# アールメガス写本(謳暦1140年版)より抜粋 ## 序文 謳都アーサス、中央市街。そこに位置する人界最大の学院。それが君たちの学び舎であるここ、**ポーラ大謳標学院**である。 このポーラ大謳標学院にて、かの初代校長・カルドゥーヴェが残したといわれる書物が **【生きている魔導書『アールメガス』】** だ。 この書物は歴代校長とその魔術書記により常に最新、かつ人類が知っているすべての情報を保っており、諸君らが読んでいる当文もその写文…を学習用に抜粋、読みやすくしたものである。 当文もまた、弊学院の生徒の学習と教育のため当学院校長が常に最新のものへとアップデートしている。 学習に対する簡素化、利便性の観点から、当文は当学院に所属するものであれば端末にて各自がいつでも閲覧できる。(今君たちが見ているようにね) その性質上、そして一部情報の機密性から当文にはアールメガスに記載された全文が記載されているわけではなく、当文に記載された文は校長の手によって検閲がなされたものである。 この記載内容は当然ながら随時更新されていく可能性が存在する。 また、アールメガス原文に関しては機密であり、開示されない。 以上のことについて、理解されたし。 君たちが学ぶべく魔法における、現在の主流は専ら『感情魔法』と呼ばれる魔法群である。 『感情魔法』は己が感情を以って魔素を誘導し、魔道具によって事象を為し、その感情の一部を伝播させる魔法である。 魔法、己の感情、その制御や正しい運用には正しい知識と研究、己と世界への探求、そして知識こそが肝要である。 当文が世界への、そして君たち自身への理解の一助となってくれれば嬉しい。 第55代校長 Khardubhe"Khardhy".F.Arthurs --- あと、この写文を読んだ勤勉なキミたちへ。 私のことは、親しみを込めてカルティ校長と呼ぶのじゃ。 カルドゥーヴェは仰々しくてあまり好かん。 よいか? では序文、以上。 --- ## 1.歴史 先ず、学習において人は現代と歴史について知るべきである。 歴史から人は学び、そして歴史から人はことを紡ぐ。 魔術を志すものよ。世界を学べ。 ### 1-1.暦 我々の生き、よく知る謳暦。 それ以前には鋼暦と呼ばれる時代があった。 技術を以って鋼を精錬し、知識を以って夜を明かした時代。 戦争と発展、叡智の暦。 今現在の我らの生活は、この鋼暦の上に成り立っているといえる。 そして、謳暦。 『魔法』と呼ばれる革新的な技術が『魔の英雄 カルドゥーヴェ』の研究により明確化、体系化されたのち、鋼歴1923年、彼女が謳都「アーサス」を作ったときに宣言した。 謳暦以来、我々が知るように世界には様々な娯楽、手法が生み出された。 君らの学び、扱う『魔法』は謳暦の技術、技法の産物である。 魔素を誘導、術者の思うがままの作用を起こす法。 その性質ゆえ、起こす事象に対する詳細な理解と正確なアプローチが重要である。 魔法に関する項は魔法学の教師か、カルティに聴くがよい。 鋼暦以前は便宜上「崩暦」と呼んでいる。「星暦」と呼ばれる先史時代が何らかの理由によって滅んだ後の時代であるためだ。 崩暦に関してはその由来からか、限られた情報しか残っておらず、我々は鋼歴からさかのぼる形でしかその一切を把握できていない。 星暦に関しても我々を遥かに超える魔法文明を持っていたということしかわかっていない。 星暦という名前も『果ての裁扉』の番人、アシュタムの口から出たものであり、その全てはエルゴナヴィス先史遺跡の調査によってのみ知ることができる。 我々を超える魔法知識をもってしても滅んでしまったかの文明を破滅の原因の同定。 それが我々が最も知らねばならない歴史だ。 ### 1-2.7人の英雄 世界の歴史を語る上で欠かせない7人の英雄がいる。 