# 明るくする 2019年6月5日 人間は夜にもかすかにものを見分けることができますが、細かい文字を読んだり、作業をしたりするのには、一定の明るさが必要になります。 ここ150年の照明技術の向上はすさまじく、暗い夜が、明るく過ごせるようになってきています。 ## 生物学的にみると 夜にも物がみえるというほうが、生物学的に特殊な機能になります。よく夜にものが見えないことを「鳥目」と言います。鳥類は恐竜の生き残りであり、地上の最強の生物として君臨した恐竜には夜活動する必要などありませんでした。 私たち哺乳類は、恐竜が君臨する世界に生まれて、昼間活動すると餌食とされてしまうために、夜に活動することを余儀なくされました。その結果獲得できた能力が、夜にも目が見える能力だとされています。 ## 照明はなぜエネルギーを必要とするのか 光はエネルギーです。物を識別するのは、光の量や質の差を、人強いする必要があります。 * あてる光の量を少なくする * 効率的に光を発生させる * 光の感知機能を向上させる といった対策が有効になります。 ### あてる光の量を少なくする 人間の光検知能力は限られているため、暗くなるとどうしても判別がしにくくなります。特に、高齢者になるとセンサーの能力が低下するために、若い人の倍の明るさがないと、認識できなくなります。 どこまで減らしても構わないのか、調整することが有効です。 明るさではなく、識別することが重要であるなら、階段や通路の端など、色を大きく変えたテープ(基調が暗い色なら、黄色や白色など)で示すことで、比較的暗くしても認識できるようになります。 ### 効率的に光を発生させる 現在最高のLEDでは、理論上発生させることのできる光量の半分程度にまで効率が向上しています。 人間が夜に調整できる光を手に入れたのは、薪などを燃やすことによる炎です。1800年台までは燃料が石油やガスになるなど一部の変化はありましたが、基本は燃やすことによる光でした。ただ、燃やした場合には、もとの燃料がもつエネルギーの99%以上が熱として使われ、光に変わる分は1%に達せず、光を得るという観点からは効率は非常に悪いものでした。 19世紀半ばに電気が商用化され、エジソンによる実用化電球が発明され、明るさは10倍近くになりました。 20世紀に入ると、蛍光灯が発明され、20世紀半ばころから実用的に広まっていきました。蛍光灯は電球と比べて5倍程度の効率となりますが、それでも電気の持つエネルギーの20%程度しか光に変えることができませんでした。 LEDの現象としての発明は20世紀初頭でしたが、実用化は1970年ころから赤・緑色が広まっていきました。ただ白色をつくるためには青色が必要であり、1989年にはじめての青色LEDが生産されました。照明用の商品としては2005年ころから出回るようになりました。LED自体の性能も向上しており、当初のLED製品から比べると2倍以上も効率が改善しています。 ### 検知機能を向上させる 真っ暗の中でも対象物を見分けることができる暗視スコープというものが、軍隊で使われています。可視光線がなくても、生物などが発する熱により赤外線が発生しており、これを映像化することができます。 カメラのセンサーも性能が向上しており、わずかの光でも昼間のように鮮やかに映像を作り出すことも可能です。おもにゲームなどに使われているゴーグルタイプのディスプレイ装置と合わせて使うと、部屋の照明はほとんどつけなくても、ものを識別することができるようになります。 現状では、ゴーグルなどを動かすための電力のほうが大きくなっていますが、情報処理のためのエネルギーはまだまだ各段に小さくすることが可能であり、明るくしなくても構わない世界が構築できるかもしれません。
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