# 不合格体験記 昔のことは忘れたので、ここでは自分の大学受験に対する今の考えを記そうと思う。 ## 学習の構造 まず学習の構造について述べる。ここでは、機械学習との類比によって学習を捉える。 機械学習とは、コンピュータが大量のデータを学習し、分類や予測などのタスクを遂行するアルゴリズムやモデルを自動的に構築することである。ここから学習について以下のように類比できる。 | 機械学習 | 学習 | | -------- | -------- | | コンピュータ | 人間 | | 学習データ | 教材 | | タスク | 与えられた問題に正しく解答すること | 機械学習は、タスクの種類によって以下の3つに分類される。 * 教師あり学習 * 教師なし学習 * 強化学習 各々の詳細な説明は割愛するが、学習はもっぱら教師あり学習に該当する。教師あり学習では、入力とそれに対応する出力が学習データとして与えられ、入力に対して適切な出力が得られる関数を求める。ここから学習について以下のように類比できる。 | 教師あり学習 | 学習 | | -------- | -------- | | 入力 | 問題 | | 出力 | 解答 | | 関数 | 推論モデル | ここでは、私たちは問題を解き解答と照らし合わせ間違い直しをすることで学習する。これをoutput学習と呼ぶことにする。 一方で、人間の学習には機械学習にはない学習方法がある。それは授業を受け教科書を読み学ぶという、推論モデル自体を学ぶ方法だ。むしろこちらが基本だとも言える。これをinput学習と呼ぶことにする。 この2つの学習形態についてまとめると以下のようになる。 | 学習 | input学習 | output学習 | | -------- | -------- | -------- | | 形態 | 推論モデルの形成 | 推論モデルを実行する練習 | | 学習の要点 | 理解 | 解答を出すこと | | 教材の例 | 授業,教科書 | 問題集,テスト,過去問 | 日常の学習と受験勉強の区別は、強いて言えばこの部分にあるだろう。 | 勉強 | 日常の学習 | 受験勉強 | | -------- | -------- | -------- | | input学習 | 多 | 少 | | output学習 | 少 | 多 | 以上のような分析から、以下のような学習モデルを提示する。  四角で囲んだものは機能を持った要素であり、矢印はそれらの入出力データである。例えば推論部は、問題と推論モデルが入力で、推論は出力であると解釈する。 ここで2つの学習形態を強調すると以下のようになる。  ↑こちらがinput学習。  ↑こちらがoutput学習。 以上より学習の構造が明らかになった。以下はこの理解のもとに各論を述べる。 ## モデル構築部 モデル構築部は、推論モデルを構築する部分である。input教材から理論を学び推論モデルを構築したり、output学習で得られた評価から推論モデルを修正したりする。 ここで重視すべき点は、汎化能力である。機械学習には過剰適合と呼ばれる状態がある。これは訓練データに対して学習されているが、未知データに対しては適合できていない状態を指す。こうならないためには、モデルをより抽象化することが大切である。抽象化の際は、「漏れなく重複なく」に気を付けるとよい。 以下具体例を示す。 ### 現代文 これは林修先生の受け売りである。説論文に関する分類である。もともと東大志望だったので現代文は対策していた。結局志望校を阪大に変えたので使わなかったのだが。それでも落ちてしまったのだが。 * 思考 * 類比 * 対比 * 因果 * 一般化 * 伝達 * 例示 * 比喩 ### 数学 「いかにして問題を解くか」や「科学とモデル」などを参考にして自分で構築した。解答プロセスに関する分類である。結局自分は数学で本番やらかしたので、あまり参考にしない方がよいかもしれない。 * 理解 * 実験 * 設定 * 換言 * 計画 * 仮定 * モデルの構造 * 数理モデル * 数 * 式 * 写像 * 具象モデル * 図形 * 数値計算モデル(アルゴリズム) * 場合の数,確率 * 数列 * モデルの性質 * 式の性質 * 対称性 * 周期性 * 量化 * 結論 * 証明 * 極限 * 積分 * 面積・体積 * 量化命題 * 実行 * 検討 ### 化学 これは兄の受け売りである。問題の分野に関する分類である。化学の問題は、以下の4つを頂点とする四面体の内部の点として理解するとよいのだという。料理の四面体みたいなものだ。詳細な分類は受験までにできなかった。 * 理論化学 * 無機化学 * 有機化学 * 高分子化学 ## 推論部 推論部は、与えられた問題に対し推論モデルを適用し推論を導く部分である。 ここで重視すべき点は、処理能力である。早く正確に処理することが重要である。それだけ~。でもそれだけが自分にはとっても難しかった。 ## 評価部 評価部は、推論部の出した推論と模範解答を比較して、どこが間違っているか、なぜ間違えたかなどを分析する部分である。 ここで重視すべき点は、自覚する能力である。学習は、推論部と評価部とモデル構築部が同じ学習者のなかにあるという、いわば自己言及の構造になっている。コンピュータは簡単に自己を参照できるが、人間は意識的に自分を客体として正確に認識する必要があるのだ。これが自覚である。 自覚が出来なければ適切な評価ができず、学習効率が下がったり誤った理解を放置したりすることになる。これを避けるためには、他人に添削してもらうなどの解決策が考えられる。必要に応じて他人に頼ろう。 ## input教材 input教材は、推論モデルの形成を目的とした教材である。主に授業や教科書がこれにあたる。問題集も、解かずに解答を読んでエッセンスを吸収しようとするような場合はこれにあたるだろう。 以下自分がinput教材として用いた参考書を挙げる。 ### 英語 * 鉄壁(KADOKAWA) * 冨田の英文読解100の原則上下巻(大和書房) ### 数学 * 論理学で学ぶ数学(旺文社) * 入試数学の掌握シリーズ(YELL出版) * 解法の突破口(東京出版) * 世界一わかりやすい京大の理系数学(KADOKAWA) ### 化学 * 原点からの化学シリーズ(駿台) ### 物理 * 新物理入門(駿台) ## output教材 output教材は、推論モデルを実行する練習を目的とする教材である。主に問題集,テスト,過去問がこれにあたる。 以下、自分がoutput教材として用いた参考書を挙げる。過去問は省いた。自分が阪大に落ちたのはoutput学習をしっかりしなかったことが原因だと思うので、あまり参考にしない方がよい。 ### 現代文 * 上級現代文1(桐原書店) ### 英語 * 阪大実戦模試演習(駿台) ### 数学 * 阪大実戦模試演習(駿台) * ハイレベル数学完全攻略シリーズ(駿台) * 良問マルシェ(駿台) ### 化学 * 阪大実戦模試演習(駿台) ### 物理 * 阪大実戦模試演習(駿台) ## まとめ 以上のような分析を踏まえ、「バランス」よく学習することが大切であると強く思った。 自分は、推論部の処理能力が低かったため、演習の絶対量を増やせなかった。そのためモデル構築部の汎化能力を高めることで補おうとしたのだが、output学習が少なかったために過剰適合になってしまい、本番では思うように解くことができなかった。 大切だと思うのでもう一度、「バランス」が大切である。
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