みすかーと公式SS 「レッツゴー!みすかーと」 == 以前のみすかーとSS「[レッツゴー!みすかーと](https://hackmd.io/s/SJs6D6UJE)」待望の続編です。何も考えないで読んでください。15000文字を超えているので、読む際には休憩を挟んでね。 # Vol.2 タコを食べた子 ## 第1章 再会!目指せ新たなグランプリ 今夜はMIS.W活動日。美彩が活動教室の扉の前に行くと、もうほぼ全員が集まっていた。 ガラララ… 美彩「………」 みすちゃん「あっ、美彩ちゃん!久しぶり!」 赤音「よう、久々だな。待ってたぜ」 みすちゃんと赤音が美彩に気づき、彼女を出迎えた。 美彩は前回の第一回みすかーとグランプリ以来、なかなかサークルに来ようとはしなかった。だが、今夜は事情が違う。 美彩「みすちゃん、赤音さん…」 みすちゃん「さあさあ美彩ちゃん、べるがお待ちかねだよ」 美彩「べるさんが…」 美彩はべるに呼び出されたのだ。自分なんかに何の用だろう。別に企画の仕事を任せられる義理はないし、そもそも彼女はべるの企画に何一つ入ってはいない。むしろ、仕事を任せられたとして自分に出来ることなんて… べる「やあ美彩ちゃん。待ってたよ」 美彩「あの、私に用って…」 べる「ああ、そのことで話がある…聞いて驚け!」 えんしん「みすかーとグランプリ!(変なポーズを取りながら)」 ueta「第2回!(面白いポーズを取りながら)」 宮澤ブルー「開催決定!(笑っちゃうポーズを取りながら)」 べる「やったね美彩ちゃん!(自分ではかっこいいと思っているポーズを取りながら)」 みすちゃん・赤音「イェーイ!」 美彩「えっ…」 素早く姿勢を正したべるは急に真面目になって語り始める。 べる「そこで美彩ちゃんには、またレースに出てもらいたいんだ」 みすちゃん「前回のキレた美彩ちゃんの走りは凄かったからね!」 赤音「今度は俺も離脱せずに、美彩とバトルがしてみたいからな!」 みんなからの要請に一瞬驚くが、美彩はすぐ俯く。 美彩「でも、私なんかで…」 赤音「ああ、前回のレースのことか?そんなもん気にしてねえよ。いいから出ろ!」 赤音がぶっきらぼうに言うが、おそらく前レースでの行いを悔いている美彩を元気づけるためだろう。 べる「それに、今回は前回の反省を生かしていろいろと変更点があるんだ」 べる「前回はナビゲーターが集まらなくて、俺が全員のナビゲーションをするつもりでいたんだが、Yoshiが思った以上にいい仕事をしてたからな。だから今回からは出場者全員にナビゲーターを付けることにしたぞ。仕事は分散するもんだな」 えんしん「まあ、前回はべるが完全にみすちゃんに肩入れしてたからね…」 ueta「というか他のドライバー達に何一つアドバイスしてないだろ」 えんしんとuetaが呆れて言った。動揺するべる。 べる「し、仕方ないだろ。みすちゃんの参加は予定外だったんだから、カートの操作方法だって知らなかったわけだし」 赤音が唐突に誰かの腕を引っ張ってきた。 赤音「俺のナビゲーションはまたYoshiに頼むことにしたよ!俺があそこまで追い上げられたのはYoshiの指示のおかげだし、何てったって俺のためにあそこまでしてくれたからな!よろしく頼むぜ〜!」 Yoshi「いや、そんなに良く言われても…」 べる「なら、また俺はみすちゃんに指示を飛ばすとするかな。他のナビゲーターはどうするか…あ、えんしんとuetaは引き続きコントロールタワーでレースのモニタリングに当たってくれ」 えんしん「へいへい」 *** 宮澤ブルー「なあ、美彩さん」 美彩「あ、宮澤ブルーさん。何でしょう?」 宮澤ブルー「美彩さんのナビゲーション、俺にやらせてもらえないかな?」 美彩「え、ええ…構いませんよ。私で良ければ…でも宮澤ブルーさん、あなたは元々ドライバーだったのでは?」 宮澤ブルー「ドライバーは諦めたんだ。体力が持ちそうになくて…開発側で仕事したわけでもないし、こうでもしないと出番が…」 美彩「そ、そうですか…わかりました。じゃあ私のナビゲーション、お願いしますね。」 宮澤ブルー「美彩さんの勝利のために、全力でやらせてもらうよ!」 *** 秋奈「どーしよっかなあ、ボクのナビゲーター…」 >天然馬鹿爆発娘 秋奈(出演:黄色みすちゃん) CG研に所属する。テンションが高い元気者。大きな声と派手なリアクションがインパクト大。実は前回レースの優勝者。 秋奈「うーん…よし!さうざん!」 さうざん「何でだよ!? おれはみすかーとの企画員じゃねぇーぞ…」 *** ももっく「まったく、前回あんな仕打ちを受けてしまったからな…今回誰かのナビゲーターでもやらないと俺の立場がないぞ…」 >色彩の魔術師 momok 前回のSSで扱いが雑すぎ、雪辱を果たすべく登場。辛いものが好き。 桃花「ウチもみすかーとに出たいなー。もしも出れたら…」 >お転婆ガール 桃花(出演:桃色みすちゃん) MIDI研に所属する。