彼らはみな先史文明の技術の一部を究明できたこと、人類の進歩に欠かせない偉業を為したことの二点において他の歴史的偉人よりもより強い知名度を持つため、以下に抜粋して紹介する。 また、弊学院の6つのクラスは彼ら英雄の象徴的な色・偉業より取られている。 (残りの一つは代々校長が継いでいる) 自身のクラスに対する理解を深める一助としてほしい。 #### 魔の英雄 世界に魔法をもたらした英雄、最初の魔導師・カルドゥーヴェ。 魔法を体系化し、技術として人間の手に降ろした英雄。 魔法学院を作った初代校長でもあり、彼女に肖って学院の校長はカルドゥーヴェを襲名する。 象徴的な色は「黒」 #### 牙の英雄 鋼暦、それは戦争の時代。 幾つもの種族が混在するこの世界においてあまりにも長く続いた戦争を鋼暦1300年を以て終結に導いた武人、フェグダール。 七人の英雄の中で最も武勇に優れた男。 象徴的な色は「赤」 #### 鋼の英雄 人類の進歩におけるブレイクスルー。 現代の人類の祖に様々な手法を授け、技術発展の基礎の殆どを為したと云われる工学の母、ミザリア。 人の手に技術を授け、鋼暦の始まりを告げた少女。 象徴的な色は「黄」 #### 統の英雄 かつて『魔類』と呼ばれた者たち。 魔物の亜種と揶揄された、亜人たち。 それらを正しく『人である』と定義し、その差別の全てを終わらせた神王メーラック。 鋼暦1600年、自ら神王を名乗り、けれどもその力の全てを自身のためには振るわなかったという、偉大なる統一国家の王。 象徴的な色は「緑」 #### 智の英雄 鋼暦300年、知識と学習の祖。 万能の天才と呼ばれ、世界全体の知識水準を1000年進めたとさえ云われる、『真理を知る者』学者アリオス。 最も世界で有名な彼の脳内は、当時どこまで先を見据えていたのか。 未だ謎多き先史文明にすら手が届いていたと云われるが、その真偽は不明。 象徴的な色は「青」 #### 情の英雄 現代、最も人々の関心を集める「娯楽」。 鋼暦900年、戦争の最中でその娯楽の基礎を生み出したと云われる聖メグリュミア。 現代でも最も信徒が多いとされる宗教の、奇跡によって幾つもの不治の病を治した象徴的聖者。 現代では彼女と同じ名前を名乗る世界的大人気アイドルがいるが、その関係性は不明(本人はリスペクトと言って憚らず、当人が模範的信徒であるため世界的には受け入れられている模様) 象徴的な色は「桃」 #### 詞の英雄 鋼暦以前、滅びかけの世界をなんらかの方法によって救ったと云われる神人。 その名前は失伝しているが、近年の研究で「確かにいる」ことが明らかになった。 花の英雄と呼ぶものもいる。 象徴的な色は「白・灰」 ## 2.弊学院 全を知るために、己を知るべし。 己を知らぬものは、全部を知ることなし。 当項では、君たちの所属するこの「ポーラ大謳標学院」について記す。 ### 2-1.学院について 学院は謳都と共にあり、謳都ができたと同時にその中央に作られた。 学院では主に最先端から古代(一般的には鋼歴初期を指す)までの魔法について学習することができる。生活魔法から戦闘魔法、はたまた最先端の娯楽魔法まで取り扱っている。クラスによって得意な魔法系統や授業の進め方が異なる。 入学には資金や権力、種族などは関係無く、実力や才能のみが重要視されている。入学試験には費用がかかるが、入学さえしてしまえば補助金が入るため生活に困ることはないだろう。入学年齢も不問だが、入学が出来ても体力が伴わず退学する者も多いため、若者が多く残っているのが現状である。 試験では魔法適合検査、筆記、実技、面接があるが、倍率はとても高く生半可な実力では入学することはできない。 また学院を卒業することによって謳都でも最上位の資格を有するエリートとして扱われるため、学院入学を夢見る人は多い。 #### 2-2.学院6つのクラス 上述の英雄に倣った6つのクラスが存在する。 ##### ウィス 牙の英雄に倣った、赤のクラス。 平和な世にありながら、いまだに必要とされている「闘争」、その武芸百般を主に学ぶ。 魔法とは、抗うための力である。 ##### テクス 鋼の英雄に倣った、黄のクラス。 人類をより先のステップへと発展させるための「手法」、その委細万端を主に学ぶ。 魔法とは、進むための技である。 ##### コムナ 統の英雄に倣った、緑のクラス。 世界とともに歩み、そこにあるモノと手を取り合うための「交流」、その手練手管を主に学ぶ。 魔法とは、話すための型である。 ##### スキエ 智の英雄に倣った、青のクラス。 未知を調べ、未踏を明かし、未来への礎と為すための「知識」、その森羅万象を主に学ぶ。 魔法とは、解くための式である。 ##### モトゥス 情の英雄に倣った、桃のクラス。 万人に通じそれら全てに訴えかけ、印象付けるための「演出」、その喜怒哀楽を主に学ぶ。 魔法とは、癒すための道である。 ##### プロティ 詞の英雄に倣った、灰のクラス。 自己と根源に通ずる何かとそれを同定するための「原点」、その真理にたどり着くための推本溯源を求める 魔法とは、示すための術である。 ## 3.地理 世界の広さを認め、そこにあるものを理解する。 地形の理解こそ遥か遠きを見通す眼なり。 ### 3-1.『絶境』 我ら人類の領域の外側、魔物の領域とを隔てる『絶境』と呼ばれる魔力的断裂。 それは、空に「落ちる」境界。人類はそこを目指し、その全てが空に消えた。 魔物のみが通過し、侵略せんとするそれは私たちの体内の魔力のパスに反応し空へと飛ばす。 魔物にありて我らにない、体内に保有する魔力とその発生源。 抵抗のためには膨大なそれが必要であるとされ、 そしてその研究は一度も成功していない。 ### 3-2.大陸 #### 人類の大陸 ##### ソール・ラーム大陸 現人類の存在圏の大半を占める大陸。 肥沃な大地が広がっている、広大な大陸。 ##### レイ・ミュール大陸 ソール・ラーム大陸南部に存在する、東西に長い大陸。 大陸中央には豊富な魔素を蓄えたストラリス大森林が広がり、その中心地には天まで聳え立つ世界樹ミーク・ワースが位置している。 ##### カドゥ・ミュール大陸 レイ・ミュール大陸東部に位置する、円形に近い大陸。 かつての先史文明の中心地であるとされており、大都市エルゴナヴィスの跡地が遺跡として現在も残っている。 最東端には「果ての裁扉」が存在し、開いた先には閉ざされた地、ランディア大陸が広がっているという。 ##### テューレ空中大陸 ソール・ラーム大陸北西に位置する浮遊大陸。 土地に大量のアリウムとエルディウム、ソルヴィライトを含んでいる。 ソルヴィライトが生み出す大量の魔素をアリウムとエルディウムが取り込み浮遊している。 ##### パスフィアル大陸 絶境に挟まれ、発見の遅れた大陸。 かつて大きな戦場となっていた。 現在はパスフィアル王家とのコミュニケーションが定期的に取られている。 #### 未開領域 絶境の先、我々が認識していない領域。ティアー全土の約40%を占める領域。 絶境は意志持つ侵入者を空に落とす結界のようなもので、先史文明の遺物とされている。 その先からやってきた敵性存在と、先史文明の遺産、「果ての扉」の番人アシュタムの発言、並びに地理・地層学的観点からこの領域には三つの大陸があるとされている。 我々はその大陸を便宜上それぞれ**アトラチア大陸、メガロアンク大陸、ランディア大陸**と呼んでいる。 ##### アトラチア大陸 推定ではあるが現世界で最も大きいとされる大陸。 ##### メガロアンク大陸 番人アシュタムがその存在を語った大陸。詳細は不明。 ##### ランディア大陸 果ての扉からつながっている大陸。