に応じて十分研究を重ねるとともに教育課程全体のバランスに配慮しながら,創意工夫を加えて編成することが大切である。また,校長は,学校全体の責任者として指導性を発揮し,家庭や地域社会との連携を図りつつ,学校として統一のある,しかも一貫性をもった教育課程の編成を行うように努めることが必要である。 ##### (2) 教育課程の編成の原則  本項が規定する「これらに掲げる目標」とは,学習指導要領を含む教育課程に関する法令及び各学校が編成する教育課程が掲げる目標を指すものである。また,「目標を達成するよう教育を行うものとする」の規定は,前述のとおり,教育基本法第2条(教育の目標),学校教育法第 51 条(高等学校教育の目標)が,いずれも「目標を達成するよう行われるものとする」と規定していることを踏まえたものであり,生徒が目標を達成することを義務付けるものではないが,教育を行う者は,これらに掲げる目標を達成するように教育を行う必要があることを示したものである。  本項は,そうした教育を行うための中核となる教育課程を編成するに当たって,次の5点が編成の原則となることを示している。 ア 教育基本法及び学校教育法その他の法令並びに学習指導要領の示すところに従うこと  学校において編成される教育課程については,公教育の立場から,本解説第2章第2節において説明したとおり法令により種々の定めがなされている。本項が規定する「教育基本法及び学校教育法その他の法令」とは,教育基本法,学校教育法,学校教育法施行規則,地方教育行政の組織及び運営に関する法律等の法令であり,各学校においては,これらの法令に従って編成しなければならない。  なお,学校における政治教育及び宗教教育については,教育基本法に次のように規定されているので,各学校において教育課程を編成,実施する場合にも当然これらの規定に従わなければならない。  教育基本法 (政治教育) 第14条 良識ある公民として必要な政治的教養は,教育上尊重されなければならない。 2 法律に定める学校は,特定の政党を支持し,又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。(宗教教育) 第15条 宗教に関する寛容の態度,宗教に関する一般的な教養及び宗教の社会生活における地位は,教育上尊重されなければならない。 2 国及び地方公共団体が設置する学校は,特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動をしてはならない。  次に,本項に規定する「この章以下に示すところ」とは,言うまでもなく学習指導要領を指している。  学習指導要領は,学校教育法第 52 条を受けた学校教育法施行規則第 84 条において「高等学校の教育課程については,この章に定めるもののほか,教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する高等学校学習指導要領によるものとする。」と示しているように,法令上の根拠に基づいて定められているものである。したがって,学習指導要領は,国が定めた教育課程の基準であり,各学校における教育課程の編成及び実施に当たって基準として従わなければならない。  教育課程は,生徒の心身の発達の段階や特性等,課程や学科の特色及び学校や地域の実態を考慮し,教師の創意工夫を加えて学校が編成するものである。教育課程の基準もその点に配慮して定められているので,教育課程の編成に当たっては,法令や学習指導要領の内容について十分理解するとともに創意工夫を加え,学校の特色を生かした教育課程を編成することが大切である。 イ 生徒の人間として調和のとれた育成を目指すこと  前述アのとおり,学習指導要領は,法令上の根拠に基づいて国が定めた教育課程の基準であると同時に,その規定は大綱的なものであることから,学校において編成される教育課程は,生徒の心身の発達の段階や特性等,課程や学科及び学校や地域の実態を考慮し,創意工夫を加えて編成されるものである。教育課程の基準もその点に配慮して定められているので,各学校においては,校長を中心として全教職員が連携協力しながら,学習指導要領を含む教育課程に関する法令の内容について十分理解するとともに創意工夫を加え,学校として統一のあるしかも特色をもった教育課程を編成することが大切である。  本項が規定する「生徒の人間として調和のとれた育成を目指」すということは,まさに教育基本法や学校教育法の規定に根ざした学校教育の目的そのものであって,教育課程の編成もそれを目指して行わなければならない。学習指導要領総則においも,知・徳・体のバランスのとれた「生きる力」の育成(第1章総則第1款2)や, そのための知識及び技能の習得と,思考力,判断力,表現力等の育成,学びに向かう力,人間性等の涵かん養という,いわゆる資質・能力の三つの柱のバランスのとれた育成(第1章総則第1款3),中学校教育との接続や高等学校卒業以降の教育や職業との円滑な接続など学校段階等間の接続(第1章総則第2款4)など,生徒の発達の段階に応じた調和のとれた育成を重視していることに留意する必要がある。 ウ 生徒の心身の発達の段階や特性等を十分考慮すること  第1章総則第1款1においては,「各学校においては,…生徒の心身の発達の段階や特性等…を十分考慮して,適切な教育課程を編成する」と示している。これは,各学校において教育課程を編成する場合には,生徒の調和のとれた発達を図るという観点から,生徒の発達の段階と特性等を十分把握して,これを教育課程の編成に反映させることが必要であるということを強調したものである。  高等学校段階は,身体,生理面はもちろん,心身の全面にわたる発達が急激に進む時期である。また,義務教育の基礎の上に立って,自らの在り方生き方を考えさせ,将来の進路を選択する能力や態度を育成するとともに,社会についての認識を含め,興味・関心等に応じ将来の学問や職業の専門分野の基礎・基本の学習によって,個性の一層の伸長と自律を図ることが求められている。  これらを踏まえ,教育課程の編成に当たっては,生徒の一般的な発達の段階に即しながら,個々の生徒についての能力・適性,興味・関心や性格,更には進路などの違いにも注目していくことが大切である。各学校においては,生徒の発達の過程を的確に捉えるとともに,個々の生徒の特性等に適切に対応し,その一層の伸長を図るよう適切な教育課程を編成することが必要である。  なお,能力・適性,興味・関心や性格などの個人の属性を「特性」とし,進路や学習経験などそれ以外の事情と併せ「特性等」としている。 エ 課程や学科の特色を十分考慮すること  第1章総則第1款1においては,「各学校においては,…課程や学科の特色…を十分考慮して,適切な教育課程を編成する」と示している。  ここでいう「課程」とは,全日制の課程,定時制の課程及び通信制の課程並びに学年による教育課程の区分を設けるいわゆる学年制の課程及びその区分を設けない単位制による課程のことであり,「学科」とは,普通科,専門学科(農業科,工業科,商 業科,理数科,音楽科等)及び総合学科のことである。  もとより,高等学校教育としては,課程や学科の別を問わず,その目標とするところに変わりはないが,教育課程としては,必履修教科・科目の履修や卒業に必要な74 単位以上の修得を共通の基礎要件とし,これに加えてそれぞれの課程や学科の特色を生かした教育を行うことを考えて編成する必要がある。  特に定時制の課程においては,勤労青年のほか,多様な入学動機をもつ者,生涯学習の一環で学ぶ者など,生徒の実態が多様化していることを踏まえ,各学年への各教科・科目の配当を弾力化するなどの教育課程編成上の工夫や,個に応じた指導を充実する観点から,学年による教育課程の区分を設けない単位制による課程の活用を進めるとともに,多様な学習の機会を確保していくため,実務代替等の自校以外の学習成果の単位認定制度の積極的な活用が望まれる。  通信制の課程については,様々な事情で毎日通学することが困難な生徒の学習の場を確保するため,教育・指導の充実を図っていくことが大切である。  学年による教育課程の区分を設けない単位制による課程については,多様な科目を開設し,選択幅の広い教育課程を編成するとともに,適切な科目の履修ができるよう,ガイダンスの機能の充実を図ることや,集団活動の機会の充実を図ることが必要である。  いわゆる学年制をとる学校についても,高等学校においては単位制が採用され,修得した各教科・科目及び総合的な探究の時間の単位数の合計が卒業までに必要な単位数を上回った場合に全課程の修了を認定することとしている趣旨を踏まえ,適切な教育課程の編成,実施が望まれる。  また,普通科においては,各学科に共通する各教科・科目(以下「共通教科・科目」という。)だけでなく,生徒の特性や進路等,学校や地域の実態を踏まえながら,専門教科・科目を適切に開設するなど,それぞれの生徒や学校の実態等に一層対応した教育課程の編成が求められる。専門学科は,産業の動向等に適切に対応できるよう,専門性の基礎・基本の教育に重点を置くとともに,実際的,体験的学習を重視し,産業界等との連携をより一層深めることが必要である。総合学科は,共通教科・科目及び専門教科・科目にわたる多様な科目の中から生徒が主体的に履修したい科目を選択でき,生徒の多様な興味・関心,進路希望等に応じた学習を可能にするという特質を生かした教育課程の編成が要請される。 