# 会社のつくりかた :::info BPLL #36 2019-08-20@BeProud driller[@patraqushe](https://twitter.com/patraqushe) ::: --- ## 免責事項 - 本資料および発表は起業を推奨するものではありません - 本資料の正確性等については一切保証しません - 本資料の使用に際して発生した損害については一切の責任を負いません --- ## 必要なもの - 社員（後述） :two_men_holding_hands: - 1名以上（合資会社は2名以上） - 資本金 :yen: - 1円以上（合名会社, 合資会社は0円でも可） - 拠点（本店所在地） :office: ---- ## 必要なもの（手続き費用） :money_with_wings: - 登録免許税 - 株式会社: 15万円もしくは資本金の0.7％ - それ以外: 6万円もしくは資本金の0.7％ - 定款の認証手数料（5万円）(株式会社の場合) - 定款の謄本手数料(株式会社の場合) - 定款の収入印紙（電子定款は不要） > 参考: [国税庁 登録免許税の税額表](https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm) --- ## 決めておくこと - 会社の種類 :department_store: - 商号 :name_badge: - 資本金 :yen: - 事業目的 :ramen: --- ## 会社の種類を決める ---- ### 会社の種類 会社法の規定する会社 - 株式会社 - 合名会社 - 合資会社 - 合同会社 > 参考: [wikibooks 会社法第2条](https://ja.wikibooks.org/wiki/会社法第2条) ---- ### 社員 - 出資者（株主）を指す - ≠従業員 > 参考: [「社員」(2019年6月13日 (木) 16:07)『ウィキペディア日本語版』](https://ja.wikipedia.org/wiki/社員) ---- ### 社員の責任 - 直接責任 - 社員は債権者に対して弁済する義務を追う - 間接責任 - 社員は債権者に対して責任を負わない ---- - 無限責任 - 社員は債権者に対して無制限に責任を負う - 有限責任 - 社員は一定額の出資義務を負うのみ ---- #### 会社の種類と責任 | 会社の種類 | 責任 | | -------- | -------- | | 株式会社 | 間接有限責任 | | 合名会社 | 直接無限責任 | | 合資会社 | 直接無限責任/直接有限責任 | | 合同会社 | 間接有限責任 | ---- ### 意思決定 - 株式会社 - 株主総会 - 合名会社, 合資会社, 合同会社 - 全社員の過半数 ---- ### 利益配分 - 株式会社 - 出資額に比例 - 合名会社, 合資会社, 合同会社 - 自由に決められる ---- ### どれにするか？ - 間接有限責任 - 株式会社または合同会社 - 社会的認知度 - 株式会社 - 意思決定の柔軟性 - 合同会社 - 設立コスト - 合同会社 --- ## 会社の商号を決める ---- ### 商号自由主義 :::info 商人（会社及び外国会社を除く。以下この編において同じ。）は、その氏、氏名その他の名称をもってその商号とすることができる。 商人は、その商号の登記をすることができる。 ::: > 参考: [wikibooks 商法第11条](https://ja.wikibooks.org/wiki/商法第11条) ---- ### 商号に使える文字 :abc: - ひらがな - カタカナ - 漢字 - ローマ字（大文字および小文字） - アラビヤ数字（０－９） - 一定の符号 > 参考: [法務省: 商号にローマ字等を用いることについて](http://www.moj.go.jp/MINJI/minji44.html) ---- ### 会社の種類を含める :::warning 商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない ::: > 参考: [wikibooks 会社法第6条](https://ja.wikibooks.org/wiki/会社法第6条) ---- ### 各種業法などに定める名称の使用 :bank: :::warning 例: 銀行は、その商号中に銀行という文字を使用しなければならない。 ::: > 参考: [e-Gov 銀行法 第六条（商号）](https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/356AC0000000059_20170401_428AC0000000062/0?revIndex=2&lawId=356AC0000000059#67) ---- ### 商号の制限 :ng: - 会社法第8条 - 誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない - 不正競争防止法 - 需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等 類似商号は法務局の商号調査簿で調べられる > 参考: > [wikibooks 会社法第8条](https://ja.wikibooks.org/wiki/会社法第8条) > [e-Gov 不正競争防止法](https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=405AC0000000047) ---- ### 商号の留意事項 - 商標権 - ドメイン - 発音/聴き取りやすさ - 領収書の発行など --- ## 資本金を決める :yen: - 1円以上 - 業種によって一定額以上の資本が必要 - 一般建設業:500万円以上 - 第１種旅行業登録:3000万円以上 - 1,000万円未満の場合、2年間は消費税が免除 :ideograph_advantage: --- ## 手続きをする ---- ### 代表者印を作成 :white_flower: - 登記時に必要 - 印鑑届書 - さまざまな手続きに印鑑証明書が必要 - 作成には時間がかかるので優先して行なう - この時点で銀行印も作っておく ---- ### 資本金の払込 - 資本金があることを証明する - 発起人の銀行口座を用意 :bank: - 資本金を口座へ振り込む :atm: - 通帳のコピーを取る - 払込証明書の作成 ---- ### 定款の作成 :closed_book: - 事業目的 - 商号 - 本店の所在地 - 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額（資本金） - 発起人の氏名または名称及び住所 - 発行可能株式総数 ---- #### 事業目的 - 定款に記載していない目的の事業は行うことができない - 定款の変更はできるが大変なので、可能性がある事業はすべて記載しておくほうがよい - 株主総会での特別決議 - 登録免許税 ---- #### 許認可が必要な業種 - 放送事業者（電波法） :tokyo_tower: - 質屋（質屋営業法） :handbag: - ガソリンスタンド（消防法） :car: - etc > 参考: [「日本の許認可一覧」(2018年11月18日 (日) 07:48)『ウィキペディア日本語版』](https://ja.wikipedia.org/wiki/日本の許認可一覧) ---- ### 定款の認証 - 公証役場で手続き - 発起人の印鑑証明書 - 収入印紙（4万円） - 電子認証なら不要 :ideograph_advantage: - 電子定款認証代行をしてもらう場合はその費用(5千円くらい) - この場合は公証役場にいかなくてもよい - 電子定款の場合は媒体(CD-ROM)に記録 :cd: ---- ### 登記申請 - 法務局で手続き - 郵送でも可 :postbox: - 必要書類を提出(後述) - 設立登記を申請した日が会社の設立日となる :birthday: - 書類に不備などがなければ１週間程度で登記される :tada: ---- ### 登記時の必要書類 :pencil: - 定款 - 登記申請書 - 登録免許税納付用台紙 - 登録免許税の金額は後述 - 就任承諾書 - 発起人決議書 - 合同会社の場合は「代表社員、本店所在地及び資本金決定書」 - 払込を証する書面 - OCR用紙 - 印鑑届出書 > 参考: [会社設立 freeeで出力できる書類](https://www.freee.co.jp/launch/documents/) ---- ### 登録免許税 :money_with_wings: - 株式会社: 15万円 - 資本金の7/1,000の金額が15万円を上回る場合はその金額 - 合同会社: 6万円 - 資本金の7/1,000の金額が6万円を上回る場合はその金額 ---- ### 登記時に出しておいたほうがよい書類 - 登記事項証明書交付申請書 - 印鑑カード交付申請書 - 印鑑証明書交付申請書 ---- 書類つくるのめんどくさくね？ ---- [会社設立freee](https://www.freee.co.jp/launch/)などのサービスを使うと必要項目を埋めるだけで作ってくれる ----  --- ## 登記後の手続き ---- ### 税務署の手続き（国税） - 法人設立届出書 - 青色申告の承認申請書 - 給与支払事務所等の開設届出書 - 源泉所得税の納金の特例の承認に関する申請書 ---- ### 自治体の手続き（地方税） 自治体によって異なる（下記は東京都の例） - 法人設立・設置届出書 - 定款・寄附行為・規約等の写し - 登記事項証明書（履歴事項全部証明書）の写し > 参考: [東京都主税局 法人事業税に関する手続](http://www.tax.metro.tokyo.jp/scene/index05.html#L3) ---- ### 年金事務所の手続き（社会保険） - 健康保険・厚生年金保険新規適用届 - 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届 - 健康保険被扶養者（異動）届 --- おしまい ご清聴ありがとうございました