# 第1回EPL感想戦(DRAFT) ## 前置き >(以下を自分の言葉で書く) >- 自己紹介 >- 大会の内容 >- 今回のノートは初心者向けにプレイ時に考えていたことを書いている旨 ハンドをプレイしていた時に考えていたことを、ソルバーの結果を用いながら解説していこうと思います。 新規性のある戦術は特にないですが、ポーカー始めたてでまだ戦略などに詳しくない方の参考になればいいかなと思います! ## ハンド解説 ### 1ハンド目 最初のハンドはこちらです。 https://www.youtube.com/watch?v=k49b6VXx7RE&t=2677s まずはPreflop状況を整理してみましょう。 #### Preflop - ブラインド:400-800 BBアンティ:800 - ポジション: UTG+1 - ハンド: 8h8c - エフェクティブスタック: 22800(28.5BB) - UTG+1(私): レイズ1600 -> BB(あおさん): コール お互いのハンドレンジを見てみましょう。今回トップ総どりのトーナメントであることを考えると、バブルファクターを考慮する必要がないレンジでよさそうです。 BBアンティがあることを考慮し、一般的なアンティがな100BBのキャッシュゲームより広いレンジでオープンします。 ![image](https://hackmd.io/_uploads/rJrfWLQa6.png) 一方、BBのあおさんのコールレンジです。BBアンティありで、2BBオープンのため、かなり広いハンドでコールしています。 ![image](https://hackmd.io/_uploads/HkZBMIm66.png) 今回はこのレンジでPio Solverを用いて計算しています。またベットサイズは以下のように設定しました。(Turn IPはサイズの検証をするため、レイズサイズが多めになっています) ![image](https://hackmd.io/_uploads/S1a0xIkCp.png) これからPostflopをプレイするうえで大事なことは、「自分と相手のアクションはPostflopのレンジの中のどこに該当するか」、「自分のハンドやレンジは相手のレンジに比べてどの程度強いか」など**お互いのレンジとアクションを結び付けて考えること**です。 #### Flop - ポット: 4400 - エフェクティブスタック: 21200 - ボード: 8s7d5s - BB(あおさん, OOP): チェック -> UTG+1(私, IP): チェック トップセットをヒットさせることができました!ラッキーです!にもかかわらず、私はチェックしました。ポーカーを始めたての時に、「強いハンドではベットする」ということを習うと思いますが、明らかに反しています。これは、Preflopのところにも書いた、**自分と相手のレンジを比較した**結果です。 さっそくですが、クイズです! 以下の二つのグラフは、Flopのボードが8s7d5s(今回のボード)とKs8s2dのエクイティグラフです。それぞれどちらのボードのグラフでしょうか?(どちらのボードも、Preflopのハンドレンジは上で記載したものです) エクイティグラフとは、レンジの中でハンドのエクイティがどのように分布しているかを示したグラフです。横軸にハンド、縦軸に相手のハンドレンジに対するあるハンドのエクイティをプロットしています。例えば、8s7d5sのボードに対して96sというハンドは、ストレートが完成しておりエクイティは90%程度で、グラフの右上に位置します。 ※IP(UTG+1)が赤色、OOP(BB)が緑色のグラフです。 ![image](https://hackmd.io/_uploads/HJ_iEDmTT.png) ![image](https://hackmd.io/_uploads/HJaAEv7a6.png) 答えは、上が8s7d5sで、下がKs8s2dです!考え方は強いほうのハンドを比較してみるとなんとなくわかってきます。 まず8s7d5sの右上を見てみましょう。OOP側は96や64などのストレートハンドを持っているのに対し、IP側は最も強いハンドで88や77などのセットハンドです。よって、OOP側のほうが最も強いハンドを持っている構造になります。 ![image](https://hackmd.io/_uploads/SJXsKv7a6.png) 続いてその次に強いハンド群です。それぞれの役の強さは図で表した通りです。IPはOOPにはないオーバーペアのレンジがあるので、上位10-30%のレンジで、IPのエクイティが逆転しています。 ![image](https://hackmd.io/_uploads/ry9Y0bsaa.png) Ks8s2dのエクイティグラフを見てみましょう。IP側はKKのセット、AAのオーバーペア、AKなどのトップヒット強キッカー、QQなどの2ndペアがある一方、OOPにはそれらのハンドはありません。