オ 学校や地域の実態を十分考慮すること (ア) 学校の実態  学校規模,教職員の状況,施設設備の状況,生徒の実態などの人的又は物的な体制の実態は学校によって異なっている。  教育課程の編成は,第1章総則第1款5に示すカリキュラム・マネジメントの一環として,このような学校の体制の実態が密接に関連してくるものであり,教育活動の質の向上を組織的かつ計画的に図っていくためには,これらの人的又は物的な体制の実態を十分考慮することが必要である。そのためには,特に,生徒の特性や教職員の構成,教師の指導力,教材・教具の整備状況,地域住民による連携及び協働の体制に関わる状況などについて客観的に把握して分析し,教育課程の編成に生かすことが必要である。 (イ) 地域の実態  教育基本法第 13 条は「学校,家庭及び地域住民その他の関係者は,教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに,相互の連携及び協力に努めるものとする。」と規定している。また,学校教育法には「高等学校は,当該高等学校に関する保護者及び地域住民その他の関係者の理解を深めるとともに,これらの者との 連携及び協力の推進に資するため,当該高等学校の教育活動その他の学校運営の状況に関する情報を積極的に提供するものとする」と定められている(第 62 条の規定により高等学校に準用される第 43 条)。  これらの規定が示すとおり,学校は地域社会を離れては存在し得ないものであり,生徒は家庭や地域社会で様々な経験を重ねて成長している。  地域には,都市,農村,山村,漁村など生活条件や環境の違いがあり,産業,経済,文化等にそれぞれ特色をもっている。こうした地域社会の実態を十分考慮して教育課程を編成することが必要である。とりわけ,学校の教育目標や指導内容の選択に当たっては,地域の実態を考慮することが重要である。そのためには,地域社会の現状はもちろんのこと,歴史的な経緯や将来への展望など,広く社会の変化に注目しながら地域社会の実態を十分分析し検討して的確に把握することが必要である。また,地域の教育資源や学習環境(近隣の学校や大学,研究機関,社会教育施設,生徒の学習に協力することのできる人材等)の実態を考慮し,教育活動を計画することが必要である。  なお,学校における教育活動が学校の教育目標に沿って一層効果的に展開されるためには,家庭や地域社会と学校との連携を密にすることが必要である。すなわち,学校の教育方針や特色ある教育活動の取組,生徒の状況などを家庭や地域社会に説明し,理解を求め協力を得ること,学校が家庭や地域社会からの要望に応えることが重要であり,このような観点から,その積極的な連携を図り,相互の意思の疎通を図って,それを教育課程の編成,実施に生かしていくことが求められる。保護者や地域住民が学校運営に参画する学校運営協議会制度(コミュニティ・スクール)や,幅広い地域住民等の参画により地域全体で生徒の成長を支え地域を創生する地域学校協働活動等の推進により,学校と地域の連携・協働が進められてきているところであり,これらの取組を更に広げ,教育課程を介して学校と地域がつながることにより,地域でどのような生徒を育てるのか,何を実現していくのかという目標やビジョンの共有が促進され,地域とともにある学校づくりが一層効果的に進められていくことが期待される。以上,教育課程の編成の原則を述べてきたが,校長を中心として全教職員が共通理解を図りながら,学校として統一のあるしかも特色をもった教育課程を編成することが望まれる。 #### 2 生きる力を育む各学校の特色ある教育活動の展開(第1章総則第1款2) 2 学校の教育活動を進めるに当たっては,各学校において,第3款の1に示す主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して,創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で,次の(1)から(3)までに掲げる事項の実現を図り,生徒に生きる力を育むことを目指すものとする。本項は,学校の教育活動を進めるに当たっては,後述するとおり,第1章総則第3款1 に示す主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して,創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で,知・徳・体のバランスのとれた「生きる力」の育成を目指すことを示している。「生きる力」とは,平成8年7月の中央教育審議会答申「21 世紀を展望した我が国の教育の在り方について(第一次答申)」において,基礎・基本を確実に身に付け,いかに社会が変化しようと,自ら課題を見付け,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,行動し,よりよく問題を解決する資質や能力,自らを律しつつ,他人とともに協調し,他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性,たくましく生きるための健康や体力である旨,指摘されている。平成 21 年の改訂においては,新しい知識・情報・技術が社会のあらゆる領域で重要性を増す,いわゆる知識基盤社会において,確かな学力,豊かな心,健やかな体の調和を重視する「生きる力」を育むことがますます重要になっているという認識が示され,知・徳・体のバランスのとれた育成(教育基本法第2条第1号)や,基礎的な知識及び技能を2 生きる力を育む各学校の特色ある教育活動の展開(第1章総則第1款2) 習得させるとともに,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力その他の能力を育み,主体的に学習に取り組む態度を養うこと(学校教育法第 30 条第2項)など,教育基本法や学校教育法の規定に基づき,生徒に「生きる力」を育むことが重視されたところである。平成 28 年 12 月の中央教育審議会答申を受け,今回の改訂においては,情報化やグロー バル化といった社会的変化が,人間の予測を超えて加速度的に進展するようになってきていることを踏まえ,複雑で予測困難な時代の中でも,生徒一人一人が,社会の変化に受け身で対処するのではなく,主体的に向き合って関わり合い,自らの可能性を発揮し多様な他者と協働しながら,よりよい社会と幸福な人生を切り拓ひらき,未来の創り手となることができるよう,教育を通してそのために必要な力を育んでいくことを重視している。こうした力は,学校教育が長年その育成を目指してきた「生きる力」そのものであり,加速度的に変化する社会にあって「生きる力」の意義を改めて捉え直し,しっかりと発揮できるようにしていくことが重要となる。このため,本項において「生きる力」の育成を 掲げ,各学校の創意工夫を生かした特色ある教育活動を通して,生徒に確かな学力,豊かな心,健やかな体を育むことを目指すことを示している。なお,本項では(1)から(3)までにわたって,それぞれが確かな学力,豊かな心,健やかな体に対応する中心的な事項を示す項目となっているが,これらは学校教育を通じて,相互に関連し合いながら一体的に実現されるものであることに留意が必要である。(1) 確かな学力(第1章総則第1款2(1))(1)基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力等を育むとともに,主体的に学習に取り組む態度を養い,個性を生かし多様な人々との協働を促す教育の充実に努めるこ と。その際,生徒の発達の段階を考慮して,生徒の言語活動など,学習の基盤をつくる活動を充実するとともに,家庭との連携を図りながら,生徒の学習習慣が確立するよう配慮すること。  教育基本法第2条第1号は,教育の目的として「幅広い知識と教養を身に付け,真理を求める態度を養」うことを規定し,学校教育法第 62 条の規定により高等学校に準用される第 30 条第2項は,高等学校教育の実施に当たって,「生涯にわたり学習する基盤が培われるよう,基礎的な知識及び技能を習得させるとともに,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,表現力その他の能力をはぐくみ,主体的に学習に取り組む態度を養うことに,特に意を用いなければならない」と規定している。  本項は,こうした法令の規定を受け,生徒が確かな学力を身に付けることができるよう,基礎的・基本的な知識及び技能の習得と,思考力,判断力,表現力等の育成,主体的に学習に取り組む態度の涵かん養を目指す教育の充実に努めることを示している。加えて,変化が激しく予測困難な時代の中でも通用する確かな学力を身に付けるためには,自分のよさや可能性を認識して個性を生かしつつ,多様な他者を価値のある存在として尊重し,協働して様々な課題を解決していくことが重要であることから,学校教育法第30 条第2項に規定された事項に加えて,「個性を生かし多様な人々との協働を促す」ことを示している。  こうした知識及び技能の習得や,思考力,判断力,表現力等の育成,主体的に学習に取り組む態度,多様性や協働性の重視といった点は,第1章総則第1款3(1)から(3)までに示す資質・能力の三つの柱とも重なり合うものであることから,その詳細や資質・能力の三つの柱との関係については,本解説第3章第1節3において解説している。