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# Gas Dynamics (p)18, Gravitational Collapse and Star Formation

[TOC]
恒星が老いて死を迎えることがあり、若い恒星がまだ存在していることがあることを考えると、恒星がどのように誕生するかを知りたいと思うのは当然だ。どのようにして大きなgas星から、核融合を開始するのに十分な温度を獲得して、主系列星へと準静的に変化していくのかを問う形で、恒星の誕生の問題は1950年代から1960年代において理論天文学者から提起された。
このアプローチは19世紀にイギリスのLord Kelvinによるものなど多くの調査を伴った研究へとつながった。
## Maximum Size for a Pre-Main-Sequence Star
Hayashiらによる研究によって次が明らかになった; どれほど大きい星から進化してきたかとは関係なく、gasのopacity(主に$\mathrm{H^{-} }$)がself-consistentに維持されてしまうような、ある最低温度を光球が下回ることができない。
HR図でいうと、pre-主系列星(およびpost-主系列星)が残っている(?)**禁止領域**が図 (18.1)の左に存在している。
表面温度$T_\mathrm{eff}$は(ある質量$M$に対して)固定であると考えられるので、大きな半径$R$をもつ巨星(pre-主系列星)は次の式より大きな表面輝度をもつことになる。
$$
L=4\pi R^2 \sigma T_\mathrm{eff}^4 \tag{18.1}
$$
もしluminosityがradiative diffusionによって内部で輸送できる量(準静的な恒星に対してのthe mass-luminosity relationshipなどからわかる)を超えているなら、その分はconvectionによって補われなければならない。
convective starの準理想気体はpolytropic状態方程式($P\propto \rho^{5/3}$)を満たす。Laneは自己重力エネルギーが次と等しいことを示した。
$$
W=-\frac67 \frac{GM^2}{R} \tag{18.2}
$$
一方、virial定理より準静的な収縮において重力エネルギーの半分はradiationとして解放されることになる; 残りの半分は内部の熱エネルギーを上昇させる $\Delta U=-W/2$。
もし単位時間当たりのradiation損失を$L$とすると、homologousな重力収縮(あるpolytropeから別のpolytropeへの準静的変形で、$r$ごとに与えられる定数$\lambda$を用いて$r'=\lambda r$を満たすもの)の時間発展方程式を得る。
$$
L=-\frac{dW}{dt}=-\frac37 \frac{GM^2}{R^2}\frac{dR}{dt} \tag{18.3}
$$
式(18.1)を式(18.3)に代入すると、準静的重力収縮に関する固有(Kelvin-Helmholtz) time scaleとして次を得る。
$$
t_\mathrm{KH}\equiv -\frac{R}{dR/dt}=\frac{3GM^2/7R}{4\pi R^2\sigma T_\mathrm{eff}^4}\propto R^{-3} \tag{18.4}
$$
固定された$M$と$T_\mathrm{eff}$に対しては、半径$R$が大きければ$t_\mathrm{KH}$はとても小さくなってしまう。もしorbit time scale $t_\mathrm{dyn}$($\sim$自転周期)より小さくなれば準静的という仮定は破綻する。
$$
t_\mathrm{dyn}\equiv \frac{R}{(GM/R)^{1/2}} \tag{18.5}
$$
$t_\mathrm{KH}=t_\mathrm{dyn}$からHayashi track上で準静的と見なせる恒星の最大サイズが評価できて
$$
R_\mathrm{max}=\left(\frac{3}{28\pi} \right)^{2/9} \frac{G^{1/3}M^{5/9}}{(\sigma T_\mathrm{eff}^4)^{2/9}} \tag{18.6}
$$
ここに$M=1M_\odot,\ T_\mathrm{eff}=4000\mathrm{\ K}$を代入してみると$R_\mathrm{max}\approx 500R_\odot$を得る。
