# オープンデータへの疑問、あったら良いなこんなオープンデータ 講義でオープンデータを扱って、疑問や、研究や趣味であったら良いと思うオープンデータについてレポート課題として出したところ、思った以上に面白い質問がでてきて、頑張ってまとめたら、思った以上に長くなったので、せっかくなので公開します。 質問は、もともとの趣旨に沿いつつ、書き直しています。 この文書のライセンスは [CC BY 4.0](https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja) です。 RESASについての言及が少ないのは、講義の中でRESASを扱っていたためです。 突っ込み、**追加情報、誤字脱字の指摘**があったら、よろしくお願いします!!!(特に誤字脱字) ## 全体的な疑問、指摘 ### データと可視化の関係 見やすい図、表、グラフ、地図があると良いというコメントがありました。 たしかに、見やすいものがあるのが望ましいですが、一方で下にあるように、例えば見やすい表をPDFで公開されてしまうと、データとして使うことができません。 また、特に自治体等がデータを公開する場合、見た目をきれいにすることを要求してしまうと、公開されるデータが少なくなってしまうというジレンマもあるため、まずはデータの公開を進めようというのが、現在の国や自治体の取組です。 なお、これはオープンデータを使った事例ではありませんが、生成AIにPDFを読ませることで、きれいがグラフを作ったりすることはできるようになりつつあります。今後、こうしたものの活用も必要になるかもしれません。https://x.com/kfkanagawa/status/1807238090425241631 ### データの公開形式、がPDFで公開されていて使いにくい オープンデータを利用する人達の間では、こうしたPDFのようなデータ(自分で編集できないもの)を、利用できる形に変換することを「餅からコメを作る」といい、問題視されています。また、PDF以外にも、色々使いにくい形式で出される場合もあります。最近では、csvで公開されることも多くなり、改善しつつあります。 こんなBADオープンデータは嫌だ https://speakerdeck.com/furukawayasuto/konnabadopundetahaxian-da 餅から米を作る - tkgshn (scrapbox.io) https://scrapbox.io/tkgshn/餅から米を作る 「餅から米」作るため…マウスを延々カチカチ データ報道記者の嘆き:朝日新聞デジタル (asahi.com) https://www.asahi.com/articles/ASR3Z5FY9R3QULEI006.html ### データの質の問題 精度の高い、正確なデータが必要であるというコメントも多くありました。これも上記のデータの可視化と関係するのですが、誤ったデータを出してはいけない、データの精度を保証しなくてはいけないとなると、これもデータの公開に労力が必要となり、公開されるデータが少なくなって今うという問題があります。もちろん、多くのオープンデータは公的機関から公開されており、一定の精度は担保されていると思いますが、一方でこうした制約もあることに注意が必要です。なお、だからといって意図的に誤ったデータをオープンデータにするのは、もちろんダメです。 また、オープンデータかどうかに関係なく、データが有効なものかどうかを考える際には、網羅性(必要なデータが全て揃っている)、正確性(誤りなく正しい)、整合性(矛盾せず一貫している)、安全性(保護されている)も重要になります。データを利用する際には、こうした点も注意してください ### 個人情報、データの改ざん、 オープンデータは、公開する、もしくは公開されているデータについて、使いやすいライセンスを付与し、利用を促進しようという考え方です。個人情報は、そもそも公開するべきではない情報なので、オープンデータであっても、なくても、公開する際に個人情報が含まれるかどうか、確認する必要があります。また、オープンデータ(正確には、著作権の発生政府の公報)として公開されていても、それを不適切に処理するこでプライバシーを侵害するとして問題になる、場合によっては罰せられることもあります。 改ざんについてですが、CC BY や 政府標準利用規約の場合、変更した場合はその旨を記載することが求められています。そのため、正しくライセンスに従う範囲では、変更したことを明示せず、悪意を持って内容を書き換えた場合は、ライセンス違反となります。また、オープンデータとして公開されているので、二次的入手したデータが正しいのかどうか、自信で確認できる透明性があります。逆に言うと、利用者が情報リテラシーを保つ必要があるともいえます。 ### 地域だからこそ情報を活用すべき これは大変重要な指摘だと思います。北海道森町の元職員で、いまが自治体向けのDXコンサルをやっている山形さんというかたが、同じことをいっていました。以下、その際の資料です。「生活と距離と人と時間と」 電子行政が田舎でも必要なワケ | PPT (slideshare.net) https://www.slideshare.net/slideshow/ss-71174415/71174415 また、ITやオープンデータを活用した地域創生にも取り組まれているので、ぜひこちらの資料もご覧ください 森町に40年暮らしてみた話 | PPT (slideshare.net) https://www.slideshare.net/slideshow/40-188430432/188430432? ### 著作権の及ばないもの、著作物ではないもの 法律や政令、裁判所の判決文などの公文書は著作権の対象外です。