また,確かな学力の育成は,第1章総則第3款1に示すとおり,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通した,主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して実現が図られるものであり,そうした学習の過程の在り方については,本解説第4章第1節1において解説している。  本項においては,確かな学力の育成に当たって特に重要となる学習活動として,生徒の発達の段階を考慮して,まず「生徒の言語活動など,学習の基盤をつくる活動を充実 する」ことを示しており,学習の基盤となる資質・能力の育成については第1章総則第2款2(1)において,言語活動の充実については第1章総則第3款1(2)においてそれぞれ規定している。  加えて本項では,「家庭との連携を図りながら,生徒の学習習慣が確立するよう配慮すること」の重要性を示している。小・中・高等学校を通して学習習慣を確立することは,その後の生涯にわたる学習に影響する極めて重要な課題であることから,家庭との連携を図りながら,宿題や予習・復習など家庭での学習課題を適切に課したり,発達の段階に応じた学習計画の立て方や学び方を促したりするなど家庭学習も視野に入れた指導を行う必要がある。 (2) 豊かな心(第1章総則第1款2(2)) ① 豊かな心や創造性の涵かん 養(第1章総則第1款2(2)の1段目) (2) 道徳教育や体験活動,多様な表現や鑑賞の活動等を通して,豊かな心や創造性の涵かん養を目指した教育の充実に努めること。  教育基本法第2条第1号は,教育の目的として「豊かな情操と道徳心を培う」ことを規定しており,本項では,道徳教育や体験活動,多様な表現や鑑賞の活動等を通して,豊かな心や創造性の涵かん養を目指した教育の充実に努めることを示している。創造性とは,感性を豊かに働かせながら,思いや考えを基に構想し,新しい意味や価値を創造していく資質・能力であり,豊かな心の涵かん養と密接に関わるものであることから,本項において一体的に示している。  豊かな心や創造性の涵かん養は,第1章総則第3款1に示すとおり,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通した,主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して実現が図られるものであり,そうした学習の過程の在り方については,本解説第4章第1節1において解説している。  本項で示す教育活動のうち,道徳教育については次に示す②から④までの解説のとおりであり,体験活動については第1章総則第3款1(5)において示している。多様な表現や鑑賞の活動等については,芸術科における表現及び鑑賞の活動や,保健体育科における表現運動,特別活動における文化的行事等の充実を図るほか,各教科等における言語活動の充実(第1章総則第3款1(2))を図ることや,教育課程外の学校教育活動などと相互に関連させ,学校の教育活動全体として効果的に取り組むことも重要となる。 ②高等学校における道徳教育(第1章総則第1款2(2)の2段目)  学校における道徳教育は,人間としての在り方生き方に関する教育を学校の教育活動全体を通じて行うことによりその充実を図るものとし,各教科に属する科目(以下「各教科・科目」という。),総合的な探究の時間及び特別活動(以下「各教科・科目等」という。)のそれぞれの特質に応じて,適切な指導を行うこと。  道徳教育は人格形成の根幹に関わるものであり,同時に,民主的な国家・社会の持続的発展を根底で支えるものでもあることに鑑みると,生徒の生活全体に関わるものであり,学校で行われる全ての教育活動に関わるものである。  各教科,総合的な探究の時間及び特別活動にはそれぞれ固有の目標や特質があり,それらを重視しつつ教育活動が行われるが,それと同時にその全てが教育基本法第1条に規定する「人格の完成を目指し,平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成」を目的としている。したがって,それぞれの教育活動においても,その特質を生かし,生徒の一般的な発達の段階や個々人の特性等を適切に考慮しつつ,人格形成の根幹であると同時に,民主的な国家・社会の持続的発展を根底で支える道徳教育の役割をも担うことになる。  道徳教育は,豊かな心をもち,人間としての在り方生き方の自覚を促し,道徳性を育成することをねらいとする教育活動であり,社会の変化に主体的に対応して生きていくことができる人間を育成する上で重要な役割をもっている。今日の家庭や学校及び地域社会における道徳教育の現状や生徒の実態などからみて,更に充実を図ることが強く要請されている。  高等学校における道徳教育は,人間としての在り方生き方に関する教育の中で,小・中学校における「特別の教科である道徳」(以下「道徳科」という。)の学習等を通じた道徳的諸価値の理解を基にしながら,自分自身に固有の選択基準・判断基準を形成していく。これらは様々な体験や思索の機会を通して自らの考えを深めることにより形成されてくるものであり,人間としての在り方生き方に関する教育においては,教師の一方的な押しつけや先哲の思想の紹介にとどまることのないよう留意し,生徒が自ら考え,自覚を深める学習とすることが重要である。  高等学校においては,生徒の発達の段階に対応した指導の工夫が求められることや小・中学校と異なり道徳科が設けられていないことからも,学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育の指導のための配慮が特に必要である。このため,高等学校における道徳教育の考え方として示されているのが,人間としての在り方生き方に関する教育であり,公民科の「公共」及び「倫理」並びに特別活動を中核的な指導場面として各教科・科目等の特質に応じ学校の教育活動全体を通じて,生徒が人間としての在り方生き方を主体的に探求し豊かな自己形成ができるよう,適切な指導を行うものとしている。公民科の「公共」及び「倫理」並びに特別活動は,それぞれの目標に「人間としての在り方生き方」を掲げている。小・中学校においては,「自分自身」,「人との関わり」,「集団や社会との関わり」,「生命や自然,崇高なものとの関わり」の四つ の視点から示されている内容について,道徳科を要として学校の教育活動全体を通じて道徳教育を行うこととされているが,小・中学校における道徳教育も踏まえつつ,生徒の発達の段階にふさわしい高等学校における道徳教育を行うことが大切である。 ③ 道徳教育の目標(第1章総則第1款2(2)の3段目)  道徳教育は,教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき,生徒が自己探求と自己実現に努め国家・社会の一員としての自覚に基づき行為しうる発達の段階にあることを考慮し,人間としての在り方生き方を考え,主体的な判断の下に行動し,自立した人間として他者と共によりよく生きるための基盤となる道徳性を養うことを目標とすること。  学校における道徳教育は,生徒がよりよく生きるための基盤となる道徳性を養うことを目標としており,生徒一人一人が将来に対する夢や希望,自らの人生や未来を拓ひらいていく力を育む源となるものでなければならない。 ア 教育基本法及び学校教育法の根本精神に基づく  道徳教育は,まず,教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づいて行われるものである。  教育基本法においては,我が国の教育は「人格の完成を目指し,平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行」うことを目的としていることが示されている(第1条)。そして,その目的を実現するための目標として,「真理を求める態度を養」うことや「豊かな情操と道徳心を培う」ことなどが挙げられている(第2条)。また,義務教育の目的として「各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い,また,国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的」とすることが規定されている(第5条第2項)。  学校教育法においては,義務教育の目標として,「自主,自律及び協同の精神,規範意識,公正な判断力並びに公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し,その発展に寄与する態度を養うこと」(第 21 条第1号),「生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと」(同条第2号),「伝統と文化を尊重し,それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養うとともに,進んで外国の文化の理解を通じて,他国を尊重し,国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」(同条第3号)などが示されている。その上で,高等学校教育の目標として,「義務教育として行われる普通教育の成果を更に発展拡充させて,豊かな人間性,創造性及び健やかな身体を養い,国家及び社会の形成者として必要な資質を養うこと」(第 51 条第1号),「社会において果たさなければならない使命の自 覚に基づき,個性に応じて将来の進路を決定させ,一般的な教養を高め,専門的な知識,技術及び技能を習得させること」(同条第2号),「個性の確立に努めるとともに,社会について,広く深い理解と健全な批判力を養い,社会の発展に寄与する態度を養うこと」(同条第3号)が示されている。  