この点を超えるとき、星間雲から恒星への進化はdynamical崩壊を必ず含むことになる。Gaustadらは反対側から、つまり収縮する星間雲によるradiative損失からこの問題を考えることで補足的な結論を得た; radiative損失は星間雲を(optically thinな状況下で)ほとんど等温に保つのでdynamical time scaleがthermal time scaleを超えているときdynamical進化は必ず起きる。
Cameronに続いてHayashiはpre-主系列星の半径は式(18.6)より少なくとも一桁小さい値から始まるという素晴らしい議論を与えた; dynamic collapse phaseが終わった後、静水圧平衡な(pre-主系列星の)恒星が残る。その星でvirial定理は成り立つので
$$
W+2U=0 \tag{18.7}
$$
collapse processの詳細とは関係なく、静水圧平衡な星と元のgasを(collapseの運動エネルギーが熱平衡化した後に適用される)エネルギー収支方程式で結びつけるだろう。
$$
W+U+I+\Delta = 0 \tag{18.8}
$$
ここで$I$は元のgasで分子を原子やイオン、電子へ分解するのに必要な全エネルギーであり、$\Delta$は宇宙空間へ放射される全エネルギーである。式(18.8)の右辺では、(初期状態の)かなり膨張した星間雲の内部エネルギーを最終状態の(静水圧平衡な星のかなり大きな内部エネルギー)と比較して0と見なしている。式(18.7)を用いて式(18.8)から$U$を消去して、式(18.2)をあわせると
$$
-W=2(U+I)\quad \Rightarrow \quad R=\frac37 \frac{GM^2}{(I+\Delta)} \tag{18.9}
$$
結合エネルギーは全く放射されない($\Delta =0$)と仮定することで準静的なpre-主系列星の初期への評価をHayashiは求めた。
$$
R_\mathrm{H}=\frac37 \frac{GM}{\chi} \tag{18.10}
$$
ここで$\chi\equiv I/M$は宇宙組成のgasで単位質量当たり解離・イオン化エネルギーである。
$M=1M_\odot,\ \chi=1.6\cdot 10^{13}\mathrm{erg\ g^{-1}}$を代入すると$R_\mathrm{H}\approx 50R_\odot$を得るが、これは先に述べた通り$R_\mathrm{max}$より一桁小さい。
$R_\mathrm{H}$は$R_\mathrm{max}$より小さいので、後の収縮は準静的でなければならない。
Hayashiらは次のようにして議論を完全なものとした; もし星間雲がdynamical状態でhomologouslyに収縮するとしても、星間領域から恒星領域へ自由落下して放射される全エネルギー$\Delta$は無視できるので、式(18.9)から式(18.10)を導く議論は正当化される。
## Nonhomologous Nature of Gravitional Collapse
不幸なことに幾人もの研究者によるコンピューターシミュレーションが次のことを示してしまった; (Jeans不安定性を引き起こすために)Jeans質量からわずかに余剰したgasの質量を考えると、重力崩壊はかなりnonhomologouslyに進行し、より外側のenvelopeが落下する前に中心の濃い領域が落下する。
古典的数値解析研究において、星形成のprocessは中心の静水圧平衡な物体(protostar)による降着へと急速に移行するが、内側へ落下するenvelopeからの質量の加算を通じて、着実にprotostarの質量は増加していくことをLarsonは示した。
そして恒星の完全なできあがりまでのtime scale(典型的に$\sim 10^6$yr)はHayashiらの仕事を仮定すると($\sim 1$yrを)かなり超過する。
このような状況下で、collapse中に放射される全エネルギー$\Delta$は$I$と比較して無視することができない。そしてLarsonは(dynamical降着が止まった後の)はじめのサイズを$1M_\odot,\ R\sim 2R_\odot$のpre-主系列星に対して求めた。
特に若い星は準静的な収縮で完璧なconvective phaseをまったく持たず、そしてHR図のHenyey track上でoptically visible objectとして歩み始める。(落下するphaseの間、たくさんのgasとdustがprotostarを覆っており、星からのphotonのほとんどすべては遠赤外線になる。落下が終了した後でのみ、中心objectはoptical starとして見えるようになる。)
Hayashiの結論とLarsonの意見が一致しないことは大変な論争を巻き起こし、他の研究者はLarsonの結果を時に彼の視点から再現しようとし、そしてHayashiの結果も再現しようとした。