あざとい言動と思わせぶり態度でサークルの姫的存在。 桃花「勝てばみんなの人気者!もし負けても、それはそれで可憐な女の子がカーレースに挑戦するなんて、何て可愛いんだ!ってことでやっぱりみんなの人気者…でもレースの出場にはナビゲーターが必要なんだよなあ…」 ももっく「ん?」 桃花「お?」 桃花「組もう!」 ももっく「おう!共に戦おう!」 *** そして、いつものようにMIS.W活動終了の時刻がやってきた。 べる「さあ、出場者は決まったか?今宵はみすかーとグランプリ前夜祭と称して派手にやるぞ!」 企画員一同「オーッ!!!!!」 ## 第2章 美味!タコ料理 みすかーと企画員とグランプリ出場者達がやってきたのは、西早稲田で有名な(大嘘)寿司屋「ほも寿司」。男気溢れる(?)寿司が人気の店だ。 [マグロ] ┌(┌^p^)┐<マグロォ… Takowasabi「いらっしゃい!」 べる・えんしん・ueta「何でお前がいるんだ!!」 *** べる「普通にバイトしてたんだ…」 Takowasabi「みすバイトの一環だよ」 べる「そんなバイトあったか…?まあいいや、たこわさが店員なら気楽だよ」 Takowasabi「ではごゆっくり」 べる「じゃあ気を取り直して…よし、みんな食うぞー!」 一同「いただきまーす!」 えんしん「べるの奢りだー!」 べる「何でだよ!!」 宮澤ブルー「まあ領収書出せば、このお金も会費から出るんだろ?」 べる「出ねぇよ…」 とまあ、何やらかんやら食事を始めたみすかーと企画院達であった。 瑞希「お通しのたこ焼きです…」 えんしん「ここ寿司屋じゃなかったっけ!?」 ueta「お通しとは」 なぜかたこ焼きを出してきた店員を見て、みすちゃんとべるはあることに気づいた。 みすちゃん「あれ?店員さん、どこかで見た顔だけど…」 べる「本当だ、君どこかで会ったことない?」 赤音「何だ何だ、ナンパかべる〜?」 赤音が茶々を入れる。 べる「そんなんじゃないってば!」 Takowasabi「彼女もみすバイトでここに来てる、MIS.Wの一員だよ」 さうざん「えっ、そうなのか!」 Yoshi「えーと、確かハンドルネームは…」 Yoshiが思い出す前に、店員は口を開く。 瑞希「レジェンダリー=スターダスト=サバイバー・†絶対最強剣士†・ゴミクズヘタレ理系大学生の瑞希です…」 一同「」 赤音「あ、あんたがレジェンダリー=スターライト=クルセイダーの…」 美彩「ゴミカス大学生の瑞希さんだったんですね…」 えんしん「微妙に間違ってるぞ」 べる「毎回名簿に書くとき苦労してる」 みすちゃん「呼ぶのもためらわれる…」 秋奈「すごいハンネだね!長ーい!」 瑞希「す、すみません…」 >臆病者の女の子 瑞希(出演:水色みすちゃん) MIS.Wプロ研所属。あまり自分に自信が持てず、ちょっと暗い性格。サークル内の友達もTakowasabiぐらいしかいないらしい。 えんしん「ま、まあここで会ったのも何かの縁だよな!よろしく、レジェンダリー=スカイハイ=ウォーリアー…」 赤音「長いわー!!」ポカ☆ えんしん「痛っ!! 何で俺が責められてんの!?」 みすちゃん「そういえば美彩ちゃん達の名前って本名なの?」 美彩「本名ですよ」 赤音「本名だぜ」 秋奈「本名だよ」 桃花「本名に決まってるじゃない!」 みすちゃん「…髪の色が名前と同じなのはギャグなの?」 赤音「知らねぇよ!!」 美彩「逆に、みすちゃんや皆さんの本名って…」 みすちゃん「教えないよ!?」 べる・えんしん・ueta・Yoshi・宮澤ブルー・ももっく・さうざん「そうとも!!」 ueta (というかみんなの本名知らないし) 宮澤ブルー (本名を知られたくないからハンドルネームを使ってるんだよな…) えんしん (ブルーはもう遅いよ) べる (俺は幹部だからみんな知ってる) 瑞希「はあ…」 Takowasabi「どうした?」 瑞希「何か…友達少ないのは自覚してたんですけど…全然知られてないんですね、私…」 Takowasabi「そのハンドルネームは知られようとしてないと思う…」 桃花「ところで瑞希ちゃん、瑞希ちゃんもみすかーとに出てみるつもりはない?瑞希ちゃんも来てくれたら桃花嬉しいなあー」 ももっく「おおっ、友達の少なそうな子を一緒に誘うなんて!何て優しいんだ桃花ちゃん!」 桃花「当たり前だよももっく!ライバルはいーっぱいいた方が盛り上がるからね!」 桃花 (そう、この子はウチよりずっと可愛くないし、勝負も弱そう…ふふっ、ウチの活躍の引き立て役は多い方がいいもんね!) えんしん「何かあいつ凄いあくどい顔してない?」 ueta「確かに」 瑞希「えっ、どうしよう…たこわさ…」 Takowasabi「俺に聞くなよ…」 *** ueta「ところで…今度のサーキットはどこなんだ?またシバゾノか?」 べる「いや、公園をめちゃくちゃにして川口市民の皆様に怒られたからシバゾノはやめた…」 宮澤ブルー「今度は何と!