1日目午後1@研修3部屋 === 日時:2017/09/23 12:00 - 16:00 Code for Japan Summit 2017 共有ノート # 車いすで奈良公園の鹿とデートなう。に使っていいよ 田中 雅人 / 玉泉 京子 12:00 - 12:45 ![](https://i.imgur.com/uNH7f0O.jpg) --- **■ビデオ上映(5分)**  「奈良ユニバーサル観光マップがNHKに取り上げられた。  奈良と関西と全国で3回放映された。  開発者の田中さんは進行性筋ジストロフィーにより車椅子生活。  ボランティア30名で開発した。障碍者自身が観光地を街歩きし、マップ作成。図や写真をふんだんに使いバリアフリー箇所をわかりやすくした。  「段差がある」と言っても、見てみないと実際にはわからない。  マップを持って田中さんとお出かけしてみました。鹿の足跡ルートは車椅子で通りやすいルートだ。逆に通りづらい箇所も明記している。元興寺では車椅子からでも飾っている曼荼羅を見学できるようになっている。  観光マップでいちばん重要なのはトイレ情報だ。細かな情報をアイコンで示している。車椅子で旋回できる十分なスペースがあるかどうかを表現したり、呼び出しボタンがあるかどうかも示している。マップは県内の観光案内所等で配布。車椅子利用者だけでなく、お年寄りやベビーカー利用者も使ってくれている。まさに「ユニバーサルマップ」だと感じている。  第二弾・第三弾も発行していきたい。これからエリアも拡大していきたい。奈良県のいろいろな観光地を網羅したいと考えている。 --- **■田中 雅人 さん**  奈良で、当事者の目線からの観光マップがなかったので作りたいと考えた。実際に奈良県・奈良市が作っているマップもあるが、それにも課題を感じていた。それで自分で作りたいと思った。  奈良市・奈良県のマップをまず紹介する。  奈良公園をメインにしたマップである。裏に施設情報があり、QRコードでバリアフリー情報へリンクされている。いろいろな情報が多すぎて、見づらいと感じていた。もう少しシンプルな方が見やすいのではないか。歩道の情報も欲しいと思った。施設一覧で簡単に情報が得られる点はよい点。  奈良おでかけ安心サポートマップについて。奈良県14エリアを施設情報をマップで紹介している。しっかり調査して作られていると感じた。かなり充実していて見やすい。マップに路面状況や傾斜度合いも書かれているが、どのルートが安全なのかは利用者が考えなければならない状態。コース紹介が欲しいと感じた。  コンセプトとして、車椅子といってもいろいろな種類がある。手押し、電動、手動と電動の間のようなものもある。3種類の車椅子の特性に応じて観光地で気を付けるべきところなどを記載した。  手動車椅子は、軽くて抱えられるくらいだが、軽いので砂利道でひっかかりやすく動きづらい。前輪が小さい。  電動車椅子はパワーがあって坂道や砂利道でも大丈夫。でも重いので抱えることは難しい(70~90kg)。前輪が大きいので多少の段差は越えられる。  簡易電動車椅子は、バッテリーが小さいのでパワーは劣る。バッテリーの残量に気を付けなければならない。前輪は小さい。  この特性に気を付けてマップを作った。 --- **■玉泉 京子 さん**  デザインを担当しました。今回のお話は「BORDERを意識する」というテーマにした。  大阪在住のフリーランスデザイナーです。車椅子に興味を持ったきっかけは、2015年にワークショップに参加して気づきがあった。WSで京都市内を観光したとき、マップ上は道があっても車椅子では通れないところがあった。京都の寺町でも、ちょっとした石畳の隙間で引っかかってしまった。介助者がいないと進めないところがたくさんあった。ちょっとした段差も手動式だと一人では越えられない。いろいろな困難を感じた。  地図に載っている「道」は車椅子で必ずしも通れるところではないと感じた。  マップを作ったきっかけ。知り合いの地図の専門家から話があった。  WEBを15年やっていて、グラフィックはあまりやっていなかった。紙のデザインは少しやった程度、奈良の地理については素人で、他人に聞きまくった。その時に助けてくれたのはCode for Naraの人たちだ。オープンデータにできないかと石塚さんが初回の打ち合わせから参加してくれた。地図の考え方は大塚さん、奈良の地理は菊宮さんなどから助けていただいた。佐藤さんにも写真提供していただいた。編集会議でもいろいろな人に見てもらいたくて、ボランティアの方に協力いただいた。出版事業ということでいろいろな人の目が重要だ。  車椅子に興味を持っている人は多い。奈良に来たい人、身内に車椅子を使っている人など。車椅子は年を取るとみなさんにも身近な課題なのだ。  フリーダム21・マップ事業部について。発案者は田中さん、渉外担当の山下さんが9,800部頒布してくれた。手にした人が周りにどんどん紹介してくれた効果もある。5か月で1万部近く配布できた。これによっていろいろな課題が吸い寄せられた。声を上げやすくなったのかもしれない。  課題設定について。車椅子の人が旅行を設計できるような冊子にすべきだと考えた。通行できる道がわかるということ、時間がわかるということが重要だ。  これがマップ本体です。奈良公園という文字の隣に、車椅子だとだいたい何分くらいで回れるか、目安を書いている。一つ一つ通れる道を調査した。例えば近鉄奈良駅から大仏殿まで地下道がある。車椅子通行可能とは書いてあるが、雨の日や女性が介助者だった場合などは難しいだろうということで、他の道をお勧めすることにした。  地図には膨大な情報が書かれる。