三大陸の中で唯一人類が侵入に成功した大陸で、果ての扉以外にもカドゥ・ミュール大陸とソール・ラーム大陸の一部から地続きになっている。 ### 3-3.地方と主要都市 ![](https://hackmd.io/_uploads/rkVqgXnJp.jpg) 上記地図は人類の到達領域のうち、パスフィアル大陸をのぞいた部分を描いたものである。 #### アーサス地方 ソールラーム大陸北部、謳都アーサス擁する地方。 大陸北部にありながら四季に富んだ大地。 ##### 謳都アーサス ポーラ大謳標学院を中心に携えた娯楽と学問の中心。 世界の娯楽の最先端の一。 #### アルクト地方 ソールラーム大陸中央部に位置する草原地帯。 整備された王都街道は食べ歩きに向く。 ##### 王都アルクト 神王メーラックの統治する、アルクト城とその城下町。 様々な人々の集う、文化と文明の交わる首都。 アルクト王下直属騎士団を目指すものも少なくない。 #### カーキサス地方(アクバンズ地方) ソールラーム大陸中央西部、山岳地帯北部の東西にまたがる広大な砂漠地帯。 過酷な環境にありながら交通の便が良く、現在では観光に向く地方。 ##### カーキサス プレースぺ大砂海(現在ではカーキサス大砂海と呼ばれている)中央に位置する大陸全体の交易地。商業都市、カーキサス。 カーキサス・グランバザーで手に入らないものは存在しないといわれている。 もともとカーキサス大砂海に都市は存在しなかったが、鋼歴1600年より始まった大陸大交易から少しずつ発展し、今では世界有数の大都市となった。 #### ハマル地方 世界最大の草原、エイリアス大高原擁する自然あふれる地帯。 一次生産の主要地点。 ##### エイリアス 豊穣の都と称される都市。その土地に根付く形で畜産農耕等一次産業を主軸とし、統一国家以前は『ハマル独立耕国』の首都として知られていた。 エイリアス現地でとる食事は、美味しい。 #### サドゥ・メリク地方 ソール・ラーム大陸南東部、複雑な入り江で構成されたキュリオーン海岸が特徴的な地帯。 ##### キュリオーン 水の都、キュリオーン。 最も美しい都市の一つとされる、入り江とそれに囲まれた複数の島からなる水上の都市。 魔法的転移によって大陸全土の治水を一手に担っている。 大灯台「メリクの燈」から眺める夕日は世界十景の一つと名高い。 #### キュロエ地方 ソール・ラーム大陸北西部、雪と氷に覆われた地帯。 世界最北に位置するこの地域では、特殊な地形と緯度の高さからこの近辺では夜が終わらない。 ##### ダイア・キュロエ 眠らずのメトロポリス。 極夜の都、ダイア・キュロエは厳しい環境にありながら、世界中から人足の絶えない、世界有数の観光都市である。 #### リブナクス地方 ソール・ラーム最西、荒涼とした丘陵地帯。 古来より、罪人たちの終の地である。 ##### リブナクス 粛清と断罪の地。法の都、リブナクス。 遥か昔、名すら残されぬ大罪人を裁いたといわれる地。 厳格な法の下に公正な判断を行うこの地は、現代におけるトラブル解決の専門都市といえるだろう。 「困りごとならリブナクス~♪」という宣伝文句は君たちも聞いたことがあるだろう。 そのせいで「厳格さ」とはかけ離れたイメージを持つモノも多いだろうが、現代において重罪を犯すものがいないだけで本来は非常に厳しい場所である。 #### カプラ地方 レイ・ミュール大陸北部。二つの大陸を繋ぐ要地。 今では見る影もないが、元は荒野であったらしい。 ##### カプラ・ファウナ カプラ技術団が誇る、機械仕掛けの世界最大の都市。 それが技術都市カプラ・ファウナである。 元は技術の祖、ミザリアが率いたといわれる「カプラ技術団」の拠点であったこの都市は、現代ではカプラ地方全域に広がっている。 