星間雲から恒星への変化においては密度が20桁以上も変化する。故に最も単純な球対称仮定下でさえ正確な数値計算を行うのは簡単でない。
そしてとうとう、議論解決のための要点は二つにまとめられた。
1. (低質量の)星の最終的な降着のtime scaleは$10^6$yrか、あるいは$10^0$yrか。
2. protostar表面での強い放射の降着衝撃に関するLarsonの簡易化は正当かどうか。
2.についてはChap.19で取り上げられる。この章の残りでは問題1.に集中して孤立したobjectのnonhomologousな重力collapseが自然かどうかを取り扱う。
**初期条件や境界条件の詳細によらず、envelopeのdensity profileは内部では自由落下の$\rho \propto r^{-3/2}$を満たし、ほぼ静的な外部では$\rho \propto r^{-2}$を満たすようなpower-law型になる。**
**内部($\rho \propto r^{-3/2}$)に関しては簡単に示すことができる。** 小さな$r$に対しては落下時間$r/|u|$は問題全体を特徴づける発展時間$t$と比較して短くなる; 結果として流れは局所的には定常な降着として扱えて、中心星への降着率は
$$
\dot{M} =-4\pi r^2\rho u \tag{18.11}
$$
もし流速が自由落下に対応するなら
$$
u=-\left(\frac{2GM}{r} \right)^{1/2} \tag{18.12}
$$
ただし$M=\int \dot{M} dt$である。もし$r/|u|$中での$M$や$\dot{M}$の変化が無視できるならば、$u\propto r^{-1/2},\ \rho \propto r^{-3/2}$となる。
では、大きい$r$に対しての$\rho \propto r^{-2}$にも簡単な説明が得られるだろうか。P.BodenheimerとT.Sweigartによると、重力崩壊する前に亜音速で進化しうるすべての自己重力等温gas雲(つまり、初期が静水圧平衡からあまり離れていないようなgas雲)は外部で$r^{-2}$に比例した発展をしがちである。**以下で等温平衡な自己重力状態の基本的性質から$\rho \propto r^{-2}$を示していく。**
## Isothermal Equilbria of Self-Gravitating Spheres
定常なgasの運動方程式から
$$
\nabla P=-\rho \nabla \mathcal{V}\tag{18.13}
$$
理想気体の場合$P=a^2\rho$、ただし$a^2\equiv kT/m=\mathrm{constant}$ (等温ならば)。球対称仮定のもとで式(18.14)は次のように書ける。
$$
\frac{a^2}{\rho}\frac{d\rho}{dr}=-\frac{d\mathcal{V}}{dr} \tag{18.14}
$$
重力ポテンシャル$\mathcal{V}$はPoisson方程式を満たす。
$$
\frac{1}{r^2}\frac{d}{dr}\left(r^2\frac{d\mathcal{V}}{dr} \right)=4\pi G\rho = 4\pi G \rho_0 \exp{(-\mathcal{V}/a^2)} \tag{18.15}
$$
この非線型ODE(Ordinary diferential equation)は等温球でのLane-Emeden方程式として知られている。
式(18.15)の一般的な解、$\mathcal{V}=0,\ d\mathcal{V}/dr=0\ (r=0)$とした解のよく知られた性質はChandrasekharのStellar Structureなどでまとめられている。
もし系が外部の境界条件を持たないならば、すべての解は漸近解を得る。
$$
\rho \rightarrow \frac{a^2}{2\pi Gr^2} \quad \mathrm{for} \quad r\gg \frac{a}{\sqrt{4\pi G\rho_0}}
$$
特にもし中央と外部の密度差がとても大きいならば(これは低質量星形成の痕跡が見られる分子雲核に対して経験的に正しいことが分かっていて)、すべての状況は($\rho_0 \rightarrow \infty$に対応した)特異等温球の与える解に近づく。
$$
\rho = \frac{a^2}{2\pi G r^2} \quad \mathrm{and} \quad \frac{d\mathcal{V}}{dr}=\frac{2a^2}{r} \tag{18.16}
$$
これは式(18.14)と式(18.15)を正確に満たすので容易に正しいことを確認できる。