実際に迷わず行けるように、交差点名や道の本数を正確に書くことが重要。一方で不要な情報は書かない。  見やすく通行できる地図を作ることに徹した。車椅子に対するデザイナー側の意見は盛り込まないようにした。  データから自分たちで調査して作ったところがユニークなところだ。  Code for Naraでは、紙の調査票で道の状況を調査していたが、これを調査の段階からデジタルデータにできればいいのではということが定例会で持ち上がった。データ化するところが面倒なので、Google Formで調査票を作成し、各調査項目を盛り込んだフォームを作成した。「施設や係員の対応」など、書きにくいが重要なところだ。手書き→集計は大変、その場で集計できるというアイデアを得た。Google Formの調査票は現地でのテストを終え、次回からの調査に使う予定だ。  誰もが自由に使えるデータにしたいので、バリアフリー情報はオープンデータにする想定で進めている。アイコンのデータも、オープンデータではなく、誰でも利用許諾を得なくても使えるデータにしたいと考えている。 --- **■Q&A** (中川さん)  大学生でボランティアサークルに入っている。マップを作りたいと思っているが、プロジェクトの推進力はどう確保すればいいか。 (田中)もともと旅行が好きだった。役に立つものを作りたかった。作ろうと思ってからはだいたい1年くらいで試行錯誤して作るものを決め、そこからスタートさせた。初めは助成金も何もなかった。 (中川)一人だけで検討したのか。 (田中)フリーダム21のプロジェクトとして始めたが、最初は何からやればいいか全然わからなかった。最初の1年くらいでようやくつかめてきた感じだ。助成金をもらえることになった。助成金は1年で仕上げなければならない制約があるので、年度末ぎりぎりだった。 (玉泉)施設の許諾を得るのに思いのほか時間がかかった。 (田中)運がよかったのは、デザインをどうしようという話になった時、玉泉さんを紹介してもらって、そこからCfNにつながってうまく進んだところだ。 (玉泉)2015.9にやるぞと思って田中さんが一人で始められて、山下さんがサポートで入られた。どんどん協力者が集まってきた。一つ一つの調査も細かくてしんどい。それを乗り越えたパッションは? (田中)「作りたい」という気持ちでしょうね。うまく伝わるかどうかわかりませんが。 (フロア) 福祉に関わることをしています。学生、尼崎で活動しています。ぜひ会場マップを参考にしたいので一部ください。 (田中)20部あるので持って帰ってください。オンライン版を今開発中です。 (野田さん)京都の長岡京で、保育士ですが、行政職員です。子供を散歩させていても、長岡天満宮でも通れない道もある。自治体としても取り組みたい。オープンデータということだが、一緒に提携してできますか?使えるデータを使わせてもらうとか。 (玉泉)調査票は共有できる。どんどん使ってくださいということでした。調査の仕方は共有できる。 (石塚さん)調べたデータは、できれば公開できればいいなと考えている。実査を行っているので非常に詳細な地図ができているが、もう一段軽いレベルのものもあっていいかもしれない。そういうものをきっかけに。 (野田)一緒にできればいいですね。 (KAWAIさん) 紙の媒体でまず始めたのはなぜか。デジタルのワールドから入ってもいいと考えた。また、多言語化、スケーラブルにすることで、海外からも車椅子、ベビーカーの観光客の方にも来てもらえるのではないか。 (田中)障害を持っている人、高齢者にも使ってもらいたい。現地で広げて使ってもらいたいと考えた。ネットが使いづらい人もいると思う。今年からオンライン版で、PDFと位置情報活用版を作る予定だ。ゆくゆくは多言語化も進めていきたい。 (玉泉)紙であるというのは、電動車いす一人で行く場合もあるが、デジタルでバイスを操作しながら電動車椅子を操作するのはハードルが高い。紙だと軽い。多言語化も製作にコストがかかる。教育関係の方で協力いただけそうな方もいる。デザイン的なフォーマットもできればと。 (KAWAI)製作プロセスの部分で、日本人って正確なものを作りたいと思うものだ。でもラフなものからまず出して、Googleで簡単に翻訳することでも始めていけるのではないかと感じたところだ。思考パターンの話だが。 (玉泉)すべてのデータはフリーダムが責任を持つという形で発行している。ユーザに任せるとまた違うスキームになるのかもしれない。 (新井先生) スマホとかデジタルデバイスが使えないというのはかなりショックだ。ソフトがダメだとすると、ハードから考えなければならない。快適なハードが必要なのか、ソフトがいけてないのか。 (玉泉)とっても軽いスマホがあると使えるかもしれない。 (新井)ふだんはスマホやiPadを使っているが、外出中は使いづらいのか。アプリの問題かハードの問題か。 (田中)最初は紙で作りたいと思った。作った後でアプリを作りたい。スマホはよく使います。でも歩きながらは使いにくい。押してもらって使うのはいいが、電動を自分で操作しながらは難しい。 (新井)さっと手に取る行動が使いにくいのかもしれない。電子データでまず作ると紙にもできる。 (KAWAI)知り合いはスマホを電動車椅子につけて、地図アプリを見ながら走っていた。ITの慣れ度合いなのかもしれない。デジタルだからダメとは感じていない。 以上 # HTML5 + JavaScriptだけでスマホアプリが作れる 13:00 - 17:30 Please take note here! **このノートは誰でも編集可能です!ぜひ議事録取りに協力願います。**