最新の技術の粋を生かし増築を繰り返した異様な高層建築物群、それらを繋ぐ「ポータルパイプ」と呼ばれる淡赤紫色の巨大な管(この都市における道路のようなものである)によって成り立つ。 #### レオネル地方 ソール・ラーム大陸最東部、絶境を渡る魔物たちとの戦場。 エルゴナヴィスに次ぐ出稼ぎの地。 ##### ネメア・レオネル 死星マグナ・ネメアの加護ありと謳われた城塞都市。 古より魔物に対峙し、駆逐し続けたものたちの拠点。 都市そのものが対魔物のエキスパートともいえる堅牢なこの都市は、「ネメア建築」と呼ばれる特殊な対魔術的建築法で構成されている。 都市全体が法陣を描き、パスを繋ぐような独特の作りになっているので、興味がある諸氏は観光に赴くのも一興だろう。 #### ミーク・ワース地方 レイ・ミュール大陸中央、ストラリス大森林を抱えた森と霧の地方。 ##### サージタル ストラリス大森林東側、天を射抜くように聳え立つ大樹。 それは魔素を導き、地から吸い、葉を以て大気に満たし、水に届け、火を灯す。 その名を、世界樹ミーク・ワースという。 その麓、そこを囲むように生まれた都市。世界樹の都とも呼ばれる、魔素の集積地の一。 #### ウィルーク地方 レイミュール大陸南方、ストラリス大森林西部に位置する起伏の少ない平原地帯。 北方には先史文明の石碑、「メグリュミアの石樹」が存在する。 ##### ストライエ 聖都ストライエ。 かつて巡礼を為した聖女メグリュミアが「治癒の大奇跡」を為した地。 信徒たちは今日も、かの地を訪れる。 #### テューレ地方 浮遊大陸、テューレ。 豊富なマナを生成、媒介とし、上空700mに浮かぶ奇妙な浮遊島。 発見当時はより大きい、文字通りの「大陸」であったが、分かたれた大半は現在絶境の先へと流れた。 便宜上今現在でも大陸と呼ばれている。 ##### 天空都市 テュラス テューレ空中大陸中央部に位置する大都市。 中でも、彼方に見える「眠らずのダイア・キュロエ」の夜と光は「キュロエの移し日」と呼ばれ、世界十景のひとつとして名高い。 #### ルレシア地方 有史以前、何かが落ち、できたとされるクレーター。そこからは今でも様々な未知の、そしてその多くがこの星に由来しない鉱物が発掘され、利用されている。 ##### 地殻都市 ピスキア 太古の戦か、星の衝突か、大地に空いた大穴、ルレシア大空洞に寄り添うように集落が集まり、次第に大きくなった都市。 城塞都市と並ぶ堅牢な都市として有名。 #### スカーチア地方 ソールラーム大陸を二分する巨大山脈群、スカーチア大山脈擁する地帯。 南北にわたるための鉄の道が敷き詰められた要地。 ##### スカーチア 大山脈中央、鉄道の関所から発展したこの山岳都市は古くから城塞として名を馳せた。 スカーチアはルレシア大空洞に次ぐ炭鉱のメッカで、ルレシアのそれとは違いスカーチア産は安定していて使いやすい鉱物が特徴である。 君たちの手元にあるものも、大半は元をたどればここでとれた良質な金属が加工されたものだろう。 ##### ラ・ディエブの禍塔 中央山岳の南西側、その遥かはずれの一際大きなシグナス山に位置する都市ディエブ。 豊かな資源と優れた技術を誇るDovarrたちが生まれ、山岳都市とも交流のある古き良き山岳市街。 その都市の中心に位置する、半ばから縊り千切られたような異様な崩れ方をした塔。 かつて天を目指し造られた塔の、その末路。 廃墟と化した塔には今も得体のしれない魔物が生息しているという。 #### オリエナシア地方 「アルゴへの渡木」とも呼ばれる地方。 「ギウス戦場痕」はかつての大都市であったが、「アルゴの大厄」によって滅び、土地とともに海となった。 大厄の主「アルゴサクス」の遺骸はギウス戦場痕に今も保存されている。 #### ラプス地方 ソール・ラーム大陸南西、分断されたように川の走る、枯れた土地。 