また、単純な表やグラフ、そこに記載されている数値自体は、通常著作物とはみなされません。しかし、それらの表現方法や構成に創造性が認められる場合は、著作物として保護される可能性があります。 ### フリー素材はオープンデータに含まれるか 説明した定義にあっていれば、オープデータに含まれます。ただ、たとえば[いらすとや](https://www.irasutoya.com/p/terms.html)さんでは、 - 当サイトのイラストは以下の場合、ご利用をお断りします。 - 公序良俗に反する目的での利用 - 素材のイメージを損なうような攻撃的・差別的・性的・過激な利用 - 反社会的勢力や違法行為に関わる利用 - 素材自体をコンテンツ・商品として再配布・販売(LINEクリエイターズスタンプ等も含みます) - その他著作者が不適切と判断した場合 となっていて、オープンデータにはなりません。 ご利用について | いらすとや https://www.irasutoya.com/p/terms.html ということで、個別に利用規約等を確認して判断する必要がありますが、多くの場合は、商用利用禁止、素材自体の販売禁止等の制約があると考えられ、オープンデータとはいえないのではないかと思います。 ### オープンデータと著作権 説明が不十分だったのですが、すべてのオープンデータに著作権が無いわけではありません。パブリックドメインは著作権人格権以外の権利が消失していますが、例えば日本の著作権法では「著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができな」と書かれているので、権利自体を譲渡や無くすことはできません。CC0にした場合、これらの権利を行使しないと宣言していると考えることができます。また、CC BYや、CC BY-SAの場合は、著作権を持っているけど、最低限の条件をみたせば、自由に利用していいですよ、という契約をするということになります。 ### 自分一人で行うことができない大規模実験の結果をオープンデータ化 これは、科学分野でのオープンデータの推進の重要な一つの理由です。オープンデータを公開することで、同じデータを何度も収集する必要がなくなります。例えば、ある研究機関が行った大規模な実験の結果を他の研究機関や企業が利用できるようにすることで、同じ実験を再び行う必要がなくなり、その分のコストが削減されます。これは「データの再利用」と呼ばれるもので、無駄な出費を防ぐ効果があります。特に、公的資金で行われる研究の場合、原資は税金、すなわち国民のお金ですので、同じことを何度も繰り返して、予算を無駄づ介するのは避けるべきです。また、公開されたデータを基に新しい研究や技術開発が迅速に進むため、効率的な予算の使用が可能になります。 ### 著名な絵画等の権利 日本の場合、誰が作っても著作権は同じなので、有名な作者の絵画であっても、なくなっています。ですが、財産として価値をもつ場合、その絵画の所有者が所有者としての権利で、保護や利用の制限を行っています。 ### 二次創作可能なコンテンツをまとめたサイト 私の知る範囲では、見つけることができませんでした。ただ、Google の画像検索や、Youtube検索等で、ライセンスを指定することができ、クリエイティブ・コモンズライセンスを指定すると、ある程度絞り込むことができます。 ### 地域のへの要望、課題、魅力に関するオープンデータ 公開されている事例を聞いたことがないですが、たしかに重要だと思います。 こうしたものは、そもそもデータが集められていないということが、ママあります。こうしたものについては、まずはデータを集めるという地道なところかははじめる必要があります。 例えば、福井の観光アンケートの様に、オープンデータ化することを前提に調査をしても良いかもしれません。 ### RESASについて補足 講義中で樹文に説明しませんでしたが、RESASのデータは、日本の公的統計として収集されたものや調査されたものです。なので、データの出典は各府省庁で、内閣府ではありません。内閣府は、RESASというシステムを作り、こうしたデータを見やすく提供しているとう役割になります。 ## 個別のデータベースや利用事例について(観光、地域おこし、趣味) ### 移住や定住に関する情報 一部で公開されている 移住定住に関する実績調査 - データセット - 岐阜県オープンデータカタログサイト https://gifu-opendata.pref.gifu.lg.jp/dataset/c11143-001 ### 人流、人口移動のオープンデータ あまりオープンデータになっているものはありませんが、以下のようなものがあります。 全国の人流オープンデータ(1kmメッシュ、市区町村単位発地別) https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/mlit-1km-fromto 市町村単位でより詳細なものが公表されている場合もあります。 人流データのオープンデータについて | 岡山市 https://www.city.okayama.jp/shisei/0000031965.html 【オープンデータ】人流データの公開/唐津市 https://www.city.karatsu.lg.jp/kankoubunka/kankoutoukei.html 年齢別の移動数も、県単位や市町村単位で公開されています。