明日西早稲田キャンパスの中庭を貸し切ってレースに使えるようにしたぞ!」 ueta「それはすごい」 宮澤ブルー「名付けてニシワセダシティ!」 えんしん「華のないサーキットだな…」 宮澤ブルー「やかまし」 みすちゃん「今度はどんなレースになるのかな?」 秋奈「またボクが優勝だぁ!」 赤音「なにおう、今回は俺だって負けねえぞ!!」 美彩「秋奈さん、何で前回優勝できたんです…?」 *** Takowasabi「ヘイお待ち!マダコ寿司12人前!」 さうざん「この店はタコ料理しか出んのか!?」 宮澤ブルー「まあまあ、食おうぜ食おうぜ」 ももっく「大量のワサビを添えて」 さうざん「辛い!」 こうして、タコだらけの寿司屋の夜は更けていく― ## 第3章 転生!タコとワサビの国 ???「おい起きろ!」 唐突な大声でみすかーと企画員達は目を覚ます。 べる「むにゃむにゃ…まずい、寝ちまってたか…」 えんしん「明るいな…もう朝なのか?」 ueta「確かタコ料理を食べさせられながら、酒を飲んで酔っ払って…あれ?」 目を覚まして気づいた。周りの景色は明らかにほも寿司の店舗ではない。青い空に塩と生物の臭い、赤くてヌメリのある壁と床… ueta「何だここ!?」 ???「ようやく起きたようだな。」 ueta「何だお前!? タコが喋ってる…」 声の主は、こちらの身長の3分の2もあろうかという程の大きさのタコのような生物であった。 タコ?「喋れるタコがいて何が悪い」 タコ?「平気で我々タコを捕食するニンゲンよりもずっと知能指数は上だ」 ueta「おい起きろみんな!べる、この状況をどうにかしろ、企画長だろ!? えんしんも早くツッコミを入れるんだ!!」 べる「うう…このゲームを作ったのは誰だ…?」 えんしん「uetaだろ…」 べる「違うだろ…むにゃむにゃ」 ueta「寝ぼけてる場合じゃない起きろ!!」ボカッ! uetaに殴り起こされ、ようやく他の企画員達も意識がはっきりしたようだ。 えんしん「ハッ!何だここは!?」 べる「何をしたYoshi!」 Yoshi「俺は何もしてない!」 べる「そんなはずは…おい、どういうことなんだこれは!」 タコ?「驚きのようだな、ニンゲン達よ」 べる「タコが喋ってる…な、何なんだお前達!なぜこんなことを!」 【べる、調べる―】 タコ?「教えてやろう。ここは日本から遥か遠い海に存在する我々タコの楽園…タコランド!」 タコ助「そして俺はこのタコランドの戦士、タコ助」 タコ郎「同じく俺はタコ郎」 タコ助「我々はニンゲンに捕らえられ、出荷されてしまった仲間を追って、ほも寿司に辿り着きニンゲン共がどうするか見張っていた…」 タコ郎「人間がタコを大量に捕らえてどうするつもりなのか調べようとしたが…何と野蛮なニンゲン達はあろうことか仲間の身体を鋭利な刃物で裂き、寿司という料理として客に提供したのだ…」 タコ助「お前達は昨日、我々の仲間を大量に捕食しただろう!だから俺達は、忌まわしきニンゲンたるお前達をこの国へと連れてきたのだ」 べる「待て待て待て待て待て待て!おかしいだろ!」 えんしん「昨日俺達がタコを食べたのは、たこわさが大量にタコを出てきたから…」 Takowasabi「ええ!? 俺のせいかよ!」 進行しない会話に痺れを切らし、赤音が威勢よく割って入る。 赤音「ちょっと待てよタコの兄ちゃん達!俺達は明日カーレースに出なきゃならねぇんだよ…わかったらさっさと元の場所に帰してくれ…それともボコボコにされてぇか?」 みすちゃん「怖いよ赤音ちゃん!」 タコ郎「カーレースか…面白い。よし赤い小娘、貴様の度胸と我々と同じ赤色に免じて、一つ勝負をしようじゃないか」 思わぬ提案に、企画員一同顔を見合わせた。 赤音「勝負…?」 タコ助「お前達のルールで、我々のサーキットでレースをするのだ。もしお前が勝てたら、この世界から解放してやろう」 赤音「面白ぇ…だが俺が負けたらどうなる?」 タコ郎「その時は…」 タコ助「お前達を食ってやるのさ」 タコ郎「ニンゲン共が我々の仲間にした行為と同じように、な」 ニンゲン一同「怖っ!!!」 桃花「赤音ちゃん、負けないでよ!」 さうざん「俺達の命があんたにかかってるぞ!」 赤音「あたりめーだろ、あんなタコ共に俺達が負けてたまるかよ!」 みすちゃん「えっ、赤音ちゃん『俺達が』って…」 赤音「その勝負、俺達みすかーと六人で相手になってやるよ!!」 みすちゃん・美彩「えええええええええ!?」 瑞希「そんな…」 秋奈「?」 桃花「は〜?ウチらまで巻き込むの?」 赤音「当然だ!俺達永遠の友情を誓い合った仲だろ?」 みすちゃん「そんな友情誓ったっけ!?」 べる「だが、いくらレースで勝てたら解放してくれるといっても、肝心のカートが…」 タコ助「お前達の車か?寿司屋の前に止めてあったカートならこちらに移動しておいた」 べる「おお、用意がいいな。