# <center>共ロボルールを考える前に考えること</center> <div style="text-align: right;">Written by さかい、むらつば</div> <br /> # ルールを考える前にとりあえず読んでほしいもの ## 本家ロボコンの考え方 ### [NHKエンタープライズ ・ 学生とロボットはなんだかんだやってくれる - NHK学生ロボコン2015](https://www.nhk-ep.co.jp/gakusei-robocon-150710/) >ロボコンの競技ルールを作ることについて、ある先生はこう言いました。 <span style="color:red">「斬新で教育効果が高く、テレビ番組としても面白く、会場が盛り上がり、致命的な穴は皆無で学生が喜ぶルールを作るべし。ただし製作テスト無し、いきなり本番。あ、失敗したら容赦なく総スカン食うことになります。そんなお題を毎年課せられるのがロボコン事務局です」</span>と。 [name=日景千秋, NHKエンタープライズ グローバル事業本部 イベント・映像展開 プロデューサー] ### ルール決定の舞台裏! | NHKエンタープライズ iHistory(アイ・ヒストリー) > ルール作りの上で最も大事なのは、高専生たちの想像力を刺激し、ユニークなアイデアを引き出すテーマを決めることだ。2015年のテーマに関しては昨年までの動向を踏まえ、事前に委員会から「見ていてわかりやすいもの」「スケール感のあるもの」「機能が競技開始からすぐに発揮できるもの」「アイデア選択の幅があるもの」「インタラクティブ性(相互干渉)があるもの」という<span style="color:red">5つの方向性</span>が示された。 [name=藤原敬久, NHKエンタープライズ 事業本部 企画事業 チーフ・プロデューサー] <br /> 番外編: ### [今年は史上初のオンラインイベントで開催!高専ロボコンの舞台裏に迫る](https://note.com/ikeay/n/naeabfe7116d6) > 「諦める」という決断は簡単だけど、<span style="color:red">「アイデア対決」をタイトルに抱える高専ロボコンで、運営側がアイデアを振り絞らなくてどうするんだ</span>と。 [name=新井智久, NHKエンタープライズ ロボコン事務局 プロデューサー] <br /> ## 高専ロボコンフォーラム2018資料より ### 考慮されるポイント * 技術課題の連続性(二足歩行等) * 安全性(過電流、危険防止等) * アイデアが活かせるか? * パワー勝負、お金勝負にならないか? * 類似テーマの有無 ### ルールを作ることの難しさ **1)思いこまない** ・「ぼくのかんがえたさいきょうのるーる」 → 大体、面白くない ・「過去の○○が面白かったからリメイク」 → 今より技術が発達していなかったから面白かった可能性を考える **2)拘束条件を理解する** ・学生の技術レベル、金銭的・人的リソースをしっかり把握する ・決勝戦まで飽きさせないルールか? ・各校で練習できる規模・安全性か ・ロボットだけでなく、フィールドの製作予算も念頭に ・基本ギャンブル(いきなり大会実施) **3)イメージ** ・パッと見て、どんなルールで何をしようとしているか理解できるか? ・学生に「このルールのロボットを作りたい!」というモチベーションが沸くか ・大会を通じて何を学生に学ばせたいか、軸をしっかり据える <br /> ## 共ロボの過去資料より ~~過去3回の共ロボは、**悪名高き約2名が独断と偏見で進めていた**という噂があったりなかったり。~~ ### 共ロボ2018ドキュメンタリー byさかい 共ロボのGoogleドライブを参照してください。 (「ルール作り」という視点ではあまり役に立たないかも) ### [共ロボ2020「宝縄輪ゲットうぇい」のうらがわ](https://hackmd.io/@mrtb/kyorobo2020-behind-the-scenes) byむらつば 悪ノリが多くてすみません。 ### [共ロボ2021「“Flipped-Bottle” Cafe」のうらがわ](https://hackmd.io/@mrtb/kyorobo2021-behind-the-scenes) byむらつば そもそも2020年度のオフシーズンのルールを担当することはないと思ってたんですけどね。 <br /> <br /> # 共ロボのルールを考える上でのポイント 前に挙げた内容および以下に挙げる項目を全て満たすことは、多くの場合で困難である。 優先順位を決めたうえで「如何に多く満たせるか」で極めていくしかない。 <br /> ## 目的を定める 「何をさせたいか」という軸をしっかり定めること。 テーマ、世界観は後付けでいい。教育的視点で考える。 (cf. 最近のトレンド:自動化、不安定要素) <br /> ## 規模感を把握する ### 安全性 * 製作時、練習時、大会時 * 周囲に危害を与えるものは論外、与えないようにする工夫も必要 ### フィールド * サイズ <span style="color:#4a86e8">[第2回] 3m×6m</span> * 各校で練習できる規模であるか * オフだし体育館が借りれず部室で練習するチームもいるかも * 現地での会場設営時のことも考慮する(ロンリウムの定尺、会場の広さ) * (自動制御を含む場合は特に)ロボットの動作エリアにロンリウムの繋ぎ目が含まれることはなるべく避けたい * 形 ( cf.[共ロボ2020の裏側](https://hackmd.io/@mrtb/kyorobo2020-behind-the-scenes) ) * 線対称タイプ * 点対称タイプ * 攻守交代非対称タイプ 高専ロボコンのフィールド形状のほとんどは上記3つに分類でき、中でも「線対称タイプ」が使われることが圧倒的に多い。 しかし、線対称のフィールドでは、戦うゾーンによって動作を逆にする必要があるため、機能の最適化が難しい。そして、左右反転したフィールドどちらもに対応することは、難易度をいたずらに上げることに繋がるとも考えられる。 ロボットがある一定の複雑さを持ちながら、様々な事情からロボットを小さく短期間で仕上げなければならない共ロボでは、「点対称タイプ」が望ましいのではないだろうか。 ただ、共ロボを「本家の練習」と位置付けるのであれば、本家で多く採用される「線対称タイプ」にすることも一理あるかもしれない。 ### 造作物 * 造作物を用意する場合、各校練習時に同じものが作れるか?も大事。 * 前年度の本家高専ロボコンで使用したフィールド造作物を転用する手法もある。 * 不安定要素を含むもの( ex.シーソー )は各校で再現しにくい。 * 「段差」を設けて上手く使えば審判が判定しやすい。( ex.アイテムを台に置くと得点 ) ### アイテム(競技用品) * 共通のモノを使用したいのであれば、コストだけでなく入手性・耐久性も重要。 * 過去の共ロボで市販のお菓子が出てくるのはこのため。意外と耐久性ある。 * ある程度の大きさがないと見辛い。 ( cf. 第1回共ロボ:カントリーマアム ) * 不安定要素を含むアイテムは各チームに用意させると楽。 * リモート開催ではない場合、あまりにも多くのアイテムを使用するとなると大変。 ### ロボット * サイズ <span style="color:#4a86e8">[第2回] 500mm×500mm×500mm → 800mm×800mm×1000mm</span> * 輸送時のことを考慮する。 * アクション * できれば観客側からロボットの動きが分かりやすいものがいい。 * 大きな動きを含んだほうが見栄えの面においても理想。 * コントロール方法 * 手動操縦 * 有線 * 無線 * 自動制御 フィールドの再現性が一層シビアになる * 完全自動 * 自動しか認めないルールだと0点が続出する可能性大 * 半自動:コントローラを使用せず操縦(ベスト・ペット) * 一部自動:途中でコントローラを放置(第2・3回共ロボ) * 1チームの台数 * 予算、人員、時間。 * そんなに……作れないよね。 ### 技術面、スケジュール面 * 教育的側面からできるだけ複雑な課題があるルールが望ましい。 (ただし第2回共ロボに関しては難易度上げ過ぎた説が微レ存) * 製作期間やロボットのサイズ制限などから、機構自体の数は少なくするのが理想。 * 同一の機構で複数の機能をもたせることができるルールにするとゲームバランス的にも上手く行きやすい(物体の大きさ・形状を変える、動作させる距離や高さを変える) * ex.Bottle-Flip Cafe * 共通の機構:ペットボトルを投げて立たせる * 異なる点:テーブルまでの距離・テーブルの高さ * ex.輪花繚乱 * 共通の機構:輪っかを投げる * 異なる点:輪っかの大きさ・ポールまでの距離・ポールの高さ ### 審判 * 審判は人間です。判断能力には限界があります。審判に優しくなろう。 * Vゴール判定、フィールドの両端だと同着時に見にくいかも * アイテムの自敵区別が無い(見分けがつかない)状態で相手のアイテムを持つと反則、ってそれどうやって…… * 得点が無効になったアイテムの見分け方は? * ビデオ判定も出来なくはないが、そこまでやる? <br /> ## 競技形態の方向性を決める 内容が決まればおのずと見えてくる部分も多いが、方向性くらいはあらかじめ整理しておいたほうが平和かも? ### 勝敗 * 得点形式 * レース形式 * Vゴール * 審査員判定 ( ex.