## Self-Similar Collapse of the Singular Isothermal Sphere
特異等温球の重力崩壊、式(18.16)は自己相似性を持つ。power lawsは固有scaleを持たないので、もし外部境界条件が固有半径$R_0$や圧力$P_\mathrm{ext}$を持たないなら、重力定数$G$や等温音速$a$が問題の次元パラメータのみを形成する。
これらの量と独立変数$r,\ t$から無次元相似変数を作ることができる。(これは音速で膨張する面を表す。)
$$
x\equiv \frac{r}{at} \tag{18.17}
$$
連続の式を書くと
$$
\frac{\partial \rho}{\partial t} + \frac{1}{r^2} \frac{\partial}{\partial r}(r^2\rho u)=0 \tag{18.18}
$$
球殻での質量保存で書くと(cf. Chap.5)
$$
\frac{\partial M}{\partial t} + u\frac{\partial M}{\partial r}=0,\qquad \frac{\partial M}{\partial r} = 4\pi r^2 \rho \tag{18.19}
$$
完全等温流体の場合、運動方程式は
$$
\frac{\partial u}{\partial t} + u\frac{\partial u}{\partial r}
= -\frac{a^2}{\rho} \frac{\partial \rho}{\partial r} -\frac{GM}{r^2} \tag{18.20}
$$
ここで式(18.19)と式(18.20)の相似性を探すと
$$
\rho(r,t) = \frac{\alpha (x)}{4\pi Gt^2},\qquad M(r,t)=\frac{a^3 t}{G}m(x),\qquad u(r,t)=av(x) \tag{18.21}
$$
式(18.21)を式(18.19)に代入すると
$$
m+(v-x)\frac{dm}{dx}=0,\qquad \frac{dm}{dx}=x^2\alpha
$$
ここで$dm/dx$を消去すると
$$
m=x^2\alpha (x-v)
$$
少し操作を加えることで式(18.18), (18.20)から次の非線型ODEの組を得る。
$$
[(x-v)^2-1]\frac{dv}{dx}=\left[(x-v)\alpha -\frac{2}{x}\right](x-v) \tag{18.23}
$$
$$
[(x-v)^2-1]\frac{1}{\alpha}\frac{dv}{dx}=\left[\alpha - \frac{2}{x}(x-v)\right](x-v) \tag{18.24}
$$
## Solution
特異等温球、式(18.16)は式(18.23), (18.24)の厳密な(定常)解に対応していて
$$
v=0, \qquad \alpha=\frac{2}{x^2}, \qquad m=2x \tag{18.25}
$$
これは式(18.21)を通して時間に依存しない解を与える。
$$
\rho = \frac{a^2}{2\pi Gr^2},\qquad M=\frac{2a^2r}{G}
$$
式(18.25)を**初期条件**として用いるとき、$t\gt 0$の解が自己相似性を持つことが予想される。
(初期すなわち$t\rightarrow 0^+$は任意の$r$に対して$x\rightarrow \infty$で表される。)
次で与えられる解の軌跡は流れにおける「臨界点」に対応する。
$$
x-v=1,\qquad \alpha=\frac{2}{x} \tag{18.26}
$$
これはBondi流でsonic pointを臨界点と表されるのと同様である。そのような臨界点をなめらかに通過できるか確認するためには、式(18.26)をTaylor展開する必要がある。
特に式(18.25)の特異解は$x=1$における臨界点条件を満足する。
$$
v=0 \qquad \mathrm{and} \qquad \alpha=2 \qquad \mathrm{at} \qquad x=1 \tag{18.27}
$$
さらに特異等温球で与えられる初期条件から連続的に発展させて得られる解は図18.2のように換算速度$v(x)$で描写される。

## Physical Interpretation

表18.1は特異等温球の重力崩壊の解を与える。この解には**次のような物理的解釈がある。**
まず$t=0^+$において、特異等温球で「inside-out」崩壊を引き起こす摂動が起きたとすると、濃い中心領域は(落下してくるenvelopeと比べると小さく、点として扱う相似解を適用できるような)静水圧平衡なprotostarを形成する。
envelopeでの無次元半径$x(=r/at)\gt 1$においては摂動の影響はないが、それには二つの理由がある。