(が、明示的にオープンデータではない) 鳥取県の推計人口:年報(令和4年10月~令和5年9月)/統計課/とりネット/鳥取県公式サイト (tottori.lg.jp) https://www.pref.tottori.lg.jp/315037.htm 具体的な移動履歴も含めたデータとなると、携帯電話のログ情報になるので、有償で販売されています ### 税金の使い道のオープンデータ 税金の使い道自体は、国や自治体の予算、決算としてオープンデータ化されています。 以前はそれを可視化するための「Where does my money go?」というプロジェクトがあったのですが、現在は休止中のようです。 つくば市のだけは、まだ見られました。 https://tsukubashi.spending.jp/ The Daily Bread - 税金はどこへ行った? また、行政レビューシートはオープンデータとして公開されているので、それを使用して事業の特徴を可視化するJUDGIT! というサイトもあります。 https://judgit.net/ ### 観光施設の混雑度 かつて、福井県で行われていたようですが、今は更新されてなさそうです。こうしたデータ公開の継続性の担保も、課題の一つです。 福井県施設ダッシュボード https://code4fukui.github.io/facilinow/ また、特定の地域を対象としたものは時々あるようです。 【観光地等混雑状況配信事業】過去に配信した混雑データ(ダウンロード)|伊勢市公式ホームページ https://www.city.ise.mie.jp/bousai_kyukyu/anzen/kikikanri/coronavirus/shien/1013822.html 都道府県単位、市町村単位ではオープンデータがあるのですが、観光施設単位の細かさになると、有償のようです。 デジタル観光統計オープンデータ(お試し版) | 公益社団法人 日本観光振興協会 https://www.nihon-kankou.or.jp/home/jigyou/research/d-toukei/ ## 個別のデータベースや利用事例について(交通、地図) ### 地図上での動画や、写真の共有 オープンデータとしてストリートビューのような画像を共有するMapillaryというサービスはあります。動画の共有は、思いつきませんでした https://www.mapillary.com/app/?lat=35.52476424658737&lng=134.19769606359114&z=14.08158653111866 ### 交通事故のオープンデータ 警察庁からオープンデータとして公開されています。 交通事故統計情報のオープンデータ|警察庁Webサイト (npa.go.jp) https://www.npa.go.jp/publications/statistics/koutsuu/opendata/index_opendata.html また、このデータを元にした新聞記事や、損害保険会社が作成した地図、GISd用の等もあります。 浮かび上がった危険な交差点 オープンデータを独自分析、その手法は:朝日新聞デジタル (asahi.com) https://www.asahi.com/articles/ASQDQ5W4GQDGULEI001.html 三井住友海上交通事故オープンデータマップ (ms-ins.com) https://pro.ms-ins.com/ristech/map.html https://public.tableau.com/shared/5Q33BYQ46?:display_count=y&:origin=viz_share_link&:embed=y 日本全国交通事故マップ(2019年〜2022年) - 警察庁が公開している交通事故データをGISで使いやすくしました|e-TEA (note.com) https://note.com/sanskruthiya/n/n72394163dbd5 ### 避難所のデータ 避難所については、市町村や都道府県で公開されています。 例えば、鳥取市 総合防災情報(避難場所) - 鳥取県オープンデータ (tori-info.co.jp) https://odp-pref-tottori.tori-info.co.jp/dataset/1678.html これを取りまとめて、国土地理院が公開してるようです。 指定緊急避難場所データ | 国土地理院 (gsi.go.jp) https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/hinanbasho.html ### 映画のロケ地 網羅的なものはありませんが、いくつかの自治体でオープンデータ化しているようです。 桑名市ロケ地・モデル舞台一覧 - データセット - CKAN (bodik.jp) https://data.bodik.jp/dataset/242055_location ふじのくに静岡ロケ地ガイド - 静岡県オープンデータ (pref.shizuoka.jp) https://opendata.pref.shizuoka.jp/dataset/fuji-161.html アニメに関しては、以下がオープンデータ化されています。 アニメ聖地|オープンデータ共有&ダウンロード|LinkData https://linkdata.org/work/rdf1s8817i ### 交通量のオープンデータ 日本道路交通情報センターから公開されているようです https://www.jartic.or.jp/service/opendata/ なお、このデータは月初めに前の月のものがDLできなくなるそうですが、過去データを保存、公開されているサイトもあります。