わざわざすまない」 Takowasabi「あんたらはカートに乗って寿司屋に来とったんか!?」 ## 第4章 波乱!? レース開幕 かのう「さあ第2回みすかーとグランプリ、今回は何とタコ達の国のたこサーキットで開催だあ!」 べる「かのう、お前もこっちに連れ去られてたんだな…」 かのう「出場者は一番からみすちゃん、美彩ちゃん、赤音ちゃん、瑞希ちゃん、秋奈ちゃん、桃花ちゃん!そしてタコ二匹!」 みすちゃん:みすかーと1号(プロ研中量級カート、スターリーブルー) 美彩:みすかーと2号(CG研中量級カート、クリスタルホワイト) 赤音:みすかーと3号(MIDI研中量級カート、マットブラック) 瑞希:みすかーと4号(プロ研軽量級カート、アークティックブルー) 秋奈:みすかーと5号(CG研軽量級カート、ライトグリーン・モスグリーンツートン) 桃花:みすかーと6号(MIDI研軽量級カート、メタリックマゼンタ) タコ二匹「雑にまとめるな」 かのう「いきなりスタート!」 一同「早すぎるだろ!!」 唐突に始まったレースだが、各車一斉にスタート。ちゃんと動いてくれて良かった…とべるが思ったのは内緒だ。 かのう「さあ、レースが始まりました。飛び出して行ったのはまず桃花ちゃん!」 桃花「やったー!一位だよ!このままゴールだ!」 ももっく「頑張れー!」 かのう「続きまして美彩ちゃん!経験者だけにその走りは慣れたもの!」 美彩「応援ありがとうございます…」 ブルー「まだ二位なら後から十分取り返せるし、手堅く勝ちを狙っていこうぜ!」 かのう「それに続くのは瑞希ちゃん!自信がなさそうだったけど大丈夫だろうか」 Takowasabi「出たからには仕方ない、頑張ろう!」 瑞希「………」←走る勇気はないが、出走を拒否する勇気もなかった かのう「その次は秋奈ちゃん!前回優勝者にしては、少し遅れを取っていないか?」 秋奈「あれ?ブーストボタンってどれだっけ?」 さうざん「こんな感じで大丈夫なんだろうか…」 かのう「そして随分離れてタコ二匹!何かこれ、ここから出られるか心配する程でもなかったんじゃないかと思う程の引き離され様だ!」 タコ助「やかましい!!」 タコ郎「俺達にはこの国のみんながついてるんだよ!」 その頃、観客席では― タコ吉「うおー!!!!!」 タコ丸「タコ助!! 負けるなよ!!!」 タコ作「タコ郎、ニンゲン共を打ち負かしてやれ!」 タコ実「あの二人が負けるはずないわよ」 タコ行「そうそう、だって名門レースたこかーとグランプリで毎年優勝争いをしてる実力者だぜ」 タコ蔵「憎きニンゲン共を倒してくれるに違いない!」 タコ松「その暁には…」 タコ一同「ニンゲン料理…!」 タコ一同「負けるなよ!」 えんしん「あいつらどうにかならんか」 ueta「デスメタルで吹き飛ばしてやれよ…ところで、何だかカートが少なくないか?」 えんしん「確かに。どういうことだろう」 かのう「おーっと!前回激戦を繰り広げたみすちゃんと赤音ちゃんがスタートラインから動こうとしない!一体どうしたんだ!?」 本部のナビゲーター達がモニターを見ると、スタートラインに留まるみすちゃんと赤音の姿があった。 Yoshi「どうした赤音ちゃん、何があった!」 べる「マシントラブルか!?」 みすちゃん「ごめん、私生魚の臭いが苦手で…オエ〜…」 べる《ええ!? ま、まあ確かにかなりこのサーキットはかなり生臭いし、潮の匂いも結構キツいが…いやちょっと待てみすちゃん、動けない程なのか!? 元気出せ!》 みすちゃん「ごめん無理…ウゲー…」 べる《すまん、今度から寿司屋アフターはやめる…》 赤音「すまない、俺も…うぷっ!」 Yoshi《赤音ちゃんも生物がダメなのか!? 昨日あんなに寿司を食べてたじゃないか!》 赤音「いや、二日酔い…」 べる・Yoshi《それはお前が悪い!!!》 みすちゃん《ごめんね、美彩ちゃん…》 赤音《俺達はもうダメだ…後は任せたぜ…》 美彩「ええっ!? ちょっと二人共…ええっ!?」 半ば無理やりレースを委ねられてしまう美彩。吐き戻すみすちゃんと赤音。 かのう「何と、実力者二人がここでまさかのリタイアだー!!!」 みすちゃん・赤音「ばたんきゅー」 べる「勘弁してくれ…」 かのう「レースに戻りましょう…トップは依然桃花ちゃん!しかしMIS.W四人の実力が拮抗していて、互いに一歩も譲らない!この中から優勝を勝ち取るのは一体誰なんだー!?」 タコ助「」 タコ郎「」 タコ助「ふざけんなよ…?」 タコ郎「俺達の力、奴らに見せてやる…」 ## 第5章 猛攻!タコスミマシンガン みすちゃん達のリタイアこそあったものの、レースは順調に進行し美彩達はカートを走らせる。 桃花「USBゲット!アイテムは何かなー?」 桃花「DVDディスクか…前を走る相手を追尾するものだから一位で出しても意味ないんだよねー…とりあえず投げとこ」 と、なぜか正面に飛ばしたはずのDVDはクルッと向きを変えて、桃花の側方をすり抜けて後方へ。 