学校で行う道徳教育は,これら教育の根本精神に基づいて行われるものである。 イ 自己探求と自己実現に努め国家・社会の一員としての自覚に基づき行為しうる発達の段階  高等学校段階の生徒は,自分の人生をどう生きればよいか,生きることの意味は何かということについて思い悩む時期である。また,自分自身や自己と他者との関係,更には,広く国家や社会について関心をもち,人間や社会の在るべき姿について考えを深める時期でもある。それらを模索する中で,生きる主体としての自己を 確立し,自らの人生観・世界観ないし価値観を形成し,主体性をもって生きたいという意欲を高めていくのである。高等学校においては,このような生徒の発達の段階を考慮し,人間の在り方に深く根ざした人間としての生き方に関する教育を推進することが求められる。 ウ 「人間としての在り方生き方」を考える  人間は,同じような状況の下に置かれている場合でも,必ずしも全て同じ生き方をするとは限らず,同一の状況の下でもいくつかの生き方が考えられる場合が少なくないが,こうした考えられるいくつかの生き方の中から,一定の行為を自分自身の判断基準に基づいて選択するということが,主体的に判断し行動するということである。社会の変化に対応して主体的に判断し行動しうるためには,選択可能ないくつかの生き方の中から自分にふさわしく,しかもよりよい生き方を選ぶ上で必要な,自分自身に固有な選択基準ないし判断基準をもたなければならない。このような自分自身に固有な選択基準ないし判断基準は,生徒一人一人が人間存在の根本性格を問うこと,すなわち人間としての在り方を問うことを通して形成されてくる。また,このようにして形成された生徒一人一人の人間としての在り方についての基本的な考え方が自分自身の判断と行動の選択基準となるのである。  このような自分自身に固有な選択基準ないし判断基準は,具体的には,様々な体験や思索の機会を通して自らの考えを深めることにより形成されてくるものである。人間としての在り方生き方に関する教育においては教師の一方的な押し付けや単なる先哲の思想の紹介にとどまることのないように留意し,人間としての在り方生き方について生徒が自ら考え,自覚を深めて自己実現に資するように指導の計画や方法を工夫することが重要である。その際,第1章総則第1款4でも示しているよう,就業やボランティアなどに関わる体験的な活動を重視することが大切である。 エ 主体的な判断の下に行動する  生徒が日常生活の様々な道徳的な問題や自己の生き方についての課題に直面したときに,自らの「主体的な判断の下に行動」することが重要である。「主体的な判断の下に行動」するとは,生徒が自立的な生き方や社会の形成者としての在り方について自ら考えたことに基づいて,人間としての在り方に根ざしよりよく生きるための行為を自分の意志や判断によって選択し行うことである。人間としての在り方に根ざしよりよく生きていくためには,道徳的価値についての理解を基に,自己を見つめ,人間としての在り方生き方について深く考え,道徳的価値を実現するための適切な行為を自分の意志や判断によって選択し,実践することができるような資質・能力を培う必要がある。  またそれは,生徒が日常生活での問題や自己の生き方に関する課題に正面から向き合い,多様な価値観から考え方の対立がある場合にも,誠実にそれらの価値に向き合い,自らの力で考え,よりよいと判断したり適切だと考えたりした行為の実践に向けて具体的な行動を起こすことである。 オ 自立した人間として他者と共によりよく生きる  一人一人の生徒が「自立した人間」へと成長するためには,自己の生き方を模索し自己の価値観を確立することが必要となる。どのように生きるべきか,いかなる人間になることを目指すべきかを探求することを通して,自分自身に固有な判断基準となる自らの価値観をもつことができる。  「自立した人間」としての自己は,他者との関わりの中で形成されていく存在であり,同時に「他者と共に」よりよい社会の実現を目指そうとする社会的な存在としての自己を志向する。人は誰もがよりよい自分を求めて自己の確立を目指すとともに,他者と共に心を通じ合わせて生きようとしている。したがって,他者との関係を主体的かつ適切にもつことができるようにすることが求められる。 カ そのための基盤となる道徳性を養う  こうした思考や判断,行動などを通してよりよく生きるための営みを支える基盤となるのが道徳性であり,道徳教育はこの道徳性を養うことを目標とする。  道徳性とは,人間としての本来的な在り方やよりよい生き方を目指して行われる道徳的行為を可能にする人格的特性であり,人格の基盤をなすものである。それはまた,人間らしいよさであり,道徳的諸価値が一人一人の内面において統合されたものと言える。個人の生き方のみならず,人間の文化的活動や社会生活を根底で支えている。道徳性は,人間が他者と共によりよく生きていく上で大切にしなければならないものである。  学校における道徳教育においては,各教育活動に応じて,特に道徳性を構成する諸様相である道徳的判断力,道徳的心情,道徳的実践意欲と態度を養うことを求めている。  道徳的判断力は,それぞれの場面において善悪を判断する能力である。つまり,人間として生きるために道徳的価値が大切なことを理解し,様々な状況下において人間としてどのように対処することが望まれるかを判断する力である。的確な道徳的判断力をもつことによって,それぞれの場面において機に応じた道徳的行為が可能になる。  道徳的心情は,道徳的価値の大切さを感じ取り,善を行うことを喜び,悪を憎む感情のことである。人間としてのよりよい生き方や善を志向する感情であるとも言える。それは,道徳的行為への動機として強く作用するものである。  道徳的実践意欲と態度は,道徳的判断力や道徳的心情によって価値があるとされた行動をとろうとする傾向性を意味する。道徳的実践意欲は,道徳的判断力や道徳的心情を基盤とし道徳的価値を実現しようとする意志の働きであり,道徳的態度は,それらに裏付けられた具体的な道徳的行為への身構えと言うことができる。  これらの道徳性の諸様相は,それぞれが独立した特性ではなく,相互に深く関連しながら全体を構成しているものである。したがって,これらの諸様相が全体として密接な関連をもつように指導することが大切である。そして,道徳的行為が生徒自身の内から自発的,自律的に生起するよう道徳性の育成に努める必要がある。 ④ 道徳教育を進めるに当たっての留意事項(第1章総則第1款2(2)の4段目)  道徳教育を進めるに当たっては,人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭,学校,その他社会における具体的な生活の中に生かし,豊かな心をもち,伝統と文化を尊重し,それらを育んできた我が国と郷土を愛し,個性豊かな文化の創造を図るとともに,平和で民主的な国家及び社会の形成者として,公共の精神を尊び,社会及び国家の発展に努め,他国を尊重し,国際社会の平和と発展や環境の保全に貢献し未来を拓ひら く主体性のある日本人の育成に資することとなるよう特に留意 すること。  第1章総則第1款2(2)の4段目においては,道徳教育の目標に続けて,それを進めるに当たって留意すべき事項について次のように示している。 ア 人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を家庭,学校,その他社会における具体的な生活の中に生かす  人間尊重の精神は,生命の尊重,人格の尊重,基本的人権,人間愛などの根底を貫く精神である。日本国憲法に述べられている「基本的人権」や,教育基本法に述べられている「人格の完成」,更には,国際連合教育科学文化機関憲章(ユネスコ憲章)にいう「人間の尊厳」の精神も根本において共通するものである。  民主的な社会においては,人格の尊重は,自己の人格のみではなく,他の人々の人格をも尊重することであり,また,権利の尊重は,自他の権利の主張を認めるとともに,権利の尊重を自己に課するという意味で,互いに義務と責任を果たすことを求めるものである。具体的な人間関係の中で道徳性を養い,それによって人格形 成を図るという趣旨に基づいて,「人間尊重の精神」という言葉を使っている。  生命に対する畏敬の念は,生命のかけがえのなさに気付き,生命あるものを慈しみ,畏れ,敬い,尊ぶことを意味する。このことにより人間は,生命の尊さや生きることのすばらしさの自覚を深めることができる。生命に対する畏敬の念に根ざした人間尊重の精神を培うことによって,人間の生命があらゆる生命との関係や調和の中で存在し生かされていることを自覚できる。更に,生命あるもの全てに対する感謝の心や思いやりの心を育み,より深く自己を見つめながら,人間としての在り方や生き方の自覚を深めていくことができる。これは,生徒の自殺やいじめに関わる問題,環境問題などを考える上でも,常に根本において重視すべき事柄である。  道徳教育は,この人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を生徒自らが培い,それらを家庭での日常生活,学校での学習や生活及び地域での活動,行事への参画などの具体的な機会において生かすことができるようにしなければならない。 