--- lang:ja-jp ###### tags: --- # デジャヴ 考察 [TOC] ## はじめに デジャヴはタイムトラベル系の作品であり、そのために作品全体を作っている節がある(前半が結構ガバガバ)。 その上で、若干本編中で触れられていない謎があり、おそらくそれらには模範解答が存在しているはずなので、ここではそれらを考察する。 ## 過去干渉への対応 デジャヴのように、現在から過去に何らかの方法で干渉した場合、現在や未来へその反動(フィードバック)が生じる(はずだ)。 しかし現実の我々には過去干渉を行う術がなく、ブラックホール周りの物理現象のように、そのフィードバックがどのように現れるかを我々は知ることができない。そこで、創作作品が作られる際は、各々が都合のいい方法を選択しており、具体的には以下のCase 1-4のパターンになる事が多い。 ### Case 1: はじめからすべての行動が織り込み済みの物語になっている **作品例**: ガラパ星から来た男(ドラえもん)、魔界大冒険(ドラえもん)、アズカバンの囚人(ハリー・ポッター) - 過去への干渉で新しいフィードバックが生じたように思えたが、実はそのフィードバックは既に現在に影響を及ぼす構成。若干、タイムパラドクス気味。 - 脚本の難易度は高いが、前半の何気ない情報のすべてが伏線として回収されるので、構造の美しさはピカイチ。 - 大抵、序盤で違和感を生じる状況がある。(例: 魔界大冒険でのび太そっくりの石像が発見される) - 正直、Bad EndだけどデジャヴにはこのCaseになってほしかった。 ### Case 2: フィードバックは生じるが、強力な修正力によって、求めていた改変が行われない。 **作品例**: タイムマシーン(H.G.ウェルズ) - 過去への干渉により、改変が起きたと思いきや、新たな事故や事件が生じ、当初の目的が達成されないという試行を何度も繰り返すことになる構成。大抵、死んだ人を死ななかったことにしようとする。 - はじめてタイムマシーンを考えたウェルズが、いきなりこういうストーリーを組み込んでいるの天才すぎる。 ### Case 3: フィードバックが生じ、パラレルワールドとして新たな未来が生まれる。 **作品例**: デジャヴ(本作品) - 改変した過去が「元の現在」に影響を与えなければいいじゃないか、ということで「新たな現在」を含む新たな時間軸が生まれる構成。一番安直で一番簡単。 - オプションとして次の項目の有無がある。 - 多少の修正力の存在: 本来の未来に戻そうとする修正力により、新たな事故が起きることがある。 - 多元的か否か: 元の時間軸が消失するかどうか。正直、当事者以外にはどうでもいい。 ### Case 4: フィードバックが生じ、普通に未来が書き換わる **作品例**: ドラえもん(のび太の結婚相手、その他多くの日常話) - ストレートに未来が書き換わる。タイムパラドクスが無数に生まれそうで、とても危険。ただし、非常に直感的なので子供向けだったり、あまりシビアに考える作品じゃなければ、とてもコスパがいい。 - タイムパラドクスや改変の結果、登場人物が突然消える演出が入ることも。 ## デジャヴにおける未解決の謎 被害者クリス宅に主人公ダックの指紋などの痕跡が残っていたことから分かる通り、デジャヴ本編が始まった時点で、すでに過去移動が行われていることが分かる。船の爆破を止められない限り、ダックは何度も過去移動を繰り返すことになるので、移動の回数は1回とは限らない。そこで、船の爆破阻止成功時点でダックが過去移動していた回数をNとする。この場合、爆破阻止したダックは「N+1回目のダック」と呼称される。 Q1 : 1--N回目のダックは船の爆破を阻止できておらず、N+1回目のダックは阻止することができた。何が成功のきっかけだったのだろうか。 さらに、N回目のダックとN+1回目のダックでは確定している範囲で若干行動が違う。 Q2 : N回目のダックはどのように失敗したのだろうか。また、N回目のダックが過去移動するまでの行動にN+1回目との違いはあったのだろうか。 Q3 : N回目のダックはクリスを助けてクリス宅まで送り届けることができていたのだろうか。その場合、なぜクリスは殺されたのだろうか。 Q4 : ~~N回目のダックはどのような状況で、なぜクリスに電話をしたのだろうか。~~ A4 : - N+1回目のダックが監視カメラの映像見ながら電話してた。 - N+1回目のダックがクリス宅の留守電で自分の声を聞いて驚いたのは、「自分が電話を返した相手」=「電話で自分のことを聞いてきた相手」だったから。 Q5 : Nはどのくらいの値なのだろうか。 ## Answer A5 : N=1, つまり2(=1+1)回目にダックは爆破を阻止できている。 根拠としては次のA1がある。 A1 : 船の爆破を阻止できない状況が続いていた場合、そもそも2回目以降の状況はすべて同じになっているはずだ。(ダックが繰り返しに気付いていた以上に、現実に与える影響がない。) つまり、逆説的に船の爆破阻止は2回目に行われているべきであり、実際、**劇中ではクリス救出後、クリス宅で「まだ繰り返しのレール上を進んでいる」ことを危惧したダックは、あえてクリスを伴って船に向かった**。この行動こそが、爆破阻止(犯人に打ち勝ち、爆弾を処理する時間を得る)のきっかけであり、1回目のダックには見えなかった鍵なのだ。 A2 : A1ですでに述べているが、「クリス救出後、クリスを自宅に待機させて船に向かったこと」が爆破阻止失敗の原因である。おそらく、犯人は港に向かう前にクリス宅でクリスを殺して河に投げ捨て、その後ダックを船の内部か港で無力化し、犯行に成功したのだろう。~~2人なら犯人に並べる、犯人を越せる~~ A3 : A1, A2で述べた通り、クリス宅に送り届けるまでは問題なかったはずだ。クリスの死亡時刻的に、クリスとダックをもろとも殺す目的で向かったクリス宅で、クリスのみ殺す結果になったのだろう。(犯人からすれば、船爆破はまだ知られていないはずの計画。)
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