COVID-19パンデミック下の社会変革に関する地域横断的共創のための市民参加型Web議論実験

進行中の研究課題との関連性

進行中の研究課題で開発したWeb議論システムD-Agreeを用い,COVID-19パンデミックから派生した社会危機を乗り越えるための市民参加型Web議論を行う.社会的要請の大きなテーマであるため,社会的インパクトの大きな議論実験につながる可能性があり,ELSI的な観点での分析にも適している.また,感染症対策と経済危機対策のトレードオフに着目すれば対立型の議論が可能になり,地域横断的共創に着目すれば共創型の議論が可能になるため,最終年度を迎えた本研究課題成果の実社会応用として最適である。

追加的研究のアイデア・COVID-19の影響への効果・独自性

ALBERTを用い,COVID-19パンデミックから派生した各地の事例をWeb記事から自動収集する機構を開発し,市民参加型Web議論の支援に活用する.収集した各地域の事例および議論内容に関するメタデータを,Web Annotation Data Modelを用いてオープンデータ化し,地図上および未来年表上に可視化する.これにより,パンデミック下およびパンデミック後の社会像を地域横断的に共有し,人々のWell-beingに貢献する共創活動を支援する効果を見込んでいる.Code for Japanがアイデアボックスというシステムを用いてCOVID-19に関する意見を募集したが,本研究で目指す地域横断的かつ長期的な共創活動の支援は考慮されておらず,また各地の事例を可視化した上での議論もなされていない.本研究の独自性は,以下の3点である.

  1. パンデミック下およびパンデミック後の社会変革のための長期的かつ地域横断的な共創に焦点を当てる
  2. 各地の事例を地図上および未来年表上に可視化した上での議論支援機構を開発する
  3. Web記事から自動収集した事例のオープンデータ化を目指している

エージェントはどんな観点から優れているのか?

  • 公平性、安定性
    • 人間だと議論内容が理解を超えたところで対応できなくなる(限定合理性)
    • 人間はどうしても認知バイアスがかかってしまう
  • ファシリテータへの信頼性
    • 自分の意見が無視されていないか
  • 反応性
    • 迅速な反応
  • 共感性
  • 確実性
    • ファシリテータの挙動の精度
  • 解釈ギャップ
    • 発言者の意図をファシリテータが変えずに扱っているか
  • ソフトウェアとしての性能
    • 標準化されている評価手法を調べる
    • Vモデル
  • 24時間対応可能(あたりまえ)
  • 中澤先生の論文を参考にする

人間とエージェントの棲み分け・どう協力するか

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費用の使途

事例収集機構や議論内容の解析器の訓練コーパスを構築するため,クラウドソーシング費用を計上する(120万円).ALBERTのpre-trainingやfine-tuningのために,名古屋大学のスーパーコンピュータ「不老」を利用する(60万円).また,各地域の事例と議論内容を地図上と未来年表上に可視化するシステムについては,Figma等のプロトタイピングサービスを用いたデザインをデザイナーに発注する(60万円).NPOやシビックテック団体などに議論参加を呼び掛ける各地の協力者に謝金を計上する(50万円).システムを統合し議論実験全体を統括するための補佐として研究補助員を1名雇用する(280万円).成果を国際会議や論文誌、国内学会等で発表する(30万円).

海外研究者との連携・共同活動

台湾のg0v (gov zero) や米国のCode for Americaをはじめ,各国のシビックテック団体との連携を交渉する.10月までに連携交渉がうまくいった場合は,10月17日のCode for Japan Summit in 愛知(おそらくオンライン開催)にてCOVID-19パンデミック後の社会変革に関する国際連携セッションを企画する.10月に間に合わなかった場合は,人工知能学会 市民共創知研究会にて国際ワークショップを開催し,議論実験の成果を報告する.

実験

  • 実験は、まずは8, 9月に名古屋で
  • その後、他の地域に広げていく

最終報告

  • 9月末に最終報告書
    • 見込みを示す
    • 仮説
  • 12月に最終報告会
    • 結果を示したい
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