桃花「あれ?DVDが後ろに…」 美彩「ええっ!? 何で私!?」 ドカーン! ブルー「マジかよ」 べる「すまん、一位で投げたDVDは逆戻りして二位にぶつかる仕様になってるんだ…」 ブルー「そんなアホな…」 かのう「美彩ちゃん、この爆発で瑞希ちゃんに先を越されて、順位をひとつ落とした!」 煙の中から、真っ黒に汚れた美彩が顔を出す。 瑞希「大丈夫…?」 美彩「ええ、何とか…」 秋奈「こんなこともあるんだね!超面白い!」 あまりの酷さにレース相手から心配される美彩。 それを後方から見ていたのはタコ達。 タコ助「奴ら、アイテムを拾わないと攻撃ができないようだな」 タコ郎「ならば俺達のタコスミマシンガンで不意を突くのみ!」 と共に、タコ郎はどこからか巨大なバズーカ砲を装備。建築学科生もビックリ。 タコ助「よし、最初の狙いは…一番近くにいるあの馬鹿そうな黄色野郎だ!」 タコ郎「ロックオン!タコスミ発射!」 その瞬間、真っ黒い砲弾が砲身から放たれ、一直線に前方へ。その先には一位集団の最後方を走る秋奈の姿が。 秋奈「えっ?うわぁーっ!!!」 唐突の絶叫に驚く本部。 さうざん「秋奈ちゃんが…タコスミ弾の爆発で上空に打ち上げられた…」 ueta「なるほど、さすが軽量級」 えんしん「極限まで施した軽量化が証明されたな」 さうざん「今そんなこと証明しとる場合か!?」 みすちゃん「あのタコスミにそんな威力が…!?」←本部に戻った 赤音「セコいぞタコ野郎!ちゃんとUSBから出た武器を使え!」←本部に戻った タコ達「知ったことかー!」 激昴する赤音。 赤音「おかしいだろあれ!ルール違反じゃないのか!?」 べる「いや、実はUSBから出たアイテムを使わなきゃいけないルールはない」 えんしん「実際、そのルールだと赤音ちゃん達は自分の首を絞めるんじゃないか?」 赤音「ギクッ」←デスメタル 美彩「ギクッ」←ペイント弾 厳しいツッコミであった。 美彩「まずい、一体どうすれば…」 瑞希 (前に出ておいて良かった…あんなの浴びたくないし…) 桃花「私も汚れたくないから、早く逃げ切るよ!ももっく、ナビゲーションお願い!」 ももっく《任せろ!》 桃花の要請にももっくも勢いよく返事を返し、モニターに向かい合ってコース見取り図を眺める。ナビゲーターとしての手腕はいかに。 一方こちらは美彩。さっきからコース上のUSBは桃花が回収しまくっているのでなかなかアイテムを手に入れることが出来ない。 美彩「やっとUSBを拾えましたね…出てきたのは…ええっ、私の絵筆!?」 ブルー《前回のレース後に、uetaがペイント弾とデスメタルをUSBのアイテムの中に組み込んでおいたんだ…きっと前と同じように使えるはずさ!》 美彩「わ、わかりました…それっ!後ろに…!」 後方に飛んだペイント弾は、炸裂して大きなインクの水溜まりを作る。タコ達は対応が間に合わず、そこに突っ込んでしまう。 タコ助「うわっ!何だこの液体は!」 タコ郎「俺達のカートの粘着吸盤タイヤでもグリップが効かん!」 タコ助「まさか、あの緑の女もスミを吹けるのか…!?」 美彩「違うよ!?」 そんな中、ももっくから桃花へ通信が。 ももっく《この後コースは水に入るぞ!》 桃花「OK!…ええっ!?」 ## 第6章 壮絶!桃花の策略 桃花《ちょっと待って!? 水とか有り得ないんですけど、髪のセットが!》 ももっく「確かに、それは困るな…」 べる「そんなもんどうでもいい!今はレースを優先しろ!」 バシャーッ! 桃花「うっ、息ができない…!」 瑞希「水が塩臭い…」 美彩「何とかカートは地上と同じようにコントロールできてるようだけど…」 勢いよく水中に飛び込んだ美彩達だが、操作性は地上と大して変わっていないらしい。おそらくゲームの動作上の問題、いや、えんしんのカート開発とuetaのプログラムの賜物だろう。 タコ助「クソッ、ニンゲン共は俺達のようには泳げないはずなのに、水中でも減速はしないか…」 タコ郎「仕方ねえ、今は追いかけるしかねえんだ」 先程までとは一転、タコ達も水中で冷静に美彩達を追いかける。 桃花 (急にタコ達の攻撃が止んだ…さてはあいつら、ウチらに恐れをなして勝負を放棄したな?チャンス!) 瑞希「ぷはっ!ふう…」 美彩「やっと地上に出ましたね…」 何とか水中を脱した美彩と瑞希。安心したその瞬間、正面からは一直線にかっ飛んでくるDVD。 瑞希「うわっ…」 美彩「きゃっ!危なかった…」 直前で左右に避け、ターゲットを見失ったDVDはコースの壁に激突し大爆発。 桃花「チッ、当たらなかったな…」 瑞希「攻撃してきたのは桃花…?」 美彩「なぜ私達に攻撃を続けるんですか!誰か一人がタコに勝たなくては、私達は一生この世界から出られないんですよ!?」 桃花「そんなの知ったこと…見てみなよ後ろのタコ達を!あれっきりもう攻撃を仕掛けてこなくなった!