美しさ判定 ) 得点や勝敗条件は複雑にすると試合時に苦労する。 外から見た(観客からの)分かり易さも大事。 得点までの過程が長すぎるのも考えもの。 とりあえず1点は取れる(優劣が付く)ようにすると難易度的にも見栄え的にも良くなる。 ### 妨害 * 妨害不可能 * 開始前に干渉 <span style="color:#4a86e8">(Bottle-Flip Cafe:試合前の移動ポール位置決め)</span> * ルールでは干渉があったが実現なし <span style="color:#4a86e8">(出前迅速:蒸籠の奪い合い)</span> * 干渉なし <span style="color:#4a86e8">(ロボット・ニューフロンティア)</span> * 干渉可能 * 直接的干渉 <span style="color:#4a86e8">(らん♪ RUN Laundry:バスタオル戦争)</span> * 間接的干渉 <span style="color:#4a86e8">(輪花繚乱:ディフェンス、輪を相手に向けて投げる)</span> * 接触可能 * 直接接触 <span style="color:#4a86e8">(大江戸ロボット忍法帳:忍法とは名ばかりの剥き出しのぶつかり合い)</span> 干渉は多ければ多いほどトラブル時の対処法を定めておく必要がある。 (そうしないとFAQが荒れる、大会当日も揉める、終わってからも言われる) ただし、無さすぎるのも競技性がなく、難易度調整によっては > <span style="color:black">「残念ながら完璧です」 > 「なんの面白みもない試合を提供するかもしれない」</span> > [name=籔内健人, 東京大学RoboTech, NHK学生ロボコン2018] [time=Mon, July 16, 2018 9:44 AM] が発生する可能性あり。 <br /> 妨害に関してルールを考える上で、大きく2つの方向性がある。 * 妨害を避けるためのアイデアに力を注ぎすぎることを回避するために完全不干渉 * 妨害できてもその間に得点した方が良いような干渉あり * 一発屋の抑制に繋がる? * 上手くいけば三つ巴 (cf.輪花繚乱) 妨害により相手が全く得点できなくなる可能性があるルールは危険。 ### 不確定要素 試合ごとに変わる要素があると、競技性が出やすくなる。 前述の「妨害」で上げた項目のいくつかも不確定要素である。 * アイテムが不安定<span style="color:#4a86e8">(らん♪ RUN Laundry:洗濯物)</span> * フィールド上の造作物が不安定<span style="color:#4a86e8">(ロボット・ニューフロンティア:Tポイントカート)</span> * アイテムの初期位置が変わる<span style="color:#4a86e8">(ベスト・ペット:ブレイクショット)</span> <br /> ## ルールの抜け穴を出来る限り出しておく 全ての穴を塞ぐのが適切とは限らない。 ゲームバランスを崩すようなものを塞いでおけばそれでよい。 簡単に書いているが、実際は全部考え出すのが一番難しい。でも最重要。 あとから見つかると妙な制約追加をするハメになる。 ( ex.ロボット・ニューフロンティア 砦の25mmルール ) 早い話、ルールを公開する前に自分たちでFAQの出し合いをするようなもの。 塞ぎ過ぎはアイデアの幅を狭めることにもなるので、力加減にも気を付けて。 状況によっては「第0回FAQ」を出したほうがいいかも? ( ex. 第3回共ロボ ) <br /> ## その他のキーワード 備忘録程度に。 * チームメンバーの人数 * フィールドそんなに広くない * 競技時間 * 大会全体の尺に影響するかも? * 1試合は3分でも1サイクル(入れ替え~セッティングタイム~試合~入れ替え)は8分程度である * 対戦形式 大会全体の尺に大いに影響する * トーナメント * シングルエリミネーション 1敗した時点で敗退 * ダブルエリミネーション 2敗した時点で敗退 * 予選ラウンド+決勝トーナメント * ルールを一部変える? * リトライ、リペア * 安全第一 * アイデアシート・エントリーシート * そもそも何を書かせる? * 評価基準は? * チーム数に対してチェックできる人員の数は? * オンライン開催 万が一の場合も考えるべき?(コロナ禍特有の視点)
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