こうした再配布もオープンデータだからできるという良い例です。 https://www.compusophia.com/en/notes/1#w_ 市として公開している場合もあります。 https://data.city.yokohama.lg.jp/dataset/doro_r3 令和3年度交通量調査 - データセット - 横浜市オープンデータポータル (yokohama.lg.jp) バスや鉄道の混雑率、バス停や時刻表 こうしたデータについては、GTFSという形式で、オープンデータ化されている場合もあります。 近年、Google Maps等でバスが検索結果に出るようになったのは、このGTFSを使ってデータがオープンデータ化されているからです。 https://www.wakayamabus.co.jp/news/realtime20230224/ 「わかやま交通案内」上で バスのリアルタイム混雑情報・位置情報の提供を開始します | 和歌山バス株式会社 (wakayamabus.co.jp) ### 地図のオープンデータ OpenStreetMapという、Wikipediaのようにユーザーが自分で地図を作るプロジェクトがあります。 https://www.openstreetmap.org/#map=17/35.51515/134.17246 OpenStreetMap このデータから観光地のデータを抽出して、観光マップを作るという取り組みもあります。 https://www.okuminavi.jp/access/openstreetmap.php オープンストリートマップ | キラッと奥三河観光ナビ (okuminavi.jp) 同じく、このデータから自転車向けの地図であるOpenCycleMapを作ったり、坂道等を考慮した推奨経路検索機能の開発等も、行われています。 https://www.opencyclemap.org/ OpenCycleMap.org - the OpenStreetMap Cycle Map サイクリングのための難易度と寄り道を考慮したルート推薦システムの実装 https://db-event.jpn.org/deim2016/papers/266.pdf ## 個別のデータベースや利用事例について(研究、実験) ### Webページ上で英語の論文を翻訳できれば良い 著作権法上、個人の利用でれあれば、現在でも可能です(そういうツールもあります) 翻訳したものを再配布する場合は、CC BYやCC BY−SAのライセンスが付与されているものであれば、可能です。 ### 生物分布データ 生物の分布データをオープデータとして公開する取り組みとしては、以下のようなものがあります。市民科学と言って、一般の市民も参加し、データの提供可能なので、ぜひ取り組んでみてください。 GBIF:生物の分布データをオープンデータとして提供する国際的なネットワークとデータベース https://www.gbif.org/ja/ iNaturalist:市民科学プロジェクトで、世界中のユーザーが観察した生物のデータを投稿し、共有することができます。このデータは科学研究や保全活動に利用されます。データはオープンデータとして提供され、誰でもアクセスできます。 https://www.inaturalist.org/ eBrid:世界中のバードウォッチャーから寄せられた野鳥観察情報(目撃情報、写真、動画、音声等)が集まっています。 https://ebird.org/home なお、生物調査のために用水路の開閉に関するオープンデータがある良いという意見がありましたが、これは、現場の判断でやっているかもしれない、難しいかもしれません。 ### 医療品の副作用 日本の場合、以下があります。 医薬品副作用データベース 利用規約(ただし、オープンデータではない) https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/adr-info/suspected-adr/0003.html アメリカ:FDA Adverse Event Reporting System。医薬品および生物製剤の有害事象報告。パブリックドメイン。 https://open.fda.gov/data/faers/ ### 生体の中の化合物の割合に関するオープンデータ 少し探したところ、以下のようなものが見つかりました。ただこれが、コメントに意図にちゃんと回答しているかどうかは、自信がありません。 Human Metabolome Database (hmdb.ca) https://hmdb.ca/ ただしこのデータベースはオープンデータとはいえず、商用利用は個別に連絡することとなっています。 以下のようなものもありました。 MetaboLights - Metabolomics experiments and derived information (ebi.ac.uk) https://www.ebi.ac.uk/metabolights/ ### 化学分析の結果 実験時における誤差等を明らかにするために、リングテストといって、同じサンプルを同じ手法でやって、実験者や研究機関の間での違いを評価するというものはあります。例えば、以下 環境省_環境測定分析統一精度管理調査 (env.go.jp) https://www.env.go.jp/air/tech/seidokanri/ ただし、オープンデータ化されているものは、見当たりませんでした。もしあれば、有効ではないかと思いました。 ### 歴史的な人口 以下のようなものがあります。 