イ 豊かな心をもつ  豊かな心とは,例えば,困っている人には優しく声を掛ける,ボランティア活動など人の役に立つことを進んで行う,喜びや感動を伴って植物や動物を育てる,自分の成長を感じ生きていることを素直に喜ぶ,美しいものを美しいと感じることができる,他者との共生や異なるものへの寛容さをもつなどの感性及びそれらを大切にする心である。道徳教育は,生徒一人一人が日常生活においてこのような心を育み,生きていく上で必要な道徳的価値を理解し,様々な体験や思索の機会を通して,自分自身に固有の選択基準ないし判断基準を形成していくことができるようにしなければならない。 ウ 伝統と文化を尊重し,それらを育んできた我が国と郷土を愛し,個性豊かな文化の創造を図る  個性豊かな文化の継承・発展・創造のためには,古いものを改めていくことも大切であり,先人の残した有形・無形の文化的遺産の中に優れたものを見いだし,それを生み出した精神に学び,それを継承し発展させることも必要である。また,国際社会の中で主体性をもって生きていくには,国際感覚をもち,国際的視野に立ちながらも,自らの国や地域の伝統や文化についての理解を深め,尊重する態度を身に付けることが重要である。  したがって,我が国や郷土の伝統と文化に対する関心や理解を深め,それを尊重し,継承,発展させる態度を育成するとともに,それらを育んできた我が国と郷土への親しみや愛着の情を深め,世界と日本との関わりについて考え,日本人としての自覚をもって,文化の継承・発展・創造と社会の発展に貢献し得る能力や態度が 養われなければならない。 エ 平和で民主的な国家及び社会の形成者として,公共の精神を尊び,社会及び国家の発展に努める  人間は個としての尊厳を有するとともに,平和で民主的な国家及び社会を形成する一人としての社会的存在でもある。私たちは,身近な集団のみならず,社会や国家の一員としての様々な帰属意識をもっている。一人一人がそれぞれの個をその集団の中で生かし,よりよい集団や社会を形成していくためには,個としての尊厳とともに社会全体の利益を実現しようとする公共の精神が必要である。  また,平和で民主的な社会は,国民主権,基本的人権,自由,平等などの民主主義の理念の実現によって達成される。これらが,法によって規定され,維持されるだけならば,一人一人の日常生活の中で真に主体的なものとして確立されたことにはならない。それらは,一人一人の自覚によって初めて達成される。日常生活の中で社会連帯の自覚に基づき,あらゆる時と場所において他者と協同する場を実現していくことは,社会及び国家の発展に努めることでもある。  したがって,道徳教育においては,単に法律的な規則やきまりそのものを取り上げるだけでなく,それらの基盤となっている人間としての道徳的な生き方を問題にするという視点にも留意して取り扱う必要がある。 オ 他国を尊重し,国際社会の平和と発展や環境の保全に貢献する  民主的で文化的な国家を更に発展させるとともに,世界の平和と人類の福祉の向上に貢献することは,教育基本法の前文において掲げられている理念である。  平和は,人間の心の内に確立すべき課題でもあるが,日常生活の中で社会連帯の自覚に基づき,他者と協同する場を実現していく努力こそ,平和で民主的な国家及び社会を実現する根本である。また,環境問題が深刻となる中で,持続可能な社会の実現に努めることが重要な課題となっている。そのためにも,生命や自然に対す る感受性や,身近な環境から地球規模の環境への豊かな想像力,それを大切に守ろうとする態度が養われなければならない。  このような努力や心構えを,広く国家間ないし国際社会に及ぼしていくことが他国を尊重することにつながり,国際社会に平和をもたらし環境の保全に貢献することになる。 カ 未来を拓ひら く主体性のある日本人を育成する 未来を拓 ひらく主体性のある人間とは,常に前向きな姿勢で未来に夢や希望をもち,自主的に考え,自律的に判断し,決断したことは積極的かつ誠実に実行し,その結果について責任をもつことができる人間である。道徳教育は,このような視点に立ち,生徒が自らの人生や新しい社会を切り拓ひらく力を身に付けられるようにしていかなければならない。  このことは,人間としての在り方の根本に関わるものであるが,ここで特に日本人と示しているのは,歴史的・文化的に育まれてきた日本人としての自覚をもって文化の継承,発展,創造を図り,民主的な社会の発展に貢献するとともに,国際的視野に立って世界の平和と人類の発展に寄与し,世界の人々から信頼される人間の育成を目指しているからである。 (3) 健やかな体(第1章総則第1款2(3)) (3) 学校における体育・健康に関する指導を,生徒の発達の段階を考慮して,学校の教育活動全体を通じて適切に行うことにより,健康で安全な生活と豊かなスポーツライフの実現を目指した教育の充実に努めること。特に,学校における食育の推進並びに体力の向上に関する指導,安全に関する指導及び心身の健康の保持増進に関 する指導については,保健体育科,家庭科及び特別活動の時間はもとより,各教科・科目及び総合的な探究の時間などにおいてもそれぞれの特質に応じて適切に行うよう努めること。また,それらの指導を通して,家庭や地域社会との連携を図りながら,日常生活において適切な体育・健康に関する活動の実践を促し,生涯を通じて健康・安全で活力ある生活を送るための基礎が培われるよう配慮すること。  教育基本法第2条第1号は,教育の目的として「健やかな身体を養う」ことを規定しており,本項では,体育・健康に関する指導を,生徒の発達の段階を考慮して,学校の教育活動全体として取り組むことにより,健康で安全な生活と豊かなスポーツライフの実現を目指した教育の充実に努めることを示している。健やかな体の育成は,心身の調和的な発達の中で図られ,心身の健康と安全や,スポーツを通じた生涯にわたる幸福で豊かな生活の実現と密接に関わるものであることから,体育・健康に関する指導のねらいとして,心身ともに健康で安全な生活と豊かなスポーツライフの実現を一体的に示しているところである。  これからの社会を生きる生徒に,健やかな心身の育成を図ることは極めて重要である。体力は,人間の活動の源であり,健康の維持のほか意欲や気力といった精神面の充実に大きく関わっており,「生きる力」を支える重要な要素である。生徒の心身の調和的発達を図るためには,運動を通して体力を養うとともに,食育の推進を通して望ましい食習慣を身に付けるなど,健康的な生活習慣を形成することが必要である。また,東日本大震災をはじめとする様々な自然災害の発生や,情報化等の進展に伴う生徒を取り巻く環境の変化などを踏まえ,生徒の安全・安心に対する懸念が広がっていることから,安全に関する指導の充実が必要である。更に,心身の健康の保持増進に関する指導を適切に行うとともに,生徒が心身の成長発達について正しく理解することが必要である。  こうした現代的課題を踏まえ,体育・健康に関する指導は,健康・安全で活力ある生活を営むために必要な資質・能力を育て,心身の調和的な発達を図り,健康で安全な生活と豊かなスポーツライフの実現を目指すものである。こうした教育は,第1章総則第3款1(1)に示すとおり,単元や題材など内容や時間のまとまりを見通した,主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して実現が図られるものであり,そうした学習の過程の在り方については,本解説第4章第1節1において解説している。  本項で示す体育に関する指導については,積極的に運動する生徒とそうでない生徒の二極化傾向が指摘されていることなどから,生涯にわたって運動やスポーツを豊かに実践していくとともに,現在及び将来の体力の向上を図る実践力の育成を目指し,生徒が自ら進んで運動に親しむ資質・能力を身に付け,心身を鍛えることができるようにすることが大切である。  このため,教科としての保健体育科において,基礎的な身体能力の育成を図るとともに,体育祭,集団宿泊活動や集会などの特別活動や,運動部活動などの教育課程外の学校教育活動などを相互に関連させながら,学校の教育活動全体として効果的に取り組むことが求められている。  健康に関する指導については,生徒が身近な生活における健康に関する知識を身に付 けることや,必要な情報を自ら収集し,適切な意思決定や行動選択を行い,積極的に健 康な生活を実践することのできる資質・能力を育成することが大切である。  特に,学校における食育の推進においては,栄養摂取の偏りや朝食欠食といった食習 慣の乱れ等に起因する肥満や生活習慣病,痩せ,食物アレルギー等の健康課題が見られ るほか,食品の安全性の確保等の食に関わる課題が顕在化している。こうした課題に適 切に対応するため,生徒が食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けることに より,生涯にわたって健やかな心身と豊かな人間性を育んでいくための基礎が培われる よう,栄養のバランスや規則正しい食生活,食品の安全性などの指導が一層重視されな ければならない。また,これら心身の健康に関する内容に加えて,自然の恩恵・勤労な どへの感謝や食文化などについても教科等の内容と関連させた指導を行うことが効果的 である。食に関する指導に当たっては,保健体育科,家庭科,特別活動などの指導を相 互に関連させながら,学校の教育活動全体として効果的に取り組むことが重要である。 