もうタコなんか怖くない…そうとなれば、後はあんた達二人を突き落として、私が優勝するのみ!! はははは!!」 美彩「何ていう勝ちへのこだわりよう…」 瑞希「正気じゃないよ…」 前回の美彩よろしく豹変した桃花だったが、これを受けて本部でもテンションのおかしい奴が一人。 ももっく「自分に正直!高飛車なところが凄く可愛いよ!桃花ちゃん!」 えんしん「おめぇも正気じゃねぇな!」 べる「急にカミナリみたいなツッコミかますなお前」 Yoshi「確かにタコ達の攻撃は大人しくなってるけど、それであいつらが諦めたってことには…」 ueta「そんな簡単に勝てるとも思えないんだよなあ」 宮澤ブルー「みんな仲良くしてくれよ!みんなが帰れるかどうか懸かってるレース中にいがみ合わないでさ…」 Takowasabi「そうそう、誰か一人がコケたときに、周りがサポートできるようにしとかなきゃ…」 さうざん (担当レーサーが上空に打ち上げられたまま戻ってこないので仕事がない) 桃花「そんなこと言ったって…私には勝つことしか…」 〜回送シーン〜 クラスメイト「可愛い子ぶりやがって!死ね!」 桃花の母「馬鹿にされたくなければ、一番でありなさい」 桃花「勝つことしか…!」 涙を流しながら、なおもCD・DVDを後方に連投する桃花。 美彩「過去に想いを馳せながらディスクを投げないでーっ!」 瑞希「何だよ今の悲しい回送!」 桃花「うるさい!私にはこうすることでしか…!」 本部 Takowasabi「瑞希ちゃんがあんな勢いよくツッコミしてるの初めて見た」 べる「気になるところはそこか…?」 ## 第7章 団結!瑞希の決意 美彩「確かにタコの攻撃は止んでいる…こうなったら私も攻撃アイテムで桃花ちゃんに応戦するしか…!」 タコ助「勝手にいなくなったことにしてんじゃねぇー!!」 タコ郎「ロックオン!!タコスミ発射!!!」 美彩・瑞希「うわっ!!」 いつの間にやらタコ達は水中から地上へ上がり、再びタコスミマシンガンによる攻撃が始まった。 タコスミとディスク、前から後ろからの猛攻に美彩と瑞希はやっとのことで直前の回避を続ける。 美彩「瑞希さん!!」 瑞希「えっ!?」 美彩は高速走行を続け攻撃を回避しながらも、自らのカートを瑞希のカートの横につける。 美彩「相手が常に使える武器を持ってる以上、私達単独での勝ち目はない…タコ達に勝つには、私達が団結しなきゃ!瑞希さん、あなたの力を貸して!」 瑞希「そんなこと言われても…私に何もできないよ…」 美彩「瑞希さん…」 瑞希「こんな臆病者の私が…できることなんて…」 どんなときでも自信のない瑞希。悲しい横顔に、美彩は過去の自分を重ね合わせていた。 美彩「瑞希さん、あなたは自分に自信がないだけ…私だってそうだったし…でも私は、みすかーとを…みんなと一緒に戦ったレースを通して、自分に力があることに気づけたの…あなたにも、自分が気づいてない力があるはず!」 宮澤ブルー《美彩さんの言う通りだぜ!》 不意に二人のカートのスピーカーから、ナビゲーター宮澤ブルーとTakowasabiからの通信音声が聞こえる。 Takowasabi《そうだ!瑞希ちゃん、だって君は…》 デジタル創作の力で不可能を可能に変えてきた… MIS.Wの一員じゃないか…! 瑞希「…!!」 宮澤ブルー《成功するかどうかはやるまでわからない…でもやって見る価値はあるんじゃね?》 瑞希「う、うん…やってみる…」 本部一同《おおっ!》 赤音《その意気だぜ瑞希!》 みすちゃん《私達の分もお願い!》 べる《君ならできるさ!》 えんしん《俺達人間の勝利を!》 Takowasabi《なあみんな…》 本部― Takowasabi「自分のマイクで喋ってくれないか?顔が近い」 赤音「すまん、つい勢いで」 心強い声援に打たれ、瑞希の表情は徐々に明るさを取り戻す。 瑞希「みんな…」 美彩「ところで瑞希さん、さっきから何か隠し持ってますよね。それ何です?」 瑞希「ええっ、いやこれは別に…」 美彩「見せてください!それが私達の勝利に繋がるきっかけになるかも!」 瑞希「え、ええ…」 美彩「なっ、ノートパソコン!? これはまさか…」 ueta《デバッグ用にみすかーと1号に搭載していたコンピューターだ…いざと言うときのためにアイテム化して他のカートでも使えるようにしておいた》 瑞希「ちょうど新しいノートパソコンが欲しかったから、持ち帰ろうと思って…」 美彩「ダメだよそれアイテムだよ!? でも、それを使って、タコ達の攻撃を止めることもできるかも…」 ueta《いやダメだ、このプログラムはみすかーとをコントロールしているもの。おそらくあいつらのカートには効果がないだろう…だが、桃花ちゃんのカートから攻撃手段を奪うことならできるはずだ…!》 美彩「なるほど…瑞希ちゃん、プログラムは書ける?」 Takowasabi《安心しな、瑞希ちゃんはこう見えても全日本プログラミング選手権岐阜ブロックで優勝を収めた実力の持ち主だ!》 