Population Growth - Our World in Data ただし、1950年から https://ourworldindata.org/population-growth HYDE データベース (History Database of the Global Environment) ただし、CC BY-SA-NC(商用不可)もあるようなので、講義で取り上げたオープンデータの定義から外れる https://landuse.sites.uu.nl/datasets/ ### 過去の書物等のオープンデータ 国書データベースというのがあり、そちらで公開されているようでうす。 国書データベース (nijl.ac.jp) https://kokusho.nijl.ac.jp/ ただし、ここで公開されている画像については、国文学研究資料館が公開しているものについてはパブリックドメインなのですが、所蔵している機関によってはオープンデータではないライセンスを付与していることもあるので、ご注意ください(個人的には、パブリックドメインとすべきだと考えます)。 近現代の作品は、国立国会図書館デジタルコレクションや青空文庫にまとまっています。 国立国会図書館デジタルコレクション (ndl.go.jp) 国立国会図書館デジタルコレクションは、著作権の切れているものはオープンデータとして公開されています。一部、著作権の切れていないものにちうて著作権者の許諾を得て公開してるものもあるようなので、それについてはご注意ください https://dl.ndl.go.jp/ 青空文庫 Aozora Bunko 青空文庫は、誰にでもアクセスできる自由な電子本を、図書館のようにインターネット上に集めようとする活動です。 著作権の消滅した作品と、「自由に読んでもらってかまわない」とされたものを、電子化して公開されています。なので、著作権が切れなく、「自由に読んでもらってかまわない」とされたものについては、改変、再配布等が許諾されてない可能性もありますので、ご注意ください。 https://www.aozora.gr.jp/ ### 教育に関するオープンデータの利用 初回したRESASなどでも教育用コンテンツを準備しているので、参考にしてください https://teacher.resas-portal.go.jp/ RESAS for Teachers (resas-portal.go.jp) なお、教育に関わる情報をデータ化し、指導に活用するという議論も行われています。ただしこれは、生徒のプライバシーとも関わる点もあるので、まだ結論が出ていないと思います。 ### 病害虫発生状況のオープンデータ これは本当に必要だと思うのですが、進みませんね。 なお、被害画像については、作物、種数については限定的ですが、昔参画したプロジェクトでオープンデータ化しました。 AI Pest Image DB (affrc.go.jp) https://www.naro.affrc.go.jp/org/niaes/damage/#!index.md ### 空気や水質 公開されている場合もある(空気の例) 大気環境測定結果(2022年度) - データセット - オープンデータカタログサイト (city.fukuyama.hiroshima.jp) https://data.city.fukuyama.hiroshima.jp/dataset/2022 教育に使った事例の論文もありました。 探究的な学習における大気環境オープンデータの活用について (jst.go.jp) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssep/44/0/44_657/_article/-char/ja/ 水質については、以下のような事例がありました。 国土交通省 水文水質データベース (river.go.jp) http://www1.river.go.jp/ 水質情報|千葉県オープンデータサイト/千葉県 (chiba.lg.jp) https://www.pref.chiba.lg.jp/kigyou/kyshisetsu/opendata/opendata-suishitsu.html ## 個別のデータベースや利用事例について(その他) ### 花粉飛散量のオープンデータ 環境省花粉観測システム(愛称:はなこさん)として、令和3年までは公開されていたのですが、今は動いてないようです。過去のデータは同じことをとして公開されています。 環境省花粉観測システム(愛称:はなこさん)過去データ一覧 | 環境省 (env.go.jp) https://www.env.go.jp/page_00209.html ### 架空のキャラクターや生物の特性値についてのオープンデータ 網羅的なものについては難しいですが、例えばポケモンについては以下のようなものがあります。 PokeAPI/pokeapi: The Pokémon API (github.com) WebAPIと呼ばれるものを使って、ポケモンの特性値を取得できます。 https://github.com/PokeAPI/pokeapi The Complete Pokemon Dataset 第7世代までのポケモンのデータが揃っています。 https://www.kaggle.com/datasets/rounakbanik/pokemon ### イベントに関するオープンデータ デジタルのオープンデータ推奨データセットに含まれているため、自治体が実施するイベントについてはあるようです。 ただし、民間のイベントはあまりないかもしれません。 