# 暖まる 2019年6月5日  要するに寒くなければいいのです。冬が寒いのは当然のこと。24時間365日、一定の温度を維持しようとすると、無理が生じます。また、たとえ建物の中を暖かくしたとしても、人間は家の中にこもりっきりで過ごせるわけではなく、屋外の寒さには別途対処しなくてはなりません。  暖房で気温調整するだけが解決策ではなく、動物として兼ね備えた体温調整などは活用しながら、対応していくことが必要です。寒さにより健康を害しない程度に、暖房も控えめにすることがポイントです。 ## 暖房のために必要なエネルギーを考える  部屋や物の温度を上げるためには、熱としてのエネルギーが必要になります。より高い温度にするほど、また最初の温度が低いほど、必要なエネルギーは大きくなります。つまり温める温度差が大きいほどエネルギーが大きいことになります。  また物の量によっても温度の上がり方がちがってきます。お湯を沸かすときに、水の量が少ない場合と、多い場合では、沸かす時間が違ってきます。量が多いほどエネルギーも多くかかります。  もう一点、温まりやすい物質や温まりにくい物質があるという性質の違いもあり、この性質を活用して快適な暖房にも活用されていますが、この点についてはあとで詳しくお話しします。  そして、熱を加える方法にも、たくさんの方法があります。選び方によって、エネルギーの効率が5倍近くも変わってしまう場合があります。  温めるとは別の視点で、熱を逃がさないようにするという点もとても大切です。熱が逃げないのであれば、エネルギーを使わなくても同じ温度を維持することができます。体の表面から熱が逃げないように厚着をしたり、窓を閉めたりなど、ふだんから私たちも実践していることです。もし熱が逃げてしまうようなら、その分を補うためにエネルギーが必要になってしまいまう。 すなわち暖房でエネルギー消費を少なくするためには、 * 加温(温度差)を小さくする * 加温対象物を少なくする * 環境負荷の少ない加熱方法を選ぶ * 熱が逃げないようにする ことがポイントになります。最も有効な方法があるというものではなく、その場に応じて最適な組み合わせを考えてみることが大切です。 ## 達成のステップ  暖かく過ごすためには、たくさんの手段があり、何が適切なのか選んでみることが大切です。結果として多様なスタイルが出てきます。 ### ステップ1 無駄を省く  たとえば、人のいない部屋を暖房するのは無駄です。家全体が断熱されている場合でも、壁面・窓面の屋内外の温度差で熱が逃げるため、不要な部屋は暖房温度を下げておくほうが省エネになります。     熱が漏れてしまっている場所があったなら、それももったいない話です。無駄に漏れている場所を探して、漏れを防いだり、断熱したりしましょう。 ### ステップ2 効果的に暖める  熱の性質を知って、効果的に部屋を暖めてみましょう。  温まった空気は、軽くなるために天井に向けて上昇していきます。ところが人間は床に足をつけて暮らしていますので、天井が暖かくなっても恩恵がありません。天井裏のネズミばかりを喜ばせることになります。 ここで、天井に集まった暖かい空気を活用することができれば快適になります。よく使われる方法としては、扇風機やサーキュレータを使って、天井付近の空気をかきまぜる方法です。部屋の隅で上方向に風を送るようにすると、風が直接体にあたらずに、かきまぜることができます。 ちなみに、うちわを使ってもかきまぜることもできます。この場合には体を動かすので、より暖かく過ごせるというメリットがあります。 ### ステップ3 体を暖める  部屋を暖めるとなると、壁や窓など熱が逃げる面積も多くなってしまいます。暖める対象が少なければ暖房エネルギーも少なくなります。究極的には、体さえ暖かくなっていれば、部屋を暖める必要もなくなります。 そもそも私たち動物は代謝によって熱を発しており、その発生した熱を体外に放出することで体温を維持している生き物です。