1. 流体を通して情報は$r\gt at$に伝わる時間がない。
2. 重力場には変化がない。これは変化している内部領域が球対称なままだからである。
そして$r=at$の外側では初期状態、式(18.25)の熱平衡が保たれたままである。$r=at$ 面より内側では、外側へ音速で移動する面の下から落ちていくので、動きが一度リセットされる。拡張していく波面の内側では、物質は中心に向けて降着して、次式のように自由落下へと漸近していく。
$$
v\rightarrow -\left(\frac{2m_0}{x}\right)^{1/2} \mathrm{\ and\ }\alpha \rightarrow \left( \frac{m_0}{2x^3} \right)^{1/2}\qquad \mathrm{where}
\qquad m\rightarrow m_0 \mathrm{\ as\ }x\rightarrow 0 \tag{18.28}
$$
数値計算から換算質量$m_0$の値は既に分かっている。
$$
m_0 = 0.975 \tag{18.29}
$$
そしてこれは式(18.21)を通してprotostarの中心質量と対応している。
$$
M(0,t)=\frac{m_0 a^3 t}{G}
$$
いいかえると、相似解が時間と共に線型に増加する質量を持つ中心物体を導き、その増加率は
$$
\dot{M} = \frac{m_0 a^3 }{G} \tag{18.30}
$$
この式はBondi rate、式(6.43)と同じく、中心の(固定された)質量$M$への定常等温降着になっているべきである。
$$
\dot{M}=\lambda_c 4\pi \rho_\infty \frac{(GM)^2}{c_\infty^3} \tag{6.43}
$$
しかし二式を見比べるとひどく一致していないように見える; たとえば$a^3=c_\infty^3$であるのに、これは式(18.30)では分子に現れ、式(6.43)では分母に現れている。
しかし、やや無理やりに式(6.43)で$M=\dot{M}t$とし、$4\pi G\rho_\infty$を落下時間の逆二乗 $t^{-2}$同一視すれば基本的に同じ降着率を表していることが分かる。
$T=10\mathrm{\ K},\ a=0.19\mathrm{\ km\ s^{-1}}$の分子雲核に対して、式(18.30)を適用すると$\dot{M}=2\cdot 10^{^6}M_\odot \mathrm{\ yr ^{-1}}$を得る。その降着率の下で$M=1M_\odot$を得るには$5\cdot 10^{5} \mathrm{\ yr}$を要するが、これはHayashiの考えよりもLarsonの考えと強く一致する。
しかし、相似解は特徴的なmass scaleを持たないので、降着の終了を導くことができないことに注意しなければならない。何が恒星の質量を決めるのかという疑問は宇宙物理学の興味深い問題である。それを解決する手がかりとしては、誕生直後の恒星の強力な恒星風がある; 恒星風によってinflowが跳ね返されることが恒星質量を決定する上でとても重要な役割を果たしているのだろう。
どのような場合でも、波面の先頭の$x=1$から最も早く物質が落下している$x=0$までの間に換算密度$\alpha$は平衡値$2/x^2$から大きく下がる。$x^2$をかけて$x=0^+$から$x=1$まで換算密度$\alpha$を積分することで、換算質量が$1.025$となる。この換算質量$1.025$を既に降着している換算質量$m_0=0.975$に足し合わせることで$x=1$の内側にある全換算質量$m=2$を得る。
さらに、任意の時刻$t$において$r=at$面の内側にある質量の$49\%$はすでに中心に落下しており、残りの$51\%$はまだ落下している途中であり、それらの値はともに時間$t$に対して線型に増加する。いいかえると落下面の内側のgasの自己重力は、既に恒星が獲得した質量の大きさによらず、恒星の重力に対して常に同じ重みを持つ。
## More Realistic Models
ここまでの記述では明らかにたくさんの簡略化が行われている; 最も重要なものとしては磁場や回転の効果を無視していることである。
理想化は問題全体を扱いやすい形式でながめるのに有用であり、その形式の中ですべての物理過程をa prioriに数値計算させることができる。しかしそこでは観測とシミュレーションを詳細に比較しようとしたときに重要になるかもしれない(たとえばprotostar表面での強力なradiating shockなどの)構造を無視している。
その後、先の取り扱いに摂動計算として回転の効果を組み込むことに成功しているが、星間磁場の力学効果についてはまだまだ始まったところである。