https://www.digital.go.jp/resources/data_dataset/ 推奨データセット|デジタル庁 (digital.go.jp) ### 流行のデータ化 Instagram のインフルエンサーについてのデータセットはありました。ライセンスはCC 0 パブリックドメインです。 https://www.kaggle.com/datasets/surajjha101/top-instagram-influencers-data-cleaned Top Instagram Influencers Data (Cleaned) (kaggle.com) なお上記のデータは、Kaggleというサイトで公開されており、tiktok, YouTube, Spotigy等のデータもあるようです。 https://www.kaggle.com/search?q=tiktok+datasetFileTypes%3Acsv Search | Kaggle https://www.kaggle.com/search?q=youtube+datasetFileTypes%3Acsv Search | Kaggle ただし、ライセンスはそれぞれのデータセットによって異なるので、注意が必要です。 ### 名字と属性 地域と名字に関するデータセットは作られているようです 都道府県単位のものは、以下で見ることができます(ただし、オープンデータではないです) https://www.ritsumei.ac.jp/lt/area/assets/file/research/rgis/research-rgis-map.xlsx なお、オープンデータではないですが、以下のような記事がちょうどありました 「佐藤」は東北、「鈴木」は静岡・愛知… 名字の〝偏り〟をマップ化 (withnews.jp) https://withnews.jp/article/f0240704001qq000000000000000W00j10701qq000027051A ### レシピのオープンデータ 健康レシピのオープンデータはありました。 オープンデータひろさき 健康レシピ - 弘前市 (city.hirosaki.aomori.jp) https://www.city.hirosaki.aomori.jp/gaiyou/opendata/healthy-recipe.html ## データセットの検索 研究等で使われる個別のデータセットは、専門外は知らない、もしくは見つけられないのですが、以下の様なサイトで見つけることができるかもしれません。 DataMed Data Discovery Index https://datamed.org/ Zenodo https://zenodo.org/ Dryad | Home - publish and preserve your data (datadryad.org) https://datadryad.org/stash Kaggle: Your Machine Learning and Data Science Community https://www.kaggle.com/ ### e-stats 国内では、e-statというサイトで、時計情報がかなり網羅的に公開されています。 https://www.e-stat.go.jp/ #### 家畜の頭数や感染症 家畜の頭数は、統計表としてe-statから公開されています。 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?page=1&toukei=00500222&tstat=000001015614 畜産統計調査 | データベース | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口 (e-stat.go.jp) #### 特産品の物価 特産品に限定すると難しいですが、一般的な物価については、統計表としてe-statから公開されています。 https://www.e-stat.go.jp/stat-search?page=1&query=%E7%89%A9%E4%BE%A1 #### 医療職種ごとの従事者数 医師・歯科医師・薬剤師統計 | すべて | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口 (e-stat.go.jp) https://www.e-stat.go.jp/stat-search?page=1&toukei=00450026&survey=%E5%8C%BB%E5%B8%AB%E3%83%BB%E6%AD%AF%E7%A7%91%E5%8C%BB%E5%B8%AB%E3%83%BB%E8%96%AC%E5%89%A4%E5%B8%AB%E7%B5%B1%E8%A8%88 ## なかったもの - 地域ごとの販売データ 個別の地域のデータは、思い当たりませんでした。卸売予定数量はありましたが、しかも、オープンデータではないと思います。 https://www.shijou-nippo.metro.tokyo.lg.jp/ 東京都中央卸売市場日報 (tokyo.lg.jp) - 購入履歴、検索履歴 こうしたものは、サービスを提供している企業やが使うことが多いので、オープンデータとなることは少ないと思います。 - 肥料投入量と生産量 これも生産者、もしくは営農ソフトの提供者が収集していて、公開され無いことが多いと思います。 ## 謝辞 本回答の作成にあたっては、合同会社山形巧哉デザイン事務所の山形巧哉さん、東京国立博物館の阿児雄之さん、東京都立大学の大澤剛士さんから、コメントを頂きました。ただし、文章中の誤りは、筆者である岩崎亘典の責任です。