# プログラミング環境構築ガイド 〜Linux編〜 ## 想定環境 Ubuntu のバージョン 20.04 以上を想定しています。 Arch Linux など別のディストリビューションを使用している方は... 玄人ですね。この記事を読むまでもないでしょう。 ## このガイドの目標 - プログラムを書く最低限の環境を整える - C/C++, Java, Python, Rust, Go を実行できるようにする - AtCoder のアカウントを作成する - (おまけ) ホームディレクトリ直下のディレクトリ名を英語にする ## Linux の更新 プログラミング環境を整える前に Linux を最新の状態に更新しておきます。 端末エミュレータ (ターミナルやコンソールとも呼ばれる) を起動してください。 Ubuntu では `Ctrl+Alt+T` で端末エミュレータを起動できます。 下記のコマンドを入力して Enter で実行してください。 ``` sudo apt update && sudo apt upgrade -y ``` ![Linux 更新の様子](https://i.imgur.com/UyP86ji.png) 最初にパスワードを訊かれるので入力してください。 メッセージがたくさん表示されてインストールが完了します。 ## コンパイラやランタイムのインストール 色々なプログラミング言語を使えるようにします。特に理由がなければ全てインストールしちゃいましょう。 下記に C/C++, Java, Python, Rust, Go のインストールをするコマンドを示します。それぞれ実行してください。 :::info ##### 下記のコマンドの意味について - `sudo apt install {パッケージ名}` で指定したパッケージをインストールします。 `-y` を追加すると「インストールしますか?」の部分で Yes を打つ手間を省けます - `{コマンド名} --version` でバージョン表示します。 もしバージョンが表示されずエラーになったらインストールに失敗しています。先輩に助けを求めてください。 ::: ### C/C++ ``` sudo apt install build-essential -y gcc --version ``` ### Java `java` コマンドのバージョン表示は `--version` ではなく `-version` なので注意してください。 ``` sudo apt install default-jdk -y java -version ``` ### Python `python3` と `pip3` をインストールします。 ``` sudo apt install python3 python3-pip python3 --version pip3 --version ``` ### Rust ``` curl --proto '=https' --tlsv1.2 -sSf https://sh.rustup.rs | sh ``` この時、下の画面が表示されたら **1** と入力してください。 ``` 1) Proceed with installation (default) 2) Customize installation 3) Cancel installation > ``` そしたら以下のコマンドを実行してください。 ``` source ~/.cargo/env cargo --version ``` ### Go ``` wget https://golang.org/dl/go1.16.3.linux-amd64.tar.gz sudo tar -C /usr/local -xzf go1.16.3.linux-amd64.tar.gz echo 'export PATH=$PATH:/usr/local/go/bin' >> ~/.profile echo 'export PATH=$PATH:$HOME/go/bin' >> ~/.profile go version ``` すべてエラーなくバージョン情報が表示されたら、インストールが正常に完了したことになります。おめでとうございます。 ## テキストエディタのインストール 続いてプログラムを書くための道具をインストールします。 この道具は「**テキストエディタ**」や単に「**エディタ**」と呼ばれます。 テキストエディタにはたくさんの種類がありますが、 高機能で世界で最も利用者数が多い **Visual Studio Code** をインストールすることにします。 :::info Visual Sutdio Code は **VS Code** と略されることが多いです。 ちなみに **Visual Studio** という開発環境もあります(こっちは後ろに「Code」がない)。 Visual Studio と Visual Studio Code は別物です。 ::: せっかくなので、これから先自分で新しいものをインストールしたいときも似たような流れでできる方法を紹介します。 ### (1) 公式ページからパッケージ情報のファイルをダウンロードする まず [VS Codeの公式ページ](https://code.visualstudio.com/) へアクセスします。 「.deb」をクリックして VS Code のインストール情報に関するファイルをダウンロードします。 <img src="https://i.imgur.com/99azYI1.png" style="box-shadow: 0 0 8px 3px rgba(0, 0, 0, 0.4); margin: 10px;"/> ### (2) .deb ファイルをもとに VS Code をインストールする 端末エミュレータを起動して、.deb ファイルをダウンロードした先のディレクトリへ移動してください。 何も設定していなければ、おそらく `~/Downloads` (あるいは `~/ダウンロード`) ディレクトリの中に .deb ファイルが置かれていると思います。 ```bash cd ~/Downloads # もしくは `cd ~/ダウンロード` ``` `ls` コマンドでディレクトリ内のファイルを一覧表示します。 ダウンロードした .deb ファイルが存在することを確認してください。 ```console ls # code_x.xx_xxxxx_amd64.deb のような名前のファイルが表示されればOK ``` `apt` コマンドでインストールします。 `./` をつけるのを忘れないようにしてください。 ```bash sudo apt update sudo apt install ./xxxxx.deb # xxxxxは自分のダウンロードしたファイルの名前に置き換えてね ``` VS Code を起動してみます。`code` コマンドで起動できます。 ```bash code ``` これでテキストエディタのインストールができました。 ## AtCoder のアカウントを作成する AtCoder では競技プログラミングの問題を解くことができます。 まずは AtCoder のアカウントを作成します。 1. [公式ページ](https://atcoder.jp) へアクセス 2. 画面右上の「新規登録」をクリック 3. 必要な情報を入力する。赤い <span style="color:red;"> \* </span> のマークは必須項目。そうでないものは空欄でもOK。 ユーザ名はアカウントの表示名としても使われる(ほとんどの場合)。 :::warning **ユーザ名はアカウント作成後に *1度* しか変更することができないので注意!** ::: 4. 「新規登録」ボタンを押すと確認メールが来る。 6. 確認メールを開いて、メール本文内のリンクへ飛ぶとおそらくアカウント作成が完了する ## (おまけ) ホームディレクトリ直下のディレクトリ名を英語にする ホームディレクトリ直下には、`~/ダウンロード` や `~/ドキュメント`, `~/画像` といった名前のディレクトリがあるかと思います。 **これらのディレクトリ名、英語にしたくないですか?** (どうでもいい? にゃーん...) コマンド操作などでディレクトリ名を指定する時に、いちいち `半角/全角` キーを押すのは面倒です。 :::spoiler これらは **XDGユーザーディレクトリ** というものです。 参考: XDGユーザーディレクトリ - ArchWiki https://wiki.archlinux.jp/index.php/XDG_%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AA 以下のコマンドを実行すると、XDGユーザーディレクトリを英語にできます。 ``` LANG=C xdg-user-dirs-gtk-update ``` 確認ウィンドウが表示されるので、「Don't ask me this again」にチェックを入れて「Update names」をクリックしてください。 結果: 嬉しい :::