かつて隆盛を誇った、亡国ラプス擁する死の地。許可なき立ち入りは禁じられている。 #### アルゴ地方 カドゥ・ミュール大陸全域。 絶境を超える鍵が眠るとされている。 #### エルゴナヴィス遺跡 遥か古、栄華を誇ったとされる古代人の巨大都市、「エルゴナヴィス」の跡地。 広大すぎる都市には用途不明のアーティファクトが大量に眠っている。 その全てが「先史文明」の名残であり、この都市こそが先史文明の存在の証明でもある。 ##### エルゴナヴィス調査都市 カーリナ エルゴナヴィス西部に位置する都市。 エルゴナヴィスの玄関とも称されるこの都市は、大遺跡の探索の拠点として大いに役立つだろう。 ##### エルゴナヴィス辺境都市 ヴェーリア エルゴナヴィス南部に存在する、第二拠点。 北部に「アルゴの腕」と呼ばれている巨大な塔を望むこの都市は ##### エルゴナヴィス開拓地 パープス エルゴナヴィス東部、果ての扉手前に作られた開拓拠点。 その主目的は門番アシュタムの観測だ。 アシュタムは製造目的、製造過程、構成物質などすべてが不明のゴーレム(便宜上)である。 今現在のところは人類の味方であると思われるこの巨大な石の番人は、必要な時以外黙して動かぬ石像である。 決して、手を出してはならない。 ## 4.生命 その由来を確かめ、自らの起源を探る。 自己の探求とは、全知への一歩である。 ### 魔力と魔法と生命区分 魔法を扱うことができるもの、ないしはその素養があるものは道具の補助の有無にかかわらず全員「**魔者(ステルルム)**」と呼ばれ、魔法をそもそも扱うことのできない存在「**魔外(ニグルルム)**」とは区別される。 人間はほとんどの場合生誕時点では体内の魔法発動機構が発達・安定していない。 しかし、魔法を扱うための魔素を誘導するためのパス・回路は存在する。 そのため、若くから練習を積むか魔道具の使用などによって魔法の行使が可能になる。 大抵の人間は幼少期に魔法発動のための訓練を受けている。(村であれば村長、街であれば会を開き、都市であれば学園にて) これらの事情から現代において、魔法に関する知識がないこと自体が相当珍しく、また優れた道具も多いためその補助があってなお魔法の発動ができないこと自体がほぼない。 #### 魔物(ソルヴェム) 身体に魔石を有し、魔素の自己生成が可能な生命体を指す言葉。意思の疎通が取れたケースはほとんど確認されていない。 #### 魔手(ディアン) 優れた魔法発動機構を有し、空間に漂う魔素を収集、増幅させ魔法を使用する生命体を指す言葉。 #### 魔士(ギアース) 体内の魔法発動機構が発達しておらず、独力での魔法の行使は不可能だが魔道具の使用などにより後天的に魔法を使用することが可能な生命体。大抵は我々のような一般的な人間のことを指す。 ギアースになる前の、魔法の発動の素養はあるが未だ発動に至ってない状態を『**魔休(ラルトゥム)**』 と呼ぶこともある。大抵は若い子供か、相当の世間知らずだろう。 #### 魔外(ニグルルム) 魔道具の補助をもってしても魔法を使うことができない生命体。 そもそもの身体の作りが違うため、どんな補助を受けても魔法の行使はできない。 大抵の人間は前述のとおり魔法発動訓練を義務で受けている。 魔法を扱うことができないものは何らかの因子か干渉かは不明だが、人間に備わってるはずの器官、内臓などにあたる部位が先天的にないようなもので、けれどもそれでも普通に生きていられる。 つまり、そもそも人間と根本的に異なる存在であることを意味している。 現在までに、6人しか観測されていない。 ### 基本種族6種 **ヒュマナス、アルフィア、ドゥヴァル、ハルピス、タウドルム、ベルヴェスト** これら六種が現代において「よく見る」人種である。 #### ヒュマナス(Humanus) 最も平均的で、最も多様で、最も一般的で、最も多数派の人種。 魔道具に対する本来の適性は高くないが、多数であるため技術的に進んでおり結果的にそこまで魔法の行使が苦手なわけではない。 #### アルフィア(Alfial) 長身痩躯、尖った耳と優れた視力を持つ人種。 魔道具に対する適性が高い。 #### ドゥヴァル(Dovarr) 低めの身長(120-150cm程)とがっしりとした肉体、手先の器用さを併せ持つ人種。 魔道具の生成を得意とし、そのため魔法の行使もそこそこ。 #### ハルピス(Halphis) 小柄(身長70-110cm)で素早い人種。 魔道具適性があまり高くないため魔法行使は苦手な方。 #### タウドルム(Toudorm) 角を持ち、身長2mほどの大柄な戦闘民族。 魔道具適性が低いため魔法行使は苦手。体格もあり専用の魔道具を要する。 #### ベルヴェスト(Belvest) 獣の耳を持ち、聴力と嗅覚に優れた種族。 魔道具適性が低い。魔法行使は苦手で専用の魔道具を必要とする。 ### その他の人類種 他にも、より源流に近い獣人(Sagaste)有翼(Sailum)、水棲(Melphan)など通常人間とは生活圏の大きく異なる亜人 巨人(Granoth)や竜人(Pharnax)、植物(Natylus)や鉱物(Adomytes)に近い生態の亜人など古くから生息している人種などが確認されている。 ## 5.宇宙 天の彼方の領域、我々学徒が宇宙と呼んでいるそれについて、我々はよく知らない。 7人の英雄、先史文明を解明した彼らは口々にこう答える。 「天球を目指すな」 我々が知る宇宙の知識について、記そうと思う。 ### マグナ計画 宇宙について学ぶ前に、宙天に浮かぶ恵みの火の玉を目指した計画について知っておかねばならない。 マグナ計画と呼ばれるそれは鋼歴末期に行われた宇宙探査のための計画である。 大量の燃料を積載し、自己推進機能を持った乗機によって人類を遥か彼方の天空まで押し上げるこの計画は、失敗に終わる。 技術的にも理論的にも間違っていなかったはずのそれは我らの同志を打ち上げて。 天空の彼方、見えなくなったその先で直前まで取れていた連絡が突如途絶えたという。 それから数刻の後、墜落した乗機が降ってくる。 我々はそれを外部制御で慎重に着陸させ、内部を探査した。 中身はすべて無事。けれども乗員は全てその存在が最初からなかったかのように消えていた。 ### 自転と公転 かつてはこの地を中心に天球こそが回っているとする仮説が有力であったが、智の英雄アリオスとその一派の研究により世界は球体であり恵星を中心として回る星のひとつであることが分かった。 ### 天に輝く星々 #### 原星ティアー 我ら人類の住む、母なる星。肥沃な大地と豊かな自然、広大な海。住みやすい気候と安定した自転・公転周期を持つ過ごしやすい国。 #### 恵星マグナ・マグヌム 空に輝く火の玉。熱と光を等しく与える、恵みの神。日、太陽とも呼ばれる。 #### 死星マグナ・ネメア 恵星とは異なる周期で星を照らす、蒼く輝くもう一つの太陽。 一定周期で地球に接近し、 二つの太陽が昼を照らす「双日」と 夜を強く照らし昼も夜も常に明るい「偽昼』 の二つを七日間、90日おきに交互に引き起こす。 #### 月、ハルテュス 夜、天に浮かぶ原星ティアーの衛星。マグナの光を受けてさまざまに色を変える、ティアーの人々の夜の安息。 #### もう一つの小月、クライフ ハルテュスに寄り添うようにそこにある小さな衛星。 ハルテュスの周りを常に回る孫衛星。占星術の要の星の一つ。 #### 三つ目の黒い月、凶星マリス 光を吸う、漆黒の星。その実態は蝕を引き起こすときにのみ観測される。マグナ・ネメアと並ぶ凶兆の星。 #### 系内十三星 地球から認識されている、同一星系と見られる惑星。 内側から 晄星バルカン 瀾星テミス 鎮星ネイト 反星クラリア 焔星アイズ 樹星クトニュス 壊星カルヌス 朧星リアフ 疆星ケアト 躻星テュケー 虚星フェトゥン 遠星ノクス 終星ニブル と呼ばれている。 ##### バルカン 二つの太陽と合わせて光を司る、白き星。「晄星・光星(こうせい)」とも。 その軌道から太陽の極めて近くを周回していると考えられる惑星。 その軌道から本来すでに融解、ないしは太陽に飲み込まれていなければ辻褄が合わないため、おそらくは超密度かつ熱に極度に強い未知の物質で構成されていると考えられる。 地上から観測すると太陽の周囲を高速で周回する黒点のように見える。 その実態が白き星であると強く認識されるのは、凶星マリスによる蝕の際。 その中央で揺れ、白く輝くバルカンは「マリスの瞳」と呼ばれる魔術的発光である。 放たれた魔術放射により強い影響を与えるこの星は、かつては星であると認知されておらず、凶星マリスの一面であると思われていたという。 ##### テミス 水を司るとされる、青き星。水星と呼ぶものもいる。 その推定体積と軌道から、日の出と日の入り、そのわずかな時間にしか観測できない。 「静かなその星は、けれどもいつもそこに在り」 ##### ネイト 金を司るとされる、灰色の星。金星と呼ぶものもいる。 明け方の細いハルテュスのそば、並ぶ星のように佇むネイトは明星とも呼ばれている。 星や宙に興味のない学生も一度は見てみるべきであろう。 ##### クラリア 3年前、存在が確定した星。 マグナの彼方、この星とちょうど逆軌道。 そこを周回している、反原星。 魔術反射による地上からの減射式殻相転写法、通称「大魔法ファルア・クラリア」によって存在のみ認識された。 それ以外の全ての詳細は、不明である。 ##### アイズ 火を司るとされる、紅き星。 空に眩い瞳。星を見るものを見返す眼。 赤く燃ゆるように見えるその星の実態はおそらくティアーに似た岩石製の星だろう。 ##### クトニュス 木を司るとされる、巨大な星。 その表面には魔術的な淀みがあり、得体のしれない紋様を描き出す。 それは彼方、絶境の先にあるという樹海の生物に似ているといわれている。 ##### カルヌス 土を司るとされる、巨大な輪を持つ星。 その輪は大量の何か魔術的な塵でできているとされており、近隣にあった星を破壊し、それを纏う形で形成されたといわれている。 ##### リアフ 月たちと合わせて闇を司るとされる、暗く優しく輝く星。 夜空、見上げれば常に見える星であり、占星魔術においてはその霞み方を観測する。 ##### ケアト 数を司る多重惑星。 少なくとも25の星々から成り立つ、同一軌道上の惑星群とみられる。 南東の空に常に輝くこの星々はかつては同一星系上の星であるとはみなされてはいなかった。 ##### テュケー 人、命を司るとされている、小さな星。 占星術上でのみ重要視されること以外特徴の少ない星。 ##### フェトゥン 魔術的観測によってのみ観測可能な、物理的に存在しないが理論的に存在している星。 この星にあたる場所は、不自然な空間が存在するように振舞っている。 占星魔術においては零を司るとされている。 ##### ノクス 周回軌道が非常に長い楕円を描く星。 最接近時は月と同じだけ近づき、最も遠い時はどの惑星たちよりも遠い軌道を描く。 占星魔術においては、魔術そのものを司るとされている。 ##### ニブル 北の彼方に見える、常に動かぬ巨きな星。 かつては遥か遠方にある星だと考えられていたものの、魔術的観測によって同一星系内、非常に特異な軌道を持つ星であることが明らかになった。 占星魔術において、この星は死や終わりを司る凶星として知られている。