# UXデザイン入門 ## なぜUXデザインが必要なのか ### 新しいテクノロジーやプラットフォームだけではUXを提供できない - 開発者がユーザーを理解し、それを基に正しくデザインしない限り、どんな道具を使おうとも優れたユーザーエクスペリエンスは提供できない ### ソフトウェアにはアフォーダンスがない ``` アフォーダンス: 環境や物体が与える意味、行為の喚起 ``` - ソフトウェアにはもともと姿形はないので、どのようなアフォーダンスを持たせるかは、開発者が意識的にデザインしなければならない ### 脳内モデル ``` 脳内モデル: ユーザーが心の中で描いている 実装モデル: 開発者が好んで用いる ``` - ユーザーはソフトウェア製品やサービスの背後にあるテクノロジーや仕組みには興味がない。自分のゴールを達成したいだけ - 開発者はユーザーの脳内モデルを理解し、ユーザーの脳内モデルに沿ったインターフェイスやインタラクションを提供しなければならない ``` ディズニーアップルモデル: ディズニーランドで着ぐるみの中に入っているのが誰かということには誰も興味がない ``` ### 開発者はユーザーを理解できない - 開発者とは教育も考え方も言語すら異なるさまざまなユーザーが存在する現在のビジネス環境では、ユーザーの脳内モデルを明示的に理解しない限り、複雑な機能とともに正しいアフォーダンスを持ったソフトウェア製品やサービスを、開発者は提供できない ### 不変のユーザーエクスペリエンスなどない - コンテキストに依存するため - その製品やサービスを使うユーザーを実装前にいつも調査し、デザインする必要がある ### ソフトウェアは複雑だが、インターフェイスは小さい - 現在のソフトウェア製品やサービスは、非常に複雑な機能を提供する割に、ユーザーとの接点(インターフェイス)は非常に小さいので、正しくデザインしないとユーザーは混乱する ### ユーザーはデザイナーではない - ユーザーはデザイナーでも開発者でもないので、彼らの提案をそのまま取り入れることは、混乱を増幅させがち - ユーザーを調査し、その振る舞い・ゴールを理解することがUXデザインの重要な最初のステップだが、ユーザーにデザインを期待・要求してはいけない ## UXデザインとは ### UXデザインとは - 「実装前に、デザイン調査からプロトタイプを制作するプロセス」 ### ユーザー要件 - UXデザインはユーザー要件に責任を持ち、ユーザーの使用に関する課題を解決する ## UXデザインのプロセス ### デザイン調査 - デザインのためのユーザー調査 - ユーザー調査やユーザビリティテストでは製品・サービスおよびその使い勝手に焦点を当てその最適化を目的にしている - デザイン調査ではユーザーの振る舞いとゴールに焦点を当て、ユーザーのモデル化を目的としている。=製品やサービスではなく、人に焦点を当てる - マーケティング調査やアンケートのような定量的結果を求めるのではなく、実際にユーザーが作業する現場を訪問し、観察やインタビューにより、定性的な結果を得る ### ユーザーモデリング - デザイン調査の結果から「ペルソナ」と「シナリオ」を作成する - ペルソナの目的: 想定ユーザーを開発チームが共有可能にすること - シナリオの目的: 調査データのコンテキストを維持すること ### ストーリーボード - シナリオにあった混乱やとまどいをなくし、ユーザーの脳内モデルに沿ってゴールを達成するステップ - ペルソナがゴールを達成するストーリーを、絵コンテ、漫画として描き、製品・サービスが満足させなければならないユーザーの脳内モデルを表現する - 製品・サービス側からの言葉ではなく、ユーザー視点による一人称の言葉で表現することが重要 ### スケッチとプロトタイプ - 情報・UI・インタラクションをデザインし、スケッチやプロトタイプを作成するステップ #### 情報デザイン - ストーリーボードの各コマでユーザーに提供する必要があるデータと機能をリストし、それらの包含関係などをもとにグループ化する #### UIデザイン - フォームファクターやパターンをもとに、それらのデータと機能を画面にレイアウトする #### インタラクションデザイン - 複数の画面の遷移や個々のUI要素の操作方法などを検討する ### ユーザビリティテスト - 製品・サービスに焦点を当てたユーザー調査 ``` 分析的評価: 専門のアナリストが自らの経験と洞察によって、ユーザビリティ上の問題点を分析的に検出する方法 実験的評価: プロダクトを実際にユーザーにつかってもらい、その差異の行動や発話からそのプロダクトのユーザビリティ上の問題点を実験的に発見する方法 ```