###### tags: `スピーカー` # 無戸籍を支援する会,市川さんの話を聞いて 9月23日 取材 インタビューを通して感じた話をできるだけわかりやすく伝えられたらいいなと思っています.市川さんの話を二つの側面から掘りたいと思います. ## 側面1:無戸籍の実態 私たちは無戸籍を身近に感じれないぐらい戸籍のある人は幸せに生きている.その一方で戸籍のないひとが味わう苦痛はしれないし,知るよしもなかった. ### どんな苦しさがあるか. 1.基本的人権3つがまず守られない. 2.十分な教育が受けられない. 3.差別を受ける.(仕事ができない) 4.子供の代までその辛さが続く. 上記4つは連鎖的に起こることでもある. 十分な教育を受けられなかったから読み書きができず,手につく仕事がなかったり,その影響で自分が産んだ子にも辛い思いをさせるなど. ### なぜ無戸籍者は存在するのか. 1.300日問題 >母が,元夫との離婚後300日以内に子を出産した場合には,その子は民法上元夫の子と推定されるため,子の血縁上の父と元夫とが異なるときであっても,原則として,元夫を父とする出生の届出以外受理されず,戸籍上も元夫の子として扱われることになるという問題 2.海外出身であること - 300日問題の中でも,もともと結婚していた家庭にDVがあった影響で離婚したとき,その300日以内に子供を作ったとする.それはDVを受けていた家庭の子供になってしまうが,それをしれば,もっとDVがひどくなるかもしれずそれによって申告できないこともあるそうだ. - 海外出身はまた複雑で,海外と日本の間で子供が産まれたとき,出生を示すのは母親の方である.母親はお腹を痛めて産んでいるから出生の証明が唯一できる.証拠がないと戸籍はできないから,母親の証明がいる.母親が海外の人であり,かつ男の方と結婚していなければ,海外の戸籍になってしまう. ### 無戸籍者を助けるということ このような非常に複雑な問題を取り扱うとなると,裁判を起こすことが普通なようだ.裁判を起こせば,お金もかかるし,時間もかかる.しかし,先に示すように,無戸籍者の人の苦しみ,境遇を考えれば,そのような時間やお金を用意することは難しい. #### どのように難しいか. 1.裁判にお金がかかる. > 裁判を起こす場合,諸々入れると30〜40万以上になることは資料からも明らか.これが免除されるには,生活保護を受けるのだが,生活保護を受けるとしても,この裁判,事件はすぐには収束しない.3〜5年かかることもある.つまり,生活保護(最低限の生活)を3〜5年受けなければならない. 2.読み書きができない. > 無戸籍者の人には読み書きができない人もいる.そのような人は裁判や市役所などの手続きが行えない. 3.行政の制度が整っていない > 行政は縦割りであるが故に横との連携が薄く,システマチックに国民のために動くことはできても「臨機応変」に困っている人のために動くのは難しい.現に,多くの市役所では,無戸籍者に対して門前払いをすることだってある. 4.自分とは何か. > 無戸籍である人が戸籍を作るとき,やらなければならない一つが,自分はどこの戸籍にも属していないということである.隠し子であったり,何らかの怪しい事情で戸籍を登録していないわけではないということを示さなければならない.ただ,その示す際に,自分が誰であるかが書類上わからないため,手続きなどが非常に複雑になる. ### 無戸籍を支援する市川さん けど,そのような中でも折り合いをつけて,戸籍を取りたい人もいるし,幸せに暮らしたいと願う人も多い.それを支援しているのが市川さんである. - 全員に戸籍をとらせることを強いるわけではない. - その人の幸せを考えて,そこに寄り添い会いたい. これが市川さんである. お節介だけど,いいお節介だと思う. 相手のことを考える.「相手の幸せとは?」を考える - **つまり,こちら側の幸せを強制しない.その人の幸せは別である.** ということを強く認識されている方. ## 側面2:市川さんという人 このような支援ができるのは尋常ではない体力と行動力がいるのは目に見える.しかし,市川さんはこういう. 「私は知らん顔することができないのです」 しかし,その知らん顔ができないという市川さんの理念にはどこか深い意味がありそうだ. ### なぜ,無戸籍者支援を始めたのか. - 自分の店で働いていた人が無戸籍者だったことが始まり. - マイナンバー制度が始まり,今までより戸籍に関する話題がホットになった. - マイナンバーができたことで脱税をしていないかを取り締まるべく,多くの企業で従業員のマイナンバー提出を義務付けられた.しかし,従業員は戸籍がなくマイナンバーがない. - 初めは市川さんは,面倒くさいからマイナンバーを取ってこないだろうと思ってついて行ったら本当に戸籍がなかった. これが経緯である. ### なぜ,この支援を続けられているのか. 市川さん:「私は結構,無戸籍者の人に受け入れられるんです.無戸籍者の人って,言い方がキツかったり,自分の境遇が半端ないものだから,他の人にきつく当たることが結構あるのね.だけど,なぜか私は受け入れられるらしいの.それでね,支援できて,無戸籍の人の役に立てることができたとき,そこが嬉しくて続けれるのね.」 ### なぜ,市川さんは受け入れられるのだろうか. これは市川さんの話を元にした私の考えも含まれている. 市川さんは壮絶な人生を送っている. 物心のついた4,5歳のとき,母親の首吊り自殺を目の当たりにした. 誰も助けてくれなかったという. その後,3回母親が変わったそうだが,三番目の母親から暴力やDVを受けて家から逃げ,中退. 市川さんは言う. 「(当時は)助けてと言っても誰も助けてくれなかったね」 「だからこそ,見て見ぬ振りができないのかも」 壮絶な人生を歩む,社会の闇もみる,だからこそ,そこで苦しんでいる人のことを自分が当事者となりわかるのかもしれない.だから受け入れられる.そう私は感じた. ### 市川さんの素敵さ 市川さんはとても謙虚な方であった.商売としての損得を考える立場と,無戸籍を支する人助けという損得勘定抜きの考え.これが対比されていた.彼女はいう. """ **「結局,私は自分のためにしているのかもね」** """ 無戸籍の人を助けるということは,何も自分の特にはなりえない.逆に社会からの逆風に煽られることもある.しかし,なぜ自分のためになるのか.それは,助けていると,いろんな人との出会いがあり,それがどこかで繋がるといったことが自分の中でよく起きているからだという.これはTEDx2021で考えてたConnectにも繋がると感じられる. """ **「私が立ち上がらなきゃって.でしょ?」** """ 僕らはこのような行動力には疑問を持つ.どこが原動力なのかをつき止めたくなる.突き止めて中高生に伝えれると,明日から何かを変えようとする中高生の一助になることを願うからだ.しかし,そこまで深い意味はないんだとおっしゃられる.見て見ぬ振りができないからなのだと. ## トークとして何を伝えるか. 市川さんには上記に挙げた二つの側面があると書いた. 1. 無戸籍を支援する側面 2. 市川さんという人の側面 この2点を織り交ぜて伝えられることが最高だろう.しかし,これは簡単ではないのだよね.なぜなら,中高生に何を伝えればいいのかを考えたときに,ただ単に無戸籍について知りましょうなら,それは他の番組でもできることである.私たちは何を理念に,何を目標に市川さんという人のトークを通して何を感じてもらうのか,これから本気の勝負が始まるのかとワクワクするのである.