その際,教師間の連携に努めるとともに,学校や地域の実情に応じて栄養教諭等の専門 性を有する教職員や地域の有識者等との連携に努めることにも配慮することが大切であ る。 1 高等学校教育 の基本と教育 課程の役割 37  また , 安全に関する指導においては,様々な自然災害の発生や,情報化やグローバル 化等の社会の変化に伴い生徒を取り巻く安全に関する環境も変化していることから,身 の回りの生活の安全,交通安全,防災に関する指導や,情報技術の進展に伴う新たな事 件・事故防止,国民保護等の非常時の対応等の新たな安全上の課題に関する指導を一層 重視し , 安全に関する情報を正しく判断し,安全のための行動に結び付けるようにする ことが重要である。  更に,心身の健康の保持増進に関する指導においては,情報化社会の進展により, 様々な健康情報や性・薬物等に関する情報の入手が容易になっていることなどから,生 徒が健康情報や性に関する情報等を正しく選択して適切に行動できるようにするととも に,薬物乱用防止等の指導が一層重視されなければならない。なお,生徒が心身の成長 発達に関して適切に理解し,行動することができるようにする指導に当たっては,第1 章総則第5款1(1)に示す主に集団の場面で必要な指導や援助を行うガイダンスと一人 一人が抱える課題に個別に対応した指導を行うカウンセリングの双方の観点から,学校 の教育活動全体で共通理解を図り,家庭の理解を得ることに配慮するとともに,関連す る教科等において,発達の段階を考慮して,指導することが重要である。  体育・健康に関する指導は,こうした指導を相互に関連させて行うことにより,生涯 にわたり明るく豊かで活力ある生活を営むための基礎づくりを目指すものである。  したがって,その指導においては,体つくり運動や各種のスポーツ活動はもとより, 保健や安全に関する指導,給食を含む食に関する指導などが重視されなければならな い。このような体育・健康に関する指導は,保健体育科の時間だけではなく家庭科や特 別活動のほか,関連の教科,総合的な探究の時間なども含めた学校の教育活動全体を通 じて行うことによって,その一層の充実を図ることができる。  各学校において,体育・健康に関する指導を効果的に進めるためには,生徒の体力や 健康状態等を的確に把握し,学校や地域の実態を踏まえて,それにふさわしい学校の全 体計画を作成し,地域の関係機関・団体の協力を得つつ,計画的,継続的に指導するこ とが重要である。  また,体育・健康に関する指導を通して,学校生活はもちろんのこと,家庭や地域社 会における日常生活においても,自ら進んで運動を適切に実践する習慣を形成し,生涯 を通じて運動に親しむための基礎を培うとともに,生徒が積極的に心身の健康の保持増 進を図っていく資質・能力を身に付け,生涯を通じて健康・安全で活力ある生活を送る ための基礎が培われるよう配慮することが大切である。  なお,高等学校にあっては,教科担任制を原則としているために,体育・健康に関す る指導が保健体育科担当の教師に任されてしまうおそれがある。しかし,体育・健康に 関する指導は,学校の教育活動全体を通じて適切に行われるべきものであり,その効果 を上げるためには,保健体育科担当の教師だけでなく,全教職員の理解と協力が得られ るよう,学校の実態に応じて指導体制の工夫改善に努めるなど,組織的に進めていくこ とが大切である。 第3章 教育課程の 編成 38 3 2の(1)から(3)までに掲げる事項の実現を図り,豊かな創造性を備え持続可能な社 会の創り手となることが期待される生徒に,生きる力を育むことを目指すに当たって は,学校教育全体及び各教科・科目等の指導を通してどのような資質・能力の育成を 目指すのかを明確にしながら,教育活動の充実を図るものとする。その際,生徒の発 達の段階や特性等を踏まえつつ,次に掲げることが偏りなく実現できるようにするも のとする。 (1) 知識及び技能が習得されるようにすること。 (2) 思考力,判断力,表現力等を育成すること。 (3) 学びに向かう力,人間性等を涵かん 養すること。 本項は,生徒に知・徳・体のバランスのとれた「生きる力」を育むことを目指すに当 たっては,各教科・科目等の指導を通してどのような資質・能力の育成を目指すのかを明 確にしながら教育活動の充実を図ること,その際には生徒の発達の段階や特性等を踏ま え,「知識及び技能」の習得と「思考力,判断力,表現力等」の育成,「学びに向かう力, 人間性等」の涵かん 養という,資質・能力の三つの柱の育成がバランスよく実現できるよう留 意することを示している。 今回の改訂は,「生きる力」の育成という教育の目標が各学校の特色を生かした教育課 程の編成により具体化され,教育課程に基づく個々の教育活動が,生徒一人一人に,社会 の変化に受け身で対処するのではなく,主体的に向き合って関わり合い,自らの可能性を 発揮し多様な他者と協働しながら,よりよい社会と幸福な人生を切り拓ひら き,未来の創り手 となるために必要な力を育むことに効果的につながっていくようにすることを目指してい る。そのためには,「何を学ぶか」という教育の内容を重視しつつ,生徒がその内容を既 得の知識及び技能と関連付けながら深く理解し,他の学習や生活の場面でも活用できる生 きて働く知識及び技能となることを含め,その内容を学ぶことで生徒が「何ができるよう になるか」を併せて重視する必要があり,生徒に対してどのような資質・能力の育成を目 指すのかを指導のねらいとして設定していくことがますます重要となる。 このため,学習指導要領においては,各教科・科目等の指導を通して育成する資質・能 力を明確にすることの重要性を本項で示すとともに,第2章以降において各教科・科目等 の目標や内容を,資質・能力の観点から再整理して示している。これは各教科等の指導に 当たって,指導のねらいを明確にするための手掛かりとして学習指導要領が活用されやす いようにしたものである。 平成 28 年 12 月の中央教育審議会答申において指摘されているように,国内外の分析に よれば,資質・能力に共通する要素は,知識に関するもの,思考や判断,表現等に関わる 力に関するもの,情意や態度等に関するものの三つに大きく分類できる。本項が示す資 質・能力の三つの柱は,こうした分析を踏まえ,生きる力や各教科等の学習を通して育ま 3 育成を目指す資質・能力(第1章総則第1款3) 1 高等学校教育 の基本と教育 課程の役割 39 れる資質・能力,学習の基盤となる資質・能力(第1章総則第2款2(1)),現代的な諸課 題に対応して求められる資質・能力(第1章総則第2款2(2))といった,あらゆる資質・ 能力に共通する要素を整理したものである。 生徒に育成を目指す資質・能力を三つの柱で整理することは,これまで積み重ねられて きた一人一人の生徒に必要な力を育む学校教育の実践において,各教科等の指導を通して 育成してきた資質・能力を再整理し,教育課程の全体として明らかにしたものである。そ のことにより,経験年数の短い教師であっても,各教科等の指導を通して育成を目指す資 質・能力を確実に捉えられるようにするとともに,教科等横断的な視点で教育課程を編 成・実施できるようにすること,更には,学校教育を通してどのような力を育むのかとい うことを社会と共有することを目指すものである。 これらの三つの柱は,学習の過程を通して相互に関係し合いながら育成されるものであ ることに留意が必要である。生徒は学ぶことに興味を向けて取り組んでいく中で,新しい 知識や技能を得て,それらの知識や技能を活用して思考することを通して,知識や技能を より確かなものとして習得するとともに,思考力,判断力,表現力等を養い,新たな学び に向かったり,学びを人生や社会に生かそうとしたりする力を高めていくことができる。 なお,資質や能力という言葉は,教育課程に関する法令にも規定があるところであり, 例えば,教育基本法第5条第2項においては,義務教育の目的として「各個人の有する能 力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い,また,国家及び社会の形成者と して必要とされる基本的な資質を養うこと」を規定している。この「資質」については, 教育を通して先天的な資質を更に向上させることと,一定の資質を後天的に身に付けさせ るという両方の観点をもつものとされていることから,教育を通して育まれるもののどれ が資質でどれが能力かを分けて捉えることは困難である。これまでも学習指導要領やその 解説においては,資質と能力を一体的に扱うことが多かったところでもあり,今回の改訂 においては,資質と能力を一体的に捉え「資質・能力」と表記することとしている。 また,確かな学力については,第1章総則第1款2(1)においてそれを支える重要な要 素が明記されているが,豊かな心の涵 かん 養や健やかな体の育成も,それを支えているのは 「知識及び技能」の習得と「思考力,判断力,表現力等」の育成,「学びに向かう力,人間 性等」の涵 かん 養という,資質・能力の三つの柱である。すなわち,資質・能力の三つの柱 は,学校教育法第 30 条第2項や第1章総則第1款2(1)に示された要素と大きく共通する とともに,確かな学力に限らず,知・徳・体にわたる「生きる力」全体を捉えて,共通す る重要な要素を示したものである。 ① 知識及び技能が習得されるようにすること  資質・能力の育成は,生徒が「何を理解しているか,何ができるか」に関わる知識 及び技能の質や量に支えられており,知識や技能なしに,思考や判断,表現等を深め ることや,社会や世界と自己との多様な関わり方を見いだしていくことは難しい。一 方で,社会や世界との関わりの中で学ぶことへの興味を高めたり,思考や判断,表現 等を伴う学習活動を行ったりすることなしに,生徒が新たな知識や技能を得ようとし 第3章 教育課程の 編成 40 たり,知識や技能を確かなものとして習得したりしていくことも難しい。こうした知 識及び技能と他の二つの柱との相互の関係を見通しながら,発達の段階に応じて,生 徒が基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得できるようにしていくことが重要で ある。  知識については,生徒が学習の過程を通して個別の知識を学びながら,そうした新 たな知識が既得の知識及び技能と関連付けられ,各教科・科目等で扱う主要な概念を 深く理解し,他の学習や生活の場面でも活用できるような確かな知識として習得され るようにしていくことが重要となる。また,芸術系教科・科目における知識は,一人 一人が感性などを働かせて様々なことを感じ取りながら考え,自分なりに理解し,表 現したり鑑賞したりする喜びにつながっていくものであることが重要である。教科の 特質に応じた学習過程を通して,知識が個別の感じ方や考え方等に応じ,生きて働く 概念として習得されることや,新たな学習過程を経験することを通して更新されてい くことが重要となる。  このように,知識の理解の質を高めることが今回の改訂においては重視されてお り,各教科等の指導に当たっては,学習に必要となる個別の知識については教師が生 徒の学びへの興味を高めつつしっかりと教授するとともに,深い理解を伴う知識の習 得につなげていくため,生徒がもつ知識を活用して思考することにより,知識を相互 に関連付けてより深く理解したり,知識を他の学習や生活の場面で活用できるように したりするための学習が必要となる。  こうした学習の過程はこれまでも重視され,習得・活用・探究という学びの過程の 充実に向けた取組が進められている。今回の改訂においては,各教科等の特質を踏ま え,優れた実践に共通して見られる要素が第1章総則第3款1(1)の「主体的・対話 的で深い学び」として示されている。  技能についても同様に,一定の手順や段階を追っていく過程を通して個別の技能を 身に付けながら,そうした新たな技能が既得の技能等と関連付けられ,他の学習や生 活の場面でも活用できるように習熟・熟達した技能として習得されるようにしていく ことが重要となるため,主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善が必要と なる。  今回の改訂においては,こうした知識及び技能に関する考え方は,確かな学力のみ ならず「生きる力」全体を支えるものであることから,各教科・科目等において育成 することを目指す「知識及び技能」とは何かが,発達の段階に応じて学習指導要領に おいて明確にされたところである。 ② 思考力,判断力,表現力等を育成すること  生徒が「理解していることやできることをどう使うか」に関わる「思考力,判断 力,表現力等」は,社会や生活の中で直面するような未知の状況の中でも,その状況 と自分との関わりを見つめて具体的に何をなすべきかを整理したり,その過程で既得 の知識や技能をどのように活用し,必要となる新しい知識や技能をどのように得れば 1 高等学校教育 の基本と教育 課程の役割 41 よいのかを考えたりするなどの力であり,変化が激しく予測困難な時代に向けてます ますその重要性は高まっている。また,①において述べたように,「思考力,判断力, 表現力等」を発揮することを通して,深い理解を伴う知識が習得され,それにより更 に思考力,判断力,表現力等も高まるという相互の関係にあるものである。  学校教育法第 30 条第2項において,「思考力,判断力,表現力等」とは,「知識及 び技能」を活用して課題を解決するために必要な力と規定されている。この「知識及 び技能を活用して課題を解決する」という過程については,平成 28 年 12 月の中央教 育審議会答申が指摘するように,大きく分類して次の三つがあると考えられる。 ・ 物事の中から問題を見いだし,その問題を定義し解決の方向性を決定し,解決 方法を探して計画を立て,結果を予測しながら実行し,振り返って次の問題発 見・解決につなげていく過程 ・ 精査した情報を基に自分の考えを形成し,文章や発話によって表現したり,目 的や場面,状況等に応じて互いの考えを適切に伝え合い,多様な考えを理解した り,集団としての考えを形成したりしていく過程 ・ 思いや考えを基に構想し,意味や価値を創造していく過程  教育課程においては,これらの過程に必要となる「思考力,判断力,表現力等」 が,各教科等の特質に応じて育まれるようにするとともに,教科等横断的な視点に 立って,それぞれの過程について,例えば第1章総則第2款2(1)に示す言語能力, 情報活用能力及び問題発見・解決能力,第1章総則第2款2(2)に示す現代的な諸課 題に対応して求められる資質・能力の育成を目指す中で育まれるようにすることが重 要となる。 ③ 学びに向かう力,人間性等を涵 かん 養すること  生徒が「どのように社会や世界と関わり,よりよい人生を送るか」に関わる「学び に向かう力,人間性等」は,他の二つの柱をどのような方向性で働かせていくかを決 定付ける重要な要素である。生徒の情意や態度等に関わるものであることから,他の 二つの柱以上に,生徒や学校,地域の実態を踏まえて指導のねらいを設定していくこ とが重要となる。  我が国の学校教育の特徴として,各教科・科目等の指導を含めて学校の教育活動の 全体を通して情意や態度等に関わる資質・能力を育んできたことを挙げることができ る。例えば,国語を尊重してその能力の向上を図る態度(国語科),科学的に探究し ようとする態度(理科),明るく豊かで活力ある生活を営む態度(保健体育科)など, 各教科等においてどういった態度を育むかということを意図して指導が行われ,それ ぞれ豊かな実践が重ねられている。  生徒一人一人がよりよい社会や幸福な人生を切り拓ひら いていくためには,主体的に学 習に取り組む態度も含めた学びに向かう力や,自己の感情や行動を統制する力,より よい生活や人間関係を自主的に形成する態度等が必要となる。これらは,自分の思考 や行動を客観的に把握し認識する,いわゆる「メタ認知」に関わる力を含むものであ 第3章 教育課程の 編成 42 る。こうした力は,社会や生活の中で生徒が様々な困難に直面する可能性を低くした り,直面した困難への対処方法を見いだしたりできるようにすることにつながる重要 な力である。また,多様性を尊重する態度や互いのよさを生かして協働する力,持続 可能な社会づくりに向けた態度,リーダーシップやチームワーク,感性,優しさや思 いやりなどの人間性等に関するものも幅広く含まれる。  こうした情意や態度等を育んでいくためには,前述のような我が国の学校教育の豊 かな実践を生かし,体験活動を含めて,社会や世界との関わりの中で,学んだことの 意義を実感できるような学習活動を充実させていくことが重要となる。教育課程の編 成及び実施に当たっては,第1章総則第5款に示す生徒の発達の支援に関する事項も 踏まえながら,学習の場でもあり生活の場でもある学校において,生徒一人一人がそ の可能性を発揮することができるよう,教育活動の充実を図っていくことが必要であ る。  なお,学校教育法第 30 条第2項に規定される「主体的に学習に取り組む態度」や, 第1章総則第1款2(1)が示す「多様な人々と協働」することなどは,「学びに向かう 力,人間性等」に含まれる。資質・能力の三つの柱は,確かな学力のみならず,知・ 徳・体にわたる生きる力全体を捉えて整理していることから,より幅広い内容を示す ものとなっているところである。  このように,今回の改訂は,日常の指導における創意工夫のために「何のために学 ぶのか」という学習の意義を,我が国の学校教育の様々な実践の蓄積を踏まえて,学 習指導要領において育成を目指す資質・能力として明示している。 4 学校においては,地域や学校の実態等に応じて,就業やボランティアに関わる体験 的な学習の指導を適切に行うようにし,勤労の尊さや創造することの喜びを体得さ せ,望ましい勤労観,職業観の育成や社会奉仕の精神の涵かん 養に資するものとする。 今回の改訂においては,従前と同様,「就業やボランティアに関わる体験的な学習の指 導」を適切に行うこととし,それらを通じて,「勤労の尊さ」,「創造することの喜び」の 体得,「望ましい勤労観,職業観」の育成,「社会奉仕の精神」の涵かん 養を図るべきことを示 している。 「就業やボランティアに関わる体験的な学習の指導」については,生徒を取り巻く生活 環境の変化の中で,生徒の社会的な体験の機会が減少している状況を踏まえ,社会の構成 員としての自覚を深め,知・徳・体の調和のとれた人間形成を図るとともに,学校教育を 地域社会に開かれたものにし,地域との連携を強めることを趣旨として示されてきたもの である。今回の改訂においても,この基本的な趣旨を変えるものではなく,体験的な学習 の指導がより具体性をもって,各教科・科目,総合的な探究の時間及び特別活動のそれぞ 4 就業やボランティアに関わる体験的な学習の指導(第1章総則第1款4)