唐突に語られた瑞希のバックグラウンドであった。 みすちゃん「ええっ、あの強豪揃いの岐阜ブロックで伝説級のプログラミングをして日本最強、いや世界最強の実力を持つと言われながら、なぜか全国大会会場に現れず姿を消した、私も憧れのプログラマーが…」 べる「瑞希ちゃんだったのか…」 宮澤ブルー「何プログラミングにそんな大会あるの、知らなかったんだけど」 瑞希《何となく出てみたら優勝してしまって、全国戦に出るのが恥ずかしくて…》 赤音「もったいないような、そうでもないような…?」 美彩「うーん…よくわからないけどそれなら安心だよ!瑞希ちゃん、お願いします!」 瑞希「わかった、任せて…!」 瑞希はパソコンをカートのポートに接続し、タイピングを始めた― ## 第8章 実行!勝利のプログラム 瑞希「終わったよ…美彩ちゃん、これを受け取って…!」 唐突に瑞希はパソコンを取り外し、並走していた美彩に向かって投げ渡す。 美彩「ええっ、パソコンを何で!?」 瑞希「Enterキーを押せばすぐにプログラムが実行されて、他のカートからアイテムがなくなり、パソコンが接続されたカートにアイテムが自動的にインストールされる…私にはプログラミングしかできないけど、美彩ちゃんがアイテムを持てば何とかしてくれる気がするから…」 美彩「わかりました…それじゃあ実行します!…!」 という展開が繰り広げられていた頃、前方では… 桃花「グヘヘヘ、CD5枚…これだけの数を後方に投げれば、美彩と瑞希はひとたまりもない…ざまぁねぇぜ!! あばよ!!」 投げようとCDを振りかぶったその瞬間、耳障りなモスキート音とともに空間にノイズが走る。 桃花「うわっ、まさかこの音は…!」 チラつく空間の中、美彩はこの景色を見て前レースを思い出す。 美彩「この現象は、あの時と同じ…成功ですね!」 瑞希「…!!」 桃花「ない、ない…ディスクがない…!!」 モスキート音が止んで空間も通常に戻ったとき、桃花は攻撃手段を失って走り続けていた… そして気がつけば美彩は、見慣れた絵筆を握っていた。 瑞希「うーん、ペイント弾…路面に仕掛けてタコ達を一瞬足止めできても…」 美彩「すぐに脱出されてしまいますね…うん…?」 タコスミマシンガンの攻撃が止んだとき、私達は水中にいた… そして水中から出て、またタコスミマシンガンは激化している… 美彩「そうか…」 瑞希「美彩ちゃん…?」 美彩「思いつきました、私達が勝利できる方法…賭けになりますが、いいですか?」 瑞希「うん…!」 一方、やっと新たなUSBを拾ったらしい桃花。走りながら、アイテムのインストールを待つ。 桃花「クソッ、追いつかれる…アイテムはまだか…!?」 美彩「そこまでです!」 桃花に追いついた美彩は、桃花に絵筆を突きつけアイテムを使わせないよう牽制していた。 瑞希「絵筆で脅迫してるのもシュールだな…」 桃花「…あーあ!やっぱりウチ一人で勝つのは無理だったみたいだね。ウチに構ってないで先に行けば?」 美彩「いいえ…桃花さん、あなたにも協力してもらいます…みんなで勝利を掴むんです!」 桃花「えっ…?」 ## 第9章 逆転!バトルの終焉 タコ助「作者め、俺達の描写を忘れやがって…」 タコ郎「だがニンゲン達はもう俺達のすぐ前!タコスミマシンガンをぶち当てて、あいつらを真っ先に料理して国民に提供してやるぜ!」 再びタコスミマシンガンを掲げるタコ達。着実にスピードを上げ、美彩達に近づきつつあった。 瑞希「来た…」 美彩「今です、桃花さん!」 桃花「オーケー…よし!デスメタル発動!」 桃花のカートから掲げられたのは大音量のスピーカー。赤音がかつて使ったものと同様、うるさいメロディと共に衝撃波を放つ。ちなみに桃花は赤音の好きなハードロックのようなうるさい音楽はあまり好まないらしい。 美彩「よし…行け…!!!」 桃花の前方にいた美彩は、一際大きな衝撃波に身を任せ、コース上の水面を跳び越えるようにして、カートごと大空に翔び立つ。 瑞希・桃花「行ったぁ!!」 半ば吹っ飛ばされるような形で、複雑に回転しながら美彩は水面上空で絵筆を振りかざす。 タコ郎「そんな派手なアクション意味ないぜ…タコスミマシンガンで撃墜してやる…!」 タコ助「おい、あれってカラフルなスミを吹く道具だよな…」 タコ郎「ま、まさか…!」 そう、水中でタコ達が攻撃を仕掛けて来なかったのは、タコスミマシンガンを水中で使うことにリスクがあったから… だから、同じことを私のペイント弾で…!! 桃花「よし、行ける!」 タコ達「やめろ!それを今やったら仲間のニンゲン達まで被害に遭うんだぞ!?」 瑞希「いいよ…それぐらい覚悟はできてる…!やれ、美彩ちゃん…!!」 美彩「ペイント弾!!!」 水面に放たれたペイント弾は水中で炸裂!カラフルなインクが水中に広がっていく。 