体から熱が逃げないようにできれば、厳冬期であっても、自分の発する熱で十分暖かく過ごすことも可能です。 冬には手先や足が冷たくなる「冷え性」となる人も多く、血行が悪くなって「しもやけ」を発症する場合もあります。これは体表面からの熱の放出を防ぎ、体の中央の温度を維持するため、熱が逃げやすい末端部分の温度が下がるためのものです。冷え性自体は快適な状態とは言いにくいのですが、体温を維持するための自然な反応のひとつです。逆に言えば、体内での代謝(発熱)が多ければ、冷え性にもなりにくいことになります。このために体を動かすことも大切です。  人間の体が発する熱量はおよそ100W程度になります。体に接する形で温める暖房器具としては、カイロが10~20W程度、電気毛布が40W程度となってます。電気ストーブの1200W、石油ストーブ2500~4000W(電気エネルギー換算)などと比べると、圧倒的に省エネになります。 ### ステップ4 太陽やバイオマスの活用  暖房の方法の選択になります。昔ながらの薪ストーブも有効ですし、炎の調節などを自動的にできる木質ペレットを使ったストーブも市販されています。燃料費としてはもっとも安いとされる石油ストーブよりもやや安い値段で暖房することができます。 また太陽が降り注ぐようでしたら、これを活用しない手はありません。太陽に垂直な面では、1平方mあたり最大1000W近くの熱を受け取ることができ、ひだまりの温かさを作ることができます。昼間だけでなく、冷めにくいようにつくられた蓄熱材料に熱を蓄えておくと、夜になってもほんのり暖かさを提供してくれます。 ### ステップ5 健康を維持する  体を動かしたり、健康を維持することが一番です。風邪をひいてしまうと、悪化を防ぐために暖房が必要になってきますが、健康であれば自らがもっている体温調節機能を活用することができます。 冷え性も、体操などで血行を良くするなどの対策が有効とされています。 そもそも「暖かく過ごす」ことよりも、「健康で過ごす」ことのほうが重要なのかもしれません。 ## ショートドラマ:選択肢がいっぱい 1省エネ暖房の選択 「おい、大丈夫か」 ふと気が付くと、横から友人のMが呼びかけていた。寒さでふるえていたためか、つい無口になっていたようである。Mのほうを向いて笑顔で答えると、Mもうれしそうな顔をした。 「もう少しのしんぼうだ。」 そう言うと、私たちは口を閉じ、ふたたび長い廊下を並んでひたすら歩きつづけた。 会社の廊下は果てしなく長く、しかも寒い。外は薄暗く、雪が降り続いていた。ときおり強く吹く風は、廊下にまで入ってくることはないが、その音を聞いているだけでも、体の芯が冷たくなる。 会社によると、廊下の窓は断熱型になっているそうだが、暖房は入れていないとのことである。私たちは体をさすりながら、目的の部屋に向かって歩き続けた。だんだん足先の感覚がうすれてきて、機械的に足が交互に前に出ているだけのような気がする。果てしなく長く寒い廊下に、本当に目的地に近づいているのかすら、分からなくなってくる。 「もうすぐだ、あの扉を開けたら、おれたちの苦労も報われる」 そして私たちはたどりついた。部屋の扉をゆっくり引くと、オレンジ色の明るい光が漏れ出してきた。まるで別世界にやってきたようだった。  寒さから解放されたのだ。そこには温かい飲み物も用意されていた。 私は、、、、(次の中から自由に選んで下さい) * 温かいコーヒー * 温かいミルクたっぷりのコーヒー * ホットカルピス(R) * 温かい紅茶 * 温かいミルクたっぷりの紅茶 * 温かいコーンスープ * 温かい生姜湯 * 温かいほうじ茶 * 温かい甘酒 * 温かい日本酒 * 温かい赤ワイン * 焼酎のお湯割り に口をつけ、舌先が温まるのを感じた後、ゆっくり息を吸い込み、そして飲み込んだ。喉の奥から温かいものが落ちていくのを感じた。私は幸せだった。 ## 関連情報 * Ecolife情報 冷暖房 https://www.hinodeya-ecolife.com/ecowiki/202.html