OOPの最も強いハンドは8,2のセットやK8のツーペアであり、レンジ全体的にIPが支配している構造になります。 ![image](https://hackmd.io/_uploads/SJqTCWi6p.png) Flopでの8s7d5s, Ks8s2dのレンジ全体のエクイティ, 期待値は以下のようになります。 ポット: 4400 |ボード|OOP(BB) エクイティ|OOP(BB) 期待値|IP(UTG+1) エクイティ|IP(UTG+1) 期待値| |:--|:--|:--|:--|:--| |8s7d5s|49.749|2060|50.251|2340| |Ks8s2d|36.207|1154|63.793|3246| このように、8s7d5sは拮抗している一方、Ks8s2dはだいぶIPに有利です。これを踏まえて、OOPがチェックした後のFlopでのIPの戦略を見てみましょう。 ##### 8s7d5s ![image](https://hackmd.io/_uploads/B12NkU1RT.png) ##### Ks8s2d ![image](https://hackmd.io/_uploads/r1_fWMoap.png) 緑色はチェック、オレンジ色はポットの33%ベット、赤色は75%ベットです。結果として以下のようなことが言えます。 - Flop: 8s7d5s - 38%の頻度でベットをしており、そのうちほぼすべてで大きいサイズのベット(75%ベット)を使用している。 - つまり、**狭いレンジで高いベットサイズ**を使用している。 - Flop: Ks8s2d - 95%の頻度でベットをしており、そのうちほぼ8割で小さいサイズのベット(33%ベット)を使用している。 - つまり、**広いレンジで高いベットサイズ**を使用している。 なぜこのような結果になるか、定性的に考察してみましょう。 上述した通り、8s7d5sではOOPとIPのエクイティは拮抗しており、ストレートの強いハンド、将来的に強くなるストレートドローやフラッシュドローはOOP側のほうが多く含まれます。このような状態で、高頻度でベットをしてしまうと、OOP側から高頻度でチェックレイズが飛んできてしまい、フォールドせざるをえないエクイティが削られ、プレーが難しくなってしまいます。 また、高いベットサイズを選択することで、将来的にまくられるかもしれないOOP側のツーオーバーやガットショットストレートドローのエクイティを奪うことができたり、チェックレイズの頻度を落とすことができます。 一方、Ks8s2dはIPが全体的に有利です。OOP側の強いハンドは多くないので、チェックレイズされる頻度はそこまで高くなく、また小さいベットでも相手の弱いところはフォールドしてくれるので、そのぶんのエクイティはIP側の利益になります。また、小さいベットで相手から広くコールしてもらうことで、自分に有利な状況を保ったまま、ポットサイズを大きくすることができます。 以下に、2つのボードとIP側のベットに対するOOPの戦略のスクリーンショットを載せるので、ぜひ参考にしてみてください。 8s7d5s 75%ベット ![image](https://hackmd.io/_uploads/rJE8bmjTp.png) 8s7d5s 33%ベット ![image](https://hackmd.io/_uploads/HJyuZXiaT.png) Ks8s2d 33%ベット ![image](https://hackmd.io/_uploads/H1-cZ7jap.png) ここまで、長々とFlopの戦略について説明してきましたが、私の8ポケのハンドを見てみましょう。 [この画像](#8s7d5s)の通り、8ポケはベットとチェックの両方の戦略をとっています(**チェック(緑の領域)のほうが広いから、チェックが有利という訳ではない**ので注意してください!)。つまり、同じ状況になったときに強いからと言って必ずベットするといった偏った戦略になっていなければ、どちらを選択しても基本的に問題ありませんが、今回はチェックを選択しました。 それは、テーブルに座っている相手が始めての方が多かったので、チェックレンジを強くしているアピールをすることで将来的に搾取されないようにすること、あおさんは今までのプレイで勉強されていてブラフを打てるプレーヤーだと感じていたので、ターンやリバーでブラフを誘発したいと思ったからです。 #### Turn - ポット: 4400 - エフェクティブスタック: 21200 - ボード: 8s7d5sKc - OOP: ベット2000 -> IP: レイズ6000 -> OOP: コール まずは、ターンでのエクイティグラフ、レンジ全体のエクイティ、期待値をみてみましょう。Kcが落ちたことで、IP側のAK、KQがトップヒットに、KKがセットに昇格し、OOP側、IP側のドローはどちらも完成していません。Kc自体はIP側に有利なカードでエクイティや期待値も少し改善されていますが、ナッツは依然としてOOP側にありますし、グラフの通りFlopとそこまで大きな変化はありません。 ![image](https://hackmd.io/_uploads/HkNjrXiaa.png) |OOP エクイティ|OOP 期待値|IP エクイティ|IP 期待値| |:--|:--|:--|:--| |48.263|2059|51.737|2341| 早速、OOPに2000点ベットされた後のIPの戦略を見てみましょう。青:フォールド、緑:コール、オレンジ:レイズ6000点、赤:レイズ10000点、紫:オールインです。(Turn以降、より精度が高くなるよう再計算しています) ![image](https://hackmd.io/_uploads/ByNF7Lk0T.png) 直感通り、レイズとコールの混合戦略をとっており、多くの頻度でレイズしています。レイズの中でも、6000、10000、オールインのうち、すべてで6000を選択しています。 ターンでは、戦略の選択ではなく、レイズのベットサイズについて考えてみようと思います。 Pio Solverでは、アクションを固定したときに、前後のアクションがどのように影響をうけるかを計算してくれる「ノードロック」という機能があります。この機能を利用して、IPのレイズサイズを様々な値で固定し、期待値や相手の戦略の変化を見ていきます。 まず、IPの期待値は以下のように変化しました。 |戦略|期待値(IP)| |:--|:--| |GTO(レイズ6000)戦略|2341| |レイズ10000固定戦略|2315| |レイズ21200(オールイン)固定戦略|2264| 続いて、戦略の変化を確認しましょう。 GTO戦略(OOPベット2000->IPレイズ6000) ![image](https://hackmd.io/_uploads/r1OgHIJCp.png) レイズ10000固定戦略(OOPベット2000->IPレイズ10000) ![image](https://hackmd.io/_uploads/HJ8_rLJR6.png) レイズ21200固定戦略(OOPベット2000->IPレイズ21200オールイン) ![image](https://hackmd.io/_uploads/rkH2SI1Ra.png) 期待値の表から、レイズ6000 > レイズ10000 > オールインです。それぞれの戦略の中で、最も**相手がプレイしづらくなる**ものはどれかを感が手見ましょう。 まずGTO戦略を見てみましょう。以下のようなことが言えます。 - 適度な頻度でレイズ、コール、フォールドを混ぜる必要があります - ストレートやセットは100%の頻度でレイズを打っていますが、Kのツーペアなどはレイズとコールの混合戦略になっています。これらのハンドですべてレイズしてしまうと、バリュー過多になってしまいます。 - すべてのフラッシュドローやストレートドローでレイズまたはコールをするわけではありません。QsTsなどの弱いフラッシュドローは100%フォールドです(このスポットは人間は特にコールまたはレイズ過多になると思います)。 続いて、レイズ10000を見てみましょう。 - フォールドしないすべてのハンドでレイズオールインを選択しています。 - #### River - ポット: 16400 - エフェクティブスタック: 15200 - ボード: 8s7d5sKcQc - OOP: チェック -> IP: オールイン -> OOP: フォールド リバーはドローなどが完成しないQcが落ち、88は非常に強いハンドとなりました。OOPのストレートは、ターンで考察した必要勝率を考えると、Kヒットやセットなどからコールをもらえる上、リバーでスペードが落ちた時の対応が難しいので、ターンで3betオールインをするのが普通です。よって、実質8のセットは最も強いといえます(ソルバーの計算結果でも、OOPのストレートはターンでオールインでした) ![image](https://hackmd.io/_uploads/B1wW08jT6.png) 当然88は100%の頻度でオールインです。OOPのターンのコールレンジにはKヒット系がほとんどなので、IPのバリューの下限はKQです。ブラフに関しては、OOPにストレートが存在しない以上、ストレートを抑えているブロッカー(9,6,4のカード)はあまり関係なく、JT, A4, 44など、単純に弱いハンドから選ばれている印象です。 リバーのブラフとブラフキャッチについては、別のハンドで面白いシーンがあったので後日また取り上げられたらなと思います! ### まとめ 今回、私が出演した配信を通して、以下のようなポーカーの基礎的な考え方をまとめました。ポーカーを始めたての方はぜひ参考にしていただけるとうれしいです! - Flopにおけるベット戦略 - 自分と相手のレンジ、ボードを考慮して適切なベットレンジとサイズを選定する - ポットコントロールを意識したベットサイズ - 相手からのレイズ、リバーでのオールイン、必要勝率などを考慮して適切なベットサイズを選択する