美彩「タコスミマシンガンを水中で使えば同じようにスミが水中に広がって、前が見えず勝負にならない…これは相手の前を走っていなきゃ使えない戦法…私達の後ろを走っていたことがあなた達の敗因です!」 言い終えた美彩は体勢を整えて真っ直ぐに対岸に着地。そして再びゴールへ向けて高速走行を続ける。 桃花「そういうわけよ!あんた達なんかに負けないんだからね!」 瑞希「美彩ちゃん、後はあなた一人でゴールへ…!」 タコ達「…チクショォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」 対岸へ渡れなかった4台のカートは次々にカラフルな水の中へ。 宮澤ブルー「よっしゃあ作戦成功!俺達チームみすかーとの勝利だぜ!」 べる「なぜお前が喜ぶ」 えんしん「だが、瑞希ちゃんと桃花ちゃんの救出はどうやって…」 ueta「ああ、それなら心配するな」 リスポーン! という変な効果音と共に、瑞希と桃花は地上のコース上に瞬間移動。 瑞希「はぁ、はぁ…死ぬかと思った…」 桃花「うええ、身体中ベタベタな上に、私の自慢の髪の毛が変な色に…」 ueta「何か壁にハマる事故が多発したから、いざと言うときのためにリスポーンのプログラムを組んでいたのが役立った」 Yoshi「もう備えがいざと言うときレベルじゃない」 一方独走を続ける美彩。遥か遠くに見えていた徐々にゴールゲートが近づいてくる。 美彩「あと少しでゴール!」 ???「…ぅゎぁぁぁぁぁぁ」 美彩「え?上空から何か降ってくる!?」 ???「あああああああああ!!!」 上空から降ってきた物体は、ゲートをぶっ壊してゴールラインに着地!! 秋奈「ああ、驚いた…」 美彩「えっ、秋奈さん!?」 秋奈「空に打ち上げられて、上空でコース2周してきたの」 美彩「あっ、そう…」 かのう「最初にゴールラインを踏んだのは秋奈ちゃん、2連勝を果たしたー!!!!!」 一同「はぁー!!!!!???」 こうして波乱の異世界レースは幕を閉じた!! ## 最終章 地上へ! その頃、タコレーサー二人はやっとのことでインクに染った水中から脱出していた。カートも水中に放置し、体は鮮やかに染まった無残な姿で… タコ助・タコ郎「ふう…」 タコ国民「タコ助、タコ郎…」 タコ助「すまねえなみんな…」 タコ郎「ニンゲン達に復讐することができなくて…」 タコ国民「気にするなよ、お前達が生きているだけで十分だ」 タコ達の様子を見に来たみすかーと企画員達に、タコ国民達は振り返って叫ぶ。 タコ国民「さあ来いニンゲン共!俺達は煮るなり焼くなり好きにするがいい、だが俺達のために戦ったこの二人は絶対に死なさんぞ!」 赤音「いやお前達なんか食わんわ、気持ち悪い」 みすちゃん「ウエッ、やっぱりこの人達生臭いよ…」 べる「そりゃそうだ人じゃなくてタコだもん」 美彩「さあ、私達の世界に戻る方法を教えてください」 タコ助「…仕方ねえな。そういう約束だ」 タコ郎「じゃあ行くぞ」 みすかーと企画員一同「?」 タコ郎「ロックオン、タコスミ発射!!!地上まで打ち上がれ!!!!!」 ドカーン!!! えんしん(打ち上げ中)「そんな雑な方法かい!!!」 ueta(打ち上げ中)「うわーっ!」 Yoshi(打ち上げ中)「風圧が!風圧が凄い!」 べる(打ち上げ中)「I can fly!」 【べる、飛べる―】 みすちゃん(打ち上げ中)「きゃー!」 赤音(打ち上げ中)「割と楽しいかも!?」 桃花(打ち上げ中)「そんなわけないでしょ!?」 宮澤ブルー(打ち上げ中)「俺高所恐怖症なんだが」 さうざん(打ち上げ中)「そんなこと気にしてる場合か!?」 秋奈(打ち上げ中)「二回目の打ち上げ!」 ももっく(打ち上げ中)「君がいた夏は〜!?」 Takowasabi(打ち上げ中)「遠い夢の中〜!!」 瑞希(打ち上げ中)「そ、空に消えてった…」 美彩(打ち上げ中)「打ち上げ花火〜〜〜!?」 かのう(打ち上げ中)「それでは、第三回みすかーとグランプリでお会いしましょう!」 キラーン☆ ↑よくある表現 タコ助「サヨナラホームランだな」 タコ郎「ああ…」 またどこかで会おう、レースのうまいニンゲン共よ… *** 日本 東京都新宿区 ほも寿司上空 べる「そしてほも寿司に着地!!!!!」 秋奈「屋根を突き破って入店!!!!!」 ドンガラガッシャーン!!! ???「店がー!!」 ☆。・:*:・゚'★,。・:*:・'。・:*:・゚'★,。・:*:・゚'☆ という夢を見たんだ… •*¨*•.¸¸☆*・゚•*¨*•.¸¸☆*・゚•*¨*•.¸¸☆ べる「うっ、いたたた…大丈夫かみんな…」 えんしん「大丈夫じゃないぜ…」 宮澤ブルー「腰が痛い」 ueta「寿司屋もぶっ壊しちまうしな」 Takowasabi「店長に怒られる」 ももっく「まずいな、早く退店しようぜ」 さうざん「逃げるんか!?」 ももっく「その前に…」 さうざん「?」 ももっく「大量のワサビ寿司をさうざんに!」 さうざん「辛い!」 Fin.