# 正しい聖夜の過ごし方 -the Best Solution of Christmas- この記事は、[みす51代 Advent Calendar 2016 – Adventar](http://www.adventar.org/calendars/2002)の1日目の記事です。 ## 目を醒ませ アドベントカレンダーというものは、クリスマスまでの24日間をカウントダウンするためのものである。 しかしながらこの宗教的一大行事『クリスマス』は、**日本人特有のアレ**によって**魔改造**されている。 ただでさえ寒風吹きすさぶ今日このごろ、それに加えて人によっては**謎の風当たり**も強くなる日になってしまったのだ。 だがここで思い出して欲しい。クリスマスとは、一体何だったのか、と。 もしかすると、この日本で"**イエス・キリストの誕生日**"という正解を答える者は、ごく少数なのではないか。 これは大変由々しき事態である。 本来のクリスマスとは、家族で過ごすものである。厳粛にかつ陽気に、主の生誕祭を執り行うのだ。 それが現代の日本では何だ。 >「もうすぐクリスマスですね」 >「あー今年もそんな時期か……」 >「どうです、クリスマスの予定ありますか?」 >「はは、僕(私)には恋人なんて居ないし……安定のぼっちだよ、クリぼっち」 何が**クリぼっち**だ。黙って帰省して家族と過ごせばいい。もしくは友人と集まって日本人らしく鍋でもつつけ。 "恋人が居ない=クリスマスの予定がない" "同性同士で遊ぶ予定=傷の舐め合い" 我々は早急に冷静な常識を取り戻し、このガラパゴスすぎる方程式を打ち砕かねばならないのだ。 ## 逞しすぎる商魂 果たして日本のクリスマスはどのようにおかしくなってしまったのか? なんとなく「欧米とは違うな」と感じた方はいらっしゃるだろうが、具体的に考えたことはおありだろうか。 例えば日本のクリスマスの代名詞、チキン。ケ○タッキーでもモス○キンでも、なぜ人々は**まるで集団催眠にでもかかったように**鶏肉を頬張り喰らい始めるのか。 一説によると、アメリカなどの祝いの席でポピュラーな料理である七面鳥が元となっている。 問題はそれ自体ではなく、その文化輸入の際に七面鳥をチキンにすり替えたのが**某大佐のフライドチキン屋**であるという噂である。 より身近な食材に代えたことで人々が親しみやすくなったという点については評価に値すると言えなくもないが、なかなか**ダイレクトなマーケティング**でありいい度胸だ。 >クリスマスが今年もやってくる~♪ お馴染みのCMソングではあるが、**需要を作り出したのがその店である**と思うとどこか癪に障るというものである。 もっとも、**QOLを上げるため**には仕方ない。背に腹はかえられず、筆者も友人とチキンを囲む企画に参加するなどしている。 ## 私は好きにした、君らも好きにしろ では具体的に、どのようにクリスマス――イブと当日の2日間――を過ごせばいいのだろうか。 まず第一に考えるべきなのが、**家族と過ごす**という選択肢である。 クリスマス発祥の地である欧米では、クリスマスは家族と過ごす一大イベントだ。 キリスト教徒として教会でクリスマスのミサ(祈りの儀式)へ赴き、夜は七面鳥などのご馳走をみんなで囲む。 本当の意味で正しくクリスマスを過ごすなら、おそらくこのような一日になるだろう。 しかしそれはこの国においてなかなか難しい。 ミサに行こうにもまず教会が身近な存在ではなく、そもそもキリスト教を信仰していない人が多い。 七面鳥を食べようとすれば、かなりの枚数の諭吉に羽が生える。 要するに、欧米と同じスタイルを貫くことはあまり現実的ではないのだ。 欧米に合わせること自体は、実はそこまで重要ではない。不可能なら、やらなくていい。 結論から言ってしまうと、"**各々が好きに過ごせばいい**"というのが、ズバリ最適解である。 筆者は決して恋人と過ごすクリスマスそのものを否定したいわけではない。 誰が誰と過ごそうと、端的に言って自分には関係ないからだ。 しかし近年、その価値観が何故か**一般的なものとして認知されている風潮**がある。 前述の会話例文で言うと、最後のセリフに「恋人なんて居ないし」が含まれている。このことにあなたが**違和感を覚えたか**どうかがポイントだ。 もし「恋人関係なくね?予定ないだけでしょ?」という感想を抱かなかったとすれば、あなたも既に**この世の不条理**に侵されている。 日本は海外の文化を**柔軟かつ中途半端に**取り入れてきた。ある意味では多文化主義(笑)といえるかも知れない。ならば、その多文化(笑)に迎合しない我が道を行く人々も、社会において**同等の立場**でなければいけないのだ。 決して「え、予定ないんだ(笑)」というような**根拠のない低レベルな侮蔑の視線**にめげてはいけないし、ましてやそれを自虐ネタに使うなどもってのほかと言えよう。 "クリぼっち"が一発変換で出るようになってからも久しい。そんな自嘲的な言葉が流行ってしまうのも、**日本特有の同調思考**故だろう。ぼっちなどではなく、"クリスマスに特別な予定を入れない人"というだけなのだから、もっと胸を張ってもいいのではないか。 かの金子みすゞも言っている。「**みんな違って、みんないい**」。 各々がそれぞれにイベントを楽しむ。それでこそ、行事の意味があるというものだ。 **聖なる夜に不幸な気分の人間など、いてはいけないのだ。** それでは皆様、よい優勝を。
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