距離空間の完備化の構成とその本質的一意性
はじめに
この記事はとある記事のコメントで説明した内容を単体で読めるように加筆・修正したものです.
前提知識は簡単な 微積分 ($\mathbb R$または$\mathbb R^n$上の極限の定義 ($\varepsilon$-$N$論法) と その基本的な性質 (極限の順序の保存など)) と 集合論 (点列 や 商集合 といった概念など) とします. (距離空間の定義等は一応書いておきます. また, 本当は位相空間論の基本的な知識があると望ましいですが, これも仮定しないことにします)
本文
諸概念の定義
まずは, 距離空間における点列の収束といった基本的な概念の定義を述べます. 知っている人は適当に読み飛ばして下さい.