    Import from clipboard

    Paste your markdown or webpage here...

    Advanced permission required

    Your current role can only read. Ask the system administrator to acquire write and comment permission.

    This team is disabled

    Sorry, this team is disabled. You can't edit this note.

    This note is locked

    Sorry, only owner can edit this note.

    Reach the limit

    Sorry, you've reached the max length this note can be.
    Please reduce the content or divide it to more notes, thank you!

    Import from Gist

    Import from Snippet

    or

    Export to Snippet

    Are you sure?

    Do you really want to delete this note?
    All users will lose their connection.

    Create a note from template

    Create a note from template

    Oops...
    This template has been removed or transferred.
    Upgrade
    All
    • All
    • Team
    No template.

    Create a template

    Upgrade

    Delete template

    Do you really want to delete this template?
    Turn this template into a regular note and keep its content, versions, and comments.

    This page need refresh

    You have an incompatible client version.
    Refresh to update.
    New version available!
    See releases notes here
    Refresh to enjoy new features.
    Your user state has changed.
    Refresh to load new user state.

    Sign in

    Forgot password

    or

    By clicking below, you agree to our terms of service.

    Sign in via Facebook Sign in via Twitter Sign in via GitHub Sign in via Dropbox Sign in with Wallet
    Wallet ( )
    Connect another wallet

    New to HackMD? Sign up

    Help

    • English
    • 中文
    • Français
    • Deutsch
    • 日本語
    • Español
    • Català
    • Ελληνικά
    • Português
    • italiano
    • Türkçe
    • Русский
    • Nederlands
    • hrvatski jezik
    • język polski
    • Українська
    • हिन्दी
    • svenska
    • Esperanto
    • dansk

    Documents

    Help & Tutorial

    How to use Book mode

    Slide Example

    API Docs

    Edit in VSCode

    Install browser extension

    Contacts

    Feedback

    Discord

    Send us email

    Resources

    Releases

    Pricing

    Blog

    Policy

    Terms

    Privacy

    Cheatsheet

    Syntax Example Reference
    # Header Header 基本排版
    - Unordered List
    • Unordered List
    1. Ordered List
    1. Ordered List
    - [ ] Todo List
    • Todo List
    > Blockquote
    Blockquote
    **Bold font** Bold font
    *Italics font* Italics font
    ~~Strikethrough~~ Strikethrough
    19^th^ 19th
    H~2~O H2O
    ++Inserted text++ Inserted text
    ==Marked text== Marked text
    [link text](https:// "title") Link
    ![image alt](https:// "title") Image
    `Code` Code 在筆記中貼入程式碼
    ```javascript
    var i = 0;
    ```
    var i = 0;
    :smile: :smile: Emoji list
    {%youtube youtube_id %} Externals
    $L^aT_eX$ LaTeX
    :::info
    This is a alert area.
    :::

    This is a alert area.

    Versions and GitHub Sync
    Get Full History Access

    • Edit version name
    • Delete

    revision author avatar     named on  

    More Less

    Note content is identical to the latest version.
    Compare
      Choose a version
      No search result
      Version not found
    Sign in to link this note to GitHub
    Learn more
    This note is not linked with GitHub
     

    Feedback

    Submission failed, please try again

    Thanks for your support.

    On a scale of 0-10, how likely is it that you would recommend HackMD to your friends, family or business associates?

    Please give us some advice and help us improve HackMD.

     

    Thanks for your feedback

    Remove version name

    Do you want to remove this version name and description?

    Transfer ownership

    Transfer to
      Warning: is a public team. If you transfer note to this team, everyone on the web can find and read this note.

        Link with GitHub

        Please authorize HackMD on GitHub
        • Please sign in to GitHub and install the HackMD app on your GitHub repo.
        • HackMD links with GitHub through a GitHub App. You can choose which repo to install our App.
        Learn more  Sign in to GitHub

        Push the note to GitHub Push to GitHub Pull a file from GitHub

          Authorize again
         

        Choose which file to push to

        Select repo
        Refresh Authorize more repos
        Select branch
        Select file
        Select branch
        Choose version(s) to push
        • Save a new version and push
        • Choose from existing versions
        Include title and tags
        Available push count

        Pull from GitHub

         
        File from GitHub
        File from HackMD

        GitHub Link Settings

        File linked

        Linked by
        File path
        Last synced branch
        Available push count

        Danger Zone

        Unlink
        You will no longer receive notification when GitHub file changes after unlink.

        Syncing

        Push failed

        Push successfully