# **デジゲー博、雑感** ## **はじめに** こちらは、[デジクリ Adevent Calender 2019](https://adventar.org/calendars/4266)の一日目の記事となります。 内容は、初めてのチームでのゲーム制作企画に参加しての感想です。UnityやC#などの技術的なお話や、企画自体の詳細な話題はのちのちありそうなので、ここでは、個人的な意見、これからの展望などを話そうと思います。 ## **簡単な経緯** デジゲー博とは、2019年11月17日に秋葉原UDXで開催された同人ゲーム・インディーゲームオンリーの展示・即売会です。 デジクリのCG、PG、DTM班が集まり、アクションRPGを制作しデジゲー博で頒布することを目標に、今年の6月頃から前部長を中心として動き出しました。 僕はUnity自体初めて触るレベルでしたが、共同開発ということで、Git/GitHubまわりで何か役に立てればと思い、参加させていただきました。 CG班、DTM班などは順調に進捗が上がる中、PGだけはどうしても、最後の結合の時点でのたくさんのコンフリクト、Unity側の未知のバグの発生という問題を解決できず、直前になって、頒布を諦めざるを得ない状況になりました。(非常に申し訳ないです) しかし、**生活を犠牲**にした数名のおかげで、デジゲー博当日は、なんとか体験版という形での頒布にこぎつけました。現在は完成版の制作を目指している状況です。 ## **改善、これからの課題** 完成版の頒布に向けて、PGの観点から重要そうな課題を4つほど挙げてみました。 ### **1. 決定すること** 一番の課題は、現状、締切、仕様や設計、ルールなど決めておく必要のあることの多くが曖昧なことだと思っています。個人制作であれば曖昧なまま、柔軟に対応できることが、チームになると思った以上にうまくいかなかったです。 #### **締切の決定方法** とはいえ、開発経験の浅さによる不確定性の多さから、具体的な締切りを決定することはまず不可能に近いです。なので、過去の進捗具合から相対的に判断し、その都度見積もりを修正していく形が良さそうです。(参考: [見積もりをたてることの難しさ](https://qiita.com/yuno_miyako/items/8678cd542fbb7050e40e)) #### **仕様書、設計書はどれだけ詳しく作るのか** 上の理由から、やはり、最初からきっかりと仕様や設計を固めていく、ウォーターフロー的なトップダウンの開発は難しいです。 つまり、アジャイルな開発をできる環境にする必要があるので、まずは直接会って話しあいをしながら開発できる人員で、ペアプログラミングなどをしながらコアな部分の開発を進めていき、設計を固めていくのがベストと思いました。(考えてみたら当たり前のことのような気がします) #### **基本的なルールの策定** 今回、ベースとなるシーンを複数人で編集することになったので、コンフリクトが多発してしまいました。今後はmasterや結合シーンを触る人間は最小限にしたいと思っています。 また、開発フローに関しては、とりあえず一番シンプルなGitHub Flowを採用しましたが、いざという時に安定版までresetすることができなかったので、GitFlowとまではいかなくても、少なくともリリースビルド用に安定して動くブランチと開発ブランチを分ける必要がありそうです。 ### **2. シンプルであること** 実装する要素が多くなるにつれ、タスクやトラブルが枝分かれ的に増えていくことが予想されます。できるだけゲームのフローや、操作方法もシンプルに考える必要があると思っています。 デジゲー博にて展示されていた「[ニュー・スーパーフックガール](http://superhookgirl.noob.jp/)」(フリーなのでぜひ遊んでみてください)の新作の体験版を試遊して改めて関心してしまったのですが、マウス操作のみで非常にシンプルな作りのアクションなのに、奥深く楽しいゲームとなっていますです。 ### **3. 面白くあること** 「楽しい」をモチベーションにしか動けない僕のような人間にとっては、これが結構大事だと思っています。 世界観やシナリオ、登場キャラクターはすでにかなり決まっていましたが、肝心のゲーム性については、しっかり固められず、自分自身「これを遊んでいて面白いか?」という問いについぞ答えることができませんでした。 ただし、これはシンプルさとのトレードオフになりがちので、シンプルかつ面白いゲームにするために、ブレストなどを経て良いアイディアを出す必要がありそうです。 ### **4. コミュニケーション、伝達** 会議の印象ですが、一部の人間が長く喋っている時間が多いなと思いました。 自分の意見を表明しないのは、一見衝突が起きなさそうで平和的なので、僕もしばしばやりがちですが、良いコミュケーションではないと自省することが多々あります。 アドラー心理学を概説した「嫌われる勇気」という本が少し前に流行りましたが、本学学生のように善良すぎる人間は、嫌われる覚悟を持って自分の考えていることを言ってしまって、やっとちょうどいいバランス感を得られるのではないか、と思います。(ほんまか?) --- --- --- ## **おわりに** ### **まとめ** 初めてのゲームのチーム開発で、ものすごく貴重な経験を得られました。 個人制作の経験から、ゲーム制作の難しさはある程度理解していたつもりでしたが、まだまだ想定していなかった課題がありました。 と同時に、このような経験をしっかりと残しておくべきと思い、今回の記事作成に至りました。(実は後から発覚したのですがほとんど同じような体験談のスライドがあったのですね) デジゲー博会場内をちょっとまわった感じでは、やはりUnityのゲームが多い印象でしたが、全体的に、「え? このクオリティをこんな値段で?」ということに驚くことばかりでした。 デジクリはゲーム制作集団という雰囲気があまり強くないように思いますが、今回の経験を活かせば、今後もっと良いゲームが作れるようになるのでは、という気がします。 やはり作りたいものが実現できるのはなにより楽しいし、自由に企画を立てたり、参加したりして、この環境を利用しない手はないと思います。 ゲーム制作はなかなか思い通りにはいかないですが、プログラミングの大事な要素が自動的に学べる素晴らしい機会だと思っているので、みなさんもまずは個人制作からでも、ぜひ軽い気持ちでやってみてください。 ### **謝辞** こういうアウトプットの機会、とても楽しいです。 他の人の記事ももっと読みたいので、去年から始まったアドカレ企画を引き継がせていただきました。 今年はデジクリの部員も多くなり、25日ぶん全員違う人が担当する予定になっています。 ここまでお読みいただき、ありがとうございました。 --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- #### **ちょっと布教 -麻枝准復活-** CLANNADやリトルバスターズ、AngelBeatsなどを作った、Key所属のシナリオライター兼作曲作詞家の麻枝准が、先日、13年ぶりに新作ゲームを制作していることが発表されました。 その名も、**「Heaven Burns Red」** [ティザーサイト](https://heaven-burns-red.com/)(←オシャレ!!)で聞ける、麻枝准×やなぎなぎによるテーマソング **「Before I Rise」** も必聴です